スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました

登録日:2019/04/30 Tue 00:23:06
更新日:2024/03/18 Mon 22:59:59
所要時間:約 22 分で読めます






少なくとも私は無理をして強くなったわけじゃない

ほどほどの生活をキープしてきただけ


◆概要
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」とは、小説家になろうにて連載していた作品の一つ。書籍版はGAノベルから発売中。
作者は2008年にメジャーデビューし、同じくなろうにて連載の「若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!」等でもおなじみ森田季節。
なろうお馴染みの異世界転生物にして、ここ最近で一気に数を増やしている異世界スローライフもの。

web版は前述の通り『小説家になろう』にて数日に1回という早めの間隔での発表で連載していたが、
書籍版刊行のペースがそれ以上に早すぎて原稿を二重に用意する状態になるなど作業を圧迫していたため、2021年11月に857話目を最後に発表を終了し削除されている。
(作品自体は書籍ベースで続行している。)

書籍版は18巻、漫画版も9巻まで発売している。
漫画版はシバユウスケが担当。ノベル版漫画版双方でのキャラクター原案は紅緒。
2021年にはアニメ版が放映された。
主なキャスト内容として監督は木村延景、アニメ制作REVOROOTが、
音楽制作は日本コロムビア。

タイトルにあるように主人公はレベルMAXのチート染みた強さを持っているものの、
主題となるのがスローライフなので、チートパワーで俺TUEEEE!!な展開はあまりなく*1
ファンタジーな異種族との交流と、徐々に増えていく個性的な家族たちとの、
のんびりまったりほのぼのな日常コメディが中心となっている。

主人公は強力な力を持つこととは裏腹に、多くの場合事件を持ち込まれて振り回される側で、
最後まで何一つ力を発揮せず傍観とツッコミのみで終わるエピソードすら散見されるほどである。

作中世界にはTVゲーム的な数値化された経験値やステータス、
レベルアップによる自動的な強化やスキル取得などの概念があるが、
これらには序盤に主人公の能力の高さを提示する舞台装置以上の意味はなく、
作中で重視されることはない。
またタイトルは「ザコキャラしか倒したことがないのに異様に強くなった」というニュアンスであり、
モンスターとしてのスライム自体は特に重要な要素ではない。*2

基本的に全編通して主人公アズサの一人称視点で進行する。
サザエさん時空ではなく作中時間は少しずつ経過してはいるが、*3
たまに新たな家族が加入する以外には話をまたいで引っ張る要素はあまりなく、
基本的に1エピソード完結形式。

このライトノベルがすごい!2019』においては単行本・ノベルス部門9位という、凄いような凄くないような、
何ともこの作品らしい立ち位置にランクインしている。

因みに「決して無理をしないスローライフ」が主題になっているが、漫画版担当のシバユウスケは
1巻カバー横で「ほぼ深夜から明け方にかけて描いている」という自嘲を漏らしていたりする。


あらすじ
現代世界、とある会社に務める二十七歳の社会人、相沢梓。
恋も遊びも何もかもを犠牲にし、人生の全てを仕事のために費やしてきた、
その果てに待っていたのは、仕事中に突如として意識を失いそのまま命を落とすという報われない結末。

次に意識を取り戻した先、人生をやり直すチャンスを与えられた彼女が望んだのは、
不老不死の肉体と自給自足でのんびり過ごせるスローライフ。

その願いが聞き届けられた先、再び目を覚ました彼女は高原に住む不老不死の魔女――アズサ・アイザワとして、
第二の人生を始めることになる。

…が、生活のために作業的にこなしていたスライム退治、それが300年も積み重なった結果、
微小な経験値が貯まりに貯まり、アズサは知らぬ間にレベルMAXのとんでもない実力者と化していた。
更に彼女の実力を聞きつけたおかしな連中ばかりやってくるようになるわで、
彼女のスローライフはとんでもない方向に転がっていくことに……


◆登場人物
本作の主要な名前ありの登場人物は、主人公も含めて基本的に皆女性であり、
それも数百年から数千年は平気で生きる長寿な種族ばかりである。
CVはドラマCD版及びアニメ版準拠。

高原の家

CV:悠木碧
本作の主人公。上述したように前世は仕事のために生きていた社蓄そのもの。
転生後は高原に一軒家を構える不老不死の魔女として、ふもとのフラタ村の住人たちとの交流も行いながら、
のんびりまったりなスローライフを300年程満喫していたのだが、
自給自足の糧を得る一環で続けていたスライム退治による経験値の積み重ねにより、
いつの間にやらレベルMAX且つとんでもない実力を知らぬ間に身に着けてしまっていた。

元は黒髪ロングの日本人だったが、転生後は金髪青眼の控えめボディ、とんがり帽子装備のステレオな見た目の魔女となった。
外見年齢は17歳相当のまま、歳を取らない。
ちなみに彼女の外観は、転生させてくれた女神様的な存在が独断と偏見で勝手に決めた。

基本的には温和で明るく人当たりの良い心優しい女性。ただし主にツッコミ役であるため、割と激しい口調にもなる。
魔女としての能力の一環で薬草採取や薬の制作・販売、疫病流行の防止といった活動にも勤しんでいたため、
ふもとの村の人たちからは「高原の魔女様」と呼ばれ強く慕われている。
不老不死故に相手に「先立たれる」ため、転生してからは特定の誰かと必要以上に親しくなる事を避けていたが、
レベルMAXがバレてからは、自分を頼ってきた者達を高原の家の「家族」として迎え入れるようになった。

