ルーファス・スクリムジョール

登録日:2024/02/18 Sun 21:30:00
更新日:2024/02/23 Fri 19:41:47
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「我々は満足していない。首相が『服従の呪文』にかかりでもしたら、マグルの前途が案じられる」


ルーファス・スクリムジョール(Rufus Scrimgeour)とは、『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物。
コーネリウス・ファッジに代わる魔法大臣として、ヴォルデモート卿と戦った。

演:ビル・ナイ/日本語吹き替え:小川真司


【人物】

◇風貌

髪や眉は毛量が多くてふさふさとしており、毛は黄褐色で、たてがみを連想させた。さらに加齢によるものか白髪混じりになっているが、それが却って「年老いたライオン」「百戦錬磨の戦士」を思わせ、老人ながらも威厳を漂わせる風貌。
目つきも鋭く、瞳は黄色がかった色をしており、これまた「強そう」。ワイヤー縁の眼鏡をかけている。
挙措動作には威厳がある。

さらに第一線で常に戦い続けてきたために負傷したのか、片足を引きずって歩き、ステッキ(魔法の杖ではなく歩行杖)を持っていた。
戦士としては能力低下に繋がったはずだが、有事の指導者としてはいかにも官僚的なファッジよりも頼りになりそうだと見なされた模様。

しかし、後述の事情もあってヴォルデモートと戦うストレスはあまりに大きく、ただでさえ老齢のスクリムジョールはさらに老け込んでしまう。
それでも、弱々しくはならず目つきの鋭さは増したが、同時に険しさも加わって鬼気迫る面妖になっていた。


◇性格

「質問しているのは、私だ」

ダンブルドアはスクリムジョールについて「有能である。強い意志や行動力があり、また闇の魔法使いと長年戦ってきたためにヴォルデモート卿を見くびってはいない」と評している。
他の人物からも「武闘派。闇祓いとして強力な戦士」と評されている。
野心家という評価もあった。有事のストレス下というのもあろうが、激昂しやすい面もある。

しかし、作中では「魔法省の体面や権威に拘泥し、周囲の評判を気にしすぎて、その場しのぎの方策に走る」「何かやっていると思われたいだけ」「利己的」とさんざんな扱われ方をしている。
実のところハリーがスクリムジョールをほぼ生理的に嫌っており、逆にスクリムジョールの立場や内心・活躍をハリーの側から見られないことも関係しているが、結果として魔法省は敗北し、ヴォルデモートに対抗しうるリーダーとはなり得なかった。
ハリーからの最終的な見方は「ファッジと同レベル」である。本当に効果のある手は打てず、時間稼ぎにしかならなかった、と。



ただ、別の見方をすればスクリムジョールは本来、魔法大臣が務まる政治力を最初から持たない人物だったとも言える。
まず彼は、全身傷だらけで、キャリアのほとんどが闇祓いだった。
作中の医療魔法の能力からみても、軽度とは言え歩行障害が残るほどというのは作中でも珍しい。

ということは、彼は政界を泳いで派閥や貴族たちを左右し、他者の力を引き出すような、いわゆる政治家としてのスキルを積んでこなかったと思われる。ましてイギリス魔法界は貴族社会で、コネクションや利害調整がものを言う。

叩き上げのスクリムジョールは「政治手腕」「コネクション」「利害調整能力」「豊富な資金」をいずれも持たず、それでは貴族たちが集まるイギリス魔法界を束ねるのは困難だっただろう。
人事で見ても、例えばファッジやドローレス・アンブリッジなど、すでに無能・危険と分かっている人間がいたにもかかわらず、再配置はしても権力剥奪などはしていない。人事については現状維持と言うより臆病なほど。
これは、ファッジやアンブリッジが持つ権力を切り捨てたら、その穴埋めをする別の権力者に心当たりがなかったためだろう。
彼もこの問題を意識してか、アーサー・ウィーズリーを引き上げる、パーシー・ウィーズリーを側近に置く、ハリーを味方に付けようとする、など、乏しい政治的手札を増やそうとしているが、結果として実を結ばなかった。
彼には声を掛けられる人材に宛てがなかったのだ。ハリーへの勧誘を三回も行うあたりも彼の切実性を物語る。

