登録日:2018/04/20 Fri 18:25:53
更新日:2024/07/21 Sun 22:54:23
所要時間:約 4 分で読めます
演:ロバート・ハーディ
声:篠原大作
本名は「コーネリウス・オズワルド・ファッジ(Cornelius Oswald Fudge)」。
外見は、背が低くて恰幅が良く、頭髪はくしゃくしゃで白髪である。
緑色がお気に入りなのか、ライムグリーンの山高帽をいつも被っている。
当初から権力に執着し、自身の政治生命を何よりも優先している傾向はあったが、
ハリー・ポッターを気にかけて保護する、
ハリーとシリウスの縁を知った上で気遣う(当時シリウスはハリーの両親を裏切ったと認識されていたため)など、善人としての面は見られた。
しかし、
ヴォルデモート卿の復活を巡って
アルバス・ダンブルドアと訣別した後は、
ヴォルデモートへの恐怖心やダンブルドアへの劣等感などからますます
権力に執着するようになり、ハリーとダンブルドアに対してはかなり暴挙に出るようになった。
またダンブルドア曰く、純血を重んじる純血主義者でもあるらしい。
魔法省への多額の献金を行うスポンサー的な存在である
ルシウス・マルフォイには頭が上がらない一面も。
ただ、
ルシウス・マルフォイと常に意見が一致していたわけではなく、二巻ではむしろ反対意見を持っていた。
魔法省の腐敗や無力さを象徴する人物と言えるかもしれない。
かつては魔法惨事部の次官であり、ヴォルデモートが失踪した翌日のマグル大量虐殺の現場に居合わせたこともある。
1990年にミリセント・バグノールドの後を継いで魔法大臣となった。
少年時代はホグワーツで学んだらしい。出身寮などは一切不明。
魔法使いの能力を見せる場面はほとんどないが、六巻の過去編ではティーカップをスナネズミに変えたり、ウィスキー入りのワイングラスを出現させたりといった、変身術を得意とするらしい描写がある。またこの際は
無言呪文であった模様。
各巻での行動
1巻『賢者の石』
ハリーと
ルビウス・ハグリッドの会話に、名前だけチラッと出てくる。
推されていたダンブルドアが固辞したため魔法大臣に就任。
この時点では就任から間もないのか、ハグリッド曰く「ダンブルドアにしつこくお伺いをたててる」らしい。
2巻『秘密の部屋』
初登場。
ホグワーツの学生らが次々と石化している事件を受けて、魔法省も手を打っているというポーズを見せるため、
ホグワーツ魔法魔術学校を訪問。
不利な前科を持つハグリッドをアズカバンに連行することを決定した。
ただこの決定にはファッジも確信や納得が持てていなかったようで
「有罪認定したわけではなく、念のためであって、真犯人が分かれば十分な謝罪の上で即刻開放する」と念押ししたりしている。
彼の意志というよりも理事会や保護者などに強い圧力を掛けられた結果らしい。
三巻の様子を見てもハグリッドは特に彼には遺恨を抱いていない様子である。
さらに突如現れたルシウス・マルフォイ(ホグワーツ理事)によるダンブルドアの停職には
反対していたが、相手が正規の手続きを踏んでいたこともあって押し切られる。
3巻『アズカバンの囚人』
シリウス・ブラックのアズカバン脱獄を受け、とあるトラブルで
ダーズリー家を飛び出したハリーを
保護し、「漏れ鍋」に泊まらせることに決めた。
またシリウスの再逮捕のため、彼が目標にしているホグワーツやホグズミードなどに
吸魂鬼を大量配備、検問を強化した。
実はシリウスが脱獄する数週間前には、別の用事でアズカバンを訪問しており、ここで彼と牢越しに体面している。この際は、他の囚人たちが精神耗弱状態に陥っているのに対して、シリウスだけがまるでまともな精神状態をしていたことに驚いたと語っている。
この際に実は彼の頼みで読んでいた古新聞を差し入れており、これがシリウスの脱獄に繋がる遠因となった。
バックビークの処刑の際にもホグワーツを訪れ、シリウスを捕まえた
セブルス・スネイプに対してマーリン勲章勲一等の授与を進言した。
が、ハリーたちによってバックビークとシリウスは逃がされてしまい、あまりの事態に
「私は物笑いのタネになる」と自嘲している。
また、吸魂鬼がシリウス逮捕時に勢い余ってハリーにまで「キス」しようとしたことには憤慨しており、ダンブルドアの願い通り彼らをすぐホグワーツから撤収させた。
かつてヴォルデモート敗北直後、シリウスが
ピーター・ペティグリューとマグル数名を爆破した際、シリウス逮捕の現場指揮を執っていたことを明かしている。
実はシリウスがハリーの父
