ダーズリー一族

登録日:2015/11/14 Sat 14:22:47
更新日:2025/03/01 Sat 10:44:11
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ダーズリー一族とは、小説を原作とする『ハリー・ポッター』シリーズに登場する一族である。


<概要>

ハリー・ポッターの唯一の親戚。作中で登場した全員が魔法を使えないマグル。
バーノン一家はイギリスのサレー州リトル・ウィンジングのプリベット通り四番地に居住。
「まとも」であることが自慢であり、魔法といった不可思議なものの存在を認めようとしない。

作中では、両親を殺害されたハリーを引き取って養育している叔父一家という立ち位置。

だが、魔法使いへの偏見もあって甥であるハリーにはほぼ虐待同然の冷遇を行っており、ホグワーツに興味を持つハリーを徹底的に妨害したり、部屋に閉じ込めたりしては、彼やその友人の魔法等によって痛い目を見せられる憎まれ役のポジションにいる。
実際ハリーへの対応は最悪の一言で、ぶっちゃけ現代日本の基準に照らせば児童相談所が出張るレベル。
ハリー自身「食べ残しのパフェを分けてもらえたのは幸運」「憎まないでいられるものか」と、一部精神にひずみを作っている。

ただし、細部を見ていくと決して悪人一辺倒と言うわけではなく、ある意味人間の良い面・悪い面を具現化したような家族である。



<作中登場するダーズリー一族>

演者と日本語吹替声優は映画版より。

○バーノン・ダーズリー

演:リチャード・グリフィス / 日本語吹替:楠見尚己

一家の主。
肉づきがよく、首がほとんどない。
穴あけドリル製造会社のグラニングズ社の社長*1
いつもハリーを「小僧」呼ばわりし高圧的かつ脅すように接する。ハリーへの衣類や必要物品はダドリーのお古で済ませようとする。
一方、息子のダドリーには大甘。
世間体が大事な割には息子の問題行動(成績の悪さや暴力・いじめetc)は一切咎めず、認識さえしようとしない*2。欲しいものはなんでも買い与えた。
結果、ダドリーは肥満体で乱暴者のガキ大将になってしまった。

割と攻撃性も強く、魔法界からの連絡を受けた際には最も取り乱し、自身の家族とハリーを連れて家から出て放浪するなどの奇行に出る。
それのみならず、護身用にか、どこからかライフル銃を調達して装備する*3という凶行に奔り、
ハリーを迎えに現れたハグリットにも攻撃的に接し、面と向かってポッター夫妻やダンブルドアへの暴言を口走った結果、彼の逆鱗に触れてしまっている。
ちなみに銃器は、イギリスでは日本ほどではないが、銃については規制が強い方である。
道中に調達=最初から持っていたわけではない&最初は中身を家族に秘密にしていたので、火器免許なくして購入したなど「まともでない手段」によって手に入れた可能性も高い。

セールスマン→中間管理職→社長と順当に出世した叩き上げ。
その為か、魔法・魔術などの「まともでないもの」を毛嫌いしており、魔法使いの血を引く甥であるハリーに対してきつく当たり、露骨に厄介者扱いしているのもそのせいである。

だが一方で、
  • 身寄りが自分たち以外にないハリーを家から追い出すことまではしない
    • ただし追い出そうとしたことは劇中でもある
  • ホグワーツの代わりに普通の学校に通わせようとする
    • ただしハリーがホグワーツに言ってからは「更生不能非行少年院」に入ったことにする
  • 内容こそアレ(ティッシュやハンガーや爪楊枝、お古の靴下、ダドリーの古着など)だが、ハリーの誕生日に一応プレゼントを渡す
  • (善意からでは無いとはいえ)二階の部屋をハリーの部屋に変更
    • ただし最初の十年以上も階段下の物置。しかも外から施錠できる「檻」同然。二階に移ったのはハリーの人脈が強くなりバーノンが恐れをなしたため
    • 二階に移ってからも、扉や窓に鍵や鉄格子を填めて監獄同然にしてしまった*4
  • 一度だけだが動物園に同行させた
    • ただし他に預ける宛てがなくなり*5、かといって家に残して目を離すのもいやだからという判断
…等、大人として、ハリーの保護者としての最低限の務めを果たそうとする良識は持ち合わせている模様。
もっとも「階段下の物置」「罰として監禁して食事抜き」「少年院に通っていると吹聴」など、待遇は確かに虐待状態であったのも事実。

