アーチャー/スナイパー(FE)

登録日:2012/02/22 Wed 23:28:01
更新日:2025/03/07 Fri 23:50:39
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ファイアーエムブレムシリーズに登場する兵種(クラス)のひとつ。




■概要

軽い防具をまといを主武器とする歩兵。
隣接していないマスの敵を攻撃する間接攻撃の使い手で、アーチャーはその基本職。

赤と緑の騎士お助けパラディンと共に序盤から仲間になる場合がほとんど。
なお作品によってはアーチャーと弓騎兵が同系統の兵種としてまとめられることもある。
本項目では便宜上、これらの弓騎兵ユニットについても紹介する。

【関連兵種】

スナイパー

経験を積んだアーチャーが「オリオンの矢」などを使ってクラスチェンジした姿。
(銃ではなく弓での)正確無比な射撃は狙った獲物を決して逃がさない。
作品によっては必殺率が上昇するボーナスがつくことも。

ボウナイト

に跨った弓兵。作品によっては「ホースメン」「遊牧民/遊牧騎兵」「フォレストナイト」とも。
旧『暗黒竜』『紋章』では装備は弓のみだったが、GBA以降の弓騎兵は他の武器も装備できることが多い。
作品によってアーチャーからの分岐先だったりスナイパーからの最上位職だったりで、高い機動力と長い射程が強み。
騎兵故に悪路と騎馬特効には注意。作品によってはなぜか騎馬特効が刺さらないことも。
また「ロングボウ」などがスナイパー専用武器になっている場合、ボウナイトでは扱えないことも。

ハンター

アーチャーとは別の弓歩兵。
ここでは『暗黒竜』『紋章』及びそのリメイク版に登場したものを基準に解説。
守備以外の能力はアーチャーよりも高めで、SFC版以降は騎馬兵「ホースメン」にクラスチェンジ可能。
さらにリメイク版ホースメンは剣も使える上に上限値もソードマスター並と潜在能力の高さはトップクラス。
ただ、該当ユニットの性能にやや癖があり、リメイク版でもステータス補正値はバーサーカーと並んで低い。
そのため、初期ハンター組を差し置いてマイユニット♂やオグマがホースメンとして使われることも。

シューター

機械式の大型発射機を扱うクラス。後作の「アーチ」という遠距離火器兵種とは仕様が錯綜している。

FC版『暗黒竜』では、馬から切り離された戦車(チャリオット)が特殊な火器を積み込んだような兵器と、その乗り手という絵面をしている。
鈍足かつ一般弓兵同様に間接攻撃しか出来ないが、装備する武器は全般的に高威力、かつ本体の守備力がアーマーナイト並みに高いという特異な性質を持っていた。
多くの味方のメタユニットとして立ちはだかる上、そこまでの剣と魔法の世界観から割と逸脱したオーパーツ的な量産兵器ということもあり、他のアーチャー系と一線を画した異彩を放つ。
隊伍を組んだ大部隊が現れる中盤マップは、味方が死んでもリセットしないプレイでは最初の詰みポイントになりかねない難所。ベックがまともな地形で仲間になるだけでも随分違ったはずなのだが。
『プッシューン、プッシューン 不気味な音を立てて 巨大な鉄の箱が 動き始める…』
ちなみにマップ名は「グルニアの木馬隊」。木か鉄か、主材料はどっちなのだろう。どちらにしても動力の謎は深い。

SFC版『紋章』では敵専用の長射程(3~10)の固定砲台に変更され、守備・魔防ともモロいユニットになった。機械的なイメージが共通する程度の、ほぼ同名別職種と言って良い。
その影響でシューター組の仲間もリストラ、敵シューターの大部隊と戦うマップも削除されている。
替わりに前半から現れて飛行特効でペガサスナイトを怯えさせる立場になったが、命中性能も大幅に落ちたので前半でもお祈りしながら吶喊させられる程度の脅威度に落ち着いた。
その後の扱いについても基本的に固定砲台として扱われている。
作品によっては兵種や武器ではなく、銃座の様な設置物として扱われる事も。具体的な内容は下記の作品毎の解説を参照。