ジェームズ・ポッターらの親友で、後見人でもあることを知っており、そんなシリウスがジェームズらを裏切りハリーを孤児にした張本人だと知れば、ハリーはどれほど傷付くだろうかと
嘆いている。
この時点で、ファッジはシリウスが無実であり、
真の裏切り者が別にいたということには気付いていなかったが、同時期にシリウスの無実を知っていたのは本人と真犯人、そしてダンブルドアのみ。
しかも、そのダンブルドアですらシリウスが犯人でないことは薄々勘づいていただけであり、代わりに誰がハリーの両親を裏切ったのかまではわからなかったため、ファッジにここまでを求めるのは酷だろう。
…と、ここ(3巻)までは、やや優柔不断ながらも人情味のある、そこそこの人物として描かれていた。
4巻『炎のゴブレット』
序盤では、
クィディッチ・ワールドカップの
イギリス魔法界代表として登場。
ブルガリア魔法大臣と交渉したが、英語を話せないと思っていたブルガリア魔法大臣が実は語学に堪能で、ファッジが身振り手振りを交えながらなんとか意思疎通を図ろうとしていたのを心中でからかっていただけだと知って、さすがに憤慨している。
中盤には、国際魔法協力部部長バーテミウス・クラウチ・シニアの失踪に伴いホグワーツに来校。その際にはボーバトン魔法アカデミー校長で、半巨人のオリンペ・マクシームに対して疑念を持っていた模様。
三大魔法学校対抗試合の第三の課題の際にも来校したが、ヴォルデモートの復活を見届けたというハリーの言葉は保身や恐怖から彼の復活を認めようとせず、
ハリーの言葉を信じて対策を講じるべきとするダンブルドアと諍いを起こした挙句、最終的にダンブルドアと訣別した。
実のところ魔法省の戦力はすっかり落ちており、ヴォルデモートへの対策も実行するべき戦力がなく、そんな困難な現実に直面するぐらいなら「ヴォルデモート復活などない」と信じたほうが楽だった、というのが本当のところだろう。
実は3巻では「例のあの人が生きていても孤立無援ならそれはそれでいいが、もし忠実な家来が彼の下に戻ったなら……どれほど早く復活することか、考えるだけでもぞっとする」と発言しており、本来は「ヴォルデモートの復活はありうる」と理解はしていた。
しかし頭ではわかっていても、いざ直面した際には思ったほど冷静に対処できず、パニックよりも目先の安心を追求してしまったのだろう。
小心者ゆえの精神のコントロールとしては見事だったが、行きつく先は事なかれ主義であった。
なお、終盤には
バーテミウス・クラウチ・ジュニアの身柄確保に学校を訪れるが、死喰い人への怯えからか
吸魂鬼を同伴してきた。
その吸魂鬼は前年に続く脱獄で頭にきていたらしく、部屋に入るやいなや「キス」を実行してクラウチJr.を廃人にしてしまった。
……まあクラウチJr.の高すぎるスキルを考えれば、二度とヴォルデモートを補佐できないほど破滅させたのは「痛撃を与えた」といえるかも知れない。
5巻『不死鳥の騎士団』
ハリーの未成年魔法使用に対しての尋問で尋問官となる。
ダンブルドアを出席させたくないからか、直前に使用する法廷を変え、勝手に開始時間を早めるなどかなりの暴挙に出ており、
権力を濫用してでもハリーを退学処分にしたかったようだが、ダンブルドアの弁護や、他の裁判官の裁定もあってハリーは退学処分を免れることとなった。
それでもあきらめず、ダンブルドアの監視やハリーいじめのために
ドローレス・アンブリッジを送り込む、「
日刊予言者新聞」を利用して両名を貶めるデマをまき散らすなど
暗躍を続行。
この頃には「ダンブルドアはヴォルデモート復活を公言して社会不安を煽り、自ら魔法大臣となって権力を奪うつもりだ」という、あらぬ被害妄想に取り憑かれていた。
またルシウス・マルフォイとも連絡を取り合い、何かしらの画策をしていた模様。
ルシウス・マルフォイは言うまでもなく
死喰い人の幹部だが、ファッジは「ヴォルデモートは復活などしていないのだから、彼は現在、絶対に死喰い人ではない!」と信じて協力を仰いだと見られる。
この辺も彼が「名誉死喰い人」と読者から評される一因だろう。
ダンブルドア軍団の会合が密告された際もホグワーツに来校し、またしてもハリーを退学処分にしようとしたが、ダンブルドアがダンブルドア軍団の創設者の身代わりをしたおかげでまたしてもハリーは退学処分を免れた。
終盤の魔法省神秘部の戦いでヴォルデモートを目撃し、最終的にファッジもあの人の復活を受け入れざるを得なくなった。
しかし彼がダンブルドアとの内紛に明け暮れていたこの一年間に、ヴォルデモートと死喰い人は巨人や狼男、そして吸魂鬼などを味方に付け、第一次魔法戦争や戦後に逮捕された死喰い人も回収して、勢力を再建させてしまった。
