クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~

登録日:2019/05/27 Mon 14:19:11
更新日:2025/01/20 Mon 01:56:35
所要時間:約 5 分で読めます






アクション大盛り友情濃いめ


2018年4月13日より公開された、映画クレヨンしんちゃんシリーズ第26作目の作品。


同年6月に矢島晶子がしんのすけ役を降板したため、矢島が演じるしんのすけ最後の映画となった。
カンフーを題材とし、『爆睡!ユメミーワールド大突撃』に続くかすかべ防衛隊、とりわけ佐藤マサオが初めてメインを務める。
しんのすけ達にカンフーで戦わせることにはスタッフ内でも批判があったため案に上りながらも実現していなかったが、「やわらかい部分だけで戦う」という設定で実現したらしい。
終盤における予想外の展開も大きく話題となった。


【あらすじ】
いつものようにいじめられていたマサオだったが、その日は様子が違っていた。
怪しんだかすかべ防衛隊が後をつけると、春日部の中華街「アイヤータウン」に辿り着く。
マサオはそこで中国拳法「ぷにぷに拳」を習っていたのだ。
ぷにぷに拳の師匠から千年に一人のぷにぷにと称されたしんのすけ達もなりゆきで修業をはじめる。

一方、春日部では一度食べたらやみつきになるブラックパンダラーメンが流行していた。
着々と出店数を増やすブラックパンダの野望に図らずも巻き込まれていくしんのすけ達の運命やいかに…。


【登場人物】
※物語の核心に触れる内容は、各自展開してご確認ください

野原しんのすけ(声:矢島晶子
ご存知、嵐を呼ぶ園児。
千年に一人のぷにぷに、ぷにぷにの天才と呼ばれてぷにぷに拳の修行をすることになる。

+ ◎ネタバレを含んだ解説
ぷにぷに真掌の構えがアクションビームに似ていることから「アクションビームが撃てる」と興味を示し、ぷにぷにの精の質問にもゆるゆるとした答えを返したことで心の柔らかいものと認められ、ぷにぷに真掌の後継者となるが、ピーマンの匂いがするという理由で秘薬を飲むのを拒否する。そりゃそうだ。
また、一度防衛隊を離れようとしたマサオから謝罪を受けた際も「キレイなおねいさんの事しか覚えられないから」と彼らしい理由で気にも留めずに受け入れた。
孤立化し、笑顔を失ったランを救うため、防衛隊や春日部の住人たち全員とジェンカを踊ってランの笑顔を取り戻した*1


◇佐藤マサオ(声:一龍斎貞友)
先にぷにぷに拳を始めていたため兄弟子として散々威張り散らす。
しかし、運動音痴に加え体が硬いせいで技を1つも習得できず、劣等感に苛まれていき、中盤で姿を消す。メインなのに…。
その後は師匠と橋の下で暮らしながらマンツーマンで修行をつけてもらっており、秘孔で疎通手段が限られる師匠の言葉が何となくわかったりと成長した姿を見せた。
再度防衛隊に合流する前にしんのすけに謝罪するが、裏切りオニギリの時とは異なりしんのすけは全く気にしておらずあっさりと許された…というか覚えていなかった*2

◇風間トオル(声:真柴摩利)
最初は否定的だったが、なんだかんだでぷにぷに拳の修行を始める。
芋虫行脚をしている間に芋虫の生活も悪くないかもなどと言っていた。

◇桜田ネネ(声:林玉緒)
アクションスター目指してぷにぷに拳の修行を始める。
風間くんのスマホでブラックパンダラーメンの秘密を撮影する。

◇ボーちゃん(声:佐藤智恵)
健康のためにぷにぷに拳の修行を始める。
今回は割と空気。

野原ひろし(声:森川智之
野原一家の大黒柱。
狂暴化したひまわりに手を焼く。

野原みさえ(声:ならはしみき)
野原一家最強の母。
同じく狂暴化したひまわりに手を焼く。

◇野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
みさえがこぼしたブラックパンダラーメンを食べて狂暴化してしまう。

