登録日:2018/07/25(水) 00:37:10
更新日:2025/02/10 Mon 01:17:02
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あらすじ
ホウエン地方壊滅の危機から半年。ブルーは長年引き裂かれていた両親との再会のため、
ナナシマへと向かおうとしていた。
同じころ、
マサラタウンに里帰りしたレッドとグリーンは「
ポケモン図鑑を取り上げる」というオーキド博士からのメッセージを受け、やむなく図鑑を手放す。
そしてそのメッセージに同封されていた「トライパス」を使ってナナシマへと向かう。
かくしてそれぞれの理由からナナシマに導かれた三人の図鑑所有者であるが、そこで待っていたのは謎の敵―
デオキシスの襲撃であった。
サカキに策動され、三度復活したロケット団からの攻撃を受ける図鑑所有者たち。揺らぐアイデンティティの中、彼らが得たものとは?
主な登場人物・ポケモン
◆図鑑所有者たち
●
レッド
本章の主人公。FRLGの男主人公のデザインに変わったが、前髪の跳ね上がりはそのまま。
いくつもの戦いを経験し、トレーナーとしては成熟したかに見えた…が、突如として図鑑を取り上げられて動揺しつつもナナシマに向かう。
そこで自分たちを狙ったロケット団の策略で島民たちに迫害されたこと、さらにデオキシスに惨敗したことで自分を見失ってしまう。
手持ちの大半が瀕死状態、
ポケモンセンターも使えないという厳しい状況の中、新たに習得した究極技とかつての敵との共闘で状況を切り開こうとする。
●
グリーン
オーキド博士の孫であり、トキワジムリーダーにしてレッドの
ライバル。こちらもFRLGのライバルの服装に近いが、温暖なナナシマに合わせてか半袖である。
姿を消したオーキドから図鑑を取り上げるようメッセージを受け、更にナナシマへといざなわれる状況に冷静さを失っていく。
そしてその怒りはロケット団がオーキドをさらったことを知って頂点に達する。
だが胸中には、先代トキワジムリーダーでもあるサカキをどこかで信じたい、という思いが渦巻いていた……。
●
ブルー
本章のヒロイン。冒頭、シルバーから贈られた服に着替える。それはFRLGの女主人公のデザインで、ある意味先祖返りといえる。
ナナシマにて生き別れの両親と再会しようとしていたが、デオキシスの手によって両親は行方不明になり、そのショックから昏睡状態に陥る。
だが、島民の襲撃を逃れ、両親と再会し自分の宿命に決着をつけるべく立ち上がる。その決意は究極技を驚くべき速度で習得したほど。
●
イエロー
この章からまつげが描かれるようになり、女性らしい顔立ちとなっている。
グリーンに会いにトキワジムへと向かうが、本人は不在。だがシルバーと出会い、能力を使って彼の出生の手掛かりを探そうとする。
なお、手持ちのレベルは他の図鑑所有者と比べてとても低い。しかし、それは「平常時」の話で……。
●
シルバー
冒頭、両親との再会を祝してブルーに服を贈る。
そして自分自身も自らのルーツを探すため、かつての記憶から
トキワシティへと到達した。
それが残酷な真実を彼に突きつけるとは知らずに……。
◆味方勢力
●
預かりシステムの管理人たち
この章で活躍するのはカントー本土担当の
マサキ、ナナシマ担当のニシキ、ホウエン地方担当のアズサ・マユミ姉妹。
ナナシマの転送機能が不調に陥ったため、マサキはナナシマに向かうがその船上でレッドたちに出会う。
以後、事件の全容解明のためマサキは管理人仲間と協力してレッドたちをサポートしていく。
●
オーキド博士
物語の冒頭、メッセージを残しレッドとグリーンから図鑑を取り上げる。
これはロケット団に脅迫されたことによるものだが、レッドには大きなショックを与えていた。
おまけにロケット団に拉致されグリーンをおびき出す餌とされてしまうが、図鑑の回収自体は別の目的がオーキドにはあったようで……。
●キワメ
原作にも名前は出るが、デザインはオリジナルのキャラクター。長身の老婆で、
カンナからは「伝説のトレーナー」と呼ばれる存在。
レッドとグリーンに過酷な修行の末に究極技を伝授。またブルーにも伝授し、その後の戦いをサポートしていく。
なお、日下先生はミニスカートの着物を着せたかったらしいが、山本先生が断固拒否したことで没になったらしい…。
●
ミュウツー
ロケット団に作られた「いでんしポケモン」。
第3章で
カツラの体内にあった細胞が焼き切られ、カツラに負担をかけずに自由に行動できるようになった。そして高い知能を発揮し、テレパシーで人間に意思を伝えることもできる。
