光去りゆく黄昏(FE)

登録日:2015/12/31 (木) 09:50:20
更新日:2025/02/27 Thu 12:10:10
所要時間:約 9 分で読めます




光去りゆく黄昏(FE)とはファイアーエムブレムifの暗夜王国編における終章名である。
章名は主題歌の歌詞から付けられたと思われる。


【ストーリー】


白夜王国との戦争に勝利し、すでに異形の存在に成り代わっていたガロン王と彼の直属軍も殲滅した主人公(以下カムイ)一行。
戦いは終結したかに思われた。

しかしそこに行方がわからなくなっていた白夜王子タクミが出現。
ガロン王と同じく何者かに心身を完全に支配され、激しい憎悪に囚われた彼は、未知の力がこもった弓矢でカムイを攻撃。夜刀神を破壊して瀕死に追い込む。

その後カムイは夢の世界で主人公の母のミコトと白夜王子のリョウマ、そして現実世界にいるはずのタクミに出会う。
現実世界にいるタクミはすでに自分ではなく、恨みの力で動いてる生ける屍(眷属タクミ)だった。
彼はカムイに「僕の体を殺してほしい」と、壊れてしまった夜刀神を元に戻すために自分の神器である「風神弓」を託す。

彼らの想いと激励を受け取って現実の世界に戻ったカムイ。風神弓の力によって夜刀神は復活。
眷属タクミはカムイに襲い掛かるが、本物のタクミとの想いが通じた夜刀神は折れることはない。
カムイはタクミたちとの最後の約束を果たし、戦いを終止符を打つべく、暗夜王国のすべてを根絶やしにせんとする眷属タクミとの最後の戦いを開始する。



【概要】


歴代の終章の例にもれずマップは狭く、27章のそれをベースに障害物や進入禁止の場所ができている。
ちなみに初期配置がマップ上部にあり、南下して進軍する最終ステージはシリーズ初(殆どは上に進軍する)。
終章において人間ユニットがラスボスを務めるのは蒼炎のアシュナード以来である。
またGBAの三作品のように2章連続で攻略しなければならず、終章前にセーブすることができない(ゲームオーバーになったら27章からやり直し)。
敵の能力自体は全員上級職のレベル20ながら、その後に配信されたインビジブルキングダムの雑魚敵に比べたら低い。

ただし、そこは歴代でも高難易度といわれる暗夜王国の終章。
数々のプレイヤーに多大なトラウマを与える、あらゆる仕掛けが施されていたのだった。


【ノーマル・ハード】


マップ上部からタクミを目指す、その道中にジェネラル上忍をはじめとした強ユニットが待ち構え、中間地点にはフリーズ・ウィークネスで足止めを狙うメイドが鎮座している。

タクミは3ターンごとにマップ攻撃を行い、範囲内にいるユニットは最大HPの50%のダメージを受ける。
防御するためには竜脈を起動して壁を作り、壁よりも後方にいなければならない。
マップ下部に進むと壁は狭くなり、おまけに壁を破壊する敵も出現するため、ダメージを完全に防ぐのは不可能。
このことから全体回復杖であるリザーブが非常に役に立つので、ぜひ誰かが使えるようにしておきたい。
他のユニットも回復アイテムは持てるだけ持っておくと助かる。

無限増援も当然のように完備。一定ターンを過ぎたあたりからノスフェラトゥが大量に湧いてくる。
こちらが入れないゾーンから次々と現れるので、対応が後手に回ってしまうのも厄介なポイント。

ハードでは、増援に防陣を組んだユニットが混じっていることも。特効武器や強力なスキルも持っており、正面から捌ききるのはもはや不可能。
のんびり進んでいてはマップ攻撃と増援の物量に押し潰されてしまう。