ちなみに、一方的にハリーを押し付けた癖に魔法界側はその養育費等を渡したりはしていないので、ハリーの学費やら生活費やらはバーノンが捻出している。
バーノンからすれば、
身内とはいえ本来関わりたくもなかった義妹夫婦の遺児を何の連絡や説明もなしに魔法界から急に押し付けられ、
妻がいきなり乳幼児二人の育児をさせられる羽目になり、
その義妹夫婦には遺産なども(本当はあったが)なかった+関係者も養育費どころかおむつ一枚も出したりはしてくれないので、社長とはいえ決して馬鹿にならない額を甥のために出すことになり、
しかも義妹夫婦を殺害したなんかよく分からん危険人物にその息子である甥も命を狙われているっぽい(引き取っている自分たちにも危害が及びかねない)
というなかなか最悪な状況である。
本来なら、孤児院とかに任せるなど取れる手段はあったであろう。
それでも人としての情と、愛する妻の頼みから、そんな爆弾めいた存在である甥を引き取り養育することを決めたのである。
(ただしハリーは後にポッター家の資産を見た際「いくら魔法界の物とは言え、大量の金貨や銀貨を見ればダーズリー家は目の色を変えるだろう」と懸念している。それはそれとして養育費位は払うべきったとは思う)

実際に引き取ってからも、有り得ない数の手紙が有り得ない場所から来るわ、ハグリッドにダドリーが豚のしっぽが生やされるわ*6
取引先との自宅での会談がドビーのせいでポシャるわ、それで甥を閉じ込めてたら友達達が救出に現れて、止めようとしたら2階から転落するわ、
姉が風船のように膨らまされるわ、挙句の果てには長年住んでた家から出ていかざるを得なくなるわ

と、いささか過剰なまでの被害を魔法界から被っている。*7
元を辿ればダーズリー家側に原因があることがほとんど*8だが、それを差し引いても…

ハリーを厄介者扱いし、露骨に冷遇すること自体は、彼が望んでダーズリー家に引き取られたわけでもなければ、彼自身の責任でそこに至ったわけでもない上に、ハリー自身にそのような不遇な扱いを受ける謂れも落ち度もない以上、理不尽・八つ当たりと批難されて然るべきである。
だが、これらの事情を鑑みるとバーノンがそうしたくなる気持ちも分かろうというもの。
バーノンの人間性が原因の部分も当然あるが、魔法界側の対応のまずさにも原因が少なからずあると言えよう。

しかし、美点が一切ない人間という訳ではなく、『ポッターモア』で、婚約後にペチュニアに魔法使いの妹がいるとカミングアウトされた際には婚約を破棄するどころか「決して君のことを悪く思ったりしない」と慰め、責めもしなかったという過去も明かされている。
魔法を肯定する者は自分ではなくリリーを愛し、魔法を否定する者からは魔女の妹をもつ自分を否定されるという複雑な立場に置かれていたペチュニアはその言葉には酷く救われ、嬉しさのあまりバーノンに抱きついた。

その言葉通り、妻への愛情は本物なようでハリーを引き取り魔法界と関わる事になった一番の原因であるペチュニアを攻めた事は一切なく、ウィーズリー家が手違いでダーズリー家の家を破壊しながらやって来た際には妻を守ろうと前に出て庇っていた。

元々、魔法…というより「マトモでないもの」を異様に嫌う性格であったのは事実。
だが、一方で、所謂「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」タイプではないようでもある。
例えばペチュニアのことは「マトモでないもの(=魔法使い)の身内」であるが、だからといって嫌ったりせず、ペチュニア個人として愛している。
その他、「マトモでないもの」当人であるジェームズ夫妻にも最初から険悪に接していたわけではなく、義理の親戚関係になることもあってか、食事の席を共にしたり、自分たちの結婚式に招待したりと、彼なりの歩み寄りや折り合いを付けようとしていた。
しかし、自分たちに「どんな車に乗ってるんだ?」「生活保護を受けてるのか?」という、魔法界に疎いが故のマグル的な質問をしてくるバーノンを、逆にマグル界に疎いジェームズが面白がり、バーノンにレース用の箒の説明や両親がグリンゴッツ魔法銀行に積み立てた純金について語ったりした。
魔法界に疎いバーノンはそんなジェームズの(バーノンにとって)意味不明な回答が、自分をからかっているのか、それとも本気で頭がおかしいのか、真意が分からなかった。
結果として、ポッター夫妻との関係は険悪になり、バーノンの「マトモでないもの」への嫌悪感がより増すこととなったという。

