討鬼伝

登録日:2014/05/06 Tue 14:32:49
更新日:2025/03/01 Sat 01:43:22
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討鬼伝とは、コーエーテクモゲームスより2013年6月27日にPSVita及びPSPで発売されたハンティングアクションゲームである。開発は無双シリーズでおなじみのオメガフォース。
2014年8月28日には様々な要素が加わった「極」が発売。
2016年6月30日には「2」が発売。

◆概要

本作では力なき人々を守るために“鬼”と呼ばれる異形の存在に挑むモノノフたちの戦いを描く。プレイヤーは「ウタカタ」と呼ばれる里に新たに派遣されたモノノフとなり、世界の滅びを阻止するべくこの世に現れた鬼との終わることのない戦いに身を投じることになる。

◆あらすじ

古より、“鬼”と呼ばれる異形の存在と戦う者たちがいた。彼らを称して「モノノフ」(鬼ノ府)という。

千年の長きに渡り「モノノフ」は歴史の影で人の世を守り続けてきた……。

しかし、太平の時代の末、突如、大いなる災厄が訪れる。時が歪み、天地が裂け、各地に異界が出現……。

かつてない大量の“鬼”があふれ出したのである。

多くの土地が“鬼”に飲み込まれる中、「モノノフ」は生き残った人々を里に迎え入れ、“鬼”に立ち向かった。

七日七晩……短くも熾烈な戦いの後、かろうじて人間の勢力圏を守り通した。

後に“オオマガドキ”と呼ばれるこの災厄を経て、「モノノフ」は人の世を守り、治める組織として、歴史の表舞台に立つこととなった。

それから八年――。

いまだ終わらぬ“鬼”との戦いの最前線に、新たな戦士が派遣される。

人の世を滅びから守るため、モノノフたちよ、“鬼”を討て!

◆戦闘システム

★武器

太刀双刀・手甲・鎖鎌の6種類。

○太刀
攻撃の速さ、範囲、威力のバランスがよく、扱いやすい武器。敵の攻撃を避けながら攻撃できる翻身斬や、力を溜めて衝撃波を放つ真空斬などを使い分ければ、多彩な立ち回りができる。癖があまりないため初心者にオススメ。

○双刀
両手に持った小太刀で素早い連続攻撃を繰り出し、手数でダメージを稼ぐ武器。空中と地上を自在に移動でき、空中での攻撃手段も豊富に持っているため、高さを意識した幅広い立ち回りが可能である。ただし、ダメージを稼ぐためには相手に密着する必要があるため、被弾しやすい。

○槍
中距離からの突き攻撃を主力とするため、相手とある程度間合いをとって立ち回れる。槍の柄で近くの敵を殴ることも出来るため、近距離での戦闘も多少は可能。突進してくる敵にカウンターを加えることもできる。一方で、溜め攻撃が主な火力源である為、動きまわる敵は苦手。

○手甲
リーチが短く攻撃範囲も狭いため部位破壊に関しては微妙だが、それを十分に補う程の火力を誇る。ガードが出来る唯一の武器でもある。高い場所の部位破壊を他に任せられる場面ではその偉大な攻撃力が討伐速度で輝く。

○鎖鎌
鎌攻撃と分銅攻撃を併せ持つ武器。近~中距離を自在に動き回りながら攻撃を繰り出すことができる。分銅の溜め攻撃で敵に張り付くことが可能で、さらに、「瞬迅印」を発動することで常時鬼に張り付きながら攻撃できるなど、非常にトリッキーなアクションが特徴である。

○弓
遠く離れた距離から攻撃できる唯一の武器。溜めることで威力を上昇させることができる通常攻撃と、番える回数で性能が三種類に変化する番え攻撃を使い分けることで小型鬼から大型鬼まで幅広く対応することができる。しかし、近距離の敵に対応する手段に乏しいため、他のモノノフの援護の有無よって両極端な結果になりやすい。

☆極から追加された武器

○金砕棒
手甲よりリーチの長い重打撃武器。先端で攻撃することで威力が上がる「豪打」が発生し、豪打を連続で当てると「豪腕状態」となり攻撃速度と溜め速度が上昇する。手甲と違いガードはできないが敵の攻撃を受け止め、跳ね返すことが可能。

○薙刀
攻撃範囲と速度を兼ね備えた切断武器。攻撃を当て続けることで「連舞状態」になり複数部位への攻撃が可能になる。また、「流転」によってあらゆる攻撃を受け流し、絶え間なく攻撃を続けられる。

○銃
弓に続く遠距離武器。鬼に備わる「霊脈」という部分を撃つことでダメージが上がる。「狙撃弾」「散弾」「爆発弾」「貫通弾」「吸引弾」「時限弾」の6種類の弾丸があり、銃ごとにどれか3種が決められている。