転生前の社畜としての自身の在り方を反省材料として強く胸に刻んでいるため、
絶対に無理はせず、程々の労働と努力をしながら安定した日々を過ごすことを強く望んでいる。
それは家族になった者たちも同様であり、自分のためにという理由であろうと無理をしようとした場合は絶対に止めようとする。
ちなみに300年経過しても前世の事をおぼえているのは前世の社畜生活が深刻なトラウマと化しているため。

クドいようだがレベルMAX故に秘めた力は常軌を逸しており、並の実力者では足元にも及ばない。
冒険者ギルドでのステータス鑑定によれば…

瞬間移動・空中浮遊・火炎・竜巻・アイテム鑑定・地震・氷雪・雷撃・精神支配・解呪
解毒・魔法反射・マナ吸収・言語理解・変身・魔法創作
薬草に関する知識・魔女の力により不老不死・獲得経験値増加

と、これだけの魔法と特殊能力を同時所有しているとのこと。
もちろん基本ステータスもレベルに見合った超高水準。
単純な身体能力がデタラメに高いため、ただでさえ少ない戦闘シーンは大抵は腕っ節だけで事足り、
魔法を使う前に終わってしまう。

先述の通り不老不死であり、その理由は体の中をマナが絶えず循環しているからとのこと。
これは見る人から見れば一目瞭然であるらしく、体中の穴という穴から溢れている上、勢いが凄まじく、
両肩にも背後霊のように纏わりついている他、美味しいハンバーグの肉汁のように汁気たっぷりで、
更にミルフィーユ状に折り重なっており、おまけに粘ついているらしい。
どういう事なのかは分からないがそうらしい。絵に描くとこんな感じです。

弱点としては毒への耐性は特になく、毒ガスや毒キノコなどには普通に中毒になる点がある。
また幽霊や怪談の類もかなり苦手。子供の頃から「雷様にヘソを取られる」という話にすら本気でビビっていたレベルであり、
いくらレベルMAXでもこれは治らないらしい。
他にネーミングセンスがド直球で、スライム並みのレベルと言われている。

転生の事実については言いふらしこそしないが、墓まで持っていくような重大な秘密とも考えてはいないらしく、家族には伝えている。
しかも特にイベントもなしに描写外で打ち明けており、本編中ではそのことにさらっと触れるだけという、
割とぞんざいな扱いをしている。

平和なスローライフを何よりも望んでいる平和主義者なため、基本的にこれらの力を積極的にひけらかすようなことはしないのだが、
基本がお人好しであり、来訪者のトラブル解決などのために仕方なく、といった形で力を振るうことはそれなり。
また、自身の家族に悪意を以って害を及ぼそうとする者相手には、躊躇せずに力を行使することも。


  • ライカ
CV:本渡楓
高原の魔女の噂を聞きつけてやってきた雌のレッドドラゴン。
作中では主にマナの操作によって、赤髪の人間の少女の姿となっている。
人間の姿では13歳程度の見た目だが、実年齢は300歳程でアズサとほぼタメ。

ナンテール州最強という、ドラゴンの中でも有数の実力者であり、
レベルMAXであるアズサとどちらが上なのか雌雄を決する目的で彼女に勝負を挑んだのだが、
圧倒的な実力者を見せ付けられた上に、彼女の一軒家を破壊してしまったことにより逆鱗に触れ、返り討ちにされてしまう。
自分の未熟さを思い知り、アズサの下で学びたいという思いから弟子入りし、彼女の最初の家族となる。

初登場時こそ慢心からいきなり勝負を吹っかける粗暴で破天荒な面を見せたものの、
素の性格は己のいたらなさをきちんと見つめられる、清楚で真面目な性格。
掃除洗濯料理中心とした家事スキルも一通り備えている。
その清らかさは外見にも現れており、ふもとの村祭りで喫茶店を開いた際に披露したウエイトレス服姿は、
物凄く尊さ全開なオーラを振りまいている。

姉の結婚式をお祝いしたり、学校では人気者で演劇をした経験もあるようなことを口にしていたりと、
ドラゴンという種族の割に、妙に人間臭い風習を口にしたりする。

一人称は「我」だが常に丁寧語という、尊大なのか真面目なのかよくわからない口調で喋る。
誰に対しても優等生な当たり障りのない受け答えができるが、
悩んでいる相手にもお構いなしにずけずけと正論をぶつけるなど、真面目故に辛辣な物言いをすることも。
また、向上心の塊で目標のためなら迷わず最大限の努力をするタイプ(アズサ曰く「意識高い系」)であるため、「目標のために最大限の努力をする事が出来ない」という状況を上手く理解できないという欠点も持っている。

アズサが何も教えずとも、自身の成長の糧とするため自主的にアズサのいいところを探して見習おうとしているため、
アズサのやることなすことに関して必要以上に感じ入って褒めちぎる傾向がある。
ただしツッコミを入れたり意見することも多く、決して盲従しているわけではない。

さすがに魔族には敵わないものの、家族ではアズサに次ぐ実力者。
世間的に強さがわかりやすいドラゴンのため、彼女の弟子入りの噂が広まった後はアズサへの挑戦者も途絶えた。
少女形態でも口から火を吹くなどの力が使えるほか、遠出をする際にはドラゴン形態で移動要員としても活躍する。


  • ファルファ
CV:千本木彩花
出会い頭に満面の笑みでアズサを「ママ」と呼んできた、オレンジエプロン着用の青髪幼女。
その正体は、アズサが300年の間に倒してきたスライムたちの魂が寄り集まって形を成した、スライムの精霊。
誕生したのは50年ほど前だが、見た目は10歳程。
そういう経緯で誕生した故に、アズサのことを母親同然に見ているとのこと。