◇シロ(声:真柴摩利)
一家の愛犬。
黒いテープを張られてホワイトタイガー呼ばわりされたり、ウ〇チの最中を見られたりと散々な役回り。


◇タマ・ラン(声:潘めぐみ
ぷにぷに拳を学ぶ少女。
アイヤータウンに捨てられていたところを師匠に拾われて育ったため、アイヤータウンに愛着を持つ。
ブラックパンダラーメンの秘密を探りつつ、横暴を辞めさせるためにぷにぷに拳を極めようとする。
ぷにぷに拳の技を全て会得し、奥義「ぷにぷに真掌」を修得する資格を得て野原一家と共に中国へ向かう。
心がぷにぷにでないと切り捨てられるが、しんのすけが飲むのを拒否した秘薬を無理やり飲んで技を会得した。

+ ◎ネタバレを含んだ解説
「足が臭いのは悪。たるんだ尻も悪。そして…ラーメンの虜になった凶悪な赤ん坊も…!」

ぷにぷに真掌でドン・パンパンを倒すものの、「心がぷにぷにでないものが飲むと大変な事になる」という精の言葉通りに過剰な正義が暴走してしまい*3、邪魔者はおろかラーメンによって暴走した客達をはじめ些細なことでも悪と見なして制裁を加える残酷な性格に変貌してしまう。
そのせいで孤立していくが、しんのすけ達のジェンカ拳を受けて元に戻り、広い世界を見るためにアイヤータウンから旅立っていった。



◇師匠(声:関根勤)
ゲスト枠。ぷにぷに拳の師匠。技を極められていないが、実力は本物。
部屋は非常に少女趣味で、しんのすけがランの部屋と間違えた程。しんのすけは迷うことなくベッドに飛び込んだ為、ネタバラシ後に勝手に精神ダメージを受けて悶絶していた。
ドン・パンパンに秘孔を突かれ、パン・ツー・丸見えしか言えなくなってしまう。
ブラックパンダラーメンに襲われるしんのすけ達を逃がすために囮となる。
その後、黄昏れるマサオの前に現れて彼の成長に一役買った。

◇ドン・パンパン(声:廣田行生)
ブラックパンダラーメンのボス。
右肩が一生上がり続ける、カニ歩きしかできなくなる等、バカバカしいがかなり困る様々な相手の秘孔を突いて思うままに操る「闇突拳」を使う。
お前はどこかの暗殺者か。
闇突拳は無機物にも効果があり、ブラックパンダラーメンのやみつきになる成分も麺生地に使用した彼の秘孔「一度食べたらヤミツキ」のせい。
この秘孔で客を洗脳しリピーターにする事が目的だが、秘孔の副作用によりムシャクシャ成分と呼ばれる成分が含まれ、それが食べた客の凶暴化に繋がっているが、ブラックパンダラーメンにやみつきにさせるという目的はきちんと達成している為、当の本人は全く気にしていない。
ブラックパンダラーメンの売上が伸びれば後はどうでもいい、部下にもクレーマーは黙らせるから売上を伸ばすことだけ考えろと言い放つ究極の利己主義者だが、ペットのヘイヘイを可愛がっていたりブラックパンダロボの試運転時に無関係の他者を巻き込むのは良しとしない様な様子を見せたり*4、何故か笹を丸ごとバリバリ食ったりと妙に人間臭い部分も。
更に「俺史上最高に最強」という尻穴にある秘孔を突いて自身の肉体を極限まで強化する秘孔を奥の手に持つ。
ぷにぷに真掌を会得したランとの激闘の末敗北し、超絶平和主義状態にされたが、最後は元に戻りジェンカ拳に参加した。

◇黒黒(ヘイヘイ)
ドン・パンパンのペットの黒いパンダ。
見た目通りの怪力を誇り、ランを締め上げて拘束するがしんのすけの手揉民民によって骨抜きにされる。
その後はドン・パンパン同様ジェンカ拳に参加している。

◇ブラックパンダロボ
ドン・パンパンの負担になる為、本人の一日の製麺回数を減らす為に量産されたパンダ型のロボット。
しかし闇突拳を完全に再現することは出来ておらず、ドン・パンパンが製麺した時以上にムシャクシャ成分を含み、正気を失うほど凶暴化させてしまうという新たな欠点が生まれているが、こちらも売上が伸びるならOKと全く問題視していない。
また、クレーマー撃退機能も付いており、鉄球を放って物理的に排除する事もでき、試運転でも百発百中でクレーマー看板のみ*5を粉砕した。