なお『新・暗黒竜』では上記の固定砲台と動く戦車の良いとこ取りをしてしまい、移動力こそ4だが射程3~10の遠距離攻撃をプレイヤーサイドもぶっ放せる超兵器と化した。
しかもシューター用武器の錬成強化も可能で、改造エレファントやサンダーボルト、クインクレインで屍の山を築けるように。
力速さ30のハード5メディウスであっても射程外から星のオーブで耐久無限にした改造エレファントを撃っていればそのうち倒せるので、星のオーブは渡さない方が正解と言う有様。攻撃力次第では、1ターン目に初期配置からハードLV5メディウスを必殺でワンパン撃破しそのままエンディング…というゲームバランスなんぞクソクラエなシーケンシャルブレイクも出来てしまう。
さすがにまずかったのか、『新・紋章』ではシューター組の仲間は別の兵種に就けたうえでの参戦とし、「シューターというクラス」は加入しない様にしている。


■主な運用方法

【長所】

  • 後方支援
弓兵の真骨頂。普遍(不変)かつ絶対の存在意義。
1マス離れた場所から攻撃できるので、騎馬や歩兵の邪魔をせず削ったり、討ちもらした敵を仕留めるのが主な役割。
ユニット自体の技の高さと武器の三すくみの影響を受けないため、命中率の高い確実な攻撃が可能。
近接用武器種にも手槍、手斧など間接攻撃する手段が存在するが、威力や命中が控えめで弓ほどの安定感はない。

  • 近距離武器から反撃を受けない
こちらも重要な要素。
剣・槍・斧の攻撃範囲に入らず安全に攻撃できる。
低難易度では追撃を出せるユニットに手槍手斧を持たせて無双するだけで済むため近距離反撃できない弓はそこまで必要ないが、敵のステータスがインフレし強力な武器を持っている高難易度では重宝する。
わざわざ弓で攻撃しなくとも適当に回避剣士突っ込ませて反撃で倒せばいいって?必殺率が高いソドマスバーサーカーやキル系武器を装備している敵に同じこと言えるの?

  • 壁役に
接近されると反撃が出来ない点を利用して、
足の遅いアーマーソシアルが遠距離にいて援護が間に合わないなどの緊急時に。
特効がなく「やっつけ負け」の心配も少ないが、打たれ強い&かわせる兵種ではなく、あくまで応急処置なので過信は禁物。
任意で武器を外すことの出来ない作品向けだが、説得可能な敵が突っ込んでくるというケースでの釣り出し役にも有効。
敵の装備に気をつければ反撃で返り討ちにしてしまう事はまず無い。

  • 対飛行ユニット
弓の飛行特効により耐久力の高いドラゴンナイトや飛竜にすら一撃で致命傷を与えられる。
特にペガサスナイト系は防御が低めなので、まさに効果バツグン。「ぐはっはっは、面白いように落ちる。まるでトンボとりでもしているようだな」
多くの場合は武器の威力が3倍という計算式なので、素の威力の高い弓ほどダメージが跳ね上がる。
初期値で銀の弓が使えるというだけで飛行系にはある程度戦えてしまうのも納得の行く話である。
なお特効対象相手の銀の弓は多くの作品で30半ば、時にはそれを上回る威力になる。初期値のジョルジュでもドラゴンナイトが落ちる訳だ。
また前述のセリフから弓で飛行ユニットを攻撃する事そのものをトンボとりと呼称する事が多い。

  • 敵の間接攻撃持ちを誘き出す
間接攻撃持ちの攻撃範囲ギリギリに弓兵のみを配置するなどで、間接攻撃で弓兵を攻撃するしかないという状況を作り出し、
誘き出した敵を弓兵の反撃によってダメージを与える。間接攻撃が可能なら誰でも良いのだが、これも弓兵が役立つシチュエーションなのでここへ記載。
特に弓兵で行うのが有効なのは間接攻撃の手槍・手斧系持ちの飛行系を誘き出すケース。
紋章の謎及び新・紋章ルナティックの飛竜(というか敵の竜全般)もブレスが射程1-2なのでこれに該当する。
よせば良いのに弓の間合いから仕掛けてくるので飛行特効付きの反撃で面白いように落ちる。
時には聖水やMシールドを併用して、魔法系を誘き出すのも良い。こちらの場合は物理防御という穴を狙い撃てる。

  • ロングボウ(長弓)が使える
作品によるが、これを使えば3マス以上先から攻撃出来るようになる。
接近戦と移動力や攻撃力で勝る弓騎兵ユニットやウォーリアには使えない事があるため、重要な差別点となる。
え?地味過ぎ?お前それルナティックやっても言えんの?