また、魔法界の有力貴族は例えばマルフォイ家など多くが敵に回ってしまい、穴ばかりになってしまったこともあるだろう。



政治手腕とは別に、彼はなぜかアルバス・ダンブルドアをひどく嫌っていた。部下に尾行させるほどである。
ハリーへの嫌悪も、彼がダンブルドアに「忠実」であることにことさら反応している。
実のところダンブルドアを嫌う人物は結構多い。例えばファッジ、オリンペ・マクシーム*1、イゴール・カルカロフ*2は実際に名前を挙げられている*3
しかし、一度は魔法大臣候補者として並び、かつて多く相談し彼の賢さをよく知るファッジ、同規模の学校を率いるマクシーム*4、元死喰い人のカルカロフは理由がはっきりしているが、スクリムジョールだけはこれらしい因縁が語られていない。
方や当代一の賢者とはいえ大学校長、方や闇祓いの猛将、とジャンルも被っておらず、因縁さえ考えにくい。

一方でダンブルドアも、閉じた部屋の外からさえ聞こえるような怒鳴り合いをしたという。
これは珍しい反応で、ルシウス・マルフォイやヴォルデモートに対してさえ「怒鳴る」という反応を見せることはめったにない。
よほど腹に据えかねたというのもあるだろうが、あるいはこの両者の間で何か事件があったのかも知れない。



とまあ、指導者としては能力も条件も揃わず評判は悪かったが、一方で彼には清廉な面もあった
彼はファッジやルシウス・マルフォイに比べれば偏見が少なく、例えばマグルへの愛情で奇人扱いだったアーサー・ウィーズリーを昇進させたり、マグルの首相と真面目に報告をしたりと言ったところからも見て取れる。
最期はヴォルデモート直々に拷問を受けてそのまま死ぬという悲惨な最期を迎えるが、その拷問の苦痛、脳に忍び込む開心術に死ぬまで抵抗し続け、ハリーの情報を明かさずに死んだ。嫌悪したハリーのことについてでさえ、である。
これは、ルーファス・スクリムジョールの持つ勇気や、その心の強さを示す究極の事例である。

貴族社会でありながら、それに見合った指導者がおらず、明らかに貴族社会に向いていないスクリムジョールが指導者になってしまったことが、彼と魔法界の最大の不幸であった。
もし、魔法大臣としてより優秀な人物が現れ、その部下として闇祓いを率いる局長として戦い続けていられたなら、ルーファス・スクリムジョールは本編よりももっと生き生きと戦えたかも知れない。


◇能力

「ここが学校ではないと言うことを、思い出したかね? 私が、君の傲慢さも不服従をも許してきたダンブルドアではないと言うことを、思い出したかね!!」

作中では戦闘シーンに恵まれず、未知数。
杖は持っているが、長さや素材などは一切不明。また老齢に加えて歩行障害を負い、歩行杖を使うぐらいなので、戦闘力は若いころよりいくらか落ちていると思われる。

しかし闇祓いになるには、闇の魔術に対する防御術のみならず、魔法薬学、変身術、薬草学、呪文学など幅広い分野において高いスキルを備える必要がある
ホグワーツではNEWTレベルとOWLレベルの二つの試験があるが、スクリムジョールはこの両方で高い数値を記録したはずである。そうでなければ闇祓いには就職できず、ましてやその局長は務まらない。
(闇祓いの厳しさについて、三年にわたって新しい闇祓いが誕生しなかったことさえある。軽い気持ちや人事の都合ではなれないのだ)
実戦経験も相当積んでいたはずで、それは彼の全身の傷が物語る。特に歩行障害を煩っているのは、闇の魔術を食らったためと考えられる。普通の負傷なら、たとえ骨が全て抜かれても、障害を負ったりはしない。障害が残るのはセクタムセンプラなど、よほど強力な闇魔術である。
実際、スクリムジョールはヴォルデモート卿と勇敢に戦って生き延びた、腕利きの戦士だったという。
六巻冒頭でマグルの首相官邸に現れた際には、ドアの鍵や窓のカーテンを閉める際に無言呪文を使っていた。
非常に難しいと言われる「守護霊の呪文」も使用可能。

