磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~

登録日:2013/12/18(水) 22:01:22
更新日:2024/06/29 Sat 13:00:46
所要時間:約 六 分で読めるで候。




概要で候


磯部磯兵衛物語とは、週刊少年ジャンプ2013年47号から2017年46号まで連載された浮世絵ギャグ漫画で候。作者は仲間りょうで候。
元々2013年26,27号でONE PIECEの作者が急病で突然の休載になり、その穴埋めで突然掲載されたのが事の始まりで候。
そしてそれが好評だったのかジャンプLIVEの広告漫画として34号と36号の巻末(34号は読者ページより後、36号は目次の後で二色カラー)に掲載されたで候。
そして季節が過ぎ同年秋、大好評につきジャンプLIVEでFLASHアニメ化をひっさげて連載に至ったで候。
ちなみに1号二話同時掲載で掲載順も一話目は(初回八話以外)通常連載と同じだが、二話目読者ページの後固定(ジャガーと同じ位置)と掲載順も少し変っているで候。
だが二千十五年11号からは一週につき十一ページ一話のみの巻末掲載になったで候(ただしそれ以降も二話同時掲載もやってたりするで候)。

何と言っても本作の最大の特徴は、登場人物の絵柄のほとんどが「浮世絵」であることで候(男塾風になったりと例外あり)。
初掲載の26号ではそのインパクトからネットで話題沸騰を起こしたで候。
…が二度目の27号ではネタの微妙さから一気に掌返しを受けてしまったで候。
まぁ二話目を描いたのは二月な上、そもそも掲載される予定自体無かったので、大目に見てやってほしいで候。

連載版は読切版より浮世絵を崩しているが、それは完全な浮世絵だと奥行きや空間等の関係で描きづらいためで候。
それ以外にも親しみやすくしたり逆に浮世絵のシーンを目立たせたり等などとちゃんと考えて描き分けているで候。

公式で存在をネタにされており46号の次号予告のジャンプの煽りは「ジャンプ御乱心新連載!」と連載されること自体がネタにされているで候。

ちなみに作者と担当は連載するとは思っておらず、一話と二話目の時点でネタ切れしている(春画以外)事が前回のあらすじで露呈されているで候。
でもなんだかんだでほぼ四年も続いたで候。

二話目の柱に書かれる前回のあらすじも本作の特徴で候(詳しくは後述)。
他にも柱などには小ネタが沢山あるので探してみようで候。

とにかく作者はこき使われプッシュされており、イギリスで春画の取材に行かされたり、1巻と同時発売の一部のジャンプコミックスの宣伝漫画を描かされたり、通常の二話に加え磯兵衛フェスのレポート漫画(しかも二色カラー)を描かされたり、増刊号のNEXTで特別編を本誌と並行連載という形で描かされたり、DRAGON BALLやニセコイやこち亀とコラボ漫画を描く等しているで候。
実際作者も「担当Iがやたら仕事を入れてくる」などとぼやいたりしてるで候。

単行本は最終的に十六巻まで発売されたで候。累計発行部数は百万部突破で候。
読切版二作、広告版二作、これまでのあらすじと磯豆や一部の回のオチのアオリをそのまま載せてあるで候。
ちなみに一巻は余り刷ってなかったのか、発売して二日で実売六十%越えして品切れの声が絶えないで候。
現在は重版されてるので持ってない人は安心して買おうで候。

二千十五年十二月には豆アニメという三十秒のCMアニメとして遂にTVアニメ化されたで候。
三十秒のため原作1話分を省略してMBS、TV東京、TV朝日など局の垣根を越えて様々な所で放送されているで候。
主にジャンプアニメ(銀魂ワールドトリガー等)やウルトラマン列伝おそ松さんなどかなり自由に流されているで候。
そして二千二十四年、WOWOWにてまさかの実写ドラマ化が決定したで候。


登場人物で候

○磯部磯兵衛(いそべいそべえ)
本作品の主人公で候。ぶん殴りたくなるようなウザい顔が特徴で候。
立派な武士を目指すと言ってる事は立派だが、実際は毎日をだらだら過ごし一日の半分が寝るというニート寸前の武士で候。
趣味は妄想と春画を読む事で候。
団子屋の看板娘を好いているで候。