☆2から追加された武器

○盾剣
右手に、左手にを持つ。盾で攻撃を受け止めつつ剣で攻撃するのが基本だが、盾にも刃が仕込まれており、それによって攻撃的な立ち回りができる。

○仕込鞭
苦無を発射することで遠距離にも対応できる近距離武器。複数の部位を一度に攻撃できる。刺した苦無を積極的に爆発させることで、鬼千切に必要な武器ゲージを全武器中トップクラスに早く溜めることができる。防御技がないので、適切な位置取りを心がける必要がある。

★ミタマ

日本史上に名を残す200名以上の英雄の魂。8種類の戦闘スタイルに分かれており、モノノフはミタマを武器に宿すことで、「鬼祓い(Rボタン)」+□or△or〇or×ボタンで戦闘スタイルに応じた“タマフリ”という特殊な力を発動させることができる。また、ミタマはレベルを上げる事により様々なスキルを1名につき3つまで(4つ目以降はいずれかのスキルを消去しなければならない)習得することができる。鬼は強い魂を喰らい体内に取り込むことで自身をさらに強化することができるため、現在は大半が鬼の体内に囚われてしまっている。

2ではごく僅かだが、日本以外の歴史上人物や神話の人物もミタマとして登場した。

☆ミタマの戦闘スタイル一覧

○攻
攻撃を得意とする戦闘スタイルで、自身の攻撃力などを上昇させるタマフリを持つ。鬼祓い中に気力回復速度が上昇する。

○防
挑発や被ダメージ緩和など、守備や自他の生存に特化した戦闘スタイル。鬼祓い中、「防御ゲージ」を回復する。「防御ゲージ」はゲージが0になるまで本来体力が受けるダメージを肩代わりする。

○癒
自分や仲間の回復を得意とする戦闘スタイル。回復効果を持つタマフリ以外にも、自身の回復技の効果を上昇させたり、味方に攻撃を当てることでその味方にかかっている状態異常を回復させたりすることができる。

○隠
特殊な立ち回りを得意とする戦闘スタイル。設置型のタマフリなどを持ち、敵を背後から攻撃したときに会心率が上がる特性を持つ。

○迅
素早い立ち回りを得意とする戦闘スタイル。あらゆる行動で消費する気力が減少する。気力消費が激しい武器と相性が良い。

○魂
遠距離攻撃を得意とする戦闘スタイル。鬼祓い中に「魂ゲージ」が溜まる。「魂ゲージ」が溜まるほど、タマフリによる遠距離攻撃の威力が上昇する。

○空
空間を操り、特殊な補佐を得意とする戦闘スタイル。鬼祓い中、鬼祓い範囲内の味方のタマフリ使用間隔を短縮する。

○賭
運頼みの戦闘スタイル。鬼祓いに成功すると、いずれかのタマフリの回数が回復する。

☆極から追加されたスタイル

○壊
部位破壊に特化した戦闘スタイル。鬼を倒すか部位を破壊すると一定時間攻撃力が上昇する。

○献
味方の支援を得意とする戦闘スタイル。ダメージの一部を肩代わりするタマフリ・仲間が無敵になる代わりに自身の体力が減少するタマフリがあるため、回避や防御に慣れたプレイヤー向き。

☆2から追加されたスタイル

○繰
繰鬼という精霊のようなものを召喚し、五大属性の攻防支援を行う戦闘スタイル。鬼祓い中に十字キーで操る属性を変更する。

★表層破壊と部位破壊

大型の鬼は驚異的な力を宿しているため、通常時は攻撃しても体力は減少しない。鬼の体力を削るためには「マガツヒ」という体内の生命力が露出した状態にする必要があり、体の一部を「部位破壊」するか、鬼の表層に一定以上のダメージを与えて表層を破壊することで一時的に全身をマガツヒ化させなければならないのである。

2では、「鬼葬(おにはぶり)」を使う事で、大型の鬼の部位を生命力ごと破壊、もしくは破壊済みの部位の生命力その物を破壊する「完全破壊」が追加された。
例えば足を完全破壊すると鬼は立てなくなり、移動速度が大幅に遅くなったり、腕を完全破壊すると、腕を使った攻撃が使えなくなるなど、戦略的なメリットは大きい。
ただし、完全破壊できる部位は各種決まっており、全ての部位を完全破壊できるわけではない。
鬼葬が使用可能な状態で鬼ノ手を構えると、完全破壊が可能な部位は白く光る。
また、鬼によってはタマハミ中やタマハミ後のみ完全破壊可能な部位も存在する。
鬼によっては、完全破壊後に攻撃方法が大きく変化する種類も存在し、必ず有利になる訳ではないので注意が必要。