  • アーチが使える
こちらも作品により仕様が変わるが、他の弓クラスとの差別点。
マップ依存だったり弾数や進軍スピードに問題があったりと弱点も多いが、遠距離から一方的に攻撃でき、
飛行系が多いマップや防衛マップだと猛威をふるう。敵が使う方が厄介とか言うな。


短所

  • 射程1の近接攻撃に対して無力
弓兵共通の泣き所。
上述のように「やっつけ負け」が少なくなるため、状況によっては長所にもなる。
勿論敵対した時は利用しない手はない。
一部の作品には接近時にも使用できる弓やスキルもあるため、対応を間違えないように注意。

  • HPや力や速さに難があることがやや多い
こればかりは完全に個人差なので例外は多々あるが、アーチャーにこの印象を抱くことは多いのではなかろうか。
兵種基本値が全体的に近接ユニットより低めなのも難点。
弓には騎馬やアーマーへの特効武器は無いことが多いため、力が低いとトンボとり要員に成り下がることも。
魔法弓が存在する作品ならこれらのユニットにも対抗可能になる。

  • 他の弓装備ユニットの存在
これの優劣によってアーチャーの立場は大きく変わる。
移動力が高くより弓の射程を活かせる弓騎兵(ホースメンやボウナイト等)、近接攻撃可能で攻撃力の高いウォーリア等と比較されることになる。
ひどい場合はアーチャー及びスナイパーがまとめて劣化扱いされてしまう恐れも……。

  • 移動力が低い(アーチャー)
支援する前に敵が駆逐されていたり待ち伏せしようとしたら、
アッサリ踏み込まれてフルボッコと言う様に泣きを見ることが多い。
防具を装備している為か他の歩兵系と比較しても劣っている方で、
ハンターや魔道士系の様に移動しやすい地形がないのも追い討ちとなっている。
『封印』以降はリメイクを除いてこの欠点はなくなり、他の歩兵と足並みを揃えて進軍できるようになった。

  • ハイエンド武器(弓)が少ない
これも作品による話だが、剣・槍・魔法に比べてちょっと…大きな格差がついている作品はある。
遠近両用の攻撃が可能で優秀な数字の武器が他に多く、ハイエンド弓が少ないと、どうしても採用人数を増やしにくい。
上の下ぐらいまでなら困らない武器種と割り切ることも必要。
古い作品から病巣になりやすかったためか、リメイクに際して目に見えて補充されたケースも。


【総括】

作品による立ち位置の変動が激しいクラスで、最弱だったり最強だったり安定しない。
DSリメイク版『新・暗黒竜』『新・紋章』ではウォーリアに加えてジェネラルまで弓を使えるため、速さでの優位性が得られないと不安な役どころである。
一方で兵種変更によってクラスの優位性が失われたことで苦しい立場にあるユニットも多く、特に大陸一(笑)の悲劇は有名。

ネタキャラがやたら多いのも特徴。

また敵の場合は後方からチクチク削られたり、飛行系をぶっ殺してリセットを用いさせるといったヘイトを貯めさせるウザイユニットでもある。
初期のころは弓版の傭兵/勇者とでもいうべき性能で、迂闊に近寄ると容赦なくハチの巣なので釣るユニットの選定にも悩まされがちだった。




■シリーズでの扱い

【新旧 暗黒竜と光の剣紋章の謎

初期値・成長率はやや低めだがリメイク前では『暗黒竜』『紋章』共に弓の性能は全体的に高く、上限値の低さから能力カンストも狙いやすいので、一人くらいはスナイパーを目指しておいた方が断然お得。
特に紋章ではスナイパーになったときのクラスチェンジ補正が尋常でなく高く、更に屋内戦ではホースメンがハンターになって移動力で劣るためスナイパーの優位性が高い。
リメイク版ではスナイパーに命中と必殺に夫々+5の補正が付くようになった他、速さが29まで育つので伸び切れば非常に強力。
たった+5?と思うかもしれないが必殺+5は決して馬鹿にならない影響力を持ち、必殺率の計算が一部変わった『新・紋章』では技が30まで上がるスナイパーが最もこの仕様の恩恵を受ける事が出来、技をカンストさせると素で25もの必殺率を保つことが出来る。
ただし、上限値変更と兵種変更と能力の低さ等が悪い方向に見事に噛み合い、生え抜きのアーチャーは正直大体微妙。
『新・紋章』のルナティック以上ではスナイパーの速さと「ロングボウ」が物を言うので最低一人は育てたい。速さ29&ロングボウ装備のスナイパーにかかれば鬼畜な錬成トロンやグラウアーも怖くない。
無論、敵のスナイパーも脅威となる。『新・紋章』の闘技場のスナイパーははっきり言って鬼畜。速さ26以上&幸運25を揃えていないと普通に追撃or必殺で呆気なくやられる可能性が拭えないからだ。

