The Seal of Orichalcos/オレイカルコスの結界(遊戯王)

登録日:2012/05/31 Thu 17:51:04
更新日:2025/03/18 Tue 09:36:25
所要時間:約 5 分で読めます




その神秘なる力が我の力となるよう

我と我が敵を聖なる刻印の庭で囲め!

オレイカルコスの結界、発動!


Field Spell
This Spell Card is impervious to negation, destruction, and removal.
Increase the ATK power of all your monsters by 500.
You control a back row of monsters that cannot be attacked while a monster is in the front row.
Send this card from your hand to the Graveyard to negate and destroy any card.
The soul of whichever Duelist loses this Duel is forfeit to the winner.

※forfeit=没収

概要

The Seal of Orichalcosとは、アメリカにてUpperDeckが作成した遊戯王のプロモカード。日本版は存在しない。

かのアニメ遊戯王DMの秘密結社ドーマのキーカード、オレイカルコスの結界を再現したカード。

ダメな時はとことんダメだが、やる時はやるUpperDeck。
販売の仕方はアコギな会社だったが、ちゃんとこういったファンサービスもする会社であった。




……さて、上の英語テキストはちゃんと読めただろうか?
せめて、赤い所は読んだかな?
それでは、日本語訳。

フィールド魔法
このカードはいかなる場合にも無効にならず、破壊および除外することもできない。
自分フィールド上に存在するモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。
自分フィールド上に前衛モンスターが存在する限り、後衛モンスターを攻撃することはできない。
このカードを手札から墓地に送る事で、あらゆるカードを無効にし破壊する。
このデュエルに敗北したデュエリストは勝者に魂を奪われる。

明らかに再現しなくて良さそうなとこまで無駄に再現していた。

勿論こんな危ないカードがデュエルで使えるわけなく、
パスワードの所にしっかり「遊戯王トレーディングカードゲームの公式カードではありません」と書かれている。

……最後の文を除いて真面目に考察してみよう。

このカードはいかなる場合にも無効にならず、破壊および除外することもできない。

発動を保証され、対象をとるカードでもとらないカードでも、このカードを破壊して墓地に送ったり除外する事は出来ない。
が、「フィールドを離れない」ではないのでハリケーンに代表されるバウンスする系のカードが相手だと無力。
あと破壊じゃない方法で墓地に送るカード相手にも弱い。

まあ、手札に戻されたのなら次のターンに発動すればいいし、4番目の効果の

このカードを手札から墓地に送る事で、あらゆるカードを無効にし破壊する。

これに転用する事も可能。
手札から発動する為、手を明かしていなければ事前察知は困難で、しかもこのカード以外ノーコストなので状況を選ばずに使える。
ただ、テキストを見る限りカード発動時のみなのか、効果の発動時にも使えるのかは不明。
また先出しマクロコスモスにも無力である。引いた後ならマクロコスモス自体をカウンターすればいいが、閃光の追放者を召喚されたらその瞬間から発動できなくなる。
いくらこのカードとはいえ、基本ルールである「墓地に送れない状況では、墓地に送って発動する効果は、発動自体できなくなる」は無視できない。


次に2番目の効果の

自分フィールド上に存在するモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。

自分のフィールド上限定という点が強みで、火力で攻めるビートダウン型のデッキなら強さをどんどん活かせ…

オネスト「ダメージ計算入っていいかい?」

……種族や属性統一していないデッキでも使いやすい。


一番問題かつ特徴的なのは3番目の効果だろう。

自分フィールド上に前衛モンスターが存在する限り、後衛モンスターを攻撃することはできない。

前衛=モンスターゾーン
後衛=魔法・罠ゾーン

つまり、暗に魔法・トラップゾーンにもモンスターカードを置ける事を表している。
アニメではバクラがモンスターゾーンにも魔法・罠カードを置ける
「ダーク・サンクチュアリ」というフィールド魔法を使ったが、この効果はその真逆と言える。