…割とヘビーな誕生経緯なものの、ファルファ自身は特にアズサを恨んでいたりはせず、
せっかく生を持ったのだからママ=アズサとも仲良くしたいと本心から語っており、
その無邪気さと可愛さにアズサもまたすぐさま虜になり、後述の妹と共に新たな家族として迎え入れている。

自分の感情に素直で、外見年齢以上に子供っぽい無邪気な言動をしている。
何にでも喜びを表し、常にテンションが高い。
だが妹に対しては諭したりフォローを行うなど、姉らしい面を見せる。

魔物としてのスライムそのものではなく精霊であるため、
スライムと共通する特徴が多いものの生理的には異なる部分もある。

アズサに対面するまでの50年間は姉妹2人で冒険者をやったり、大学の講義に忍び込んだりしていたらしく、
おかげで性格とは裏腹に知識や一般常識については人並み以上に備えている。
数学など理系の知識を多く持つが、作中であまり生かせる場面がないのがちょっと不憫。
ただ、本人もあまりそういった面をひけらかす気はないらしい。


  • シャルシャ
CV:田中美海
ファルファの妹で、同じくスライムたちの魂によって生み出された精霊。
容姿はファルファにそっくりだが、髪の色は緑色と違いがある。
しかし、ファルファとは反対に登場当初はアズサのことを酷く恨んでおり、
50年の歳月をかけて対アズサにだけ特化した「破邪の魔法」に必要なマナを蓄え続けていた。
…が、対アズサの魔法"のみ"に特化していたため、一緒にいたライカにあっさり敗北。

本来の性格はファルファとは正反対、口数少なく物静かなタイプ。
ライカに敗北後は生きる目的を見失い途方に暮れていたものの、
アズサとファルファの説得を受けて共に生活することに決定。
アズサへの恨みも完全に無くなり、「母さん」と呼んで甘えるようになった。

文語的な語彙で説明的な口調で喋る。*4
好奇心と知識欲が高く、意外にその点の自己主張ははっきりしている。
ただし不器用さゆえか、理論武装で自分の感情論やわがままを正当化しようとする面がある。

ファルファと同等の戦闘力はあるがあまり体力はなく、またかなり足が遅い。
「破邪の魔法」の発動でマナを使い果たしたため、現在は通常の魔法も使えない状態である。

歴史や神学、裁判の判例など文系の知識に秀でており、旅先の地理や文化、初登場の種族についての解説役ができる。
また絵画の才もある。


  • ハルカラ
CV:原田彩楓
フラント州のとある小国(自治領)からやってきた調薬師のエルフ。
金髪ロングで扇情的な見た目をした、わがままエロスボディの持ち主。
アップの絵だとぶっちゃけ容姿がアズサと被ってて見分けがつかなくなる
「年に750回ぐらい『いやらしい体しやがって』とか言われてましたね」とのこと。
年齢は自称「17歳と2500ヶ月」*5。外見年齢的には家族で一番大人に見える。

体ばかり見られるのが癪で調薬師として実績を出そうと努力し、
その結果開発した栄養ドリンクのような飲み物『栄養酒』が各地でヒット、工場や会社まで設立するほどになる。
しかし利用者として想定していなかった魔族のベルゼブブに名指しの手配書をばらまかれ、
従業員や集落に見捨てられてしまう。
逃亡生活の末に高原の魔女の噂を聞きつけ、保護を求めてアズサの元を訪れた。

自身のトラブルを解決してくれたアズサに弟子入りし、新たな家族となる。

お調子者で表情が非常にコロコロと変わりやすい。
涙目になっていたかと思いきや、次の瞬間にはケロッとした笑みを浮かべていたりするなど切り替えが早く、
端から見てると嘘泣きなんじゃないかと疑われてしまうレベル。
(本人は飽くまでも性格だと言い張っている)

調薬師としての腕前は確かなもので、その繋がりでキノコの知識にも精通しているが、
確認が足らずにうっかり催淫キノコを口にしてしまったり、
上級悪魔やら幽霊少女やらと一悶着起こしたりと結構なトラブルメーカー。
小さい頃から粗忽者だったようで、職業が会社経営なのも、実はうっかりのせいで勤めが長続きしないせいでもあったらしい。

家族の中では唯一、長命なだけで肉体的には特にこれといった特徴がなく、打たれ強くもない。
ただしトラブルに逢い過ぎて耐性が付きつつあり、触手植物に襲われたり
小動物に足を攻撃される程度の些事では最早全く動じない。

商売人としての目線でものを見ることが多く、建物の立地の良し悪しや物品の商品価値には目ざとい。
金儲けは大好きで結構ぼろい商売も経験があるが、使うのも大好き。
会社経営を再開したおかげで家族の中ではかなり高額の収入があるが、
アズサはハルカラ個人の収入扱いにさせている。
ただし高原の家の調度品がだんだんと豪華になっている。

アズサのことは「お師匠様」と呼んでおり、命を救われた為かアズサに好意を抱いている節がある。
本人曰く同性愛の気はないが、食われノンケではあるらしい。*6
ただしその宣言通り積極的な行動はしないため、どこまで本気なのかは謎。

