ヘルキャット(ゾイド)

登録日:2018/05/30 Wed 11:25:15
更新日:2023/04/17 Mon 10:47:41
所要時間:約 6 分で読めます




ヘルキャットとは、トミー(現:タカラトミー)が展開する『ゾイド-ZOIDS-シリーズ』に登場する金属生命体・ゾイドの一種。
黒木メイサのアルバムやウルトラ怪獣、アメリカの駆逐戦車or戦闘機などは特に関係ない。



【目次】




【機体データ】


番号:EMZ-24(旧)/EZ-023(新)
所属:ゼネバス帝国(旧)/ガイロス帝国(新)
分類:ヒョウ
全長:13.2m
全高:5m
全幅:3.8m
重量:24.0t
最高速度:180~200km/h・10分間のみ450km/h可能(旧)/190km/h(新)
乗員人数:1名
武装・装備:
(旧)
2連装加速ビーム砲
2連高速キャノン砲

(新)
小口径2連装レーザー機銃
対ゾイド20mm2連装ビーム砲
複合センサーユニット
3Dレーダーアンテナ
光学迷彩(アニメ)


【機体解説】


中央大陸戦争中期にゼネバス帝国が開発した量産機。機体サイズは小型ゾイドに相当する*1

奇襲戦闘用に開発された機体で、脚部に設けられたサスペンション機構により密林や山岳、砂漠といった不整地においても俊敏な挙動がとれ、高い機動力を誇る。この機構はサーベルタイガーの基礎設計に踏襲されており、ヘルキャットは高速戦闘ゾイドの草分けとされている*2
更に消音システム、熱放射を極限まで抑えたボディの排気システムによって高度なステルス能力を獲得しており、敵機に気付かれることなく至近距離まで近づくことが可能。
そのステルス性能と機動性から「密林の暗殺者」の異名をとる*3
サーベルタイガーのロールアウト後はその僚機としても活躍した。
頭部のコクピットは分離して単独飛行が可能な初期シリーズ共通仕様。

惑星Zi大異変(グランド・カタストロフ)後も生き残っており、ガイロス帝国所属機として再度量産化されている。この時代ではサーベルタイガーの近代化改修機であるセイバータイガーの僚機として活躍。同時代では光学迷彩も装備された。
ただしこの時代ではヘルキャットの性能不足は明らかだったので、直ちに後継機の開発が進められた。
この過程で開発された機体がライトニングサイクスだったのだが、完成したライトニングサイクスは、操縦性と山岳地形適応力を除くあらゆるスペックでセイバータイガーを凌いだものの、大型化したことからコスト高となり、本来の支援機というコンセプトからは外れ、セイバータイガーに代わる主力機に選定されてしまった。

その後、ヘルキャットは徐々に退役する傾向にあるものの、ライトニングサイクスは4か月で70機程度が製造されるというゾイドにしては緩やかな生産速度であったことと、
既に前線に普及したヘルキャットが4500機もあることから、サイクス導入から2年が経過してもまだまだ高速部隊では現役となっている。


ステルス機能の描写

平成シリーズ以降にヘルキャットで導入された光学迷彩はアニメシリーズにて初めて導入され、それがバトルストーリーに逆輸入された経緯を持っている。
逆に消音システムや排熱に関してはアニメでは明確に描写されておらず、作中では接地音などをディバイソン(トーマ仕様)やシャドーフォックスに察知され潜伏先を見破られる場面があった。



【バトルストーリー】


ZAC2034年にロールアウト。
そのステルス機能を生かし密林などで共和国ゾイドを圧倒し「密林の暗殺者」の異名を得るまでになった。
しかし地形が味方しない場合の不利は否めず、スネークスとの砂漠戦では苦戦を強いられていた。

その後戦場を大型ゾイドが闊歩するようになると目立った活躍は無くなっていったが、完成したサーベルタイガーの僚機として戦闘に参加。
ZAC2042年のハドリアンウォール突破作戦ではサーベルと共に突入部隊を務めるが、新鋭のコマンドウルフの奇襲によって作戦は失敗してしまった。
戦争終盤には巨大ゾイドの出番も多くなり、ライジャーの就役、ゼネバス帝国の崩壊などが重なり姿を見せることもなくなっていった。


その後大異変を経てガイロス帝国機として再就役。
セイバータイガーへと名を変え同じく再就役したサーベルの支援機として再び戦場に立った。
強力な電子戦能力を持つゴルドスを相手に複数機による奇襲を成功させて仕留める描写さえあり、隠密性にはいささかの衰えもないことを見せつける。
なお、この場面のヘルキャットは爪やコクピットの先端から電流を流している描写がある。そのような武器はスペック上は確認できないので、攻撃能力を高めた改良タイプが存在する模様。

また、アップデートによって「光学迷彩」を実装した機体が存在していることも分かっている。
ただしアニメ版ほどの完璧な透明化ではないらしく、ライガーゼロ イクスのそれとは比較にならないとされる。
まああれはバランスブレイカーもいいところだしなあ……

やがて設計の古さもあって共和国のガンスナイパーなどだけでなく自軍のレブラプターなどの小型ゾイドクラスの新型機に性能面で追随することは難しくなり、ライトニングサイクスの完成後は徐々に現役を退いていった。
……しかしそのライトニングサイクスも「ヘルキャットの後継機」としては失敗し、しかもこの後帝国の高速戦闘部隊自体が衰退してしまうが。

ただ、それでもその隠密性能が優秀なことは変わりなく、生産台数も多いため、ニクス大陸の攻防戦でも要所要所で姿が確認できる。



【アニメシリーズ】


◇『ゾイド -ZOIDS-

第二部(ガーディアンフォース編)