★その他のモノノフの能力

○鬼千切(△+〇)
武器ゲージが最大まで溜まった時のみ使用可能。極限まで高めた己の魂の力を込めた一撃を放つ。小型鬼を瞬殺し、大型鬼の部位を一撃で破壊する。

○鬼ノ目(SELECT)
鬼の残り体力や表層耐力、破壊可能な部位及びその状態を確認することが出来る。使用中は自動的に気力を少しずつ消耗していく。他にも、鬼ノ目を使わなければ見付ける事の出来ないアイテムや地祀石(回復ポイント)、特殊な小型鬼などを発見することが出来るようになる。

○鬼祓い(R)
光の陣を作り出し、陣の中にある鬼の死体や切り離した部位などを浄化・封印する。大型鬼の部位は破壊しても一定時間経てば再生してしまうが、鬼祓いによって破壊した部位を封印することで部位の再生を阻止することができるのである。浄化した死体や部位からは素材が出る。体力が尽きた仲間を復活させる力も持つ。

◆作中用語

○“鬼”
絶大な力と驚異的な回復力を持つ異形の存在。人間の魂を喰らい、己の生命力に変えて活動する。時間の概念を超越した存在であるため、現在と過去を行き来することができる。知能が高く、自分が仕掛けた罠にモノノフを誘い込んだり、上位の鬼が下位の鬼を使役したり、指揮官の指示に従って組織的な行動をとったりなど、高度な知性や社会性を有していることが窺える。ちなみに、鬼が戦闘時に上げる声は単なる咆哮ではなく、鬼独自の言葉を叫んでいるという設定らしい。

亜種に相当するものとして、各鬼には体色や属性が異なる「変異種」が存在する。
大型の鬼の変異種は、名前が原種とは異なり、種類によっては体の一部が原種とは異なる形状に変化している。
小型の鬼の変異種は、名前の後に「不浄」「黄泉」「朧」の何れかが付く。
「不浄」は異界に長く適応し、より多く瘴気を吸収した事で、炎熱や水氷の属性を得た個体。
「黄泉」はより多くの魂を喰らった事で、一段強力になった個体。風雷の属性を得ている。
「朧」は鬼ノ目でしか見えない、白い希少な個体。多くのハクが獲れる他、英雄のミタマを呑み込んでいる事もある。

○オオマガドキ(大禍時)
八年前に起きた鬼の大量発生現象。七日七晩に渡る戦いの末にモノノフたちにより一旦は鎮圧されている。この事件によって日本のほとんどが壊滅した。

○異界
オオマガドキと鬼の影響によって時間と空間が歪んだ場所。鬼の勢力圏であり、モノノフと鬼の戦場。鬼が食らったミタマの影響で歴史的な場所や建造物が歪んだ形で出現している。「古」「雅」「武」「戦」「安」「乱」の6つの領域に分かれている。

○鬼ノ府(モノノフ)
昔から人々を守るために鬼と歴史の影で戦い続けてきた組織。8年前のオオマガドキをきっかけに統治機関としての側面も持つようになった。

○中つ国
現在、日本に残っている人類の勢力圏。鬼ノ府の本拠地である霊山を中心に、複数のモノノフの里から成り立つ。ひとつひとつの里には独立した統治権限があり、複数の里による連合国体制をとっている。

○モノノフ
鬼ノ府に所属し、鬼を討伐する戦士達のこと。「鬼を討つ鬼」「金眼四ツ眼の守り人」などともよばれる。

○神垣ノ巫女(かみがきのみこ)
霊山から各里に一人ずつ配属される特別な巫女。鬼や鬼が発する瘴気が里に侵入することを阻止するために里の周囲に結界を張ったり、物質やミタマに残る残留思念を読み取ったりする能力を持つ。これらの能力を行使することは体に強い負担を与えるため、短命の者が多い。

○ウタカタ
主人公が配属されるモノノフの里。異界に隣接している。本作の主な登場人物は全員がこの里の住人である。

○禊場
ウタカタに存在する施設。体を清める事で、一時的にスキルを得ることができる。男と女で使用する時間帯が異なる(青い看板の時は男、赤い看板の時は女が使用出来る)が、異性の使用時間に入ることも普通に可能。先に誰かが入っていると、禊場限定の衣装(滝打ちの修行僧のような格好。透け具合からして下には何もつけてない)を見ることができる。相手が異性の場合、はじめのうちは追い出される(この場合、禊ぎ場の効果は得られない)が、仲良くなると2人で清めることができる。その場合、一緒に清めたキャラに応じて特殊なスキルがつく。主人公がためらいなく異性の使用時間に禊場を利用するのはこれが理由であり、決してやましい理由があるわけではない。ないったらない!