酒好きだが、そこまで強くはない。そのため飲酒するとすぐに酔い潰れて毎回面倒くさいことになる。
菜食を好むが食に関して拒否感が薄く、出されれば何でも食べる。


  • フラットルテ
CV:和氣あず未
ライカが属しているレッドドラゴンの一族と対立している、ブルードラゴンの一族の一人。
別名「ブルードラゴンのイヤガラセ女王」。

アズサたちも出席していたライカの姉の結婚式に仲間と共に襲撃を仕掛けてきたが、
家族を守るために本気になったアズサと、たまたま近く町の温泉に来ていたベルゼブブの圧倒的な力の前に敗北。
賠償契約と両ドラゴン陣営の不戦条約を渋々結ばされるという形に。

ライカと同様にパープルヘアーの勝ち気そうな見た目の少女の姿になることもできる。
レッドドラゴンと違い、人型でも角以外に尻尾もそのまま残っている。
イヤガラセ女王を名乗ってはいるものの、心の底からレッドドラゴンの陣営を憎んでいるわけでもなく、
最終的にはライカの姉の結婚式を祝福していた。

後の魔族の土地訪問編にて再登場し、魔王の命令によって、
ブルードラゴンにとって完全服従の証である「ツノを撫でられる」という行為をアズサにされてしまうことになり、
一族の掟によりアズサから一生離れることができなくなってしまう。
しかしその後にアズサから「命令を待たずに自分で考えて行動すること」と説得を受けたことで、
本心からアズサに惚れ込む様になり、家族の一員として迎えられた。

以降、アズサのことを「ご主人様」と呼び慕い、一番弟子でありライバルでもあるライカとは
度々喧嘩し合う仲に。
他人への嫌がらせはこれ以降は見られなくなった。

ブルードラゴンは計画性が全くなく「力こそが全て」「強者が全てを得る」という野蛮な価値観の一族であり、*7
彼女も例に漏れず好戦的であまり物事を深く考えないガサツで楽天家な性格。
基本的にその時の気分のみで後先考えず行動するため、ライカからは事ある毎に呆れられている。

吟遊詩人マニアという意外な一面があり、上手い下手に関わらず吟遊詩人なら全部聞く姿勢で相当な知識量を持つ。
音楽自体にも一家言あり、リュートの即興演奏や作詞作曲の技術がある。

年齢は400歳以上。元々はライカの姉の腐れ縁であるため、実は年齢的にはアズサやライカよりも年上なのだが、
言動があまりにもおバカであるため、特に年長者の威厳はない。
一人称に「アタシ」以外に「フラットルテ」を使ったり、
語尾に「なのだ」と付けて喋るなど、口調もやや子供っぽい。


  • ロザリー
CV:杉山里穂
フラタ村の隣町であるナスクーテ町の曰く付きの土地に憑りついていた幽霊少女。
ハルカラがたまたまその土地に新たな工房を建築したことによりその存在が発覚することに。

ちょっと目付きが悪く、長い金髪をした町娘の格好の少女*8
15歳頃に幽霊となって以来、数百年をそのままの姿で過ごしており、最近二百回忌を迎えている。

嘗てはとある商人の一人娘で、町でも評判のお淑やか美人だったらしいが、
事業に失敗した父親に「貴族に嫁がせる」と騙されて歓楽街に売られそうになり、
その真実を知って絶望のままに首吊り自殺。
以来、その恨みから幽霊として現世に留まり、性格もやさぐれて非常にガラの悪い幽霊少女となって
館のあった土地の地縛霊として今に至る。

紆余曲折の末にそれらの真実を知ったアズサの提案により彼女の高原の自宅に招かれ、
更にアズサの提案によって、ポルターガイスト能力を活かして町の人たちの助けになり、
自身の存在が受け入れられることに。

ガラの悪い面は、絶望を抱えたまま発散できず土地から離れられなかったところが大きいらしく、
高原の家で周囲の暖かさに触れてからは気立のよい性格を発揮し、積極的に周囲の役に立とうとしている。
不良のお約束で涙脆く義理堅い。
一方でアズサ達に出会うまでの境遇が境遇である事から、時折深い闇を感じさせる言動を見せる事も。

死者であるため食欲がなく、食事に対しても特に執着や感慨はない。
睡眠もしないため、夜は暇。ただし能力を使いすぎると精神的に疲労して眠くなることがある。

壁抜けや透明化、ポルターガイストなど幽霊としての独特の特殊能力を多数持っており、
これを活かした斥候役や情報収集が得意。
生者に憑依して肉体を乗っ取ることもできるが、本人もこの能力の全容を把握できておらず、
抜け出し方がわからず憑依先を危うく死なせかけるなど、幾度か騒動を引き起こしている。
また元々が町娘で死後も特に戦ったことはないため、口調とは裏腹に戦闘能力は皆無。

服装は幽霊の一部として固定されており、別の衣装を着せるには魔法で一工夫必要。


  • サンドラ
長年成長した結果、知能を持ち言葉を話し自ら動き回るまでになった、伝説級のマンドラゴラの少女。
人型の根の部分は5、6歳の人間の子供と変わらない見た目をしており、頭には髪の毛のように長い葉が生えている。

ここまで育つには300年はかかるらしいが、正確な年齢は本人にもわからない。
恐らく実年齢ではアズサよりも歳上と推測されているが、性格は外見通りの子供そのもので、本人もそのような扱いを受け入れている。
当初は名前すらなく、アズサの手により、本人が好きなものからの連想で「サンド(sand=砂)」からサンドラと命名された。

元々はベルゼブブの屋敷の庭にある森に誰にも知られず住んでいたが、あるとき森に入っていたアズサに偶然に目撃される。
アズサがそのことを不用意にエノに話したせいで存在が露見し、魔女達に貴重な魔法薬素材として追い回されるはめになってしまう*9
知性ある存在の命を脅かした責任を感じたアズサ達の手で保護され、再び同じ目に遭わないよう高原の家で暮らすことになった。