また政治家としての能力は低かったが、闇祓いの局長という経歴や、世論が彼に魔法大臣になってくれと懇願したことからすると、スクリムジョールは闇祓いの隊長としては高い指揮能力を持っていたと思われる。
国家元首ではなく将軍的な人物だったのだろう。


【作中の活躍】

◇前歴

生年月日や年齢などは一切不明。苗字はスコットランドに多いらしいが、そこの出身とも限らない。
少年期はホグワーツ魔法魔術学校にて学び、魔法省に入り、闇祓い局に加わったと見られる。
まあそれさえはっきりした明言はされていないのだが、ホラス・スラグホーンは汽車内で彼のことをファーストネームで親しげに呼ぶ場面があり、ホグワーツOB、それもスラグクラブにも入っていた可能性がある*5
また全身傷だらけで脚にも障害を負っていることや、ダンブルドアを含めて多くの人々から「人生のほとんどを、闇の魔法使いとの戦いに費やしてきた」と言及されていることから、闇祓いコース以外を歩んでいたとは思えない。
遅くとも1990年代までには闇祓い局の局長にまで昇進している。これも、魔法省の権力闘争や貴族社会のコネクションなどではなく、叩き上げでその地位に就いたのだろう。
後に魔法界の人々から魔法大臣として嘱望されたことからも、闇祓いの猛将として世間に知られていたはず。
著名な部下にはジョン・ドーリッシュ、 ニンファドーラ・トンクスキングズリー・シャックルボルト、ガウェイン・ロバーズなどの名が上がる。
また、特に作中描写こそなかったが、年齢や風貌、立場や性格からアラスター・ムーディとはある程度の親交があったのではと想像するファンは多い。

三巻には登場しないが、シリウス・ブラック脱獄時には闇祓い長官として、トンクスとシャックルボルトをシリウス捜索班に任命し、よく進捗を聞きに行っていた。
トンクスとシャックルボルトは五巻時点では表向き捜索するふりをして「シリウスは現在チベットに逃げた」などと攪乱していた。
この攪乱は不死鳥の騎士団としての行動であるが、攪乱対象はファッジであるため、スクリムジョールが真実を知っていたかは不明である。


◇魔法大臣に就任

「初めまして。ファッジからすべてお聞きになりましたね?」

六巻冒頭で初登場。
ヴォルデモートがついに公然と行動を開始し、イギリスの魔法界とマグル界に宣戦布告したことで、魔法界は団結してコーネリアス・ファッジの辞任を要求。
彼も彼なりに粘ったようだが周囲の声は如何ともしがたく、「神秘部の戦い」でヴォルデモートが見つかってからわずか二週間で降板。
ただちにこのルーファス・スクリムジョールが新任の魔法大臣となる。
またスクリムジョールが拝命していた闇祓い長官の任務は、部下のガウェイン・ロバーズが引き継いだ。
ファッジは特別顧問として残されたが、その任務は顧問とは名ばかり、マグル界の首相と連絡を取る窓口役であった。
これは、魔法大臣は就任に当たってマグル界首相と対面する慣例があり、ファッジはすでに現首相と面識を得ているからであった。スクリムジョールもいま面識を得たところだが、多忙を極めると予想されるので。

彼は就任後、まずヴォルデモート復活を公式に認めるとともに、演説や広報を駆使して「この暗黒時代に立ち向かうべし」と宣言し、闇の帝王に怯える社会を鼓舞。
前政権で散々ネガキャンしていたアルバス・ダンブルドアハリー・ポッター両名の名誉を回復させた。

またマグル首相に対面して、魔法界の戦争状態突入と、吸魂鬼や巨人が暴れ回っていること、首相の近辺にまで死喰い人が迫っていること、などを次々と説明。
首相の護衛としてとりあえずキングズリー・シャックルボルトを送り、必要ならまたなんらかの措置を執ることも伝達した。
首相としては反感を抱くところもあったが、有事と言うことなら「ファッジよりも信頼できそうではある」とも感じている。