ジェームズのそんなふざけ半分の対応に加えて、上述のように魔女の妹を持つペチュニアの苦労や、魔法界のいざこざや非常識な対応、その後の実害も多数ある怪奇現象等…
バーノンが直に接した「マトモでないもの」たちが本当にマトモではなかったことを考えると、彼がそれらを嫌悪するのも仕方ない部分はあると言える。

まあ、根本的にダドリーへの偏愛・息子の起こす数々の暴挙を認めない時点でこの人も大分「まとも」ではないのだが。

原作者によるとバーノンがテレビの受信料を払っている唯一の理由は「トップギア」。ジェレミー・クラークソンの大ファンでもあるらしい。
購読している新聞は「デイリー・メール」。


○ペチュニア・ダーズリー

演:フィオナ・ショウ / 日本語吹替:さとうあい

バーノンの妻で、ハリーの母リリーとは姉妹。旧姓はエバンズ。
夫とは逆に、やせ型で首の長さが普通の人の2倍はある。金髪。
近所の様子と粗を詮索するのが趣味で、庭をきれいにしたり、家じゅうをピカピカにしたりするなど潔癖症。
ハリーには夫同様に冷たく当たる。ハリーの髪を嫌うあまり前髪だけを残して他全てそり上げ奇妙なハゲにする。幸い彼の魔法が自然発動して翌日には戻ったが、普通の人間なら学校でどう扱われるかは想像するだけでエグい。
さらに「ハリー用の制服」と言いながら、ダドリーの古着を灰色に染めて代用にしようとする。それはもはや「制服」ではない。
一方、息子ダドリーには夫以上に激甘で、ある意味虐待と言えるほど溺愛している。
ダドリーが医者から「肥満」と突きつけられた際にはダイエットを開始したが、痩せぎすのハリーまでダイエットに付き合わせるという暴挙にまで及ぶ。ハリーは友人たちからの極秘差し入れがなければ餓死するところであった。

話が進むにつれ、吸魂鬼の意味を口走ったり、過去にダンブルドアと手紙のやり取りをしている疑惑が生まれたり、謎が深まってゆく。

実は、昔はリリーとは仲が良い姉妹であった。
しかし、リリーのみが魔法力を授かったことにより状況は一変する。
当初はリリーが魔法を使うことに対して注意はしてはいたものの、高く空中浮遊するリリーを心配するが為であったり、リリーが花を咲かせた際には「どうやるの?」と興味を示していたりと仲は非常に良かった。

しかし近所に住んでいたセブルス・スネイプと出会った事が仲違いの始まりとなる。
当初のセブルスは本人的には一番良い服を着ていたつもりだったのだが、大人用の服でダボダボな上に髪も洗っておらずベトベトという異様な風貌であり、出会いも公園のしげみから急に飛び出すという始末であった。

そしてセブルスとしては事実そのままに説明してるだけなのだが「君(リリー)は魔女なんだ!」と侮辱としか思えない事をリリーが辞めるよう言っても何度も言ったり、ペチュニアに対してもマグルと明確に罵った事で当初はエヴァンズ姉妹に嫌われていた。*9

しかしその後、リリーは魔法への興味からセブルスと仲良くなって行き、ペチュニアは自身をマグルと差別するセブルスへの反発やリリーだけが魔法を扱える事への嫉妬、両親が魔法を扱えるリリーを褒めそやす事への寂しさから魔法を否定するようになっていく。
*10

魔法への憧れが無くなった訳ではなく自身もホグワーツ魔法魔術学校に入学したいとダンブルドアに手紙を送ったのだが、断りの返事が来た(リリー曰くとても誠実な返答だったらしい。)挙句、返事をリリーとスネイプに盗み見られるなど、結構散々な目に遭っている。

リリーは盗み見た事を謝罪し「校長先生にペチュニアも一緒に入学させて貰えるようにお願いするわ」と言ったのだが、恥ずかしさやプライドからリリーを「産まれ損ない」と罵ってしまい、決別を決定づけた。

