登録日:2014/05/28 Wed 19:00:00
更新日:2025/03/26 Wed 14:31:55
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『デッキカスタムパック01』(ゼロワン)とは、2014年4月19日に発売された
遊戯王OCGのエキスパンションである。
遊戯王ARC-Vのスターターデッキを強化するためのパックで、カードはすべて再録されたもの。
全30種のカードは基本的にすべてノーマルだが、全てのカードにノーマルパラレルレア仕様が含まれており、
特に7種類のカードはウルトラパラレルレア仕様となっている。
どっちにしろ極端に出にくいカードが存在せず、種類も少ないので、光り方に拘りがないなら一箱買えば全カードがそろうものと思われる。
パラレルを集めるにしても、1パック6枚のうち1枚はどちらかのパラレルカードが含まれているため比較的楽である。
パラレルの光り方は海外版などで見られた星を散りばめたような加工、いわゆる「スターホイル」で全体的に見て非常にカッコイイ。
是非通常パックにも導入してほしいものである。
その内容は初心者でも扱いやすい汎用性が高くかつとにかく単純な効果を持ったもので占められており、
『フォトン・スラッシャー』を筆頭に『地砕き』『魔導戦士 ブレイカー』『仕込みマシンガン』『ダンディライオン』といった
わかりやすく強いカードが中心である。
「初心者がとりあえず汎用カードを揃えるためのパック」としては
「
GOLD SERIES」のコンセプトを受け継いだといえるが、
1パック4枚150円の金箱と違いこちらは全カードがノーマルとなったためか、1パック6枚150円とお手頃価格である。
パック表面の「まずはコレ!」「キミのデッキを強化しよう!」という言葉通り、
正にデュエルの世界に踏み出したハリキリ☆ボーイ達全員にお勧めすべき逸品である。
追記・修正をお願いします。
ここで、さっき挙げたのを含む30枚の内訳をご覧ください。
(☆マークはウルトラパラレル仕様を含む)
カッコ書きで添えたのは、パックに付属する紙片「デッキカスタムガイド01~08」全8種の要約。
DC01-JP001 《疾風の暗黒騎士ガイア》☆(2体リリースしないと出せないレベル7モンスターをリリース無しで召喚できる!)
DC01-JP002 《
荒野の女戦士》(複数枚投入すれば相手の攻撃に耐えつつ戦線を維持できる)
DC01-JP003 《フォトン・スラッシャー》(アドバンス召喚のリリースとしても活躍できる、このテキストを持っているモンスターはペンデュラムでは特殊召喚できない)
DC01-JP004 《
ブレイドナイト》(リバースを封じられるので裏守備を恐れず積極的に攻撃しよう)
DC01-JP005 《
切り込み隊長》(なんと自分フィールドに2体のモンスターが揃う)
DC01-JP006 《マハー・ヴァイロ》(「名工 虎鉄」でデーモンの斧をサーチし3050)
DC01-JP007 《魔導戦士 ブレイカー》☆(伏せを割るかどうか見極めていこう!)
DC01-JP008 《
久遠の魔術師ミラ》(ピーピングで相手のカードの対策をしながら次の戦術を組み立てていこう!)