◇不信と不振

「当然のことだが、魔法省は、新しい厳重なセキュリティ計画の詳細について公表するつもりはない」

しかし、スクリムジョールは確かにファッジよりも有能ではあったが、有事の魔法大臣としては精彩を欠いた。

まず彼はアルバス・ダンブルドアを信頼しておらず、部下の闇祓いジョン・ドーリッシュに尾行を命じていた。
さらにナイトバスの車掌スタン・シャンパイクが「俺は実は死喰い人だ」と触れ回った際にはたちまち逮捕してアズカバンに送り込んだが、ハリーは「スタンが本当に死喰い人であるはずがない」「無実の人を捕えて、何か動いているような素振りをしているだけ、一種の責任逃れだ」と激しく嫌悪した。

さらに、前政権では狂人だの嘘つきだのと散々に扱っていたハリーに対して「選ばれし者」として魔法省の象徴になって志気を高めて欲しいと考えるが、相談を受けたダンブルドアから「彼をマスコットにする気か」と大いに反発され、大喧嘩になった。
スクリムジョールはマグル首相と対面した際に、情報漏れを警戒して扉の施錠や窓のカーテン閉鎖などに気を遣う人物だが、にもかかわらず激しい怒鳴り合いを日刊予言者新聞に聞かれたという。
よほどの剣幕で怒鳴りあったようだ。


「そうか。君はむしろ――君の英雄ダンブルドアと同じに――魔法省から分離する方を選ぶわけだな?」

1996年のクリスマス、スクリムジョールはウィーズリー家の「隠れ穴」を訪問する。
口実は当時家族との関係が悪化していたパーシー・ウィーズリーの実家訪問だったが、真意はハリーと直接面談し、ダンブルドアが何を考えているのかを尋ね、また魔法省の側に立って活動して欲しいと頼むことにあった。
しかしハリーは、前政権でファッジやアンブリッジに受けたさまざまな虐待、そして無実と分かっているスタンへの投獄や、高圧的な態度と、本物の死喰い人への対応のなさなどから完全に魔法省を見限っていた。
結局彼は「あなたはファッジと大差ない」と批判して拒絶、スクリムジョールも「ダンブルドアに忠誠を誓うというわけか!」と怒りを露わにし、決裂した。
またパーシー・ウィーズリーの関係改善も為されず、時間の浪費に終わる。


……まあ、スタン・シャンパイクに関しては正直「軽い気持ちで悪質なデマを撒いて社会を混乱させていた」わけで、誤認逮捕や不当逮捕とはとても言えないが。
それでなくても「服従の呪文」で、誰がいつから死喰い人の手下になっているのかが分からなくなっているのに、そのうえ「イタズラ死喰い人」なんてのが蔓延ったらたまったものではない。
そういう意味ではスタンを逮捕して「こういったタチの悪い扇動は許さん!」と示すのはむしろ正しいと言える。
また「アズカバン」と言えばつい吸魂鬼を連想するが、この時点では吸魂鬼は全員逃げ出しているので、スタン・シャンパイクは吸魂鬼の被害を受けていない。

さらにハリーを苦しめたのはファッジやアンブリッジであって、スクリムジョールは前年までの事情にまったく関係していない。
スクリムジョールの立場からするとハリーに八つ当たりを食らった格好である。
とはいえ彼も彼で、ダンブルドアを嫌っていたから、最初からハリーとうまくいく可能性は低かったが……


六巻エピローグにて、ダンブルドアの葬儀に省職員の代表団を率いて参列。しかしその随行員にアンブリッジなどを同席させたことで、なおのことハリーの嫌悪感を煽ってしまう。
とはいえさすがに葬儀の場とあっては、彼らも厳粛な態度に徹している。

葬儀の直後、スクリムジョールは再びハリーと接触。またも「魔法省に協力しろ」と威圧的に頼むが、ハリーは再び拒絶。喧嘩別れとなった。


◇決裂

「ポッター、その傷跡を王冠のようにかぶっているのはいい。しかし、十七歳の青二才が、私の仕事に口を出すのはお門違いだ!!」

ダンブルドアの死から1か月後の7月31日、スクリムジョールは再び「隠れ穴」を訪れた。
今度の内容はダンブルドアの遺言をハリー、ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーに伝え、かつ遺言に基づき遺品を手渡すためだった。