ホースメンは弓騎兵の開祖。しかしFC版の頃はクラスチェンジが無いためアーチャー系よりもレベルアップの機会が少なく、ドーピングしないとその強みを発揮できないのが欠点だった。
SFC版ではハンターの上級職と言う扱いとなりレベルアップの機会は増えたもののクラスチェンジ補正の多いスナイパーと比べると見劣りしているのが実情。
敵で登場する場合でも後続の作品と比べると脅威ではなくアーチャーに毛が生えた程度。
さらに屋内マップだと強制的に下馬をされハンターとなる。そのため同じステータスなら完全にスナイパーの劣化になってしまう。
リメイク版では速さの上限が30かつ剣を使える騎馬兵というGBAシリーズでの遊牧騎兵やフォレストナイトに相当するクラスになり、スナイパーとの差別化が進んだ。
そのため潜在能力は非常に高いが元々クラスチェンジできなかった名残からかステータスの基本値が低いため、マイユニットをはじめとする成長率に恵まれた強キャラでないと活かしづらい。

なお、『暗黒竜』『紋章』及びそのリメイク版ではアーチャー以外の弓兵として「ハンター」「シューター」も存在する。
詳細は概要欄の該当クラス解説を参照。


外伝Echoes もうひとりの英雄王

他シリーズと全く仕様が違うため、同じ感覚ではとても使えないユニットになっている。
本作は三段階クラスチェンジ制で、「アーチャー」→「スナイパー」→「ボウナイト」となる。
射程は基本*31~3、何らかのアイテムの弓を装備した場合1~5になるが、ボウナイトになるとデフォで射程1~5になり、機動力も騎馬系準拠になる。
また、特効計算自体は他作品と同じだが「基本」は「力の分+武器の威力0=力と同じ」というダメージなので特効対象でも「力+0×3=力」と全く同じダメージになるほか、
敵軍にはペガサスナイトもドラゴンナイトもおらず、敵の弓兵士は1人を除き基本状態で戦うので、実質飛行系特効はドラゴンゾンビ系とガーゴイル系*4に特効」である。

さらに最強武器「せいなるゆみ」は魔物全般に特効・貴重な自動回復効果・命中100・重さ0・必殺増加(これらはせいなるシリーズの特徴だが、弓なので射程1~5になる)。
主人公すら弓を使えるようになり、間違いなく弓の全盛期と言える作品。
ただし基本的な能力は低く、何より命中率が低め。接近戦もできるとは言え近づかれると危険なのには変わりはない。
長射程を生かし「弓で削って他キャラがとどめ」あたりが無難な運用か。
クラスチェンジ先を選べる「村人」系も「魔戦士」とのループで育て切った後は能力の問題も解消されるため、ほぼボウナイト一択と言って良い。

リメイク版では命中率が下がり装備品としての弓は剣と槍に比べて重い等、マイナス補正が入った他、射程が弓側ではなく兵種の補正になったので、この補正のない主人公の弓の使い勝手が落ちている。


聖戦の系譜

弓歩兵枠はボウファイター→スナイパー。
弓騎兵枠はアーチナイト→ボウナイト。
敵専用弓兵枠としてハンターが登場する。
ボウファイター系は下級職時代から兵種スキル「追撃」を持つので自軍では安定して戦える。
アーチナイト系は攻撃後の再移動により弓を撃った後、後ろに下がるという弓騎兵の特性を活かした戦法を得意とする。
ハンターはHPが高めだが、技と速さが低いので比較的戦いやすい。

ハンターはヴェルダン王国軍や海賊の主力でもあり、親世代に登場する。斧装備の敵と比べて身軽なため、追撃がとりづらいのが厄介。
ボウファイター系は傭兵団の主力や敵軍の主力部隊として登場することが多い。能力はハンターよりも高く、下手すると追撃されてしまう。

