ジェノサイバー 虚界の魔獣

登録日:2015/06/08 Mon 11:55:56
更新日:2021/01/28 Thu 19:51:51
所要時間:約 15 分で読めます




『ジェノサイバー 虚界の魔獣』は、1993年に発売されたアートミック制作のオリジナルビデオアニメ。



【概要】

『超攻速ガルビオン』や『超力ロボガラット』のメカデザイナーしても知られる大畑晃一が『聖獣機サイガード』に続いて監督したSF作品。3つのエピソード(全5巻)で構成されている。
登場人物や世界観に関しては説明不足でわかりにくい部分があるものの、豪華な声優陣と高クオリティな作画により、先行販売されたアメリカでは人気が高かった。

だが、このアニメの最大の見どころは『エルフェンリート』や『BLOOD-C』を遥かに上回るグロ&残虐描写である。


グロ&残虐描写である


大事な事なので2回言いました(笑)
現在と違ってモザイクや規制が無い上、地上波アニメでは放送不可能な人体破壊等の過激なグロの為、心臓が弱い人にはオススメしないレベル。
人が死ぬのは当たり前で、臓物は基本飛び散り、首は切り落とされ、火の海で生きたまま燃やされる市民など、ぶっちゃけ登場して生き残れる人間の方が圧倒的に少ない。
2話冒頭にして小さな子供達が軍用ヘリの掃射でグチャグチャに人体破壊され、バラバラに吹っ飛び脳や目玉や手足が飛び散るという有様。
しかもわざわざ子供の頭部がミンチになり吹っ飛ぶ様をスローモーションで見せつけているという狂気の沙汰。

更に言えば、
  • 悲壮感とやりきれなさが残るハードでシリアスな内容
  • 何をしても結果的に報われない末路を辿る主人公サイド
  • 次々と死にまくる9割以上の登場人物
  • 善人はとにかく不幸に次ぐ不幸を受け、大体最悪な死に様を遂げる
  • 捕食に変態は当たり前のグロクリーチャー、綺麗な死体はSSRレア
  • 生きたまま食われて意識ごと異形に取り込まれ、生き残った者は最終的に発狂
  • 規格外の力を持った主人公や罪なき人々を危険視したり敵と決めつけて攻撃を加え、挙句に自らの手で自分達の世界を破滅させる権力者達のエゴ

などのネガティブ満載要素が挙げられる。よって鬱展開、グロ、精神汚染などの耐性がないと視聴さえ困難となっている。
しかし豪華なスタッフ陣によるセルアニメーションや劇中音楽は一見の価値ありなので、耐えられそうなら挑戦して欲しい。
この作品を見慣れると、あらゆるアニメの鬱展開、グロ&ゴア描写に対してノーダメージになれる耐性を得るだろう。

また、国内での知名度が低い為なのか、日本では未だにVHSのみの販売であるが、海外では既にDVD化されている。
これらは輸入盤を取り扱っているオンラインショップで入手が可能である。
日本語版を見たいのなら、バンダイチャンネルより有料でWEB配信されている。
ちなみにトニーたけざきの手でコミックス化もされているが、連載誌休刊に伴い未完で終わってしまった。


【主題歌】

「Fairy Dreamin'」‐歌:WIZ・KISS( 清水サユリ)



【ストーリー】

14年前、モルガン研究所で世界の防衛バランスを狂わせるほどの戦略超兵器を研究していたグエン・モルガン博士はある日、原因不明の爆発により死亡。
共に死んだと思われていたモルガンの妻タニヤは生きており、その後双子の女児エレインダイアナを出産する。
それから5年後、博士の助手ケネス・リードは九竜科学院の院長に就任する。
研究所爆発の際にヴァジュラエネルギーの影響を受けていた双子の姉妹エレインとダイアナは、生まれながらにして生体エネルギー「ヴァジュラ」の力を秘めていた。
やがて2人のパワーは相互に触発することで助長されて精神が融合することにより、恐るべき超生命体『ジェノサイバー』が誕生した。
今、ジェノサイバーと人類との半世紀にわたる戦いが始まる。

◆各エピソード

「ジェノサイバー誕生」/第1話

香港で暮らしている双子の姉妹エレインとダイアナは、「ヴァジュラ」という未知の力を秘めていた。
科学者ケネスは、そのパワーを利用した生体戦闘兵器の開発を進めていたが、エレインはそれを拒否して逃亡。ダイアナはエレインを追跡し、サイキックバトルを展開。
だが、未知なるパワーが対峠した時、2人は超生命体へと変身した。