6巻『謎のプリンス』
冒頭で
英国のマグルの首相のもとに出現し、ヴォルデモートが復活したことを告げた(以前はシリウスの脱獄時、クィディッチ・ワールドカップでマグルが攻撃された時、アズカバンからの死喰い人の集団脱獄時にマグルの首相の元に出現していたらしい)。
この時点で、彼が2週間にわたる魔法界の要求により、
魔法大臣を辞任したことが明かされており、魔法大臣の後任に
ルーファス・スクリムジョールが着任したことが告げられた。
また、
シリウス・ブラックが冤罪であったことなどもこの時点で知るようになっていた。
これ以降はマグルの首相との連絡役になっている。
巻末ではダンブルドアの葬儀に出席。
これを最後に彼の出番はなく、最終的な消息は不明。
追記・修正は魔法大臣経験者がお願いします。
- 初期はハリーを庇ったりクィディッチワールドカップの開幕宣言したり気弱そうではあっても悪人ではなかったが、どこで間違えてしまったのか…… -- 名無しさん (2018-04-20 19:44:50)
- クラウチjrに吸魂鬼のキスを執行したのは今思うと正しかったよな。結果論だけど -- 名無しさん (2018-04-20 19:47:21)
- たぶんファッジが魔法界の魔術師の平均的な魔術師なんだろうな。マグルは嫌いだけどヴォルデモートほど過激なのは反対。ダンブルドアは尊敬してるけど正し過ぎてついていけない。結果的にどっちつかずのコウモリになる -- 名無しさん (2018-04-20 20:41:30)
- この人が大臣だったのは間違いなくおじぎにとっての幸運 -- 名無しさん (2018-04-20 21:17:30)
- 良くも悪くも一般人らしい人 -- 名無しさん (2018-04-20 21:39:56)
- 悪人ではないけど、ヴォルデモートの問題が大きくなった戦犯でもあるし、少なくとも政界引退は確定だろう -- 名無しさん (2018-04-20 22:12:20)
- 無能っちゃ無能なんだけどおじぎ復活後の魔法省のあれやらこれやらと比較すると「まだ」マシに見える不思議 -- 名無しさん (2018-04-20 22:26:32)
- 平時においては彼の在り方は正しいくらいよね、致命的にヴォルデモート復活というこの状況に合わなかっただけで -- 名無しさん (2018-04-20 23:11:58)
- 自分の力量を超えた問題に目を背け耳をふさぐのは割とよくある人間のダメな習性、問題はこの人は偉すぎた -- 名無しさん (2018-04-21 04:15:37)
- 5巻でハリーに敵対していろいろやっても、6巻で利用して魔法大臣にとどまろうとしていた辺り、やっぱり権力欲は強すぎただろうな -- 名無しさん (2018-04-21 08:37:39)
- 七巻で自主的にホグワーツで味方になるくらいしたら汚名返上できただろうけど、全く消息不明だしその前に死んでそうで -- 名無しさん (2018-04-21 18:15:04)
- スクリムジョールは死んじゃったけどファッジは逆に生きてそう。やっちまったこと考えたら人前に出られないだろうが -- 名無しさん (2018-04-22 04:17:42)
- 護衛が吸魂鬼とか危なく無いんですかね…(小並感) -- 名無しさん (2020-03-13 19:41:03)
- 出身寮はグリフィンドール。スリザリン出身者とも親しかったという点は美点なのだが、忖度と隠蔽という腐敗っぷりはそれを帳消しにして余りある欠点。 -- 名無しさん (2020-03-28 22:34:12)
- こいつは5巻ではまるで死喰い人の仲間のような行動ばかりしてたからアズカバン送りにしてほしかったわ。アンブリッジはそうなったしな。 -- 名無しさん (2020-04-29 19:50:57)
- なんか設定ではスクリムジョールが大臣になった後も代理でマグルとの伝達役とかやってたらしいな -- 名無しさん (2020-07-02 07:31:12)
- ↑6巻序盤のマグル首相とスクリムジョールの対面で「このファッジなどを連絡役によこします」と言われてた気がする。7巻以降も傀儡大臣シックネスの下で働いたかな? -- 名無しさん (2020-08-13 01:16:35)
- ↑ シックネスはヴォルデモートの傀儡で、その政権の対マグル連絡役となると閑職中の閑職だろうけど、ヴォルデモート逼塞時代の魔法大臣だったから嫌がらせ兼ねてそのまま据え置かれそうな気もする。 -- 名無しさん (2020-08-22 17:02:42)