種族統一デッキなら斬り込み隊長やマジシャンズ・ヴァルキリアといった同種族の他のモンスターを守るタイプのカードを後衛に置き、
前衛にもその種族のモンスターを置く事で、簡単にロックが成立する。
ブラホ無制限?サンボル制限?知ら管。


更にモンスターをフィールドに空いているだけ召喚出来るタイプのカードなら召喚可能枚数の上限が上がり、様々な使い道が出来る。
また、団結の力もモンスターを9枚置いておけば攻撃力7200アップ、フィールド効果の攻撃力500アップも加えれば7700アップと、
雑魚モンスターでもダイレクトアタックが決まれば一撃でライフを0に出来る火力になる。

クリボー「クリクリィ~」
ギゴバイト「ヒヒッ」
もけもけ「もけ~」
カイバーマン「ワーッハッハッハッ……ハ?」

ヤリザ殿「カイバーマンは攻撃力200なので7900で少し足りないでござるよ、拙者の場合なら8700でござるがな」

ただし、魔法・罠ゾーンにモンスターがいる時にフィールド魔法がバウンスされるとどうなるかは不明。



流石はアニメ出身のカードだけあって、もしもこのカードが公式に使えたら影響を与えていただろう。

もっとも、フィールド以外は破壊耐性がつかないし、
同時期に出たカードなら混沌帝龍とかでフィールド魔法ごと消し炭にされるけどな!

ただし手札にあれば逆に混沌帝龍を倒せるので、やはり使い方次第。

ちなみに魂を吸い取られたくないけど相手の魂もいらんという場合は引き分けを狙えばOK。難しいけど。












それから7年後、EXTRA PACK 2012にてまさかのOCG化がなされた。
厳密には海外版(TCG)で先行して登場した、公式デュエルで使用できるバージョンの物である。

フィールド魔法
このカード名のカードはデュエル中に1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在する場合、そのモンスターを全て破壊する。
(2):自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(3):自分フィールドのモンスターの攻撃力は500アップする。
(4):自分フィールドに表側攻撃表示モンスターが2体以上存在する場合、自分フィールドの攻撃力が一番低いモンスターを相手は攻撃対象に選択できない。
(5):このカードは1ターンに1度だけ効果では破壊されない。

さすがに上記のままだと強すぎる上に明らかに余計すぎる効果があるので、色々調整されている。
破壊耐性は1ターンに1度だが、フィールド魔法は除去カードに狙われやすいため、嬉しい効果といえる。
また、フィールド魔法の維持が死活問題となる地縛神Sinと相性がいい。
しかし、破壊効果が乱れ飛んでくる現代の環境では過信できるものではなく、除外・バウンス・効果無効などに無力な点には注意が必要。

攻撃力上昇効果は、500ポイントアップとウォーターワールドやダークゾーンと同じ上昇値。
自分のモンスターだけ、しかも種類を問わず全てのモンスター強化できるので強力といえる。


攻撃力が一番低いモンスターを守る効果はガリトラップ-ピクシーの輪-と同じ。
こちらは強力な効果を持っているが、ステータスが低い《フォッシル・ダイナ パキケファロ》などや、
エレキリギリスや切り込み隊長などのロック効果持ちと組み合わせたいところ。

しかしその分、デメリットが非常に重い。
特殊召喚されたモンスターを全て破壊するデメリットは、ネフティス炎王などで逆手にとれるが、
せっかく出したシンクロ・エクシーズ・リンクモンスターが破壊されてしまう。
さらに発動中はエクストラデッキが使えないので、必然的にエクストラデッキに依存しないような構築が必要となってくる。
エクストラデッキを使わず、かつモンスターの属性がバラける0帝で採用するのも良い。

加えて、特にデュエル中一度限りという縛りがきつく、バウンスや除外されたらもう泣くしかない。
原作再現のため仕方ないとはいえ、使いにくくしてる感は否めない。
まあここはデッキに1枚だけ入れて他のフィールド魔法と一緒にテラ・フォーミングで適時サーチする手法を採れば問題はなくなる。