「対決! ヴァジュラノイド」/第2話、第3話

ジェノサイバーと化したエレインは、香港での戦闘による爆発の衝撃により10年後にタイムスリップしていた。
一方、圧倒的な力を持つジェノサイバーを恐れたアメリカ国防総省に支援を依頼された九竜グループはヴァジュラを応用した人型兵器「ヴァジュラノイド」を開発。
アメリカ軍の艦内に運び込まれたヴァジュラノイドはジェノサイバーを自らの敵と認め、壮絶な死闘が繰り広げる。

「アークド・グランの神話」/第4話、第5話

世紀にわたったジェノサイバーとの戦いは、九竜グループの壊滅と共に人類側の敗北で終わり、長きにわたる戦いに疲れ果てたジェノサイバーは荒廃した地の底で眠りにつく。
そして時は過ぎAD.2400年。
生き残った人類は長い年月をかけて「集合都市国家アークド・グラン」という新たな文明を再興させるのだが、その実態は権力者による弾圧で築かれた独裁国家であった。
その街でいわれなき罪をかぶせられて地下都市へと逃亡したリュウとメル、そして独裁者に虐げられた人々の怒りと悲しみがジェノサイバーを復活させ、偽りの平和は破壊される。



【登場キャラクター】

◆主要人物

  • エレイン・リード(声:平松晶子)
本作の主人公で金髪ロングの美少女。冒頭でヴァジュラの説明をしていたモルガン博士の娘。
生まれつき驚異的な超能力を持つが、知能に障害を持っており言葉が喋れない。ただしテレパシーで念話をする事は可能。
その挙動はほぼ野生児。獣のような知覚神経を持ち、双子の姉のダイアナと共に虚界からヴァジュラエネルギーを呼び込むことができる。
サイコキネシス、テレポーテーション、レビテーション、テレパシー、パイロキネシス、精神汚染など思いのままに操る事ができる。*1
生まれながらに複数のマインドシャドウ*2を持っていて、ダイアナがコントロールするまで「生きる」という事を自覚さえしていなかった。
胎児の頃から母親の胎内で透視をしており、ケネスが両親を殺した場面も見ていたため、ケネスに対して一切心を許していない。
ラットに気を取られている間に背中からダイアナのクロ―に腹を貫かれ、肉体は死亡し消滅。(恐らく虚界へ転移した)
そして虚界を通じてダイアナにテレパシーを送り込み強制的に融合した事で、超生命体「ジェノサイバー」へと変身した。
1話では普通の生身の肉体だが、ダイアナの奇襲により肉体を失った後、最終的にダイアナの肉体を乗っ取って復活したものの
ただし元のダイアナの肉体は頭部以外機械の為、2話以降はエレインの肉体もサイバーボディと呼ばれるサイボーグとなっている。
(ダイアナのサイバーボディとは違い、いつこのボディを用意して乗り換えたのかは不明)
2話では何の説明もなく10年後にタイムスリップしており、4話以降はほとんど出番がない為、視聴者に多くの混乱を与える要因。
変身後の巨大な体躯から、小柄なエレインがパワードスーツのような外骨格を纏うように思われがちだが
実際はエレインの顔面が寄生獣のように放射状に三つにパックリと割れ、中からジェノサイバー体が飛び出すという方式である。*3
また、虚界にいる時は巨大なマンダラの中に閉じ籠って眠っている。


  • ダイアナ・リード(声:平松晶子)
もう1人の主人公。茶髪のショートヘアーの美女。エレインとは双子であるが、あまり似ていない。
彼女とは逆に生まれながらに運動機能障害があり、それを補う為に首から下はサイボーグボディとなっている。要するに頭部だけしかない。
ヴァジュラの力を制御する首輪をつけており、ケネス曰く唯一エレインのヴァジュラをコントロールできると言われている。
その為のマシンとして、メカニカルな緑色のパワードスーツをケネスに与えられており、このスーツには様々な兵器が搭載されている。
ダイアナもエレインと同じ超能力を持つが、パワーが桁違いで太刀打ちはできない。彼女はテレパシーなどで相手に恐怖を擦り込むことができる。
父ケネスの興味を惹くエレインに対して嫌悪感と嫉妬心を抱いており、それでもケネスの言う事を聞かないエレインを殺そうとする。*4
痛みから怒ったエレインに雷を落とされ感電死しかけるが、命乞いをして一命を取り留め、天知達に気を取られたエレインを背後から刺し殺した。
しかし死んだはずのエレインに両親の真相を突きつけられ、強引に融合させられた挙句に肉体の主導権を奪われてしまう。
これ以降はしばらく登場せず、再び登場するのは第4話で人類との最終戦争で地球が荒廃していく場面である。
終わりなき戦いに終止符を打つため、ジェノサイバーの意識内でエレインを説得して荒廃した地の底で眠りについた。
それから長い年月が経った世界で、エレインよりも先に長い眠りから覚めることになる。
しかし自分達が眠っている地下に迷い込んだメルをエレインと勘違いし、度々彼女の夢の中に現れるようになる。