DC01-JP009 《王立魔法図書館》(相手より先にエースモンスターを引く)
DC01-JP010 《ホワイト・ホーンズ・ドラゴン》☆(ペンデュラム召喚しても効果を使える)
DC01-JP011 《ストロング・ウィンド・ドラゴン》(バイス・ドラゴンをリリースして攻撃力3400)
DC01-JP012 《バイス・ドラゴン》(上級モンスターのリリース要員)
DC01-JP013 《ドル・ドラ》(特殊召喚がエンドフェイズなのでフィールドに残りやすくアドバンス召喚にも使いやすい)
DC01-JP014 《人造人間-サイコ・ショッカー》☆(リングデッドの呼び声でミラフォや激流葬にチェーンして蘇生して無効にする)
DC01-JP015 《スケルエンジェル》(妨害されにくいドロー効果なので相手の攻撃を防ぎつつ手札を整えよう)
DC01-JP016 《名工 虎鉄》(マハーヴァイロと相性がいい)
DC01-JP017 《ダンディライオン》☆(このカードを含め相手の攻撃を三回しのげる。
裏は綿毛トークン)
DC01-JP018 《最強の盾》(スターターの「千年の盾」に装備すれば攻撃力3000)
DC01-JP019 《バウンド・ワンド》(「朱雀の召喚士」とのコンボでモンスター2体並ぶ)
DC01-JP020 《ドラゴン・シールド》(強固な守りを作り上げる)
DC01-JP021 《地砕き》☆(同じ守備力のモンスターが2体以上いる時は、破壊するモンスターを選べる)
DC01-JP022 《打ち出の小槌》(「荒野の女戦士」をデッキに戻す)
DC01-JP023 《魔導師の力》(ペンデュラムゾーンのカードの含めるので攻撃力が実際上がりやすい)
DC01-JP024 《一族の結束》(魔導師の力とコンボ)
DC01-JP025 《ライジング・エナジー》(相手の「虚栄巨影」をメタれる)
DC01-JP026 《マジシャンズ・サークル》(「お注射天使リリー」で追撃)
DC01-JP027 《竜の逆鱗》(オッドアイズ・ドラゴンと相性がいい)
DC01-JP028 《魔法の筒》☆(「ライジング・エナジー」を相手に使い1500バーン)
DC01-JP029 《時の機械-タイム・マシーン》(「荒野の女戦士」と相性がいい)
DC01-JP030 《仕込みマシンガン》(ペンデュラム召喚での大量展開後に発射。相手の戦術を惑わそう!)
そもそも、2014年に販売されたスターターはバニラサポートがメインとはいえバニラが満載(8枚)され、
三箱合体させても売りのはずのペンデュラム召喚がほとんどできないというものである。
単品ではペンデュラム召喚のエクストラデッキから特殊召喚というシステムを全く使う事ができず、
そもそもペンデュラムモンスターが2枚しか入っていないためペンデュラム召喚そのものが困難。
強化パックも1つになった上に汎用カードはことごとくこちらに回され光るカードも新規の
オッドアイズ・ドラゴンのみである。
新規の「星読みの魔術師」「時読みの魔術師」「補給部隊」ぐらいしかロクなカードがなく、
そのラインナップははっきり言って「時代遅れ」の一言に尽きる。
『マハー・ヴァイロ』や『時の機械-タイム・マシーン』、『スケルエンジェル』辺りには
子供のころお世話になった人もいるかもしれないが、はっきり言って今汎用的に使えるカードではない。
『デッキカスタムガイド』はその名の通りデッキのカスタムの仕方をガイドする紙だが、
デッキレシピとかが載ってるわけではなく、ただ単に一枚一枚のカードを解説しているだけである。
ちなみにこのパックでの(初心者向けの使いやすさを考慮した)当たりは
《ダンディライオン》(簡単にトークンが出る)
《フォトン・スラッシャー》・《バイス・ドラゴン》(召喚権を潰さず出せるシンクロ・エクシーズ要因)
《人造人間-サイコ・ショッカー》(時代遅れ感はあるが出せれば強い・専用サポートもある)
《魔法の筒》(優秀な防御カード)
《地砕き》(優秀な除去カード)
《一族の結束》(種族統一デッキの要)
《荒野の女戦士》(このパック唯一のリクルーター)
くらい。
ただし、《ダンディライオン》・《フォトン・スラッシャー》以外は当時のレートでもシングルで100円もしない値段で買える。
コナミ的にはこのパックの売りは『ダンディライオン』のようである。
確かに当時ダンディライオンは再録されてもノーマルレアやシークレットレアであったため入手困難な状態が続いていた。
その面で見ればダンディライオンがほしかった決闘者にとってはちょうど良かった…かもしれない。
もはやどうでもいいかもしれないがペンデュラム召喚がロクにできないスターターデッキのペンデュラム召喚を補佐するようなカードは全くない。