魔法界側の『リリーの血縁者である彼女の元ならハリーは安全に守られる』という(ペチュニアからすれば勝手な)理由で、甥であるハリーを預かることになるのばバーノンの項で語った通り。

いくら血縁者とはいえ自分の息子に加えてもう一人の子の育児を急に押し付けられたことに加え、元来、上記のような複雑な事情があったことを考えると、彼女も結構な被害者でもあるかもしれない。
また、「リリーの血縁者が育てなければハリーが殺されてしまう」と情に訴えられたことで彼の養育を引き受けたが、その際に「17歳になったら保護魔法が切れる」、
つまりハリーが17歳で死ぬ可能性が高いことも暗に知らされていた為に、我が子と同じように甥を愛する事も出来なかった。

もっとも、そういったしがらみや事情がない愛息ダドリーに対しての教育方針も決して真っ当とは言えないが…。
仮にハリーを養うことがなかったとしても、ダドリーへの教育方針には一切影響がなかった*11わけで、結局は彼女自身にもかなりの問題があろう。

ハリーは5巻でペチュニアが自身を引き取った背景を知っても自身への虐待や酷い仕打ちから愛情があるわけがないと否定している。
しかしダンブルドアは「ペチュニアがハリーを引き取ったのは嫌々だったかもしれないし、愛情があったとは言い難いが、それでも彼女が君を引き取り、追い出さなかったのも確かな事実ではあるんだよ」と単純ではない人間模様についてハリーを諭していた。

なお、バーノンの項でも触れたとおり、『ポッターモア』では、この夫妻の出会いなどについて書かれている。
結婚前にポッター夫妻と食事をしていた事の他、結婚式にジェームズ・ポッターが出席していたことも明らかになっている。
更に、追加でペチュニアがリリーとの絶縁に後悔の念や和解の気持ちがあること、リリーへの愛情を完全に失っていなかったことも語っている。
リリーの方も和解を望んでおり、食事会で決裂した時には泣き崩れ険悪な関係の原因となったジェームズはバーノンと和解するからと約束していたが、その前に彼等は帰らぬ人となってしまった。

タラレバになるが、もしも、ヴォルデモートの襲撃に遭うことがなければ、そしてバーノンとジェームズが自身の妻とその姉妹の気持ちを汲んで和解できれば、
すれ違い続けていた姉妹の関係が修復され、ダドリーとハリーも普通の従兄弟同士として出会えていたのかもしれない。

一応その後もリリーと完全に絶縁した訳ではなく、クリスマスプレゼントを送り合う仲程度には修復してたらしい。

作者のJ.K.ローリング曰く、ハリーとの別れの場面では「ハリーの幸運を願おうとし、魔法界を嫌う本当の理由も話そうとしたが、長年まともが一番と言い続けてきたので言えなかった」らしい。
まともが一番というのは魔女である妹と入学したかったホグワーツへの憧れの裏返しだが、その本音を言うには彼女はあまりにも不器用過ぎたのである。
リリーや魔法界は彼女にとっていわば「酸っぱい葡萄」のようなものだったのだろう。

また映画の未公開シーンでは、一人家にいるペチュニアを魔法界の事情を知らずに家を惜しんで駄々を捏ねていると思い、家を出るよう説得するハリーに、
「貴方は私が何もしらないと思っているけれど、あの日大切な人を失ったのは貴方だけじゃない。私も妹を失ったのよ
と、憎んでいるだけではなかった亡き妹への思いを告げ、20年という決して短くはない年数を住んだ家を立ち去った。

ポッター夫妻に花瓶を贈っていたり(ヴォルデモートの手勢から身を隠していた夫妻にどうやって送ったのかは謎だが)、
けして良き母とは言えなかったがハリーに冷たく接する一方で、見捨てることは出来ず保護魔法が切れるという17歳になるまで何があっても彼を追い出すことだけはしなかったことや、
上述の未公開シーンの台詞から、ハリーや妹夫妻に対しての愛憎渦巻く彼女の複雑な心境がうかがえる。

『呪いの子』の頃にはすでに何らかの理由により故人となっていたが、リリーの遺品ともいえる赤ん坊のハリーをくるんでいた毛布を大事に保管していた事が判明している。
彼女の遺品整理の際に、それを見つけたダドリーを経由してハリーに届けられており、後にハリーから次男のアルバスに託され、作中において大きな役割を果たす事になった。