しかしハリーは彼の欺瞞に気付く。ダンブルドアの死没から一ヶ月が経過してから遺言を公開し遺品を送るというのは、怠慢でなければ作為だ、遺品を手元に置いてあれこれ画策していたのだろう、と。
実際当たっていたらしく、ダンブルドアの遺品は一見何の変哲もないものばかりだが、隠されたメッセージはないか、実はヴォルデモート撃破の切り札になるようなものがないか、を調べていたのだ。
さらに、ダンブルドアの意図をハリーたちが密かに汲み取っていないかと詰問。

スクリムジョールを敵視するハリーはもちろん答えず、さらに未練がましい協力要請も派手に拒絶。
そして、スクリムジョールはダンブルドアからの遺品としてハリーには「金のスニッチ」、ロンには「火消しライター」、ハーマイオニーには「『吟遊詩人ビードル物語』の原本」を譲渡するが、ダンブルドアからハリーへの最後の遺品「ゴドリック・グリフィンドールの剣」は歴史的価値の高い宝物であり公共財産でもあるため、ダンブルドアの遺言とは言え彼の一存で譲渡させられるものでないとして、譲渡を拒否した。

ハリーは「スクリムジョールがこれらの遺品を調べるのに時間を浪費した結果、数十人の死喰い人がアズカバンから脱走した」「アラスター・ムーディの戦死や死喰い人の脱獄を、魔法省の体面を維持するために情報封鎖している」と激しく批判した。
スクリムジョールも激怒し、ヴォルデモートと戦う前に二人の間で決闘寸前まで殺意が膨らんだ。
幸い、この異常な怒鳴り合いを聞いたアーサー・ウィーズリーとモリー・ウィーズリーが割って入り、スクリムジョールは最低限の落ち着きを取り戻し、ついにハリーたちに捨て台詞を吐いて去って行った。

……そして黄金のスニッチの中には、確かに秘宝「蘇りの石」が入っていたので、実はスクリムジョールの想像は、その一点では正しかったのではある。
あとさすがにグリフィンドールの剣を譲渡するのは難しかっただろう。いろんな意味で。


◇魔法省陥落

「魔法省は陥落した。スクリムジョールは死んだ。連中が、そちらに向かっている」

スクリムジョールが戦死したのはその翌日であった
1997年8月1日、ヴォルデモート自ら大勢の死喰い人を率いて、魔法省に侵攻。
スクリムジョールは闇祓いや部下たちを率いて交戦するが、ヴォルデモートを恐れる者たちや「服従の呪文」に掛かった者たちが寝返り、ついにスクリムジョールは捕えられた。

そしてヴォルデモートは、生け捕りにしたスクリムジョールからハリーたちの隠れ家を吐かせようと、拷問をかけた。
開心術の達人であり、かつてバーサ・ジョーキンズを徹底的に拷問し、掛けられていた忘却術も突破したヴォルデモートである。彼の手に直接掛かっては、秘密を保つことなどできない……と思われた。

しかしスクリムジョールは、ついにハリーたちの情報を吐かなかった
ヴォルデモートと死喰い人は執拗に拷問を掛けたが、老雄スクリムジョールは頑として口を割らず、ついに激怒したヴォルデモートによって処刑されても、かけらの情報さえ渡さなかったのだ。
直後には死喰い人の一部隊がハリーの潜伏していた場所にも攻め込んだが、この時も「そこにハリーがいる」とは知らず、手当たり次第に片っ端から探すしかなかっただけであった。
後でこの知らせを受けたハリー・ポッターは、生前のスクリムジョールとは対立してばかりだったのに最後の最期で守ってくれたことに、衝撃と感謝の念が湧き上がるのを抑えきれなかった。


しかし、結果として魔法省はヴォルデモートの傀儡となってしまう。
死喰い人は、スクリムジョールは「辞任した」と公表。その後任の魔法大臣として、魔法法執行局長パイアス・シックネスを「服従の呪文」で支配下に置いた上で、擁立した。
その実態は、パイアス・シックネスを操る死喰い人コーバン・ヤックスリー、そしてヴォルデモートの命令と理想の国作りを実行する機関に過ぎなかった。
シックネス政権では、マグル生まれの魔法族を迫害・投獄するための「マグル生まれ登録委員会」が設立され、あのドローレス・アンブリッジが責任者に任命された。
またハリー・ポッターは再び指名手配者となり、「反乱分子No.1」「アルバス・ダンブルドアの死に関する重要参考人」として指名手配されてしまう。