長年他人と関わりを持たず生きてきたせいか人見知りをする性格で、慣れない相手には攻撃的になる。
心を許した相手にも意地っ張りで跳ねっ返りな態度を取るが、アズサはそんなほどよい反抗期な性格を気に入っている。

生態や価値観が他の家族とは大きく異なっており、
野菜の気持ちを考えて美味しく改良してみせたり、新しい植木に対して序列を問うたり、大木をイケメン呼ばわりして黄色い声を上げるなど、植物としての独特な視点を持つ。
土に潜って素早く動き回る能力がある。足に当たる部分で歩くこともできるが、かなり疲れるようである。

普段は屋内ではなく庭の畑に植わっている。


魔族

  • ベルゼブブ
CV:沼倉愛美
現代世界のファンタジーでもハエの王として有名な上級魔族。
その伝来どおりハエの姿に化けることが出来るが、本来の姿は褐色肌でツノと羽根を生やしたのじゃ口調の美女である。
年齢は3千歳程で、アズサの10倍は生きている。

アズサの下に駆け込んでいたハルカラを追って姿を現し、
彼女を庇ったアズサと対決することになったが、
一軒家の周囲に展開していたアズサの結界にうっかり内側から引っかかってアッサリ敗北。
直後にアズサの回復魔法に助けられ、ハルカラとのトラブルも誤解だったことが判明し、
以降はアズサの友人となった。

上級魔族の社会では農相を務めている結構なお偉いさんだったりもするが、
本質的には面白いこと好きのお茶目さんであり、以降も度々アズサの下に現れて厄介事を持ち込んだり、
逆にアズサに呼び出されて力になってくれたりする。
一見偉そうな態度を取っているが生来の常識人で、面倒見がよく頼まれれば断れないお人好し。
アズサはベルゼブブのそういった点を自分とは似た者同士であると感じており、
「頼れるお姉ちゃん」のように思っている。

実は尊大な口調や態度は農相に抜擢された際に部下にナメられないように作ったキャラ付けが定着してしまったものであり、彼女自身は田舎の農村出身の元平民である。
「ベルゼブブ」は歴史上の有名な魔族から取られた名前で、本人は少しコンプレックスを感じている。

初登場こそ冴えなかったものの戦闘能力は非常に高く、ドラゴンの集団くらいなら一網打尽にできる。
ただし最近は仕事が忙しく鍛錬を怠りがちらしい。
最初の出会いでの戦闘がうやむやになってしまったため、しばらくはアズサとの決着にこだわっていたが、
武術大会での試合で完全に白黒付き、改めてアズサのデタラメな力を思い知った。

面白いことがあったら呼ばせるためにアズサには自身を呼び出す呪文を教えているが、
魔族語で発音が難しいため、アズサが呼び出すと毎回目標からずれて変な場所に出現する。

未婚の身だが子供好きでファルファとシャルシャを非常に気に入っており、
何かにつけて養子に迎えられないかと夢想している。
ことあるごとに既成事実化を目論む発言をしており、その点はアズサから警戒されている。
高原の家に来るたびに彼女らに色々とお土産を持ってきており、親戚のおばさん状態になっている。



  • ペコラ
CV:田村ゆかり
魔族の王都、城塞都市ヴァンゼルドの主である正真正銘の魔王。
フルネームはプロヴァト・ペコラ・アリエース。
三本の尻尾と黒い捩れた黒い角を持つ、これまた可愛らしい見た目をした少女。
高いところの挨拶は好きじゃないと語る、非常にフランクで親しみやすい性格をしている。
正確な年齢は不詳だが、スピンオフでは数百年前の即位当時には現在と変わらない外見をしていた。
(ベルゼブブよりは年下らしい。)

とはいえ、魔王という肩書きは決してお飾りではなく、
本気を出した際の威厳・威圧・実力諸々は正に魔王。
軽く剣を一振りしただけで、城塞都市の一部を綺麗に輪切りにしてしまう程。

ハルカラの不慮の事故によって気を失ったり、
それによってハルカラが重罪人として捕らわれたりと、
事態が二転三転した先でアズサと決闘することになり、
レベルMAXの魔女であるアズサすらも寄せ付けない圧倒的な力を見せ付けるも、
ハルカラの命を盾にした挑発にキレたアズサに、一瞬の隙を突かれて敗北。

実はずっと昔から魔王である自分よりも強い存在を慕って生きたいという願望を持っていたとのことで、
アズサこそがその相手として相応しいとし、以来アズサをお姉さまと呼んでゾッコンとなってしまう。

君主としての評判は良く、先代までの旧習を打ち破った名君として君臨している。
一方でからかいやいたずらめいた事で他人を驚かせるのが好きで、これで周囲を振り回すことも多い。
よく小悪魔的に笑っているが、悪魔どころか魔王である。
物腰は柔らかいが、自分の決めたことには強気で強引。またかなり目立ちたがりな面がある。

ベルゼブブのことは重用しているようで、出かける際は彼女を伴っていることが多い。
スピンオフによると、実はベルゼブブのこともお姉さま候補としてロックオンしていたが、そちらは立場上自分に対して強気に出てくれないため内心不満に感じていたらしい。

