暁の女神アスタテューヌ/アスタルテ

登録日:2018/06/18 (月) 15:09:21
更新日:2024/07/07 Sun 08:34:20
所要時間:約 6 分で読めます






一方が富み栄え、一方が虐げられ、争いと混乱の絶えぬ世であったならば……そなたらは誤った道を歩んだ。私はそれを認めよう。

私は裁きを行ない、そなたらに罪を購わせよう。

種族全ての死をもって。





出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

概要

『アスタテューヌ』および『アスタルテ』とは『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』『ファイアーエムブレム 暁の女神』に登場する創造神。
第1回英雄総選挙総合部門426位(アスタルテ)、509位(アスタテューヌ)、第2回総選挙では333位(アスタルテ)、429位(アスタテューヌ)

CV:佐久間紅美


本編の舞台となるテリウス大陸がある世界は元々は水だけがある世界だった。
その世界に降り立った者こそ、後に『暁の女神アスタテューヌ』と呼ばれる少女だった。

少女はまず世界中に大陸を創り、次に植物を創り、最後に動物を創った。
少女は最初こそ世界の創造が楽しくて夢中になっていたが、ある日世界には自分に近しい存在がいない事に気付いてしまう。
それに気づいてしまった少女はあまりの寂しさに何千年も泣いて過ごしていた。

泣いている少女を見て動物たちの中から少女を慰めようと自らの姿を少女に近しい姿へと変化させるものが現れた。
それがベオクとラグズの祖先『マンナズ』であった。

マンナズは少女を「自分たちの神だ」と、「髪の色がまるで夜明けの光のようだ」と言ったため、
以後少女はマンナズたちの神、『暁の女神アスタテューヌ』となった。


しかし女神の幸せは長くは続かなかった。『マンナズ』は様々な変化を起こしながら世界中に発生したからである。
彼らは自分達の種族の方が優れていると言い張り、女神の創った世界内で争いを始めてしまった。
争いは止めろと女神は何度言ってもマンナズ――つまり人間は言う事は聞かない。
またマンナズは女神に同一に扱われる事を嫌ったため、女神はベオク・ラグズと名付けたのだが、これが逆に戦いの口実にされた。

女神は目の前の争いを止めようと力を使ったが、力が強大過ぎて暴走。
争いを止めるどころか大洪水が起きて世界中のほとんどの大陸を沈没させてしまった。残されたのはテリウス大陸のみ。

こうなってしまったのは愛する我が子である人間達が毎日のように殺されていき、
殺した方も愛する子であるという現実に、怒りと悲しみが負の感情として心に蓄積されたからである。
溜まりに溜まった負の感情が女神に大洪水を起こさせたのだ。

この事を悔いた女神アスタテューヌは己の中から負の部分を切り離し、『正の女神アスタルテ』となり、切り離した負の部分が『負の女神ユンヌ』となった。

アスタルテとなったアスタテューヌはまず手始めにユンヌを殺そうと考えた。
本来アスタルテとユンヌは同一人物なのでユンヌが死ぬとアスタルテも死んでしまうが、
アスタルテはそれが分かっているはずなのに執拗にユンヌの死を望む。それほどアスタルテにとって大洪水はトラウマなのだ。

ユンヌもユンヌで消えたくないし、アスタルテに構ってもらえる人間に嫉妬して人間にちょっかいを出したら、
それが予想以上の被害になった事を契機に、アスタルテとユンヌの戦争が開始。
アスタルテとユンヌは同一なのでお互いに攻撃できず、女神の創造物は創造主に攻撃できないように創られていた。
そこで両女神は人間達に己の加護を与えることで女神に攻撃できる人間を創りだすことで、敵である女神を倒そうとした。

アスタルテは本編の約800年前に自らの加護を与えた三雄(ベオクの女剣士オルティナ、獣牙族の獅子戦士ソーン、竜鱗族デギンハンザー)と共にユンヌを倒す。
ユンヌを哀れに思った三雄とエルランはユンヌを許して一人に戻るか、もしくはメダリオンに封印する程度で勘弁してくれないかと懇願する。
女神の力に頼らずベオクとラグズが共存、共栄することができれば、ユンヌを消す必要がないのだと――