上記の通り光学迷彩機能を引っ提げて初登場。
ヒルツ一派の遺跡発掘作業の陽動として盗賊騒ぎを起こしており、任務で訪れたバン・フライハイトブレードライガートーマ・リヒャルト・シュバルツディバイソンと森林地帯で交戦。
持ち前のステルス能力を使い二機を圧倒し、逃走時にも川の中を歩いて移動し痕跡を隠すなどしていた。
しかし、ビークに僅かな痕跡を発見され、二度目の戦闘では僅かな接地音を解析されて居場所がバレてしまいあっさりと無力化された。
まぁ相手が悪い。

しかし姿が見えないまま攻撃を仕掛けられるというのは間違いなく厄介な能力であり、その後もヘルキャットの戦隊は至るところでガーディアンフォースを襲撃。
起動できていないウルトラザウルスを襲撃するなど、要所要所で厄介な敵として立ちはばかっている。
……正直光学迷彩が便利すぎて、コマンドウルフやレブラプターなんかよりも数倍手ごわい。

その他少年ニコルの白いヘルキャット「チロル」も登場する。


◇『ZOIDS新世紀/0

バックドラフト団のポルタ率いるチーム・モルドの所属機としてガトリング砲装備で登場。
チーム・ブリッツ相手にルール無用の闇バトルを仕掛けるがやはり僅かな足音を察知され撃退されている。
というかなんでガトリングなんてうるさい物を使った……

その他、バラッドがシャドーフォックスを奪取し逃亡した際追手として差し向けられるが、光学迷彩を見切られ撃破されている。


◇『ゾイドフューザーズ

開拓団のドク機として黒いヘルキャットが登場する。

【ゲーム】


◇「 ZOIDS 帝国 VS 共和国 メカ生体の遺伝子」

中型ゾイドとして登場。購入と編成が可能になるのはMission No.04極秘調査から。

砂地以外の移動適性が高くステルスのおかげで攻撃せずにターンを終えればどの地形でも隠ぺい状態で無防備に接近した敵に不意打ちを仕掛けることができる…。

…のだが、HPが850と貧弱なうえによりによって武装が両方とも地上にしか撃てないため、奇襲しても相手が空や山から攻めてくると思ったほどの戦果を挙げられない。また、最高時速が180km/hのためか移動力も4しかないと、コマンドウルフほどは高速ゾイドという感じがしない。
そのため帝国プレイでもこれを使うぐらいなら、捕獲用イグアンでコマンドウルフを捕獲し自軍の高速ステルス部隊に編入してしまうプレイヤーもいる。共和国プレイは共和国プレイで対空兵器がないばっかりに先にプテラスを無造作に飛ばして隠ぺいを無理やりはがしそこを狙い撃ちするという手が使えてしまい、あまり強くはない。


【バリエーション】


◇ヘルキャット指揮官仕様

装甲はレッドブラウン。レーダーや通信アンテナを備え通信機能を増強。
その他バルカン、スモークランチャーを増設している。


◇ヘルキャット強行偵察仕様

装甲はマットブラック。背面に大型レーダー、頭部や前脚にカメラを増設している。
足周りの強化により機動性を強化しつつ熱排気を更に絞り隠密性を向上。
武装はビーム砲一門のみだがその分出力が上がっている。


◇ヘルキャットノワール

ZOIDS VS.Ⅱ』に登場した機体。名の通り装甲は黒い。
強行偵察用だが上記の強行偵察仕様と違いフォルムが通常型と同じである。


チロル

『ゾイド-ZOIDS-』に登場した少年ニコルの相棒である白いヘルキャット。
武装は付いておらず、コクピットも二人乗りになっている。
ニコルと共に、ジェノブレイカーに敗れジークやライガーとはぐれ負傷していたバンを助け手当した。
その後彼らはバンと親しくなり、チロルはバンに操縦してもらい荒野を元気に駆け回る姿を見せた。

しかしニコルは10年前にある少女を守るため死亡しており、チロルもまた古代遺跡の中でとうの昔に石化してしまっていた……
果たしてバンが出会い、そしてリーゼの前に現れた彼らは何だったのか…それは誰にも分からない。



【キット】


◇トミー版

ゼンマイ駆動での歩行ギミック付き。
頭部は上方向に開閉可能。ちなみに頭部自体は初期シリーズの共通タイプで上にカバーが付いてネコっぽく見せている。
目にあたるクリアパーツは赤。
旧版と新版の違いは概ね成型色の違いのみとなっている。
ちなみにバリエーションの指揮官仕様と強行偵察仕様は旧版のパッケージ裏に記載されている。

この他『ZOIDS VS.Ⅱ』の初回版特典のヘルキャットノワールや月刊ゾイドグラフィックスでの復刻版も存在する。



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最終更新:2023年04月17日 10:47

*1 機体名称は「キャット」であるが、一応はネコ型ではなくヒョウ型(ジャガー型とされる場合も)。ちなみに名前が似ているデス・キャットはパンサー型。ざっくばらんに言えば旧シリーズ初期のゾイドは現実の軍事兵器から命名するケースが多々あり(ヘルキャット以外ではマルダー、グスタフ、シュトルヒ等)、これもその一例でしかないのだが。

*2 HMMシリーズでは設定が改変されており、サーベルタイガーが初の高速戦闘ゾイドとなっている

*3 こうしたステルス性や奇襲戦法をベースとした高速ゾイドは帝国陣営が愛好しており、サーベルタイガーやジークドーベル、ライトニングサイクス、ライガーゼロイクスもステルス性能をベースとした格闘戦を得意としている。もっとも、シリーズが末期になるとデスキャットやエナジーライガーのようにやたらめったら高性能な機体も出てくるのだが