  • ヴァーニア
CV:小澤亜李
ベルゼブブの部下であるリヴァイアサン姉妹の妹。
ドジでいいかげんな性格で、しょっちゅうベルゼブブに怒られている。
それでもベルゼブブのことはぼやきつつも上司として慕っている。
非常に高い料理の腕前を持ち、そちらの方は全面的に信頼されている。
魔族におけるハルカラのポジション。


  • ファートラ
CV:伊藤美来
ベルゼブブの部下であるリヴァイアサン姉妹の姉。
外見はヴァーニアとよく似ているが、こちらは有能で落ち着いた秘書然とした性格。
苔の収集という非常にマニアックな趣味の持ち主。

リヴァイアサンは普段は人間の姿で過ごしているが、本来の姿は飛行能力を持つ超巨大な魔族。
こちらの姿ではヴァンゼルドと地方や人間の国の間の長距離送迎を仕事としている。
姉妹交代制で、飛行中も安全運転。
姉妹ともどもベルゼブブの大臣就任時より配属されている部下である。


  • ポンデリ
アンデッド化した猫の獣人の少女。ボクっ娘
40年ほど前までは普通の獣人だったが、働くのが嫌で引きこもっており、最後は食べることすら面倒になり餓死してしまった。
その後アンデッドとなり復活して以降は自宅警備員ならぬ「墓場警備員」を自称して人間の領域で各地の墓場をぶらぶらしており、
墓場の小屋に引きこもってゲームばかりしながら、周囲の善意による小遣いで生計を立てる怠惰な生活を送っていた。
この生活に満足してはいるものの、大好きなゲームの遊び相手がいないことを寂しく思っていた。

人間の領域に魔族の一種であるアンデッドがいることを知ったベルゼブブ達とアズサによって保護のために探し出され、
「保護した先では働かなければいけない」条件と「遊び相手が欲しい」欲求を満たすため、
魔族の国に引っ越して「ゲームをしてあげる屋」を開くことになった。

この商売は上手くいっており、ただゲームを遊ぶだけでなく
自作のカードゲームが商品化され人気となるなど、ゲームクリエイターとしての才能を発揮するようになった。


スライム

  • 大スライム
初出は書籍版書き下ろし。個体名は特にない。
ベルグリアの森に存在する、丘のように巨大なスライム。
善なるスライムが寄り集まってできた世界最大の善なるスライムで、
ファルファとシャルシャの育ての親のような存在。
表面から人間のような形の体を生やして他者とコミュニケーションを取ることができる。
他者をしがらみに関係なく平等に評価できる能力がある。


  • 賢いスライム
個体名は特に無い。略して賢スラ。
ヴァンゼルド城の地下の一室に住まい、思考を深めている。
喋ることはできないが、壁に書いた文字に体当たりをして文章を表現し意思疎通することが可能。
黒い体をしているが、これは体を壁に打ち付けすぎて黒ずんでしまったためらしい。


  • マースラ
CV:島袋美由利
魔法使いスライム。
ブロンドの髪の少女の姿をしている。
生まれて300年程の知能の高いスライムで、150年程前から魔法で人間の姿を取っている。
トムリアナ州の最高峰モダディアナ山に居を構え一人で住んでいる。
元々個体名は特になく、マースラという名前はアズサが便宜上「魔法使いスライム」を捩って呼び始めた。
気に入ったのかその後も使い続けているようである。


  • ブッスラー
CV:伊藤彩沙
武道家スライム。常に人間の少女の姿をしており身長は低め。
人間に紛れて修行しながら暮らしており、
個体名も人間として暮らすために本人が「武道家スライム」を捩って名乗っているもの。
本来の姿はエメラルドグリーンの体色のスライム。

貯金が趣味であり、各地の格闘大会に出場し賞金を稼ぐことに喜びを見出している、動機が不純な格闘家。
人間の姿を維持するために金がかかるのもあるようだが、今や完全に金の亡者と化しており、
金が絡まない物事には露骨にやる気が下がる。

武術大会で知り合って以降ベルゼブブに弟子入りしており、
普段は魔族領で下働きをしながら修行と貯金に勤しんでいる。


その他

  • ナタリー
CV:菊池紗矢香
フラタ村の冒険者ギルドで受付をする新人の若い女性職員。
彼女がアズサにその強さを尋ねたことが、すべての始まりであった。
以降、たまにギルドで誰も受けてくれない厄介な依頼をアズサに持ち込んでくるようになる。
よく広告で「魔女様マジで強すぎですぅぅぅぅ!!!」とすごい勢いで叫んでいるのは彼女である。*10

本作のレギュラー・準レギュラーでは珍しい、長寿設定のない普通の人間。

web版では特に容姿の描写はなかったが、書籍版では「胸の大きさには自信がある」という設定が追加されており、
アズサが初めて体型のことを意識する描写がハルカラではなく彼女に対してに変更されている。
漫画版ではさらにボブカットで眼鏡をかけているという具体的な容姿が登場した。

ちなみにアズサが300年前に初めてギルドを訪れた際に対応した女性職員も同じナタリーという名前だったが、
現在のナタリーとの関係は不明。漫画版では容姿も全く異なるため、恐らくは無関係。


  • エノ
CV:遠野ひかる
老婆の姿で「高原の魔女」の名を騙り各地に出没していた、アズサの偽者。
その正体はアズサと同じく少女の姿の不老不死の魔女だが、150年程鳴かず飛ばずで、
ちやほやされてみたいがために最近名前を聞く「高原の魔女」を名乗っていた。

偽物出現の噂を聞きつけたアズサに見つかってしまうが、事情を知ったアズサに同情される。
アズサの協力で自作の薬品を売が売れるようになり、「洞窟の魔女」として成功。
以降これに味を占めたらしく、薬品原料となる珍しい素材や商売の匂いにつられて度々登場する。