◆第1話

  • ケネス・リード(声:加藤精三)
エレインとダイアナの育ての親であり、九竜科学院の院長。元モルガン博士の助手。
かつてはモルガンと共にヴァジュラの研究をしていたが、研究中にモルガンを裏切って九竜グループに研究を売り渡した。
更にはヴァジュラエネルギーを浴びた彼の娘であるエレインとダイアナを実験体にして、虚界から超能力でエネルギーを得る研究を続けていた。
しかしこの超能力実験については九竜グループ会長の許可を得ずやっていたらしく、本編の後半で九竜グループの刺客にダイアナ共々身柄を拘束される。
更にはその直前にダイアナがエレインを殺したことで、全てを費やした長年の研究が無駄になってしまい発狂してしまった。
最期はジェノサイバーとして覚醒したエレインとダイアナを見届けながら、融合中に発生した強烈なエネルギー波に巻き込まれて死亡した。
全ての厄災の原因だが、正気ではなかったもののジェノサイバー誕生という自身の研究の集大成の完成を目の当たりにし、狂喜のうちに死んでいったある意味唯一の勝ち組。


  • ラット(声:嶋村薫)
ケネスの元から逃げ出したエレインと仲良くなったスラム街の浮浪児であり、一言で言うと不幸。エレインを「お姉ちゃん」と呼ぶ。
初登場時にいきなり不良グループにボコボコにされ、その後にエレインを匿っていたところを再び現れた不良グループに襲われてフルチンにされる。
挙句に九竜グループの刺客に拉致され、最期はジェノサイバーと九竜グループの戦闘に巻き込まれて死亡という哀れな末路を迎えた。
遺体はどうしてそうなったのか、建築中のビルの鉄骨上に仰向けに横たわっていたが、ほとんど損傷は見られなかったSSR死体。
クライマックスでラットの死を目の当たりにしたエレインは泣き叫び、自分達がいる香港の都市をどこぞの冥王のごとく消し飛ばした。
後に別の時空超女王様気質の堕天使に転生する。劇中ほとんど台詞はなく、死後が一番喋っているという。


序盤でラットをボコボコにした不良グループのリーダーであり、ラットに金稼ぎの協力をさせていた少年。
チンピラとつるんで金稼ぎをしており、足を引っ張ってばかりのラットをいびる根っからのクズ。利用価値の無くなったラットを捨てる。
しかしチンピラの口からラットが女(エレイン)と一緒にいると聞かされた途端に再びラットの前に現れて、レイプ目的でエレインを襲おうとした。
が、ちょうど彼女を探していたダイアナに頭部を粉砕されて即死した上、壁に叩きつけられた。ざまあwww
こんな奴だが別の時空では宇宙の騎士だったりする。


  • デヴィ(声:納谷六朗)
エレインとダイアナの実父モルガンが死亡した爆発事故を内偵している刑事。モルガンの研究していた戦略超兵器を追っている。
爆発事故に関与していると思われるケネスと九竜グループを目の敵にしており、若い刑事を引き連れ彼らを付け回す。
地下鉄にて九竜のサイボーグに襲われ病院に運び込まれたエレインを利用して、彼等を糾弾しようと目論んだ。
しかしそれを良しとしないケネスが病院を襲撃、引き連れた手下達に病院内で襲われて気絶してしまう。
目を覚ますとベッドの上で生きたまま理科の授業のカエルのごとく解剖されるという無惨な最期を遂げた。