また、紋章以来となる遠距離攻撃兵「シューター」が敵専用兵種「○○アーチ」として登場。
劣悪なステータスではあるが、アーチの威力は高いので当たってしまうと痛い。

弓の神器イチイバルを継承しているユングヴィ家はアーチナイトやボウナイトから構成される弓騎士団「バイゲリッター」を擁する。
継承者のブリギッド、ファバルは仲間になるものの、ユングヴィ家の実権は父を暗殺したアンドレイとその息子スコピオが握っている。
バイゲリッターも敵として登場し、上記の一撃離脱戦法も使ってくるが弓騎兵で編隊を組むので包囲され直接攻撃で嬲り殺しにされるのがお決まりのパターン。

キラーボウがシリーズでも最高レベルの性能を発揮し、一部では「ヴェルダンの神器」とネタにされる。
イチイバルに必殺が付与されていない場合はキラーボウの方が強いと言われることが多い。

ちなみにこの作品には「アーチャー」というクラスは一切登場しない。
一応データ上には存在しているため、没データになったようだ。


トラキア776

弓兵のクラス系統は「聖戦」に準ずる。シューターの敵も続投。
アーチャーが敵専用職として復活。ボウファイターはほぼ味方専用だが、12章外伝には敵のボウファイターがいる。
捕獲は射程1でないと行えないため、弓専門ユニット=捕獲が一切できないというシステムレベルの大きな欠点がある。
逆にやっつけ負けが比較的起きやすい本作において、弓使いは射程1に対して反撃しない壁役として運用できる利点もある。*6
アーチナイト系は下馬しても武器が弓のままなので、室内戦でも武器を変えることなく戦える。
もっとも本作は魔道士系の成長率やスキルが全体的に優秀で、かつ歩兵が使える魔法剣がシリーズ屈指の高性能。
間接攻撃しかできないアーチャー系列がそれらにどう優位を示すか、運用に工夫が必要。


封印の剣

ここからユニットとしての「シューター」が廃止され、マップ上に置かれたシューターを使ってアーチャー・スナイパーが遠距離攻撃を行う仕様に。
とはいえ封印のシューターはあからさまに敵が使うための物であり、移動できない上に奪っても敵がいる方向に撃てないケースがあまりにも多い。
また、歴代の弓騎兵系の中でもトップクラスに優遇されている遊牧民→遊牧騎兵が登場。
下級職時代から馬に乗っている上、クラスチェンジで剣も追加、能力上限も恵まれていると至れりつくせり。
その上、騎馬兵にも関わらず「ナイトキラー」等による特効ダメージを受けない。
武器に関してもこの時代は「長弓」を遊牧騎兵が普通に使えていたので差別化は不可能。
ハードモードのサカルートで軒並み力15前後&速さ20前後、必殺10&高命中の短弓を片手に四方から大挙してくる遊牧民&騎兵は一種のトラウマを与えてくれる。

そのため、アーチャー系にとって最も厳しい時代でもある。
ただペガサスナイトよりも遊牧民を育てていた場合は後半のマップが難易度の高いサカルート、そうでない場合はイリアルートになるため戦略次第ではアーチャー系にも出番があるかもしれない。
本作ではアーチャーの育成自体が難儀であるが、初期スナイパーも十分代役が務まる能力を持つ。というかウォルトが割を食っている

通信闘技場では最強と言われるソードマスターに対し、ミュルグレ持ちのスナイパーと遊牧騎兵のみが追撃できる。
回避率の高いソドマスに対してより高い命中率を維持できるのは技の上限値で勝るスナイパーの方なのでこのモードでは存在感が増しているといえる。


烈火の剣

前作の反動で投入機会や初期値等が見直されたので、アーチャー系は主力として使える。
一方で対抗馬である遊牧民は前作の反省からか1人しかいないうえに微妙な加入時期、ついでに騎馬特効も追加と弱体化された。上限は力、守備+1で強化されているが…。
とは言え十分に使えるユニットではあるため、一軍争いは互角といったところ。
その他にもCC後に弓が使用可能になるリン、初期ウォーリアで力の強い弓兵になれるガイツと対抗馬も多い。