- まるきり悪人では無いけど人の上に立つ器ではない。 -- 名無しさん (2021-02-04 16:18:44)
- だれが呼んだか名誉死喰い人。逆にマルフォイ家は名誉不死鳥の騎士団員 -- 名無しさん (2021-02-18 16:46:12)
- 後半、物語に都合よく動かされてた感じ(元のキャラ軽視された感じ)あってちょっとかわいそうではある -- 名無しさん (2021-04-13 06:24:12)
- でたらめ好きって割と広まっているリータの記事を信じるって時点でなんというかダメダメ感はある。信じなくても結果は変わらなかったかもしれないけど -- 名無しさん (2021-04-13 07:21:33)
- おそらく何の対策もせずに闇陣営の跋扈を許した無能として魔法史において永年語り継がれると思われる -- 名無しさん (2021-09-26 12:23:21)
- 3巻の時点でヴォルデモートが復活する事はありうる、みたいな事を言ってたのにどうしてこうなった -- 名無しさん (2021-10-03 22:05:58)
- 魔法大臣の選出方法が分からないからなんとも言えないけど、平時のトップとしてはまあ民意に適った人物なんじゃないかな -- 名無しさん (2021-10-04 00:23:56)
- 話の都合で無能にされた感はある -- 名無しさん (2021-10-04 00:29:08)
- 悲しいぐらい小役人 人間臭いね -- 名無しさん (2021-12-24 23:04:38)
- 話がすすむごとに評価が低下するとともに、魔法世界の腐敗ぶりを象徴する存在になったよね -- 名無しさん (2021-12-24 23:08:13)
- ↑4 民意に適った選出で民意(しかも当人曰く、かつてないほど団結して)に適った退陣か・・・ -- 名無しさん (2021-12-25 10:31:49)
- ↑7 その辺含めてネヴィル・チェンバレンあたりがモデルかもな(平時の良宰相なんだけど戦争前には明らかに向かなかった人)。 -- 名無しさん (2022-01-09 10:30:09)
- ↑×7大臣としての格好つけだろうなー 本心では思ってなかっただろうな -- 名無しさん (2022-02-26 08:57:24)
- ↑×10 モリーもリーターの記事信じてハーマイオニーに冷たくなったりしたし他にもハーマイオニーを攻撃する人いたから、普段はゴシップばかりだがたまに隠された真実を書くみたいな評判なのかも ハリーが蛇語を話せること自体は事実なわけだし -- 名無しさん (2022-05-24 12:54:45)
- 自分の手に余る問題に対して目をつぶってなかったことにするのも問題だけど、間違った対策に固執して暴走するのはもっと迷惑だから難しいよな -- 名無しさん (2023-03-24 18:52:20)
- 当時15歳の少年を国を挙げてバッシングとか大人のしていいことじゃない -- 名無しさん (2024-01-11 01:55:11)
- 6巻でついにマグル側の首相にもダメ出しされる体たらく -- 名無しさん (2024-01-28 21:24:57)
- まぁ普通にクズだよねファッジ。まがいなりにも魔法界のトップだからハリーやダンブルドアにいちゃもんつけていじめるエネルギー使う暇あったら死喰い人の対策でもしろよって話。お辞儀復活を現実逃避するだけならまだしも他に対しても無策かつ無駄なところに力入れるんじゃ無能としか言いようがない。 -- 名無しさん (2024-02-05 00:44:16)
- 生きてるのか知らないけど、魔法大臣続けてたら間違いなく暗殺、しかもむごい殺され方しただろうからある意味悪運はいいかもしれない -- 名無しさん (2024-02-22 19:03:34)
- こいつが覚醒して4巻で闇の陣営と戦う覚悟が出来てたらなた -- 名無しさん (2024-02-23 05:12:09)
- 【】 -- 名無しさん (2024-07-21 16:59:14)
- 真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方であるというのを体現しているキャラ。消息不明だけど、生きてても表舞台に出れない以上権力欲の塊のこの男にとったら死んでるも同然な感じだと思う。 -- 名無しさん (2024-07-21 17:00:37)
最終更新:2024年07月21日 22:54