○母上(クソババア)
磯兵衛の母親で候。
磯兵衛の部屋の天井からよく出てきて彼の様子を覗いてきたり、ピシャッの擬音と共にふすまを開けてくる監視役で候。
特に磯兵衛が部屋で春画を読もうとすると必ず天井やふすまから現れるで候。
そのため春画好きの磯兵衛からは(心の中で)クソババアと呼ばれているで候。
基本的には母として武士を夢見る息子を応援しており、彼の言う事を嘘だと微塵にも思わないで候。
要するに、異常なまでの親バカなので候。
更に幽霊を視覚した上ドロップキックしたり、高尾山地獄修行編で空間ぶち破いてお茶の受け渡ししたりと先生と同じく作中屈指の実力者で候。
忍者でもあるらしく、切り札は音をも飛ばすほどの超強烈な風を引き起こす「マザーアース」で候。

○父上(ちちうえ)
磯兵衛の父親で候。
一流の床屋で、正月にしか帰ってこれないほど多忙で候。
ちょんまげがとてつもなく長候。

○中島襄(なかじまじょう)
磯兵衛の友人で候。
某長寿アニメの中島を彷彿とさせるメガネの青年で候。だけど野球はしないで候。
マニュアル本を好み、実践よりも理論に重きを置くマニュアリストで候。
類は友を呼ぶと言うべきか、磯兵衛と同じく春画好きで、女性の前だと見栄を張りたがる面があるで候。

○先生(せんせい)
磯兵衛と中島が通ってる武士校(武士道学校)の先生で候。
常にプルプル震えており、片言で弱々しく話す御老人で候。
見た目は貧弱そうだがげんこつの威力はかなり高いで候。
高尾山修行編では大量の荷物を持ちながらNARUTOみたいな忍者の動きをしたり、座禅では大きい石を砕くほどの喝を入れたり、心頭滅却すれば火もまた涼しを実践したりと作中屈指の超人っぷりを見せたで候。
初期の頃は丸メガネを掛けていたが、いつの間にか掛けなくなったで候。

○団子屋の看板娘(だんごやのかんばんむすめ)
磯兵衛に気がある(と磯兵衛が思っている)団子屋で働く女性で候。
彼女の前で刀を置くといい感じになるという噂があるで候。
もちろん、彼女にとって磯兵衛はただの常連客で磯兵衛が勢いで告白した際、「ごめんなさ…」と言おうとしたで候(その直後に磯兵衛が「お茶が」と告白を濁したが)。
この作品の中では一番美人で候。

○志賀大八(しがだいぱち)
歌舞伎役者のような顔立ちをした市民に慕われている本物の武士で候。
磯兵衛にさや当てされ激怒し、切り捨てようとしたがドジを踏んで自滅した男で候。
以降、磯兵衛への復讐を目論んでいるで候。

○徳川十五兄弟将軍(とくがわ15きょうだいしょうぐん)
江戸で一番偉い徳川さんちの十五兄弟で候。
なぜか十五男の慶喜のみリアル顔で候。
十五兄弟だけに十五話で登場し十五兄弟と言う発想に驚いた人が多いで候。
ちなみに十五話で出したとある流れがネットで流行しているで候。

○犬(いぬ)
将軍の愛犬で候。
生類憐みの令により、家臣や城下の庶民からは将軍と同じ扱いを受けているが、磯兵衛はアホなのでただの犬としか思っていないで候。
何不自由ない生活だが、自由なただの犬だった頃が忘れられないアンニュイなお年頃である模様で候。
いろいろあって三十話で磯兵衛の家に居候することになったで候。
磯兵衛の事は見下しているが、何だかんだで仲良しで候。

○宮本武蔵(みやもとむさし)
かの有名な伝説の剣豪。刀を二つ手に持った幽霊で候。
自分の書いた五輪書を春画を隠すためのカモフラージュにされ、枕扱いされた事をきっかけに磯兵衛を憎んでいるで候。
幽霊のため視認できない上触れないはずだが、何故かクソババアには視認された上、ドロップキックを喰らったで候。
最近は磯兵衛を認めつつあるようで候。

○平賀源内(ひらがげんない)
かの有名な発明家で候。
閃くためには手段を選ばず逆立ちしながらヒラメを顔に乗っける等する変態で候。
江戸時代にトースターやWi-Fiやお掃除ロボや延長コードや扇風機やエアコンや洗濯機やラジカセや掃除機やTVや冷蔵庫や炊飯器などなど造る時代を間違えたものばっかり造っちゃう変態で候。
挙句の果てにはタイムマシンまで造ったで候。
よく団子屋で新発明の構想を練っているで候。