自信を喪失し、何もできないレッドの前に姿を現し、共闘を持ちかけた。
自らと同じくロケット団に利用される強大な存在であるデオキシスに対し、不幸を繰り返すまいとサカキとの激突に挑む。
◆敵勢力
●
ロケット団
本章の敵組織。再びサカキが首領となっている。
もはや真っ当なジムリーダーと四天王になったかつての三幹部は戻らないと判断したのか、新たな幹部三人を加えレッドたちに牙をむく。
○
サカキ
雌伏の時を経て、ある目的のためにロケット団を復活させた。
そのカリスマ性は健在で、デオキシスをおびき寄せるためにレッドたちをナナシマに向かわせた。
そしてデオキシスを捕獲し、その圧倒的パワーと罠の二段構えで図鑑所有者たちを一掃しようとするが……。
オリジナルデザインの小柄な男。人を小馬鹿にした態度を常に取り、ポケモンにも愛着はなく「だいばくはつ」を多用する。
機械の知識に優れているため、様々なメカを設計したが、自らの地位への執着から終盤で問題を起こす。
大柄なオリジナルデザインの男。自分のポケモンを「家族」と呼び、情に厚い性格をしているが、家族と認めない者に対しては全く容赦がない。
オーキド博士を襲撃し、拉致した張本人。
血の気が薄い肌をした紅一点。彼女のみポケモンカードのイラストから引用されたデザインである。
常に冷静沈着で、今回の作戦の中心人物。サカキに対して忠実であり、その真意も早くから知って行動していた。
しかし彼女自身の真の意図は……?
作風について
この章では単行本掲載タイトルの「VS○○」がない。
シリーズでは初の試みであり、6章からはまた「VS○○」のタイトルに戻ったのであるが、
12章にて通巻版での再掲載にあたり「VS○○」ではなくなった。
本章の登場人物はオリジナルデザインのキャラクターが多い。一方、いくつかのデザインはアニメやポケモンカードから引用されている。
原作のキャラクターの立ち位置を変えずに、物語を展開していくには必要な投入であったのだろう。
また、章をまたぐ複数の伏線が回収されていく章でもある。
この章は「独立した一つの物語」というより、「第3章の続編」と見て読んだ方がわかりやすいかもしれない。
それは後のリメイク作品にあたる章にも言えることだろう。
そしてその結末は…是非、自分の目で確かめてほしい。
連載についての補足
単行本掲載の第一話にあたる、ブルーとシルバーの逃避行を描いた話は、本来
読み切りとして雑誌に掲載されたものだった。
またシリーズ初のリメイクの発売に対し、その扱いについて両先生の苦悩は相当のものだったらしい。
以前充分に成長したはずの主人公を再度主人公に据えることや、メインストーリーが同じであることによるストーリー設計の難しさなどで、
日下先生は「一番苦労し、その分思い入れの強い章」としている。
山本先生も「真斗先生の生み出した人気キャラクターを再度主役として描けるのか」というためらいがあったようで、
図鑑所有者たちを自分の画風に似せたデザインへと変更している。
一時「新主人公で話を作る」という案もあったようだが、結局は
「同時並行でリメイク作品の章に移行、主人公はリメイク前から続投」
という今でもおなじみのスタイルへと落ち着いた。
尤も、この後
第7・
8・
9章でこの形式が災いし「学年誌休刊」という事態に巻き込まれてしまうのだが…。
追記・修正をお願いします。
- 初めて読んだときはZガンダムみたいなラストで完全に困惑した -- 名無しさん (2018-07-25 00:41:10)
- 自暴自棄になるレッドの姿が見てて辛かったな… -- 名無しさん (2018-07-25 01:19:23)
- 島民からの迫害、精神的に追い詰められるレッド、バッドエンドの結末…エメラルド編への伏線とはいえ、見てて辛い章でもあるよね… -- 名無しさん (2018-07-25 01:20:40)
- このころから図鑑所有者=選ばれし者みたいな風潮が良くも悪くも。 -- 名無しさん (2018-07-25 11:59:02)
- 第10章と並んで結末が辛かったな。敵の方が一枚上手って描かれてしまったのは。 -- 名無しさん (2019-04-16 16:55:32)
- サカキがミュウツーに課した拘束具・2体いたり無数の分身を生み出すデオキシス・ポケモン同士の激突による人間の石化と映画のオマージュも多し -- 名無しさん (2020-11-28 17:16:28)
最終更新:2025年02月10日 01:17