タクミを守る敵はターン経過で動く高機動力のパラディンから敵の攻撃範囲に入るまで全く動かない集団までバラエティに富み、一筋縄では突破できない。

ハードではタクミ付近の山伏禍事罪穢(最大HPを50%減らす。治療不可能)を使用し、妨害杖で未然に阻止しない限り確実に痛手を負ってしまう。


そんな布陣をかいくぐった先に待つタクミは、写し身を使い自分と防陣を組んでいる。
「攻防一体の陣」というスキルのためこの状態でも攻陣と同じ追加攻撃ができるが、こちらの攻陣をガードすることはできないため通常の防陣に比べると守りは薄い(ただしデュアルガードゲージがたまるとデュアルガードが発生する)。
しかし、これに関してはこちらも防陣で挑めば問題ない。

本当に厄介なのは彼が持つ謎の武器「スカディ」。射程が1~4なのでどうあがいても反撃を貰う上、必殺回避-20のおまけ付き。
必殺-10が弱点のように見えるが、これはタクミの個人スキル「対抗意識」によって相殺されているので、実際には十分な必殺率を持つ。


スキル「竜鱗」によってこちらの攻撃はことごとく半減されてしまうが、カムイの夜刀神だけは例外で攻撃を通すことができる。
それでも多少軽減されてしまい、ファルシオンのような特効はないので苦しい戦いに変わりはない。

ハードではスキル「復讐」が追加。
高い確率で攻撃力がさらに上乗せされるため危険度が跳ね上がり、他のラスボスのパパはもちろん全ての黒幕さえ凌ぐ強さとなる。


無限増援と龍脈の数の少なさ、攻めにくい厄介な布陣に妨害杖、最後に待つタクミと、四方八方から戦力を削ってくるため、ここまでの章をなんとかクリアしてきた人であっても苦戦は必至。

が、後述のルナティックに比べたら別に何でもなかった。



ルナティック


歴代最高レベルの難易度を誇る暗夜王国ルナティック編の最後を飾る最難関ステージ。

ノーマル・ハードでは「まあ厄介だけど動かないし何とかなるか」くらいであったメイドと山伏にスキル「無限の杖」・「負の連鎖」が追加された。
前者は杖の使用範囲が10マスまで拡大し、杖の消費回数も減らないスキルで、後者は相手の武器やウィークネスによる能力減少が重なるようになるというスキルである。

要するに、メイドの広がった杖の範囲内に入れば1ユニットが動けない・全能力-12という凄まじい状態に陥る。

当然、ここまでされたらいくら鍛えたユニットだろうが数の暴力で沈む。
暗夜王国のAIの賢さも相まって、今までの作品で可能だったごり押しが全くできなくなった。

デバフ武器を持っている上忍にも当然のように負の連鎖が追加されており、さらに一番下にいた山伏3体にもウィークネス・禍事罪穢(最大HPを50%減らす。治療不可能)・負の連鎖・無限の杖が追加されてしまったため、
無策だと同じようなリンチをもう一回受けてしまうことになる。
ちなみに、そこには前述の防陣したパラディンが大量にいるため全員生存クリアどころかそこで大抵みんな死ぬ。

メイド達は動かないものの、動かないせいで逆にドローの杖が効かないという長所を得てしまっておりそれがこちらを苦しめてくる始末。
またタクミの攻撃頻度も3ターンから2ターンおき、龍脈の数自体も少なくなっているため今まで以上に速攻を心掛けないといけないのだが安易に踏み込んだら最期、袋叩きに会って死ぬ。

要するに「急がないといけないけど急いだら死ぬ」というジレンマを抱えた状態になる。

一応他のシリーズのように予めユニットを準備して1,2ターンでタクミを撃破してクリアするという方法はあるが、
そうした場合他の高難易度のステージのほうで余計な負担がかかるのは間違いないので、
DLCを使った場合ならともかくそうでなければ別の方向で非常に高い難易度のゲームを強いられることになる。

正攻法としてはこちらも杖を使用して相手のメイドを黙らせる、メイドを倒した後敵の攻撃範囲内からユニットを避難させることが挙げられる。
ドローの杖はメイドには役に立たないものの、攻撃範囲内にいる他のユニットには効果があるので、
ジェネラルを予め倒したりパラディンをフリーズで封じたりとどの妨害杖も有用に使うことはできる。
というよりそうしないと死ぬ。また使うことがあまりないウィークネスや禍事罪穢もタクミには効くので、使う価値はある。