三雄とエルランの提案を受け入れたアスタルテは誓約をする。
それは半身を封印した事での影響を受けて1000年間眠りにつかなくてはいけないので、その「1000年の間に大きな争いを起こさない事」というものである。
もし眠りから覚めた後で三雄の言う通り共存しているのならユンヌを受け入れ創造神に戻るが、
まだベオクとラグズが争う、もしくはどちらか一方しか繁栄していないのなら、人間に可能性はないものとみなし人間というものを全て滅ぼす……と。
大きな争いをしてはいけないというのは、ユンヌは負の女神なので大陸を覆うほどの負を感知すると目覚めてしまうからである。ユンヌが目覚めればアスタルテもまた目覚めてしまう。
そしてユンヌが目覚めるほどの負の気を発生させるということは人間は平和とは無縁という事であり、やはり罰しなくてはいけない。

なおユンヌを封印した本人であるエルラン(とその血を受け継ぐベグニオンの神使)は上記の条件とは関係なしに【解放】の呪歌によってユンヌ、およびアスタルテを目覚めさせる事が出来る。
もし1000年以内にエルランが目覚めさせた時は、エルランからそうしなくてはいけない理由を聞いたうえで公正な審判を下すという。


その後人類に絶望したエルランによって780年ほどで早期に目覚める事になったアスタルテは、エルランから話を聞いて人間は変わらなかったことを知り、裁きを世界中に与えた。
この『裁き』によって力の強い者、印付き、ユンヌが目覚めた周辺にいた人といった一部以外は全員石化した。


元々神と人は正と負の両方を持って当然な存在であり、どちらが欠けても個人は成り立たない。
アスタルテは長年ユンヌという負の感情から切り離されて、完全に正だけの存在――完全という不完全な神になってしまっていた。
それ故に復活したアスタルテに迷いはおろか情や慈悲の心はなく、純粋に世界のための行動しかとれない。
今のアスタルテにあるのは世界の安定のために、それを邪魔する人間を消そうとする意志のみ。


最後はユンヌの力を得たアイクによって倒され、ユンヌと一緒に消滅してしまう。


しかしエルランが生存しているルートだと、どうやら二人の消滅は一時的なものだったようで1200年後に『暁の女神アスタテューヌ』として復活していた事が判明する。
この時代人間はまた争いを始めたようで、アスタテューヌは今度こそ見守っていこうと覚悟を決めている。


性能
暁の女神(ガデス) LV20
HP-120
力-8
魔-15
技-40
速-40
運-40
守-35
防-50
体格:7
重量:87
移動:0
属性:天
武器レベル-打SS/炎SS/雷SS/風SS/光SS/闇SS
スキル:女神の加護

所持品:裁き(光・威力50・命中100・必殺不可・重量16・射程1~2)


クラスは専用職の正の女神(ガデス)。
暁の女神ではラスボスとして出てくるのでステータスは高い。

専用武器『裁き』は光属性の魔法攻撃なんと驚異の威力50を誇る。
またアスタルテの周囲を8個のオーラが守っており、これを消さないとアスタルテ本体に攻撃できない。
しかもオーラは受けたダメージの半分を跳ね返す(スキルによるものなので、見切りか能力勝負でスキルを無効化すればダメージを受けずに済む)。
よしんばオーラを全部消しても、設定どおり女神の加護を受けた武器しかアスタルテを傷つけることが出来ず、アイク以外が倒しても必ず復活する。

さらに毎ターン開始時に物理もしくは魔法による遠距離攻撃や全体攻撃、さらに難易度ハード以上では全体へのサイレスや麻痺撒きまでしてくる恐ろしい相手。

……のだが、なぜか 力8魔力15 と攻撃面のステータスが異常に貧弱な上に奥義を持っていないので、黒竜王の方が遥かに攻撃力が高いのは秘密。
「裁き」の重さもあり攻速も落ちているが、、それでも攻速は32もあるのでベオクで追撃できるのは剣聖(ソードエスカトス)暗殺者(アサシン)神天馬騎士(エンリルナイト)など特に速さに優れたクラスのみ。
神射手(サジタリー)なら射程外から追撃できるので雑魚戦、デギンハンザー戦に続いてここでも活躍できる。
白竜ナーシルの「白の波動」で補助すればほとんどのキャラが追撃できるようになるが、竜鱗族自体が速さがカンストしていても追撃されるほど遅いので注意が必要。
ちなみにこんなナリだが重量87と超絶ヘビー級な体重を誇っているので体当たりでどかすことはできない。