◇ヌン、チャック(声:真殿光昭置鮎龍太郎
ブラックパンダラーメンの幹部らしき双子のヌンチャク使い。
ソーセージ型の巨大ヌンチャクを使うオサレカンフー「ソーセージ拳」の使い手。
ランに超絶平和主義状態にされる。

◇ミヤ・ゾン(声:みやぞん<ANZEN漫才>)
ゲスト枠。
ブラックパンダラーメンの刺客で「ギター拳法」を使ってしんのすけ達を足止めした。

◇あらぽん(声:あらぽん<ANZEN漫才>)
ゲスト枠。ブラックパンダが開発したパンダロボのラーメンを食べて理性を失うほど狂暴化する。

◇ぷにぷにの精(声:水島裕)
中国の秘境に住むぷにぷに拳の精霊……という名の宇宙人。
作中では宇宙人という事は明かされないが、入り口にインターホンや監視カメラがあり、妙に科学的なのはそのため。
ぷにぷに真掌を「世界を平和にできる素晴らしいもの」と称しているが、肝心のぷにぷに真掌は相手を超絶平和主義者にするのは間違いないものの、争うこと、相手を傷付ける事はもちろん、自分の脳で考える事もしなくなるという危険極まりないもの。
ぷにぷにの精を演じた水島氏は、香港のアクションスターであるサモ・ハン・キンポー氏の日本語吹き替えを多く担当している。


【ぷにぷに拳の奥義】

一.ひとつひとより和毛和布(わけわかめ) ワカメのように揺れながら攻撃を躱す
二.ふたつふしぎに受身美学(うけみびがく) 受け身と同時に「ほんとはこれがしたかった」と言って強がる
三.みっつみだらに猫手反発(ねこてはんぱつ) 猫の手で敵の攻撃を弾き返す
四.よっつよろしく糞転下肢(ふんころがし) 逆立ちしながら蹴りを繰り出す
五.いつついつでも芋虫行脚(いもむしあんぎゃ) 芋虫のように気配を消しながら這い進む
六.むっつむやみに手揉民民(てもみんみん) 手で揉んで相手を脱力させる
七.ななつなんだか吸盤接吻(きゅうばんせっぷん) 口を吸盤のようにして吸い付く
八.やっつやっぱり柔軟弾丸(じゅうなんだんがん) 体を丸めて跳ね回る
九.ここのつここから戦意尻失(せんいしりしつ) 尻を相手に突き出しちょこまか動いて敵の戦意を削ぐ。要するにしんのすけのケツだけ星人と同じ
十.とうでとうとうぷにぷに真掌 手からビームを発射して相手をちいかわみたいな顔脳内お花畑の超絶平和主義者にしてしまう。構えがアクションビームに似ている

【主題歌(EDテーマ)】
◇笑一笑 ~シャオイーシャオ!~(歌:ももいろクローバーZ)
中国語で「笑おう!」という意味で、ランの笑顔を取り戻すという終盤とマッチした良曲。
スタッフロールで流れる絵も好評。


追記・修正はジェンカを踊ってからお願いします。

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最終更新:2025年01月20日 01:56

*1 このシーンでは映画初登場のキャラも大量に登場するので、必見。

*2 というより、本作は「裏切りオニギリ」の時と違って脚本家は異なる。

*3 秘薬を飲んだ直後から明らかに様子が変だったが、ブラックパンダラーメンの店へ乗り込んだ時点で目元に赤い隅取りの様なものが浮かんでいる。

*4 クレーマー撃退機能によって粉砕されたクレーマーを模した看板の中に子供のものが混ざっており、「クレーマーか?」と部下に問うシーンがある。実際は「後ろ手にラーメンの悪口を拡散しようとするスマホを持った子供=クレーマー」の看板だった為問題なしとした。

*5 普通にラーメンを褒めたり食べたりしているだけの客の看板も混ざっていた。