勿論今までのステージもこれに負けないような高難易度のステージが多いが、このステージのためだけに数に限りがある杖は極力使わないつもりでプレイすることが推奨されている。

また、山伏まで乗り越えてタクミに復讐で殺された日にはやる気をなくしかねないので最後まで気を抜かないこと。

幸いタクミ自身のステータスはそこまでずば抜けているわけではなく、三すくみの有利をとることができるのでうまく利用していきたい。ボスにしては珍しく地形効果を受けていないので、剣ならば攻撃が外れる心配はない。
特に主人公カムイの夜刀神は3すくみ有利、前述の竜鱗のダメージ減少を緩和できるので大ダメージを与えることができる。

また、数少ない救いは終章であるということ。

もう「次」を考える必要はないので、今まで温存してきた杖やドーピング、虹の秘薬などの強力なアイテムはフル投入していい。
全員生存にこだわらないならば、ユニットのロストに構う必要もない。最後にタクミに引導を渡し、なおかつ主人公(カジュアルでは誰でもいいから1人)が立ってさえいればクリアなので、最後まで諦めずに戦おう。
ただ、1人でも犠牲を出した時点で手数が足りなくなり、なし崩し的に壊滅することも多い。


【余談】


前述したとおり27章から連続で攻略しなければならないのだが、このステージの難易度が制作側も分かっていたためか27章は非常に難易度が低い。
このためこの作品の宿敵であるはずのガロン王はスキルも大したことが無くかなり残念なことになってしまっている。

また今まで(特に前作の覚醒で顕著だった)の敵の数やステータスのみでごり押しするのではなく、
能力減少・全体攻撃・敵のAI・練り込まれた配置・無限増援が噛みあうことにより戦術方面で非常に難易度が高いマップと言えるのでマップに対する評価自体は非常に高い。
暗夜王国自体が非常に難易度が高いということもあり、その分ここまでクリアした達成感は半端ないものになっているので自信がある人はぜひルナティックで挑んでもらいたい。

ちなみにどうしても無理ならば難易度を下げたりDLCを使用して「恐怖の霊山」でのレベル上げの他、
「決闘の博物館」「遺跡の財宝」などで武器等を調達するなどしたりと妥協さえすれば突破する方法はいくらでもあった*1

またこのマップの名前である「白夜城 王の間」は無章を除けば、タクミが初登場した場所でもある。

タクミと移し身の防陣にも「邪な空想」のスキルは反応する。┌(┌^o^)┐エポォ...

FEヒーローズのイベントである、戦禍の連戦mini「新たな年を拓く者」の最終マップにて、
この章を再現したマップが登場した。ボスに相当するユニットも(通常バージョンだが)タクミとなっている。
更に、大英雄戦ユニットとして実装された眷属タクミ戦もこのマップで行うこととなる。
2人のタクミが持つ「スカディ」の効果によるマップ攻撃に始まり、
「グラビティ」、「スロウ」といった厄介な杖を扱うシスターが配置されていたり、
騎兵や暗器使いが増援として出現するなど、原作の要素が数多く再現されており、
歴代大英雄戦でも屈指の難度ともっぱらの評判である。
なお、BGMもまた原作と同じものが流れるのだが、
FEHの仕様上「相手ターンで敵用BGMに切り替わる→次の自ターンで再度BGMが最初から流れる」となるため、
イントロだけを何度も聞き続けることになりやすい。
この大英雄戦限定の問題ではなかったが、前々から不評だったためかその後アップデートで「敵フェイズBGMのオンオフ」が可能になった。


追記・修正はこちらも無限の杖が欲しいと思ったらお願いします。

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最終更新:2025年02月27日 12:10

*1 DLCは本体共々2023年にDL販売終了。新規購入不可なので過去形となった。