水戸黄門(みとこうもん)・助さん・格さん
かの長寿番組で有名なあの三人で候。
何故かやたら小さいで候。
武士として問題のある行動をした磯兵衛を小さい体を活かして懲らしめたで候。
ちなみに止めは「この紋所が目に入らぬか!」と言ったあと「入った!」と極小の紋所を磯兵衛の目に投げ入れたで候。
おそらくこれをやりたかっただけと思われるで候。

○熊本(くまもと)
高尾山地獄修行編で登場した武士校の講師の一人で候。
かなりリアルなクマの着ぐるみを着た関取と思われる人で候。
柔道の技が得意で候。

○葛飾北斎(かつしかほくさい)
日本人で知らない者はいないであろうあの浮世絵師で候。
鉄棒ぬらぬらというペンネームで春画も書いている性欲もある老人で候。
鉄棒ぬらぬらのファンの磯兵衛と究極の春画を作る約束をしたで候。
五十七話では老死してしまうが、まだ未練が残ってるので孫娘の体を十年憑依するというかなりひどい方法で復活(?)を遂げたで候。
それ以降は体が若く動かしやすいのか、登場頻度が大幅に上がったで候。

○バケモノ
「怖スイッチ」が入って眠れなくなった磯兵衛が羊を数えていたところそのイメージの中に突然現れた化け物で候。
「羊毛ー」と言いながら羊ではなく羊飼いを食べ候。


用語で候

  • 春画
現代で言うエロ本で候。
磯部と中島が愛読しているで候。
ちなみに作者は春画ネタが得意で一、二話目の時点で春画以外のネタがないという状況だったで候。

  • つたや 
本作で出てくる本屋で候。
どう考えてもモデルはレンタルビデオ店「TUTAYA」で候。
ちなみに十八禁コーナーがあり春画はそこに売っているで候。

  • 本おふ
つたやと同じく本作で出てくる本屋で候。
モデルは間違いなく中古書店BOOKOFFで候。
週刊江戸っ子じゃんぷが売っているで候。

  • 団子屋
その名の通り団子屋で候。
現代で言う喫茶店で候。
看板娘がおり磯部はその店の常連で候。

  • 銭湯
その名通り銭湯でありお風呂で候。
磯兵衛の時代は混浴だったで候。
何故か足がすべすべしてて上半身毛むくじゃらなおっさんが多いで候。

  • 武士道学校
通称「武士校」で候。
立派な武士になりたい者が通う学校…のはずだが実際は現代と変わらぬただの学校で、
武士に関わる授業をした描写は滝業や相撲など少数でそれ以外は特に無いで候。
磯部と中島が通っている学校で候。

  • 処す?処す?
あいつ…頭高くない?

 /
 う
 ま
 い
 \
上手い事を言った時、コマの端から発せられるかけ声で候。
徳川十五兄弟の上記セリフと同じくファンの間で大流行しているで候。
今のところ使用は一話、四六話、食戟のソーマ第63話の三回のみで候。


その名の通り前回のあらすじ…ではなく、実際は主に担当と作者の裏事情が語られるで候。
基本的に本誌の二話目の初めのページの柱で書かれるで候。
三十話では犬でもわかるあらすじ(ワンばっかり書いてある)、二十六話ではイギリスまでのあらすじになったで候。
好評だったのか単行本で収録されたで候。
最近ではネタ切れしてきたのか短かったり真面目にあらすじしたりしてるで候。

  • 磯豆
正式名称「磯兵衛豆知識」で候。
主に二話目の柱に書かれるで候。
その名の通り江戸時代の事柄を紹介するで候。
割と普通にためになると専らの評判で候。
こちらも単行本に収録されてるで候。

  • 高尾山地獄修行編
第四十話から第四十八話までかけてやった磯兵衛史上初の続きもので候。
その名の通り高尾山で地獄のような修行をする長編で候。
先生の超人っぷりが披露されたりクソババアが何事もなく空間ぶち破ったり心頭滅却で火もまた涼しを実践したり三途の川を渡ったりとカオスな出来事が頻出したで候。
最終的に全員魁!!男塾な顔になった(宮下先生に許可は取ったらしい)で候。


追記修正お願いするで候。

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最終更新:2024年06月29日 13:00