○ダドリー・ダーズリー

演:ハリー・メリング / 日本語吹替:忍足航己

バーノンとペチュニアの息子で、ハリーの従兄弟。
ハリーより1ヶ月年上の同い年。
母親と同じ金髪だが肉付きの良さは父親ゆずりで、散々甚振られてきたハリーは内心「金髪のかつらを被った豚」と毒づいたことがある。

作中時間では、バーノンの母校でもある「名門私立スメルティングズ男子校」在学。
両親から溺愛され、甘やかされ続けてきたため、わがままで暴力好きな途方もない悪ガキに育つ。
欲しいといえばいくらでも食べさせてもらえたためにかなりの肥満体であり、養護の先生の命令でダイエットをする羽目にもなっている。
勉強嫌いで成績も悪く、そのくせ「誕生日プレゼントを去年は38ももらえたのに今年は37しかない!!」と叫ぶ、わがままを通すために鳴き真似をするなど、卑しいところで頭が良くなる。

ただし、腕っ節は割とガチであるようで、ダイエット命令から始めたボクシングにハマり、五巻冒頭時点では「英国南西部学生ジュニアヘビー級チャンピオン*12」と中々の成績を残している。
その腕力をスポーツではなく「暴力」という形で周囲に振るうからなお性質が悪いのだが。
ボクシングチャンピオンになっていながら、十歳の子供を殴る、通りすがりの車や子供に石を投げつける、公園の設備を壊す、たばこを吸って歩くなど、完全に不良。
しかも一人での暴力ではなく、常に取り巻きを連れて集団で暴れるのでさらに悪質。
ハリーは顔面パンチを執拗に食らい、一巻時点で眼鏡がひび割れ、セロテープで補修しているという有様だった。

極限まで甘やかされた結果の傍若無人な精神や振る舞い、健康を損なうレベルの肥満体などは「両親の歪んだ愛ゆえの虐待」と言っていいレベル。
教職に就いて長いダンブルドアからは「ハリーへの虐待よりもさらにひどい」「言語道断の仕打ち」と叱咤されている。
その悪評はハリーを預ける前に知っていた為か、ダンブルドアはリリーへの思いをまだ持っているペチュニアに「血縁者に育てられないとハリーは死んでしまう」と情に訴えて育てさせると同時に、
「17歳になれば保護魔法は切れる(=それまで無事であってもその後死ぬ確率が跳ね上がる)」と教える事で深入り出来ないようにした可能性がある。

作中でハリーと共に吸魂鬼に襲われて恐怖にかられて硬直してしまうが、ハリーによって救われ、家まで運んでもらい、事なきを得る。
その際に自分の本当の姿を思い知らされ、その時を境に本当の意味でまともになろうという気持ちが出てきたようで、7巻での別れの際にはハリーに感謝の念を示した。

また、映画の未公開シーンではハリーを粗大ゴミと罵るバーノンに対しダドリーはハリーに「君は粗大ゴミじゃない」と言って握手している。

この時のやり取りでハリーとの関係は修復され、作品終了後にはクリスマスカードを送り合うほどの仲になったといい、
手紙のやり取りだけでなく、ハリーが自身の子どもたちを連れて、同じく子どもが二人いるダドリーの家に遊びに行くこともあるという。
この時、ハリーとダドリーは、自分たちの子どもが仲良く遊んでいる姿を、あまり喋らずに座って眺めているということから、
親戚として適切な関係を築き上げている模様。

なお、ダドリーの子供は魔法族にする予定だったが、バーノンのDNAからは産まれることはないと没になったという。


○マージョリー・ダーズリー

演:パム・フェリス / 日本語吹替:磯辺万沙子

本名「マージョリー・アイリーン・ダーズリー」。通称「マージ」。
バーノンの姉(または妹)。
田舎に住み、ブルドッグのブリーダーをしている。独身。
女性ではあるが、兄(または弟)であるバーノンとそっくりの外見であり、原作では口髭も蓄えているとされる。
ダーズリー夫妻とは仲が良く、やはり甥のダドリーにはひたすら溺愛する一方で、ハリーの事は徹底的に嫌い抜き、彼に対しては暴言を吐く。
ハリーが魔法使いであることは知らず、バーノンからはハリーは「セント・ブルータス更生不能非行少年院」に行っていると説明されている。
可能な限りハリーを無視しようとするダーズリー夫妻とは違い、ハリーを監視してこれでもかと罵倒するので、ダーズリー夫妻以上に手に負えない。
ハリーは彼女の罵倒に耐えきれず、怒って彼女を風船のように膨らまし、元に戻さないまま家を飛び出してしまう(魔法省により事後処理がなされた)。
また、姉であるペチュニアもリリーに対する悪口には同意を示しつつ嫌な顔をしていた。