  • 天知(声:篠原恵美)
九竜グループの刺客であるサイボーグその1。
リーダー格と思われる美女。一見理性的な人物であるが、本性は好戦的かつ嗜虐心の強いヒャッハーな女。
戦闘時には自身のおっぱいを引き千切り、長い首を持ったサソリの怪物のような異形へと変身。
香港市民の頭蓋骨を蹂躙し、ジェノサイバーに魅了されつつジェノサイバーと交戦したが、全く歯が立たなかった。
脚部に大型ブースターを備え空を飛び、口からガトリング砲を出して乱射している。
最期は首をぶっこ抜かれた上に残った胴体を怪力で真っ二つに引き裂かれて敗北。


九竜グループの刺客であるサイボーグその2。
機械的なゴーグルを着けた男性であり、戦闘時は両腕にドリルを装備した鳥型のロボットのような姿へと変身する。
背中から展開する大型ロボットアームは、走ってくる電車を真正面から受け止めて止めてしまうほどのパワーを持つ。
目の前で天知が惨殺され、ジェノサイバーに決死の攻撃を仕掛けようとしたが、ダメージを与えるどころか攻撃する間もなく敗北した。
挙句、最期は近くを飛行していたジェット機に激突させられて爆散した。このジェット機が後の更なる悲劇の引き金となる。


  • 勝(声:桜井敏治)
九竜グループの刺客であるサイボーグその3。
眼鏡をかけたオタクのような男性であり、他の2人と共にエレインを捜索を命じられた。
当初はうまくエレインを確保する事に成功したが、抵抗した彼女の超能力で精神を破壊されてしまい、脳に虫が入ってくる幻覚を植え付けられる。
最期は錯乱して自分で自分の頭を抉り取って絶命した。


  • ケネスの手下達
全員もののけ姫のコダマのようなマスクと白衣を身につけている不気味な集団。終始無言で行動している。
ケネスの指示でエレインのいる病院を襲撃、デヴィを始め、そこにいた多くの医師や看護婦、患者達を無差別に殺害した。
しかもただ殺すわけではなく、意味もなく犠牲者の全身をバラバラに切り刻んで病院のあちこちに肉片や四肢をばら撒くサイコパス集団
揃いも揃って悪趣味で残虐非道な連中だったが、上には上がいたと言わんばかりに、九竜グループの差し金である天知と若山の手によって全滅。
今度は自分達がバラバラに切り刻まれるという皮肉な退場をした。ちなみにモルガン博士の殺害、夫人の誘拐などにも関わっていた。

  • グエン・モルガン(声:星野充昭)
冒頭の映像の中でヴァジュラについて説明している科学者で、エレインとダイアナの実の父。
劇中ではすでに故人であり、登場シーンはヴァジュラ理論の説明とケネスに謀殺される場面のみ。
超能力増幅装置『マンダラ』を造り上げ、娘達に禍根を残した原因…ではあるのだが、これはケネスと九竜のせいである。
実は名前は第一話では出ておらず、「対決!ヴァジュラノイド(前編)」のエンディングで明らかになった。
妻で主人公の母のタニア・モルガンに至ってはセリフもなく声どころか顔すら判明していない。


◆第2話、第3話

  • マイラ(声:勝生真沙子)
アメリカ軍の空母アレキサンドリアに勤務している女医。
過去に娘を亡くしており、空母に救助されたエレインを死んだ娘のように可愛がっていた。
エレインがテレパシーで念話をしてくれた事をきっかけに、死んだ娘の名前で呼んでやや異常とも言える偏愛を傾ける。
唯一の生存者となるが、艦内での惨劇や後述の真実を目の当たりにしたことにより、救助された時には半ば精神崩壊を引き起こしていた。
ちなみに周囲の海域を軽く100mは巻き込んで吹っ飛んだ空母の甲板にいたのになぜか無傷で米軍ヘリに保護されている。
最後には完全に壊れてしまい、ジェノサイバーを「天使になったローラ」と思い込んで、飛び去って行く様を見て暴れ叫んでいた。