  • クク
CV:小岩井ことり
ウサギの獣人アルミラージの女性。80歳くらい。
職業は「スキファノイア」という芸名の吟遊詩人で、芸歴は63年と長いもののほとんど売れていない。

ツアーでフラタ村を訪れ開いたライブ中に空腹で倒れてしまったところを、偶然参加していたアズサ達に保護される。

デスメタル的な芸風でライブ中は濃い化粧をしているが、華奢で素顔は気弱なタイプ。
そろそろ音楽の夢を諦めようかと思っていたが、アズサの励ましを受け、
一時的に高原の家に身を寄せて、新たな方向性を模索することになる。


  • メガーメガ神
CV:井上喜久子
アズサをこの世界に転生させた神様。
外見は丸ほっぺの少女で、頭には光輪、背中には翼と、神様というよりは天使のような風貌をしている。
メガーメガ神という名前は本名ではなく、とりあえずつけただけのもの。

冒頭でアズサを転生させて以降は特に何も干渉して来ることは無かったが、州都で開催したトークショーでアズサと再会を果たす。
元々(アズサを転生させた頃)は複数の世界を統括する高位の神であったが、女性にばかり甘い性格が問題となって降格され、アズサの転生先の世界に左遷されてやってきた。
自分に都合の悪いことに嘘をついたり自分の提案した賭けで不正を働くなど、ノリが軽く割と俗物でいい加減な性格だが、特に邪悪ということもなく、争いはしても平和主義者。
教えとしては「徳スタンプカード」を人々に配布して少しずつ善行を積むことを勧めており、苦行や善行による利益は否定している。

制約は受けるものの元高位神としての能力は本物であり、簡単な箱庭世界を創造する程度は遊びでやってのける。また実は戦闘能力もこの世界の武神に匹敵するほどらしく、限界突破前のアズサでは戦いを目で追うのがやっとなほど。
再会してからは畏敬の念は急速に減少してはいるが、アズサからすれば大恩ある相手であり、付き合わされる騒動や暇潰しは普段に輪をかけて断れない。


◆用語・設定
  • 高原の家
ナンテール州フラタ村近くの高原にある家。
アズサやその「家族」が暮らしている。
家族が増えてからは、家事は当番制。

元々はアズサがこの世界に転生した際にすぐ近くにあった空き家であり、
以来300年間、建て替えに近いほどの改装を繰り返しながらアズサ一人で暮らしてきた。
自給自足できるよう庭に畑が作られているほか、漫画版では井戸の描写もある。

ライカとの戦闘で一部か倒壊してしまったが、弟子入りしたライカ自身が修繕と増築を行い、部屋数が大きく増えた。
その後も食料用の地下貯蔵庫が作られたり大きな松の木が生えたりと、現在も少しずつ様相を変えている。

  • フラタ村
高原のふもとにある、高原の家の最寄りの村。
アズサはいつもこの村でスライムの魔法石の換金や買い物をしている。
実はアズサが長年自作の薬を安く提供しているおかげで、周囲の村よりも幼児死亡率が低く人口が増え発展しているのだが、
アズサはその事実に最近まで気付いていなかった。
村長以下、アズサに深い感謝と敬意を抱いている住人が多い。

  • ナンテール州
とある世界にあるとある王国に属する州。州都はヴィタメイ。
基本的に生息するモンスターは弱く、牧歌的でのんびりした雰囲気の平和な場所だが、レッドドラゴンの住むロッコー火山などもこの州内にある。
州名の由来は、州内にある景勝ナンテール湖。

  • スライム
この世界のスライムは最弱のモンスターであり、日本でいうとスズメやカラスくらいの頻度でどこでも見かける。
一般的に知能は低いが、稀に生まれる知能の高い個体ははっきりとした自意識を持ち、
その中から極わずかが魔法や格闘技を学んで強力な力を持つようになる。
ただし個体名という概念が基本的にないらしく、特技や特徴からの通称で呼ばれていることが多い。

  • 魔族の土地
「魔族領」などとも呼ばれており、国名などの統一した呼び方は登場していない。
魔王を頂点とする国家で、首都は長大な城壁に囲まれた城塞都市ヴァンゼルド。
人間側とは現在は特に敵対はしておらず、平和な状態を保っている。
人間の領域からは地続きだが遥かに離れた場所にあり、人間では自力で到達した者はいない。
ライカやフラットルテ達ドラゴンならば飛んでたどり着くことが可能。
「魔族」というのはモンスターを含む雑多な種族の総称であり、その能力や知能、外見もまちまちのため、超多民族国家となっている。

  • 通貨単位
人間の用いる通貨単位はゴールド。同額の日本円とほぼ等価の感覚で使える。
ちなみにスライムを倒すと手に入る魔法石の換金レートは1匹分200ゴールド。
アズサの1日の討伐数は最低20匹、平均25匹程度のため、日収は4000~5000円相当。
贅沢せず大きな目的もない一人暮らしのための労働としては、充分な額である。

魔族の通貨単位はコイーヌ。こちらもゴールドとほとんど価値は変わらない。

  • 魔法創作
アズサの持つ魔法のひとつ。300年間のレベルアップの中で知らないうちに習得していた。
ライカ曰く「超高度な魔法」*11。これまでにない新たな魔法を自作できる力である。
ただし新しい魔法を作るには、求める結果を実現するための理屈や方法論をきちんと考えて、その過程に必要な魔法の知識を学ぶ必要がある。
そのため「思った通りのことを何でもできる」というような能力では全然なく、
理屈も方法もわからないのにいきなり念話や長距離ワープのような魔法を作ることはできない。
一方で既存の魔法の翻案・合成などはそれほど問題なくできるようである。


