登録日:2018/01/24 Wed 05:33:43
更新日:2025/03/31 Mon 14:33:47
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劇場版ドラゴンボール「神龍の伝説」に登場するキャラクター。
CV:森山周一郎
【概要】
劇場版
ドラゴンボールの記念すべき第一作の
ラスボス。
ガーリックJr.はドラゴンボールZになってから初の劇場版ラスボスなのであって、グルメスの方が先である。
名前の由来はグルメ。当時の流行であったグルメブームを取り入れたとのこと。
作中に登場するグルメス王国の国王で、元々は普通の人間だったが、国内で世界一の宝石「リッチストン」が採掘されるようになってからは一変。
国内の財政が豊かになるに従い、リッチストンの採掘によって本来緑豊かだった国土が荒廃していくことを省みず、美味しい料理を求めていくうちに醜い容姿へと姿を変え、体も強大化していき、怪物同然の姿になった。
同じデブでも
魔人ブウのようにどことなく愛嬌があるとかは一切無く、醜悪さのみ感じさせる姿である。
怪物化して以降は一度食したものよりも美味な食べ物でなければ喉を通らなくなってしまい、空腹にあえぎ続けている。
そこで最高に美味しい料理を食べたいという食欲を満たそうと、部下であるボンゴとパスタに
ドラゴンボールを集めるよう命令した。
デブ故に身の回りの世話は
ロボットに任せ、終盤で
悟空たちと対峙するまで当人はずっと玉座に居座って動かなかったが、蓄えられた脂肪は伊達ではなく、なんと旅に出たばかりの頃だったとは言え、悟空が放った
かめはめ波を無効化してしまう程に分厚い。ブヨンか何か?
また、集めたドラゴンボールを自身の体内に隠し持っており、舌を使って出し入れすることが可能。おまえ本当に元人間かよ…。
【結末】
かめはめ波が効かず、万事休すかと思われたが、グルメスの体内にドラゴンボールがあると気づいた
ブルマが機転を利かせ、残りのドラゴンボールをグルメスの口へと放り込み、
神龍を呼び出すことに成功する。
どんな願いも一つだけ叶えると語る神龍に、パンジ(グルメス王国の国民で、本作のヒロインである少女)の悲痛な叫びが届いた。
神龍はこれを承諾。
リッチストンを全て消し去り、国を本来の緑豊かな状態に戻した。
そこには、元の姿に戻ったグルメスもいた。
見た目はなんだか人間っぽくないが
パンジが元通りにしてほしいと願った「わたしの国」には、人間だった頃のグルメスも含まれていたのだ。
人間に戻ってもまだ空腹だったグルメスに、パンジはある果物を差し出す。
うまい! ...こ、これは?
リンゴです。
リンゴ? ...ただのリンゴか。
グルメスの食欲を満たしたのは、何の変哲もないただのリンゴだった。
グルメスが求めた「最高に美味しいもの」は、リッチストンやドラゴンボールが無くても手に入ったのだ。
その後は国民たちと1からやり直していくようである。
■ドラゴンボール史上もっとも異色の悪役
上記の通り劇場版第一作のラスボスをつとめたグルメスだが、やはり後続の劇場版ラスボスたちに比べると知名度は圧倒的に低く、
次回作の彼よりかはマシ、という程度である。
ただし、彼の背景や迎えた結末は、劇場版どころか原作のどの悪役と比べても他に類を見ないものであり、そういった意味ではファンたちの話題にあがることもあったりする。
具体的にどう違うのか説明すると…
1、哀れみを感じさせる点がある。
ドラゴンボールの悪役は基本的に、同情できる面など一切無く倒されて当然の悪人である。もちろん
ピラフ一味などのように笑えるやつもいるが。
ところがグルメスは上記の通り食欲を満たすために散々自分の国を荒廃させ国民を苦しめたにもかかわらず、パンジの父から叱責こそされたものの、国民から完全に見放されてはいなかった。