九竜グループが誇る最先端バイオテクノロジー研究の第一人者にして、ヴァジュラノイド開発の最高責任者。「完璧なパイロット」を作るはずだった。
エレインがタイムリープしてからの10年間、モルガン博士の研究に没頭し、ジェノサイバーに対抗する兵器として『ヴァジュラノイド』を開発した。
モルガン博士すら造れなかった(と思い込んでいる)ヴァジュラの戦士を引き連れ、アメリカ軍のアレキサンドリア艦でその性能をお披露目しようとした。
しかし運悪くジェノサイバーの正体であるエレインと出会った事により、運命の歯車が狂い始めてしまう…。
エレインに反応して暴走したヴァジュラノイドが友軍機を攻撃し兵士を殺傷、人殺し呼ばわりされ艦内での立場が悪くなる。
更にはヴァジュラノイドとエレインが出会ってしまい、艦の警備兵を巻き込んでヴァジュラノイドも破壊。
ヴァジュラノイドが機密情報で秘匿だったこと、その中身が得体の知れない化け物だった事がバレ、聴取軟禁されてしまう。
当初はヴァジュラノイドが原因不明の暴走を起こして自爆したと思っていたが、皆殺しの中で生き残っていたエレインについても懐疑的だった。
軟禁された部屋にジェノサイバーの腕を乗っ取ったヴァジュラノイドが助けを求めにやってきて、それを元に変異ヴァジュラノイドを誕生させた。
しかし、変異ヴァジュラノイドの影響なのか狂気に駆られてしまい、変異ヴァジュラノイドを艦内へと解き放って部下もろとも吸収させていく。
そして甲板にて自分の計画を話し、話し終わると自ら進んでマイラに頭を斧で叩き割らせて正体を現した。
尚、頭を叩き割られる直前までサコミズの自我としか思えない発言を話しており、どの段階でヴァジュラノイド化したのかは不明。
基本的には神経質ながら理性的な人物だが、ヴァジュラノイドに対し自分が生殺与奪の権利を握っているのだと高圧的に責め立てるなど、傲慢不遜な性格が見て取れる。


アメリカ海軍空母、アレキサンドリアの艦長。
大統領の命令でヴァジュラノイドを空母に運び込ませたが、内心では九竜グループに不信感を抱いていた。
実際その懸念は当たっており、たびたびヴァジュラノイドの暴走で部下を失うこととなり、サコミズを厳しく問い質した。
最期は暴走したヴァジュラノイドに取り込まれてしまった上、エレインによって融合した艦内全員と共に吹き飛ばされた。


  • 副長(声:小室正幸)
アレキサンドリアの副長。
当初から九竜グループに対して不信感を抱いており、大統領の命令で彼らに協力する艦長に苦言を呈していた。
最期は艦長と同様に暴走したヴァジュラノイドに取り込まれてしまった。


  • 神父(声:八木光生)
アレキサンドリアに勤務している神父。サコミズに対しても神の教えを説いて慈悲を与えるなど、比較的善良な人物。
3話の終盤で教会で祈りを捧げているところを、暴走したヴァジュラノイドに取り込まれてしまう。
何気に見た事もない化け物である変異ヴァジュラノイドに対し恐れをなさず、聖者の像に絡みついた触手を「不敬者め!」と引き千切っていた。

  • エリス(声:高木渉)
アレキサンドリアに搭乗していた兵士。
突然パニック状態に陥って「この船には悪魔が乗っていて、俺達は地獄に連れていかれる。」と言い、甲板で拳銃自殺した。

  • ローラ
今は亡きマイラの1人娘。
実は第1話で香港を飛行してたジェット機に乗っており、ジェノサイバーの戦闘に巻き込まれて他の乗客と共に命を落としていた。
…つまり、マイラが娘のように可愛がっていたエレインこそがローラを死に追いやった張本人である。
エレインの思念を通じて娘の死の真相を知ったマイラはその場で発狂した。


  • 子供達
2話冒頭で国籍不明の軍用ヘリの機銃掃射を受けて、作中でも屈指のゴア表現で死んでいった3人の子供達。東南アジア系っぽい。
彼らの死でエレインは変身し、ヘリ部隊を壊滅まで追い込んだ。死後もたびたびエレインの前に亡霊として現れ、意味ありげに彼女を導いていく。
エレインがタイムリープしてからは彼らが友達だったのか、彼らの亡霊を見たエレインは喜びの表情を見せている。


◆第4話、第5話

  • リュウ(声:辻谷耕史)
遠い所からやってきた旅人の青年。短剣投げが得意であり、恋人のメルと共に芸をしながら旅を続けていた。
本編では盲目のメルに目の手術を受けさせるため、アークド・グランにやってきたが。
だが大金をちらつかせて儲け話を持ち込んできたナイトクラブの支配人に騙されて犯罪者に仕立て上げられ、メルと共に逃げ込んだ地下都市で彼女と離れ離れになった。