ヘクトル編ハードではドラゴンマスター相手に威力39を叩き出す銀の弓が重宝する。
また最強の弓リヤンフレチェはその入手時期の早さと軽さから終章のS武器の中でも優遇されている。

前作では敵専用に等しかったシューターに関しては今作では味方が乗っても役に立つ配置になった物も出現し、平地限定とはいえ乗ったまま移動することができる。
ただしシューターに乗っている間は攻速と回避が激減するため、敵に狙われると悲惨。加えて乗り降りだけでいちいち行動を終えてしまうので早め早めの運用を心がけないといけない。


聖魔の光石

地味にアーチャーはネイミーのみ。オリオンの矢は2個目以降はへそくり。

今作ではCCと同時にスキル「必的」を習得する。
効果は「LV%の確率で攻撃が必ず当たる」というものだが、ぶっちゃけかなり微妙。
GBAスナイパー最大の特徴は全職トップの技値による高命中なので完全に噛み合っていない…
「封印」のハンマーのような余程尖った低命中弓があれば別だがそんなものは存在しない。まして今作では敵の回避も軒並み低い魔物がメインになっていくので普通に育てるだけでも常に100%を保持できる。仮に狙うとしても発動確率も最大20%と信頼できない事、スキル自体も「必ず当たる」以上の付加効果が無いからである。「20%の確率で100%命中する」という効果説明がネタにされがち
回避率が上がりやすい通信闘技場では強力だが、対戦モードに熱を入れるプレイヤーの絶対数も少ない現在ではやはり微妙なスキルと言わざるを得ない。
低レベルのスナイパーが比較的命中の低い長弓で回避の高いボスや「むずかしい」の高レベルのケルベロスなどを狙う際に発動すればラッキー、程度な存在である。
「必的」が発動すればジェネラルの大盾をキャンセルできるというメリットはあるが、確率の差を踏まえても普通に魔法で攻め続けた方が効率的。
一方、敵キャラに発動されると割とやっかい。どんなに回避を高めても一定確率で当てられるため事故死を招きやすい。特に闘技場でLV20近くのスナイパーを相手にすると顕著。LV20のスナイパーが相手だと実質常に20%命中率が担保されてるような状態なのだ。
敵スナイパーを相手にする際は敵の攻撃を耐えられないけど回避が高いから…なんて考えは捨てたほうがいいだろう。

本作では弓騎兵はフォレストナイトという名称で登場。剣と弓を扱い、本作では登場しない遊牧騎兵のような扱い。*9

また、シリーズで始めて分岐クラスチェンジ制が導入された作品でもある。
この作品以降、傭兵のクラスチェンジ先として勇者だけでなく弓騎兵を選択できることが多くなっている。

本作でもジストがネイミー共々フォレストナイトとして活躍するため、ヒーニアスの影がさらに薄くなる


蒼炎の軌跡暁の女神

『蒼炎』ではアーチャー→スナイパー。
『暁』では弓兵(アーチャー)狙撃手(スナイパー)神射手(サジタリー)とクラスチェンジ。
『蒼炎』でも引き続き弓騎兵、というか騎馬系・飛行系が優遇されているためアーチャー系は影が薄くなりがち。
蒼炎ではパラディンの仕様が「クラスチェンジの際に使用する武器を1つ任意で選ぶ」であるため、元々弓を使うステラ以外でも弓を使う騎馬兵が増えたりする。
射程2~3の「長弓」と射程4のSランク弓「バルフレチェ」に加え、 常に命中率が倍になる 上に一定確率で相手を眠らせる奥義「狙撃」がスナイパー専用なのが個性か。
命中率が常に倍になる都合、速さ30のソードマスター相手でも外すことはほぼない。
ただバルフレチェの基本性能は鉄の弓以下、さらに奥義も月光や太陽の方が安定性は高い。
同じく専用武器の長弓の威力も非常に低く、力25(カンスト)のスナイパーですらこんなもので倒せるのはマニアックのレベル20すら守備9しかない司祭のみ。ノーマルの高レベル賢者すら一回の戦闘で倒せるか怪しい。

特効の倍率が2倍に落ちたため、銀の弓でもドラゴンマスターを一気に落とすのが難しいのもネック。敵が固すぎて追撃できても落としきれないのはザラ。
しかも蒼炎は柔らかい「ペガサスナイト」「ファルコンナイト」が敵で出る機会が1マップしかなく、カラスやタカの方が多い。
そして終盤で強敵となるドラゴンマスター相手には賢者のブリザード、下手をするとエルウィンドの方が(敵の守備と魔防の差のせいで)大ダメージを与えられることもある。
無論、敵の反撃に強いのはこちらなので間接攻撃を誘うならこちらの方が優秀。

