D.D.クロウ(遊戯王OCG)

登録日:2017/01/30 Mon 00:06:43
更新日:2025/04/01 Tue 21:52:13
所要時間:約 6 分で読めます






無職 「相手フィールド上にのみモンスターが存在する時、手札から《バイス・ドラゴン》を特殊召喚!更に永続罠、《強化蘇生》を発動し、 墓地の《ドレッド・ドラゴン》を復活させる!」


「俺は手札からモンスター1体を墓地へ送り、《クイック・シンクロン》を特殊召喚!更に、今墓地に送った《ボルト・ヘッジホッグ》を自身の効果でフィールドに特殊召喚する!」


満足 「手札がゼロのこの瞬間、《インフェルニティ・ネクロマンサー》の効果発動!墓地から《インフェルニティ・デーモン》 を特殊召喚するぜ!」




鉄砲玉 「させるかよ!俺は手札から《D.D.クロウ》を墓地へ送ることで効果発動!相手の墓地のカード1枚をゲームから除外する!」




他3人「おい、満足させろよ。」


注:彼はこのカードを使用していません。






D.D.クロウ
効果モンスター
星1/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 100
(1):自分・相手ターンに、このカードを手札から墓地へ捨て、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。



《D.D.クロウ》とは遊戯王OCGの1枚。
アニメでの登場のイメージから5D’s時代のカードだと思う人もいるかも知れないが、実は初収録はGX時代のパック、STRIKE OF NEOS

遊戯王OCG定番の手札誘発の概念を本格的に作った意味で画期的な存在。

効果は相手の墓地のカード1枚を除外するというシンプルなもの。

効果だけなら、全く同じ効果を持つ罠カード、《ロスト》があるが、このカードは皆の大好きな手札誘発効果の為、準備も必要なくタイミングを選ばずに発動できる奇襲性の高さと汎用性の広さで大きく優っている。
あちらが勝っているのは伏せることでブラフにして、《サイクロン》等の除去カードに対しての空撃ちでの追加アドが得られるといった点がある。


このカードの特徴としては墓地除外という妨害効果と、手札誘発という対策しにくいカード特性が非常によくマッチしている事が挙げられる。

「墓地は第2の手札」という考えがある様に、墓地のカードはいろいろと使い道が存在する。
その一例として墓地のカードを蘇生させるカードや、サルベージするカードは数多く存在するのでこのカードが刺さる対象は少なからず存在する。
他の除外の使い道としては、墓地除外によって特殊召喚をするモンスターに対して、墓地の召喚条件を満たすためのモンスターを取り除いて召喚を遅らせたり墓地のカードを融合素材にするカードの発動にチェーンしてこのカードの効果を使えば、融合素材を除外する事で融合召喚するモンスターを強制変更させたり、融合そのものをできなくさせると言ったある意味嫌がらせに近いことも出来る。




この様に、墓地利用の阻害に使うのがこのカードの主な使用法だが、他にもこういった特徴もある。

まず、このカードはサポートの多い闇属性、低いレベルとステータスとサーチ手段に恵まれており、《ダーク・バースト》などによるサルベージによる再利用も容易にできる為、使い回しをする事も簡単にできる。


また、自身を呼び込みやすい他にもこのカード自身の持つ闇属性・鳥獣族という恵まれた特性を活かすという手段もある。

簡単な例としては《闇の誘惑》の手札コスト、鳥獣族専用の万能破壊カード《ゴッドバードアタック》や同種族同レベルのリクルートカード、《スワローズ・ネスト》のリリース素材などがあり、フィールドに出しても使い道はいろいろとある。


メインの使い方とは異なるが、効果の発動が自由にできる点を活かして除外効果をオマケとして手札枚数を変化させる、墓地のカードを能動的に増やすという芸当も可能。

前者に関しては相手が手札を参照をするカードを使ってきた時にこのカードをチェーンして発動したりするといった応用技も可能。

例えば、自分の手札が2枚の時に相手が《手札断殺》を発動してきた時にこのカードをチェーンして墓地へ送れば手札が1枚になるので、不発にさせることが出来る。


後者に関しては墓地に闇属性モンスターを増やすことで、所謂「ダークモンスター」や「カオスモンスター」の召喚素材に使用する事が出来たり、《貪欲な壺》の発動条件に利用することが出来るという使い道が存在する。