その後、治安局からお尋ね者扱いされている状況でありながらアークド・グランを彷徨っていたところを、たまたま出会ったテロリストに濡れ衣を着せられてしまう。
挙句、よりにもよって自分達をマークしている治安局の部隊にメルの捜索を頼み込んでしまい、そのまま当局に連行されてしまう。
これにより逆にメルを危険に晒すことになってしまう等、やる事なす事裏目に出るを地で行く人。
そして、治安局と結託していたナイトクラブの支配人に自白剤を打たれて廃人にされてしまう…。
ラドネックに「地獄にいった」と死んだかのように言われていたが茫然自失のまま監禁されており、ジェノサイバーとなったメルにより助け出された。
最終的に軍事衛星を潰しに行ったジェノサイバー(エレイン&ダイアナ)から分離したメルと共に地上に送り返された。


  • メル(声:西原久美子)
リュウの恋人である女性。
目が不自由であるが不思議な力を持っており、それを生かして旅先で占い師をやっていた。
リュウを愛しており、作中ではベッドシーンを披露していた。ちなみにお腹には彼の子供を身ごもっている。
アークド・グランでリュウがお尋ね者にされた際には彼と一緒に地下都市に逃亡、そこでダイアナの声に引かれジェノサイバーが眠っている地下神殿に落ちてしまう。
落ちた事でリュウと離れ離れになってしまった後、地下教会で布教活動を行なっていた地下の住人に保護された。
しかし今度は自分の意思とは関係なく、導師の思い込みにより半ば強引に神の使者として祭り上げられてしまう。
そして物語後半ではリュウの迂闊な行動が原因で治安局に居場所を発見され、地下の住人共々殺されてしまった。

死後は精神体となって、ダイアナとエレインの前に現れる。
自分だけでなく生まれてくるはずの子供の命までも奪ったアークド・グランに対する怒りで、地下に眠っていたジェノサイバーを復活させた。
その怒りはジェノサイバーを巨大な異形にまで進化させ、瞬く間にアークド・グランをほぼ壊滅まで追い込んだ。
しかし最終的にはジェノサイバーをエレインとダイアナが受け持ち、リュウとメル二人の体(と赤ん坊の命)を再生して地上に降ろしてくれた。


  • グリムソン(声:曽我部和恭)
アークド・グランの市長。
口では秩序の維持を謳っているが、それは反乱分子と見なした者を捕らえて抹殺する事で成り立つ「偽りの平和」である。
自分に逆らう者を「害虫」と忌み嫌っており、たとえ無抵抗な相手でも容赦なく弾圧する等、独裁者の典型と言える冷酷な人物。
ぶっちゃけ「言う事聞かないヤツはみんな死ね(意訳)」という思考の持ち主。
故にアークド・グランの多くの市民はグリムソンの恐怖政治を受け入れてしまっており、自分達の快楽のみを追い求め、堕落しきっている。

アークド・グラン誕生50周年パレードを開催している最中に、突如地面を突き破って現れたジェノサイバーに襲われる。
そして乗っていた車ごとビルに叩きつけられて死亡という自業自得の悲惨な末路を迎えた。
ちなみに多彩で凝った死に方が見所(?)の本作において、首領格でありながら死に様は画面外で描写すらされないという、ある意味でもっとも軽い命の扱いを受けた。


アークド・グランで反乱分子の鎮圧を行なっている治安局の局長。
グリムソンと同様に反乱分子と見なした相手に対しては女子供だろうと一切容赦しないが、良くも悪くも任務に忠実な人物である。
終盤では街を彷徨っていたリュウを拘束・尋問して薬物漬けにし、メルと地下都市の住人の居場所を聞き出した。
そしてパレード直前に地下都市にある教会を攻め込み、メル達をテロリストと決めつけた挙句に全員皆殺しにした。
最期はメルの怒りに反応して街に現れたジェノサイバーが放った業火でバーベキュー(というか一瞬で骨まで焼却され消し飛んだ)にされた。

なお、上記のグリムソンやラドネックの人物像からも分かる通り、作中における治安局は非人道的な身柄拘束・尋問・処刑も許可された超法規的機関である。
反乱分子とみなした相手に対しては圧倒的な武力で弾圧・虐殺を行っていた。
その非道ぶりを象徴するかのごとく、街の片隅にある埋立地のような場所には今まで処刑してきた無数の人々の遺体がゴミのように捨てられている。
ガンダム作品で言えば、アロウズギャラルホルンのような団体である。