デュエル中に1枚しか発動できない制約や発動時のデメリットは、ヘルホーンドザウルスなどの効果でフィールドゾーンに置いたり、疑似空間の効果でコピーする場合には適用されない。


環境での活躍

登場当時は、優秀な同期の存在やデメリットの重さから、『オレイカスソス』などと揶揄されていた。
当時はエクシーズモンスターに頼ったデッキが非常に多く、このカードを活かせるデッキが少なかったのである。
その後、デメリットの影響を受けにくい【カオスドラゴン】【チェーンビート】【メタビート】などに採用される例が見られ、このカードのポテンシャルも認知されていくようになる。

その中でも【メタビート】と相性は非常に良い。
メインのモンスターが特殊召喚封じのパキケ結界像など低ステータスのものが多い上に特殊召喚を多用しない為、
このカードのデメリットを受けにくく、ステータスアップや攻撃制限と相性が良い。
また、チキンレースとテラ・フォーミングと一緒に投入することで、デッキを圧縮すると同時にこのカードをサーチできる。

マスタールール3では、フィールド魔法を相手と自分で同時発動できるようになったことにより維持しやすくなった。
ペンデュラム召喚で大量展開できるようになったのも、このカードの趣旨とマッチしているだろう。
エクストラに行ったペンデュラムモンスターは使えなくなるが。

ルール改定での相対的な強化、【メタビート】などでの活躍を経て、一時期は価格が高騰していた。
その後、「RARITY COLLECTION 20th ANNIVERSARY EDITION」での再録され、現在は入手しやすくなった。


アニメでの活躍

ドーマ編にて登場するキーカード。
このカードを発動したプレイヤーの額にはオレイカルコスの紋章が浮かび、使用モンスターはダークモンスターへと変貌する。
ダークモンスター化したモンスターはプレイヤーと同じく額に紋章が浮かび上がり、目は赤く発光して名前も「ダーク・○○○」となる。

結界内なら千年アイテムや古代エジプトに所縁のない素人でもあの三幻神の一角、オベリスクの巨神兵すら使役可能になる。(流石に完璧なコントロールはできず、使用者には目くらみ等の副作用が生じる。)
残念ながら?神のカード三枚はドーマ編序盤で早々にオレイカルコスの神に捧げられてしまったため、敵側として登場したのは一回きりだった。
逆に「伝説の竜」のカードの力とは性質が相反するらしく、このカードを使用してしまったプレイヤーはしばらくの間心の闇が増幅された状態となってしまい、「伝説の竜」系のカードを使った特殊融合が使用不可になる。

このカードが発動されたデュエルでの敗者の魂はオレイカルコスの神に生け贄として取り込まれてしまう。
デュエル自体の中断も(いくつかの例外を除いて)原則不可能であり、どちらとも助かるには前述の通り引き分けにもちこむしかない。
またこの結界には内外から干渉することはできず、物理的に破壊することも(これまたいくつかの例外を除いて)できない。

魂を奪う効果の原理は、このカードそのものに備わった基本能力である「決闘者の心の闇」を増幅する能力によるものであり、結界を創造したダーツなら心理フェイズで言葉巧みに絶望させたりすることで、デュエルの決着を待たずとも強引に相手の魂を奪うことができる。
逆に言うと己の心の闇と向き合い、克服することのできた者に対しては増幅対象となる心の闇がないため不発となり、どちらの方法でも魂を奪う効果が機能しなくなる。

秘密結社ドーマの首領ダーツはこのカードに加えて「オレイカルコス・デウテロス」「オレイカルコス・トリトス」という二枚の永続魔法を扱い、三枚合わせてのオレイカルコスの三重結界で王様達を苦しめた。
これらのカードを破壊できたのは、劇中では名もなき竜の真の姿である伝説の騎士達のみ。
それを意識してかOCG版の名も無き竜にはこのカードの耐性を貫通して除去できる効果が含まれている。






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最終更新:2025年03月18日 09:36