台詞

  • 【暁の女神】アスタテューヌ……人たちが私にくれたその名で私もまた呼ばれてみたい。
  • 私は己の中の【負】を取り除く。決して過ちを犯すことがないように。人を正しく導く女神として……完全でいられるように。
  • 何故なら、私たちに近しい生き物であるそなたたちは理性によって本能を封じることができない。
    私たちと同様に――深い哀しみ、怒り、恐れ……それらの感情を克服することなどできない。
    争いは必ず起こる。そして……私は再び同じ過ちを犯すことだろう。
  • おまえにはわからない。混沌の落とし子……未知と不確定の塊。人の進化……そのようなものはいらぬ。
    この世界は人たちだけのものではない。私は創造主として世界を守り秩序と安定を与える。
    勝手な進化を繰り返す生き物は世界を不安定にし、脅かす。ゆえに――
  • そのようね。世界を【負】の気が覆い始めてる。だけど――私はもう恐れない。人を生み出した者としてこの世界を見守っていくわ。
  • 人の思慕、思いというものを否定はせぬ。これもまた、女神の務めであろう。
  • エクラ。異世界の奇妙なる子よ。そなたは何を考えている。終わりのない戦いへ向かい、争いと混乱にまみれ――その先にどのような世界があるのだ。
    人の子の差異から秩序は生まれぬ。一方が富み栄え、一方が虐げられる……そのような歪みを私は認められぬ。
    平和と秩序の世界を築き、等しく繁栄せよ。その道こそが【暁の女神】アスタテューヌとして呼ばれる、正しき世界なのだから。
    誤った道を歩むなら、私はアスタルテとしてそなたらを裁き、罪を贖わせることになる。全ての生の死をもって――



私は束縛。私は秩序。私は安定。私は過去。私は答え。私はアスタルテ。

出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ユンヌの登場から2年以上経った2021年5月に天の神階英雄で登場。イラストは原作担当の北千里氏。
無属性の魔法・歩行ユニット。
被弾絵は上記の通り暁のプレイヤーなら一目で分かる例のポーズ。北千里氏曰く「やっぱ被弾はこのポーズしかねぇよなァ!」との事。

武器スキルは『正の裁き』
攻撃+3
戦闘開始時、自身のHPが25%以上、または自身が【有利な状態】を受けている時、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+5、かつ戦闘中、周囲2マス以内にいる味方のうち強化の合計値が最も高い味方の強化の合計値を攻撃に加算

Aスキルは戦闘開始時、自身のHPが100%、または【有利な状態】を受けている時、戦闘中、自分の攻撃、魔防+7
戦闘開始時、自身のHPが100%、かつ【有利な状態】を受けている時、戦闘中、さらに自分の攻撃、魔防+2『攻撃魔防の万全4』
Bスキルは戦闘中、敵の速さ、魔防-3、かつ敵の速さ、魔防の強化の+を無効にする『速さ魔防の凪3』
Cスキルは『束縛、秩序、安定』
ターン開始時、周囲2マス以内の味方の攻撃、魔防+6、かつ【見切り・パニック】の状態を付与(1ターン)
ターン開始時、周囲2マス以内に味方が3体以上いる時、自分の攻撃、魔防+6、かつ【見切り・パニック】の状態を付与(1ターン)


攻撃は初期値が高い一方であまり伸びないが、正の裁きは周囲2マス以内の味方のバフをもとに自分がブレード効果を得る。
他の味方を常にアスタルテの周囲2マス以内におくことで、その味方はもとよりアスタルテ自身も大きく強化でき、しかもその強化を攻撃に加算して大きなダメージを狙える。
応援をする味方がいる場合は、その応援はアスタルテに使うよりも他の味方に使うほうがよりアスタルテを強化できる。