アークド・グランのナイトクラブを経営している人物。
サングラスとシルクハットが特徴的な紳士風の男性であるが、オカマ口調で喋る。
街で商売しているリュウに目をつけ、自身が経営しているナイトクラブに招待してそこで働かせてあげた。
しかし、実は余所者であるリュウを見下している節があり、店内でショーを行なっていた彼を嫌がらせに近い形で陥れて犯罪者に仕立て上げた。
その後、地下都市に逃亡したリュウとメルを一度は見逃したものの、地下都市で野垂れ死んだ思われたリュウが街を彷徨って治安局に捕まった際には
「恥をかかされた」と腹を立てて取調室にいたリュウを暴力で八つ当たりした挙句、自白剤を打ってメルと地下街の住人の居場所を吐かせた。


地下教会で布教活動を行なっている指導者の老人。
主に貧しい子供達の世話をしており、同じく地下に住んでいる貧困層の人々の前で度々演説を行なっている。
地下に眠るジェノサイバーを神と崇めており、ジェノサイバーの近くで倒れていたメルを保護した。
だが彼女の都合を無視して半ば強引に神の使者に仕立て上げる等、妄信的でやや押しつけがましい一面を持つ。
終盤で治安局が地下教会を攻め込んできた際には、メルに銃を向けたラドネックの銃弾からメルを庇い死亡した。
もっともすでに治安部隊に囲まれた状況であり、直後にはメルを含めた地下教会信者全員が皆殺しにされた。
そのためぶっちゃけ彼の犠牲に特に意味はなかった。
長年名前はないと思われていたが、オリジナルサウンドトラックⅡのライナーノーツの記載では「マリク」とされていた。


  • 九竜会長(声:大木民夫)
九竜グループの総帥であり、ジェノサイバーと人類との戦いを長引かせた元凶。
第4話の冒頭で死亡するが、万が一に備えてジェノサイバーの存在に反応して抹殺するように軍事衛星にプログラムしていた。
最終話のクライマックスで軍事衛星が起動した際には、生前に記録したビデオメッセージで抹殺命令を繰り返す等、死んでからもとことん迷惑な存在である。
ちなみにこの軍事衛星の総攻撃でさえジェノサイバーには通用せず、内部から凍結されて地球に墜ちていった。
なお、漢字は不明だがフルネームは「クリュウ・ゲンイチロウ」であるらしい。
オリジナルサウンドトラックⅠのライナーノーツの記載では『九竜大二郎』。

【登場兵器】

  • ジェノサイバー
ヴァジュラエネルギーがエレインの意志の力で集結、ダイアナのボディとサイバースーツの機能がベースとなって融合したことにより誕生した超生命体。
全高215㎝、重量279㎏でボディ材質はダイアナのヴァジュラスーツの構成素材の超硬バイオセラミックスと「虚界の構成元素」という謎の物質で出来ている。
表面は青みがかった薄灰色の生物の甲殻を思わせる装甲に包まれており、額にエメラルドグリーンの結晶体、部分部分にヴァジュラスーツが変異した機械部品が見える。
背中から甲虫の羽根のような4翼の翼を展開し、自在に空を飛び回る事が可能。顔には表情があり、エレインの感情を直接表現している。
肉体と精神の主導権はエレインが握っており、戦闘後にはエレインの姿に戻る。ダイアナの意思は基本的にはないが、エレインの名を呼び続けていた。
一応、これでも変身ヒーローという立ち位置なのだが、目が赤く体色が緑色で翼と尻尾が生えた邪悪な魔獣のようなデザインである。
ベースが機械でありながら有機的でなおかつ禍々しい物となっていて、悪く言えばどう見ても化け物。セルをSF調クリーチャーにした感じ。

1話目にして怒りの咆哮で香港の街を一瞬で消し飛ばし、巨大なアメリカ空母を乗っ取った自分の分身のような怪物を一撃で葬り、ついでに米艦隊も消滅。
第4話には地球全土を火の海に沈めて主要国のほぼ全てを壊滅に追い込んでいるヒーロー…とは…?