こういった形で効果でもそれ以外の面でも色々と応用が効く為、かつては墓地を利用するデッキにおいてのメタカードとしてメインデッキによく投入されていた。





しかし、環境は変わった・・・。





時代が変化し、【ラヴァル】が登場し、エクシーズがメインの時代に突入すると、このカードの採用率は大きく下がってしまった。


具体的な理由を挙げていくと、あくまでこのカードの墓地のカード「1枚」を除外することはいい言い方をすれば確実な1:1交換が出来るという事だが、それは見方を変えればそれ以上のアドバンテージは期待できないという事でもある。

その為、墓地にモンスターがたまりにくくなる【マドルチェ】やエクシーズ主体のデッキにおいてはアドを稼ぎにくく、《真炎の爆発》という条件さえ合えば何体でもモンスターを一度に呼べるという強力な後ろ盾を持ったラヴァルに対しては、モンスター1体の除外など文字通り、「焼け石に水」なのである。



また説明するまでもなく、墓地のカードを積極的に活用しないデッキに対しては採用する意義が薄くなってしまう。特に除外をメインにしているデッキにあたってしまった場合、このカードの存在はむしろ邪魔になってしまう
他にも 《マクロコスモス》発動下ではこのカードはそもそも使えないなど、汎用性が高く刺さるカードが多いとはいえ、このカード1枚でどういう状況にも対応できるという訳ではないのも事実なのである。


更に言えば、他のカードの召喚素材として考えると、このカードはレベルが低くX召喚の素材としての使用には向かないこと、そしてチューナーではないこともこのカードの採用率が下がる原因になったと言える。


そして時代はさらに進み、Pモンスターが登場。こちらも墓地へは行かずにEXデッキに行くため、墓地にモンスターがたまりづらく、このモンスターを主体にするデッキに対しても、このカードは効果をうまく発揮できないという状況になっている。










……という訳でかつてほどの勢いはなくなってしまったこのカードだが、墓地にカードをためてそれを積極的に使用するという風潮は今でも健在であり、そういったデッキへの威力は高い為、サイドデッキに入れておいて損はないし、事実現在でもサイドデッキへの投入率は高くはないが逆に低くもない。

むしろエクシーズ時代でも2枚破壊して2枚サーチする魔法の言葉を備えた最初期型インゼクター相手に、
《エフェクト・ヴェーラー》以上に効くメタとして、《甲虫装機 ホーネット》を無慈悲に除外しまくっていた。
ピンポイントメタ全般に言えるが、やはりこの手のカードを使う上で大事なことは「環境にマッチしているかどうか」なのである。



余談だがこのカード、アニメではデュエルでの使用はないが5D’sにおいて幼少時のクロウがサテライト内で拾ったカードの中にあった。
彼は文字の読み書きをこういったカードから学んでいったのだが、サテライトの暗さ、そしてクロウのカードとの繋がりが分かるシーンでもあるのだが、恐らくこのシーンを見た人は「おい、捨てた奴出てこいwww」と思ったことだろう。


上述の通り、このカードはアニメのデュエルでは使用されていないのだが、クロウのデュエルではこのカードを活かせるような場面が何度かあったにもかかわらず、使用していないが、手札になかっただけのか、それともデッキに入っていないのかは不明。

後にARC-V内でアカデミアの講義内容で《オーバーロード・フュージョン》の妨害用カードとしてこのカードが挙げられている。
確かにそういった使い方は可能だが、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の召喚に対しては焼け石に水となる。
その上それ以外のカードに対してこのカードで妨害しても、融合召喚モンスターの再選択でこのカードで1枚除外した程度では痛くも痒くもないコイツや《キメラテック・ランページ・ドラゴン》などを呼ばれたら散々な目に遭うのは避けられないだろう。




追記・修正はカラスの効果で死体を異次元に送った上でお願いします。



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最終更新:2025年04月01日 21:52