『ポッターモア』では彼女についての記事も書かれている。
実は親交のあるファブスター大佐という男性に密かな恋心を抱いている。
…が、彼は心身ともに醜悪なマージョリーと結婚するつもりは決してなく、その報われない思いのせいでますます言動が意地悪になるという悪循環に陥っているらしい。

他のダーズリー家はフォローや同情できる点やハリーとの和解等が書かれているが彼女はそういった所があまりなかった。*13


<余談>

ペチュニアとリリーについて、1巻では「ペチュニアが姉、リリーが妹」と訳されていた。
だが、3巻では「リリーが姉、ペチュニアが妹」と変更されている(2巻には長幼の順の記述なし)。
これについて、訳者に問い合わせがたくさん来たようで、4巻付属の「ふくろう通信」で、「1巻の翻訳後に作者からリリーが姉だと聞いた」と説明している。
しかし、7巻原書ではペチュニアを“the elder”、リリーを“the younger”と記述しており、作者の先の説明と矛盾している。

また、あまり語られないが、バーノンとマージについても、同様の経緯で、1巻では「マージが姉」と書かれていたのを、3巻では「マージが妹」と変更されている。
しかし、前述の「ポッターモア」の「Marge Dursley」の書き下ろし記事で“Marjorie Eileen Dursley is the older sister of Vernon Dursley.”と記述されているため、マージが妹だという説明とは矛盾している。

そうなった背景としてはイギリスでは基本的に姉も妹も同じ sister 表記であり、日本ほど姉か妹かについて深い意味合いや拘りをもつ文化が存在しなかった為である。
作者自身も当時はどっちでもいいやとそこの部分についてはかなり適当な対応をしていた。
だがその為に後で、「おい、こっちだとリリーは妹なのに他の国だとリリーは姉だったぞ。結局姉なのか妹なのかどっちなんだよ」という問い合わせが殺到したことでその重要性を知り、「意地悪な子は大抵姉だからペチュニアは姉」と正式に決定したという。




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最終更新:2025年03月01日 10:44

*1 ただし、“director”には「管理職」「重役」「取締役」という意味があり、「社長」と訳すべきかは意見が分かれるかもしれない。いずれにせよ高い地位であるとは思われる

*2 「あの」ルシウス・マルフォイさえ、息子の成績の悪さは許さなかった。

*3 映画では実際にハグリットに銃口を向けたばかりか、銃身が曲げられた状態とはいえ発砲している

*4 後で「ハリーの名付け親が連続殺人犯」と聞かされ、恐れをなして解放

*5 いつも預けている家が負傷、友人が旅行中、など。

*6 おそらく切除のための手術費はバーノン負担

*7 そのあとにハリーは部屋に閉じ込められる等の罰を受けているが、大半はハリーは無関係の人間(生物)が起こしたトラブルの上、ハリーが関わった(後述のマージの件等)物についてもダーズリー一家の方が悪いという場合がほとんどである。

*8 手紙に関しては内容はともかく最初の一通をハリーに普通に渡していればそれで終わりだっただろうし、ダドリーもハグリッドがハリーのためにこしらえた誕生日ケーキを盗み食いしたのが原因である。

*9 尚、ペチュニアもセブルスの住んでる場所をバカにする等応戦していた

*10 尚、吸魂鬼のことを知っていたのはリリーとスネイプの会話を立ち聞きしたためである。

*11 同じ年頃の息子を育てているリリーが見かねて忠告したりして変わる可能性もないとは言えないが。

*12 日本で例えるなら県大会or地方大会チャンピオンと言った所か。

*13 ただし、バーノン等はそこそこ出番があったのに対し、彼女は一巻(1作)しか出番がなかったからキャラの掘り下げ等があまりなかったというのもあるが