◆スピンオフシリーズ
アズサと出会うより以前の、各登場人物の過去のエピソードを描くシリーズ。
各シリーズとも1話完結の全6話構成で、「なろう」ではなくガンガンONLINEで連載される。
書籍版では5巻以降、2話ずつ巻末に収録されている。

  • 「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」
ベルゼブブ主役のスピンオフ。書籍版5~7巻収録。
タイトルで9割方ネタバレしているが、ヒラ役人から突然農相に任命されてしまったベルゼブブの、
魔族側の登場人物達との出会いや、官僚として真面目に働く日常を描く。

こちらも村上メイシによる漫画版が連載されており、
また本編単行本収録分に書き下ろしエピソードを加え、
単独の小説版単行本も刊行された。

  • 「エルフのごはん」
ハルカラ主役のスピンオフ。書籍版8~10巻収録。
ハルカラが故郷で社長業に勤しむ傍らでの、食事に対する悲喜こもごも(主に失敗談)のエピソード集。
後半は時系列が本編の頃に追いつくとともに、ハルカラが意外な人物と対面することになる。

  • 「レッドドラゴン女学院」
ライカ主役のスピンオフ。書籍版11~13、16、18巻収録。
ドラゴンの結婚式編でわずかに語られた、ライカの女学院生時代の話。
拳で語り合うお嬢様学校・レッドドラゴン女学院に入学したライカの、
決闘に満ちた学園生活が語られる。
本編ではあまり出番のないライカの姉・レイラの人となりが語られ、
ライカにとっての姉の存在の大きさが改めて強調されている。


余談

アニメは放送のタイミングが「小説家になろう発の悠木碧声の転生者がスローライフとは程遠いサバイバル生活に放り込まれるアニメ」の後半クールと被った事で話題を呼んだ。
しかもどちらも悠木碧が主題歌を歌っている(?)*12という共通点が存在する。

書籍版や漫画版の表紙に毎回表示されている数式のようなものは、

Average(スライム)25×365days×300years×(EXP2+2)=Lv.99

最初のエピソードでナタリーがアズサの獲得経験値を概算した際の計算式である。
「獲得経験値が2増える能力がある状態」で「基礎獲得経験値2のスライム」を「1日平均25匹倒す」ことを「地球と同じ暦で300年間」休みなく続けたと仮定して1095万と概算し、
これが実際のステータス測定時の総獲得経験値と近似していることを根拠に、測定の正確性を主張している。
これは作中世界では、経験値が2500と言われるドラゴンを年間14.6匹倒すようなハイペースとされている。

ある有志が「本当に300年でスライムだけ倒せばレベルMAXになれるのか?」と、ドラゴンクエストⅪにおけるスライム(経験値2)でこれを検証した動画がYouTubeに挙がっている。
結論から言うと24時間365日休みなしなら計算上30余年でレベルMAXに出来る。
本ラノベのようにスローライフを楽しみながらスライムを倒し続ければ300年でレベルMAXは余裕で可能とのこと。


追記・修正はスライムを270万匹程退治してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
  • 小説家になろう
  • スローライフ
  • 魔女
  • 不老不死
  • ほのぼの
  • ライトノベル
  • コミカライズ
  • 百合ハーレム
  • ファンタジー
  • ファンタジー北島
  • GA文庫
  • 絵に描くとこんな感じです
  • 21年春アニメ
  • 木村延景
  • 髙橋龍也
  • 後藤圭佑
  • 本多恵美
  • 内藤健
  • 竹澤聡
  • 三上颯太
  • 本山哲
  • スタジオマウス
  • 井内啓二
  • 日本コロムビア
  • REVOROOT
  • 森田季節
  • アニメ
  • GAノベル

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 22:59

*1 そもそも飽くまでレベルMAXではあるが最強というわけではなく、主人公と同じ不老不死や同等以上の実力者も存在している

*2 スライムのレギュラー・準レギュラーの登場人物もいるが、彼女らを巡る話が全体のテーマというわけでもない。

*3 最初のエピソードでのステータスバレから書籍版5巻の時点で1年、14巻で2年以上が経過している。

*4 web版では最初の襲撃時のみ少女言葉を使っていたが、書籍版や漫画版では最初からこの口調になっている。

*5 換算すると約225歳

*6 恐らく文脈的に「基本的に異性愛者だが、同性でも相手から求められるなら満更でもない」程度のニュアンスと思われる。

*7 アズサが評するに「不良高校生みたいな価値観で生きている」

*8 作中では「長い髪」と「ショートボブ」という2種類の描写があり、イラストではボブカットの後ろ髪の一部を伸ばしたような形になっている

*9 ただし魔女達も伝説級マンドラゴラの実物は見たことがなく、もっと怪物のような外見を想像していた。少女の姿であることを知ってからは手出しを躊躇しており、サンドラ自身から再生可能な部位である葉を素材として差し出され引き下がっている。

*10 最序盤のアズサのステータスが初めて発覚した場面。流石にここまでアズサが大袈裟に持ち上げられることは滅多にない。

*11 レベル99時点でのステータス上の習得魔法欄の最後にあるので、レベルアップで習得できる最終魔法であると思われる。

*12 本作はOP、「蜘蛛ですが、なにか?」はEDという違いはあるが。