このことから、グルメスはもとは国民から信頼される王様であり、リッチストンによってもたらされる富によって豹変した哀れな存在である可能性が高い。(はっきりとした描写が無いのであくまで推測の域を出ないが)
2、改心して生存した。
ヤムチャや
ベジータなど、『最初は敵対していたが悟空と共に戦っていく道を選んだ者たち』を除いてしまうとほんの一握りであり、実は劇場版の悪役としてはグルメスが最初で最後である。(
破壊神ビルスと
ブロリー(ドラゴンボール超)はそもそも悪人ではないため除外)
劇場版に拘らなければアボとカド、生死を問わなければアニメで天国に行ったことで清らかになった
ダーブラなどがいるが、それでも希少な存在であることには変わりない。
3、メッセージ性が強い。
- 暴食により外見が醜く変わる
- 富により性格が歪む
- 資源採掘による環境破壊
- 欲しいものは特殊な力が無くても手に入る
…これほど多くのメッセージ性を持ったキャラクターは、ドラゴンボールにおいてはグルメス以外には存在しないだろう。
グルメスがこのような異色の悪役となったのは、おそらく本作の脚本を担当した
井上敏樹の趣向によるものだと思われる。
いつもとは一味違うドラゴンボールを見たいという方は、そんな彼が登場する本作を視聴してみてはいかがだろうか。
余談
- 「神龍の伝説」を台湾で(非公式に)実写化した「新七龍珠」では、なぜか「牛魔王」名義となっており、
太っていない所かおぞましい化け物になっている
。(当然だが)日本語版がないため正確な設定は不明だが、食べ過ぎたというよりなんか悪いものを食べたようにしか見えない。
- それにしても、「北斗の拳(1986年の映画)」の非公式実写版と言い、ジャンプ系作品の非公式実写は原作版ではなく劇場版に忠実に作るのがデフォなのだろうか……
- 本来、ドラゴンレーダーには「ドラゴンボールが動物に飲み込まれるなどして、生物の体内にある場合はレーダーに映らない」という設定があるが、この作品の上映当時はまだその設定が無かったのか、グルメスがドラゴンボールを体内に飲み込んでいるのをブルマがドラゴンレーダーで確認する場面がある。
追記・修正はかめはめ波を腹で受け止めてからお願いします。
- 台湾で「新七龍珠」として(非公式に)実写化されたりしてる -- 名無しさん (2018-01-24 06:52:37)
- ドラゴンボールらしさはちゃんとあるけど、どっちかというと道徳的な話だったなぁ。 -- 名無しさん (2018-01-24 12:57:37)
- このドラゴンボールの使われ方は神様の望んでいた形だと思う -- 名無しさん (2018-01-24 15:15:53)
- Z以前とかビデオしかないんじゃと思ったけどDVD化されてるのね -- 名無しさん (2018-01-24 19:53:33)
- バトルアニメになる前の冒険アニメだった頃のDBだからこそ生まれた劇場版悪役というイメージ。 -- 名無しさん (2018-01-24 20:12:11)
- しかも、銭形のとっつあんの納谷さんや、後のランチさんで出演する小山さんと同じ位の大物さんで、” 紅の豚 ”のマルコ等で有名な森山さんno -- 名無しさん (2018-01-24 22:58:43)
- ↑すみません、途中で送信してしまいました( 焦 )。森山さんが担当してますからね~・・・結構、怖さとかもあり? -- 名無しさん (2018-01-24 23:01:19)
- 「本当に人間かよ」確かに。……まあギランとか犬とか豚とか猫とか悪魔やセルも人間に分類される世界観だから…… -- 名無しさん (2018-01-25 00:55:53)
- いつものドラゴンボールならパンジの願いをした後にも元に戻らなかったグルメスがブチ切れて暴走するけれど、飲まれた悟空がかめはめ波を撃ってグルメスを倒す展開になっただろうな。少なくても和解はない -- ラララ (2018-02-01 08:21:44)