デッキカスタムガイドにはペンデュラム召喚に関することが結構触れられてるのに……
一応『人造人間サイコ・ショッカー』などはペンデュラム召喚とは相性がいいがそもそもペンデュラム召喚がまともにできないであれば意味はない。
ついでに言えばエクストラデッキのカードは1枚も入っていない。
それでも『フォトン・スラッシャー』などの光った経験が無く需要が高いカードがウルトラレアになればコレクター需要があると期待されていた。
だが現実はウルトラパラレルレアは全てウルトラレア経験済みのカードという選出。
一応、パラレルレアの仕様が独特の物であり、『フォトン・スラッシャー』のパラレルレア仕様など、独自の物も存在するが。
もちろん現役デュエリストからの評判はよくない。
ターゲット層である初心者からもネットでの悪評で避けられてしまったのか、
同日に発売され、既存カテゴリ強化や新たな環境上位【シャドール】の評判が上々で
売り切れ続出中の「ザ・デュエリスト・アドベント」に対し、こちらはダダ余りである。
パック表面の「まずはコレ!」はネタにされている。
これに活用法があるとすれば、値崩れを利用して箱で買いシールド戦やブースター・ドラフトでもやるぐらいだろうか。
下級モンスターと上級モンスターは地味にバランス良く揃っているので、一応デッキらしきものは作ることができる。
ホワイト・ホーンズ・ドラゴンをのんびりアドバンス召喚して殴り、魔法の筒でそれを打ち返すという、黎明期のようなデュエルが楽しめる。
現在の高速化環境にうんざりしたデュエリストなら意外と楽しめるかもしれない。
ただし、6枚入りが災いしてきっちり40枚のデッキにならなかったりする。
普段通り8パック開けたら48枚である。フォーティーエイッ!
魔法の筒をブレイカーやショッカーで対策し殴り合うゲームとなる。魔導師の力は強力だが地砕き魔法の筒が裏目になるため装備するタイミングが難しい。
時間潰しとしてはそこそこ遊べるためパックの値段が格安なら一度やってみてもいいかもしれない。
また、実用性はともかくかつて有名だったカードもあり、思い出話のネタにも最適である。
このパックがここまでボロクソに言われるということは、
逆に言うとこれだけのカードが環境に置いて行かれたというこの世の無常の表れなのだから……。
その後、再録パックとして(新規もあるが)「ブースターSP」「コレクターズパック」、
レアリティがスーレア以上の「THE RARITY COLLECTION」等が展開されるが、そちらの評判は良い。
またストラクチャーデッキの再録枠も見直されている。
本パックとスターター2014がこの有り様であった為からかはわからないが、
GX時代から続いていたスターターデッキシリーズは2014に一旦打ち止めとなり、
翌年の2015年には「デュエリストエントリーデッキVS」が発売される事となった。
その後、2016年には【EM】を主軸にしたスターターデッキが発売されている(さすがに当時EMが暴れてたからか、内容は汎用カードで固めてあるが)他、2017年にも【リンク召喚】をテーマにしたスターターが発売されている。
これらは2014が悲惨すぎたためか収録カードも初心者でも扱いやすいものになっている。
2024年には初心者向けとして
タクティカルトライデッキが登場したが、その中身は発売当初の環境デッキ相手にも十分に太刀打ちできる本格派のデッキとなっている。
「これからデュエルをはじめる君へ」ではなく「これから大会で競技性の高いデュエルをはじめる君へ」という言葉がしっくり来るガッチガチの内容であり、それでいて難しい動きなどはほぼしないという
「とりあえずデュエルのルールと流れ」ではなく「とりあえずデュエルの空気とスピード感」を味わわせる100点満点の初心者向け構築デッキである。
これもまた、デッキカスタムパックの反省点を活かした形となるだろうか。
結局「02」の名を関したこのパックは発売されなかった。
追記・修正は02の収録内容が良くなることを祈りながらお願いします。
- 筆者の余談以外は的確な内容だと思うんだが -- 名無しさん (2017-03-28 12:44:32)
- ↑そう思うならあんまり記事に関わらないほうがいい -- 名無しさん (2017-03-28 12:51:40)
- カスパックですらフォトスラ入ってたのにと煽りに使えそうだなw -- 名無しさん (2023-02-08 19:25:35)
- せめてウルパラ枠にフォトスラとか荒野の女戦士、マハー・ヴァイロあたりが選出されていればそれ目当ての需要も見込めたろうに -- 名無しさん (2025-03-17 10:12:28)
最終更新:2025年03月26日 14:31