ハリーは、確かにスクリムジョールの最期には感謝を抱いたものの、政治家としては嫌い続けた。
「9と3/4番線ホーム」でダンブルドアの霊と再会した際、ハリーは「あなたならファッジやスクリムジョールよりも優れた指導者になれたのでは」と発言し、最期までスクリムジョールとファッジを同列に扱っている。


【余談】

  • 名前の由来
ルーファスはラテン語で「赤」。またイングランド王ウィリアム二世の「赤顔王(William Rufus)」という渾名でもあった。ウィリアム二世は兵士としては有能だったが、統治者としては冷酷かつ不人気だったという。
苗字のスクリムジョールはスコットランドに多い姓で、フランス語の「剣士」または「小競り合い」を意味するescrimeurに由来するという。
よって「ルーファス・スクリムジョール」は「赤い剣士」「赤との小競り合い」と言ったところか。
ダンブルドアのファーストネーム「アルバス」はラテン語で「白」という意味なので、二人は紅白となるし、対立を起こしやすかったのかも知れない。

  • 映画版
元々映画『謎のプリンス』に登場する予定だったが、分量の都合でカットされ『死の秘宝: パート1』のみの登場となった。
その都合で、ハリーとの関係も原作ほど悪くはない。
また上述通りスクリムジョールはスコットランドに多いが、担当俳優はウェールズ訛りで演じた。

ルーナ・ラブグッドは「スクリムジョールは吸血鬼」と話したことがある。
これは彼女の父親が刊行する雑誌「ザ・クイブラー」に掲載予定だった記事からの話。まあぶっちゃけこの雑誌の信憑性はお察しだが、スクリムジョール本人が「掲載をやめろ」と脅したため、ルーナは「やっぱり本当なんだ」と変な確信を強めたという。
(作中世界では狼男への差別が凄まじいとされている。吸血鬼に対しては不明だが、こちらへの差別や危険視も相当であろうことを考えると、スクリムジョールが「変なデマを流すな」と怒るのも無理はない)
ちなみに、吸血鬼は杖を持つことが禁止されているとのこと。

  • 親戚?
作中世界では『ビーターズ・バイブル』なる書籍の著者としてブルータス・スクリムジョールと言う人物がいて、親族と噂されるらしい。

  • キャリア
ハリーは2007年に27歳で闇祓い局の長官になる。これは史上最年少の記録という。
と言うことは、前任のスクリムジョールはそれ以上の年齢で闇祓い局の長官になったと言うことになる。

  • 名前
魔法大臣としての前任者コーネリウス・ファッジには甥がいる。
その甥の名は「ルーファス・ファッジ」で、スクリムジョールとはファーストネームが被っている。





「私がここに来たのは、君たちも知っているとおり、項目の追記・修正のためだ」

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最終更新:2024年02月23日 19:41

*1 フランスのボーバトン魔法アカデミーの校長。

*2 ダームストラング専門学校の校長。かつて第一次魔法戦争の際は死喰い人だったが、逮捕後に司法取引を行って釈放され、ダームストラングの校長に就任した。

*3 「自分の考えを何もかも見透かされることの嫌悪感」「能力的に及ばないことへの劣等感」などを煽られてしまうのだという。

*4 しかもマクシーム本人は公言していないものの、巨人の血を引いていることがほぼ確実な人物である(当人は「骨が太いだけ」と否定したが)。巨人とのハーフは魔法界の一部から差別の対象とされており、そういった偏見の目で見られながらもホグワーツと同規模の学校のトップにまで上り詰めたのだから、そこに至る道には多くの苦労があったのかもしれない。

*5 スラグホーンの年齢は不明で、1881年~1899年の17年間に生まれたとしか分からないが、いずれにしても本編で100歳前後に達するため、スクリムジョールの教師でもおかしくない。