- ただのリンゴで食欲を満たせたと言っても、それは人間に戻った後だったからであって、人間に戻る前にリンゴを食べさせたとしても、食欲を満たせなかっただろうな -- 名無しさん (2018-02-28 18:42:44)
- 哀れみを感じるラスボスって少ないよな。ブロリーとパラガスまで出てこなかったし。あの親子も最後救われて欲しかったな。あれじゃベジータ王のエゴのせいで悪落ちした挙句最後まで報われなかったようにしか見えない。 -- 名無しさん (2018-11-30 21:17:28)
- パスタ「欲張りは危険なのよ.....♪」、一方的にコインを押し付けた挙げ句に、勝手に勘違いした末に撃墜させられた悟空( とブルマ )に対して言った台詞....ラストでコインを返却されたけど...( 悟空に純粋に返しただけだけど )「この時の台詞を「そっくりそのまま」自分に返された」とも言えるような...今思うと....。 -- 名無しさん (2020-09-21 18:13:34)
- >>原作版ではなく劇場版に忠実に作るのがデフォなのだろうか 80・90年代は全話ソフト化が当たり前じゃなくて、せいぜい劇場版がソフトになるくらいですから参考にできる映像資料がそれくらいしかなかったということだと思います。 -- 名無しさん (2020-09-21 21:37:24)
- ↑ 東映動画は東映の映画製作スタイルに倣って映画作品を長編、テレビシリーズを劇場版の短編としていたからなあ。映画は70年代の作品でもシネテープが残ってるからか映像はもとより音質も良質だけどテレビ作品は他の会社とは違って90年代に入っても破棄していたらしいし(セーラームーンのように本放送時が光学音声でソフト化などの際は磁気音声というのもあるし、ドラマ編的なタイトルでメディア化されてたりするものは音声いいのが多い事考えると即廃棄とかはしてなさそうだったが) -- 名無しさん (2020-11-26 11:01:52)
- 「神龍の力で事実上討伐される」というのもドラゴンボールとしては極めて稀有だと思う。グルメスを突き破るようにして神龍が出現するシーンはかなりインパクトあった -- 名無しさん (2021-09-28 21:12:02)
- 当時の悟空のかめはめ波が直撃してもびくともしないくらいには強い。戦闘力にしたらいくつくらいかねえ? -- 名無しさん (2021-12-29 14:49:14)
- ジブリっぽい -- 名無しさん (2022-05-16 19:33:48)
- 「新七龍珠」>これ実は日本語版あるんだよな 数少ない非公式の日本語版とも言えるかもしれない http://www5a.biglobe.ne.jp/~renca/renca_b/db/etc/jissya.htm -- 名無しさん (2023-03-25 01:40:42)
- 神龍に願うべきは「最高に美味しい物」ではなく「人間に戻ること」だと思いますが、暴走してる本人では思いつけませんか。とはいえ結果的に戻れたわけで、見事なストーリーと感じます -- 名無しさん (2023-06-21 21:42:15)
- ↑人間に戻れたとしても暴食を止められなければまた元の木阿弥だしね。 -- 名無しさん (2024-08-13 19:45:06)
- 本作中最強のキャラクターは亀仙人であり、ヒロインは最初その力を借りようと頼みに行くが、亀仙人は同行を断り彼女を諭す。と、何気に亀仙人がカッコいい役回りの映画でもある -- 名無しさん (2024-08-13 21:52:18)
- ↑時系列で言えば1~2巻のころだからね。おまけに敵は武装した普通の軍隊だし、まともに戦えばあっさり撃破されて終わりだった。そう考えたら、トップの2人は一般より強い程度でかなり奮戦した方だよな。 -- 名無しさん (2024-09-08 21:48:54)
最終更新:2025年03月31日 14:33