ここでいう「見切り・パニック」とは強化を弱化へ反転させるパニック効果をかき消して無効にする効果。
ただし、パニック効果を受けたという事実自体までは否定できず「不利な状態異常」を受けた扱いになっているので、
機先などの不利な状態異常をトリガーとするスキルの効果は受ける点に注意。

ただ、アスタルテの力を最大限発揮させるには、常に他の味方を周囲2マス以内に置き続ける前提のもと、繊細な運用が求められる。
そのため、機動力の高い騎馬系ユニットとは総じて相性が悪く、組ませる味方を吟味する必要がある。
魔防は高い一方で守備は最低レベルと守備面が極端。HPも37と低いので物理攻撃にはすこぶる弱い。
足が遅い重装系で、ドゥドゥーなどの護り手のスキルを持つ味方を組ませて短所を補うのが良い。

また、同年8月に登場した総選挙マルスは『光炎の紋章』など強力なバフ効果を持ち、組む相手としては相性抜群。
光炎の紋章の戦闘後発動の全員の全ステータス+6の効果だけで、正の裁きの威力は30も上がってしまう。
それらをデバフにされないための見切り・パニックも非常にありがたい効果なので、できればこのマルスとはセットで運用したい。

2024年7月のアップデートで上方修正が実施。
Bスキルは戦闘中、敵の速さ、魔防-4、かつ敵の速さ、魔防が敵の【有利な状態】の数だけ減少(最大4、強化は除く)の『速さ魔防の凪4』
シンプルな強化版を貰った。
Cスキルは『束縛、秩序、…・神安定が消えた
ターン開始時、周囲3マス以内の味方の攻撃、魔防+6、かつ【見切り・パニック】、【見切り・追撃効果】、【魔刃】を付与(1ターン)
ターン開始時、周囲3マス以内に味方が3体以上いる時、自分の攻撃、魔防+6、かつ【見切り・パニック】、【見切り・追撃効果】、「戦闘中、敵の奥義以外のスキルによるダメージを○○%軽減」を半分無効(無効にする数値は端数切り捨て)(範囲奥義を除く)を付与(1ターン)
周囲3マス以内に味方がいる時、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4
3マス以内へ範囲拡大以外にも見切り・追撃効果と魔刃も付けてくれるようになった。
自分は魔刃を付けられなくなるがダメージカットを半分無効とステータスアップで戦闘面が強化された。

同日に『正の裁き』の錬成が可能になった。
攻撃+3
戦闘開始時、自身のHPが25%以上、または自身が【有利な状態】を受けている時、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+5、かつ戦闘中、周囲3マス以内にいる味方のうち強化の合計値が最も高い値の150%を攻撃に加算*1
最初に受けた攻撃と2回攻撃のダメージを30%軽減

後述の特殊錬成と合わせてとんでもないヤケクソ強化を貰った。
味方のバフ加算じゃなくなり、最もバフ合計値の高い数値を150%にする。全ステータスまでやれば確定で36
問題の守備面は軽減で改善した。
特殊錬成は自分から攻撃した時、または敵が射程2の時、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4
最初に受けた攻撃と2回攻撃のダメージ-○
(○は、自分と周囲3マス以内にいる味方のうち強化の合計値が最も高い値の50%)
敵の奥義発動カウント変動量-1、戦闘後、自分は、7回復

問題の守備面が数値は劣るものの、武器スキルと同じようなやり方が可能となり、徹底改善。
そしてキャンセルや回復で戦闘面がガッツリ有利になる展開が増えた。

追記・修正はアスタルテの公正な審判の元にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アスタテューヌ
  • アスタルテ
  • FE
  • FEラスボス
  • 蒼炎の軌跡
  • 暁の女神
  • 佐久間紅美
  • 創始の神
  • 創造神
  • 女神
  • 聖でも邪でもないもの
  • 公正な審判
  • 不完全
  • 分離
  • 審判
  • 裁き
  • 正の女神
  • FEヒーローズ
  • 神階英雄
  • FE神
最終更新:2024年07月07日 08:34

*1 例えば、周囲3マス以内の味方が攻撃、速さ、守備、魔防+6の強化を受けていれば、36を攻撃に加算。