シューターは再びマップ固定の兵器となり、お約束通り敵にとって有利な配置の物ばかりとなっている。
特効が2倍に弱体化したとはいえ、アイアンアーチは威力22射程3~15マスで高い命中を誇る凶悪ミサイルであり、こんなもの食らったら魔法キャラはもちろんドラゴンナイトでもかなり痛い。
また、投石器が存在し、着弾後の砂煙でターゲットのみならず周辺にもダメージを与えることが可能。命中率は驚異の 255 で、何をやっても絶対に当たる。
ちなみに投石器を使う敵は何故か直接自軍ユニットに石をぶつけようとはせず、周囲の砂煙で小ダメージを与えようとしてくる。
石そのものにも威力は設定されているのに……。
あるトライアルマップでは珍しく味方専用兵器としてシューターが使えるが、カラスを落とすならともかく高すぎるHPとカンスト同然の守備を持つ敵ドラゴンマスター相手には威力が足りない。

『暁』では騎馬兵の弱体化により歩兵の地位も向上。特効の際の倍率も3倍に戻った。
特殊な扱いの弓武器が多数登場し、特に射程1~2の「弩」により弓兵の地雷運用が可能となっている。
弩は攻撃や命中等のスペックは高いものの、ユニットの力に依存しないという性質の武器。
最低ランクの弩でも威力が24・最も高い物では38もあるので、特効対象である飛行ユニットには通常の弓以上の天敵。
上位の弩が飛行系に直撃しようものならラグズ王のティバーンですら落ちる。またこちらも天敵スキルを付ける事で獣牙族や竜族を容易く葬れる。

前作でがっかり性能だったバルフレチェも弩並の射程に加えて基本性能も全武器の中でトップクラス。
さらに弓歩兵系の最上級職・神射手は装備に関係なく常時3マス攻撃が可能。
つまりバルフレチェや弩装備だと1人で射程1~3までカバーできてしまう。
本作のアーチャー系は能力・装備共に優秀なため最低一人は育てておきたい。


覚醒

『聖魔』と同様、アーチャーはスナイパー以外に弓騎兵(今作ではボウナイト)に昇格可能。傭兵からボウナイトに昇格できるのも聖魔と同じ。
スキルはアーチャーが『技+2』と自分から攻撃した時に命中・回避+15となる『先の先』
スナイパーが『命中+20』と弓装備の攻撃力が5上がる『弓の達人』
ボウナイトが周囲2マスの味方の技+4とする『技の叫び』と弓持ち相手に命中・回避+50される『弓殺し』

高難易度では「ロングボウ」が有用。今回は威力もちゃんとある上射程3マスで一方的に攻撃できる。
さらにウォーリアー等の『カウンター』を回避できることから反撃できないのが長所となることも。
バルフレチェは射程2~3でロングボウの上位互換品となり、武器節約や疾風迅雷持ちのスナイパーが居たら是非持たせたくなる強武器。


if

飛行特効効果のある風魔法が殆ど撤廃され、更に手槍・手斧での追撃が発動不可になったため、相対的に弓の価値が上昇した。
更に本作では弓の武器威力が非常に高く(白夜王国の和弓は全武器中トップの武器威力、暗夜王国の弓も斧と同等)、さらに今作で猛威を振るう暗器に有利と
全体的に弓が強いバランスで、弓を扱えるというだけで割と勝ち組である。
また、特定のマップに「弓砲台」が設置されていることがある。
十字カーソルで最大5体まで同時に攻撃できるシューターのようなものだが、相手のHPを0にすることはできない。
暗夜の弓職はシーフが担当している。


風花雪月

全ての兵種で自由に弓を装備可能。
またどのユニットでも弓術の技能レベルをDまで上げると射程2〜3の戦技「曲射」、Cで「近距離反撃」を習得できる。
長射程に恵まれるうえ、射程1への対応力がなんとデフォルトで備えられるという、『外伝』を彷彿とさせる強い弓の世界である。
弓専門職以外でもサブウェポンとして持たせておくと便利。