○天狐(てんこ)
ウタカタに住んでいる狐に似た不思議な生物。知能が高く、人間の言葉がわかる。飼い主のために素材を集めて来てくれる。

◆登場人物

○主人公
新しくウタカタに配属された新人モノノフ。あずまの地の出身。その道行きには、数々の出会いと試練が待ち構えている。戦いの果てに何を掴むのか。それはプレイヤーの手に委ねられている。

○桜花(おうか)
武器:太刀/戦闘スタイル:防/CV:浅野真澄
組織内でもトップクラスの実力を持つウタカタのエース。新人の頃より進んで危険な任務に赴くことでモノノフとしての力を磨いてきた。鬼を討ち果たすことを己の使命としており、そのためには命を投げ出すこともいとわない。面倒見がよく、まだ新人の主人公にも親切に接する。妹である橘花を何より大切にしている。

○息吹(いぶき)
武器:槍/戦闘スタイル:魂/CV:野島健児
実戦経験豊富な槍使い。普段は軽薄かついい加減なふうを装っているが、本来の性格は冷静かつ慎重。仲間を戦場から必ず生きて返すことを信条としており、仲間の命のために命令や規則を度々無視するため、高い実力を持ちながらも組織内の評価はあまり高くない。

○初穂(はつほ)
武器:鎖鎌/戦闘スタイル:迅/CV:野中藍
鎖鎌を操る天真爛漫なウタカタのムードメーカー。少々意地っ張りだが、明るく賑やかな性格。何故か自身をウタカタのモノノフの中で最も年長であると言い張っている。自分のいた場所への郷愁を捨てきれずにいる。

○富嶽(ふがく)
武器:手甲/戦闘スタイル:攻/CV:福原耕平
拳一つで戦場を渡る百戦錬磨のつわもの。言動は粗暴かつ荒っぽいものの、根は仲間思いであり面倒見もいいため、周囲からは兄貴分として慕われている。

○那木(なぎ)
武器:弓/戦闘スタイル:癒/CV:佐藤朱
正確無比な弓の名手。真理の探求を志す学者でもあり、鬼の研究を生業としている。柔和で人当たりがよく心優しい性格だが、一度説明を始めると止まらない「説明魔」でもある。知的好奇心が旺盛であり、興味のあることには子供のようにはしゃいでしまうことも。

○速鳥(はやとり)
武器:双刀/戦闘スタイル:隠/CV:中尾良平
組織内での面倒事を引き受ける孤高の仕事人。指示や指令を忠実に成し遂げることを信条とする。必要以上の事は語らない寡黙な性格。実は天狐のようなかわいいものが好き。

○大和(やまと)
CV:高塚正也
ウタカタの代表者。他のモノノフを指揮統括する。かつては英雄とも呼ばれたほどの凄腕のモノノフであったが、オオマガドキで片目を失ったことで現在は前線から身を引いている。基本的には自他に一切の甘えを許さない厳格な人物だが、仲間の身や心情を案じて励ましたりなど、本質的には慈悲深く情に厚い。木綿の父でもある。

○橘花(きっか)
CV:庄司宇芽香
ウタカタの神垣ノ巫女で、桜花の妹。里の周囲に結界を張り、鬼の侵入を防ぐ役を担う。巫女としての力を行使することで自らの体が衰弱し、死が近づくことを内心では恐れているものの、責任感が強く負けず嫌いな性格であるため、ウタカタの里を守るためならば自らの死も受け入れようと懸命に努力している。

○秋水(しゅうすい)
CV:赤羽根健治
モノノフの研究員。鬼の生態や弱点を分析し、モノノフたちに戦術情報を提供する役目を担う。冷静かつ物静かな人物。

○木綿(ゆう)
CV:斉藤佑圭
モノノフ本部の受付嬢。大和の娘でもある。明るく優しい性格で、誰にたいしても分け隔てなく接する。ウタカタに住む男性たちのアイドル的存在。

○たたら
CV:川津泰彦
鍛冶屋。モノノフ達が持ち帰る素材を加工して、武具を作り出すことを生業としている。非常に頑固な性格。頼まれたものはどんな物でも作ることを信条としている。

○樒(しきみ)
CV:牛田裕子
ミタマを祀る祭祀堂の巫女。モノノフとミタマの結びつきを強め、力を引き出すことができる唯一の人物。非常にマイペースな性格。趣味は貯金。

◆鬼







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最終更新:2025年03月01日 01:43