最終回のクライマックスで長い眠りから覚めた際には、体色がどこぞのバイオアーマーのような乳白色と赤のツートンカラーに変化。
しかも大きさが10メートル近くまで巨大化しており、元々悪役っぽかった風貌が更に凶悪になった。
その姿は、あたかも骨格と筋肉組織が剥き出しになった悪魔を思わせる。

戦闘力はぶっちゃけチートレベルであり、作中における地球上のあらゆる兵器を持ってしても倒すことが不可能であった。
第4話の描写から判断すると、少なくともダメージを与えることは可能である模様だが、再生能力もとんでもないので決定打を打てない。
人間状態の昏倒まで追い込めたのは、後述のヴァジュラノイドぐらいである。(もっともこれは踏み込まれた際の演技の可能性もある)
破損した部位の内部は金属製の機械パーツが露出しており、外皮が虚界の魔獣、内部がヴァジュラスーツとなっていると思われる。
単独で大気圏外への脱出も可能で、宇宙空間でも問題なく活動できる。



  • ヴァジュラノイド
ジェノサイバーに対抗するための戦力として開発された次世代の人型兵器。
メカニカルなアーマーを着た屈強な男性のような外見であるが、中身は生体組織で構成されている。
ただしこれ自体がジェノサイバーのように戦うわけではなく、人間では耐えられない負荷が掛かる機体のパイロットとして造られたもの。
とはいえ白兵戦でも人間を遥かに超えた戦闘力を持っており、暴走時には研究員を瞬殺、ある程度ジェノサイバーと渡り合ってみせた。
複数の人間の細胞をベースにマンダラで変異させて造られた人造人間であり、専用のパイロットスーツを着てヴァジュラエネルギーに満たされていないと死んでしまう。
声帯がない為、意思疎通はパソコンを介して行う。平常時はバイザーに走査線のような物が表示されるが、エレインを視認した際は鋭い眼光を光らせた。
また、エレインの攻撃でヘルメットが破壊された際は(暴走状態だったからか)、中身が無数の小さな髑髏が溶けて固められたような異様なものになっていた。
コクピットで操縦する際は体から細い糸のような触手を機械に接続して操縦する。機械と融合する事で手足のように動かせる。
この触手は生物相手にも有効で、ジェノサイバーの体内に侵入させて中枢神経に潜り込もうとしたりもしている。

サコミズ達と共にアレキサンドリアへと移送され、試験飛行を見せつけアメリカ軍の戦力としてロールアウトされるはずであった。
しかし10年前からタイムリープしてきたエレインと出会ったのをきっかけに、次第にコントロールが効かなくなり暴走していく。
保護されていたエレイン(ジェノサイバー)の存在に反応して一時的に制御不能になってしまい、エレインの乗る友軍機を撃墜した。
(これは強大なエレインのヴァジュラエネルギーを感知し、攻撃せねば殺されると思っての防衛反応だった)
死んだ子供達に導かれてやってきたエレインを目の前にし、暴走してエレインに襲い掛かる。最期はジェノサイバーに変身したエレインとの戦闘で大爆発を起こし破壊された。
倒される直前に触手をジェノサイバーの腕に突き刺して自身のコントロール下に置こうとしたが、直後にジェノサイバーが腕を引きちぎったことで失敗に終わった。
しかし引き千切られ艦内に放置されたジェノサイバーの腕にはヴァジュラノイドの意思が宿っており、それが後述の惨劇を引き起こす要因となる。
サコミズは辛辣な扱いをしていたが、腕だけになっても換気ダクトを這ってサコミズのもとまで助けを求めにくるなど、サコミズへの信頼はあった様子。


  • 変異ヴァジュラノイド(仮称)
サコミズ達に回収されたジェノサイバーの腕が変異・暴走して誕生したヴァジュラノイドの変異体。
専用パイロットスーツでヴァジュラエネルギーの補充をしなくても活動できるようになった……というか完全に別物。腕だけでも字を書いて意思表示ができる。
体色が赤く、スペースビーストを彷彿させるグロテスクな怪獣のような姿をしており、もはや兵器とはかけ離れたクリーチャーとなり果てている。
自己進化を繰り返しながらアレキサンドリアの動力室と一体化し、艦内にいたエレインとマイラを除く乗員全てを捕食して己の肉体に取り込んだ。
最終的にはアレキサンドリア艦そのものと融合、戦艦と肉塊が融合したような巨大な異形の怪物と化したが、体内に侵入してきたジェノサイバーに内部から攻撃され消滅した。
意識はサコミズのものなのかヴァジュラノイドのものなのかは不明だった。
尚、捕食された者達は生前の意識を保っている様子が見受けられる。



追記・修正は、襲ってくる人類を降りかかる火の粉を振り払うかのごとく殲滅してからお願いします。


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最終更新:2021年01月28日 19:51