本作のクラスチェンジは資格制。アーチャーにならなくても資格試験に合格すればスナイパー・ボウナイトにすることが可能。





ファイアーエムブレム エンゲージ

下級職に「アーチャー」、CC先の上級職に弓専門の「スナイパー」と弓+剣槍斧のうち1種の騎馬職「ボウナイト」が存在している。スナイパーのクラススキルは相手に反撃されない場合必殺+10加算の「狙撃」、ボウナイトは移動せずに自分から攻撃した時命中+40加算の「集中」を持つ。
他、王族専用の弓職が存在(下記参照)。
弓専門職以外には斧歩兵上級職の「ウォーリアー」が弓を扱える。
登場する弓は射程1の「ショートボウ」や射程2~3の「長弓」があるため、比較的柔軟な運用が可能で、弓歩兵職は地形の回避効果を2倍にする「隠密」スタイルを持つため、位置取りに気をつければ回避盾の真似事もできる。

DLCである邪竜の章では過去作におけるシューターに似た「マージカノン」が登場する。使う武器は弓ではなく砲弾であり、技が威力に、力と体格が命中に反映される変わった特性を持つ。
射程は3~8と長いが遠くにいるほど命中が下がり、追撃不可、必殺補正-80、重装スタイルだが反撃はまずできないのでただ特効を受けるだけと考えなしに使っても活躍しにくい兵種となっている。
使う砲弾によって追加効果や特効が変わり、例として飛行特効の場合は「トルネードシェル」が該当する。
ただ一番の問題は専用CCアイテムが90000Gととんでもない高額であることか。なお味方に該当キャラはおらず、敵ユニットはモブ兵のみである。


幻影異聞録♯FE


アーチャーのミラージュであるヴィオールと、そのミラージュマスター。
パーティ唯一の弓使いなのでセッション面でもなくてはならない存在。


ファイアーエムブレム ヒーローズ

歩兵、飛行特効とスマホゲーでもFEの基本をおさえている。
また本作には「射程1にも射程2にも自ターンで攻撃可能」という職が基本的に無い。弓も魔法も射程2のみなので、クラシカルな格差問題の1つが平らになっている。
ただし「相手ターンに攻撃された場合、基本射程1のユニットが射程2にも反撃可能になる」種の補強手段の多さ・容易さに比べると、「~基本射程2のユニットが射程1にも反撃可能」な手段がやや少なめで、その点では見劣り気味。

基本的に属性相性を受けない無色だが、色付きの弓キャラも少数ながら存在する。
色付きの場合3すくみの影響を受けるが「弓殺し」が通らない。
総選挙リン以降は騎馬の弓持ちが少しずつ登場し、飛行、重装の弓キャラも少ないがいる。
専用武器以外に飛行以外への特効品はないが、勇者武器は汎用の間接攻撃(弓、暗器、魔法)の中で唯一存在し、勇者の弓が本家同様かそれ以上の活躍を見せる。





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最終更新:2025年03月07日 23:50

*1 ボウガンは武器種名ではなく現実に存在する製品名のためと思われる

*2 クレインクインなら実在するので、おそらくそれのもじり。クレインクインとは、手で普通には引けないほど弦が固いクロスボウをハンドルつき歯車と噛み合わせた歯竿で引く機構を指す

*3 『外伝』には「装備なし」の概念がなく、DQなどでいう「素手攻撃(補正なし)」が「そのユニットに応じた基本の武器」という事にされ、アイテムの「武器」を持つとそれに応じて攻撃力や命中率に補正が入る。

*4 ビグルは飛んでいるように見えるが対象外

*5 もう1人はドズル家当主のブリアン

*6 本作では武器を持たない歩兵ユニットは無抵抗で捕獲されてしまうので、弓を持つことでしかこれができない。

*7 力を大幅強化できる書は入手が遅く、加入の早いロナンはゆっくりレベルを上げないと活用させにくい。

*8 侯爵がサカ部族を毛嫌いしていることは領民にも知られているが、ラスはあくまで仕事と割り切っていたと思われる。しかしリンがゆくゆくは自分と同格の地位に就くことが気に入らず、更に抗議したラスに対しても金で懐柔しようとする態度で我慢の限界を超えた。

*9 なおフォレストナイトは聖戦・トラキア776でも登場するクラスだが、その際は剣のみを扱う騎兵だった。