Nephilim Hollow

登録日:2019/10/12 Sat 17:49:41
更新日:2025/01/28 Tue 11:53:28
所要時間:約 15 分で読めます




Nephilim Hollow(ネフィリム・ホロウ)」とは、小説家になろうで連載されているWeb小説シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~登場する架空のオンラインゲームである。
製作会社はブラックドール社。
読者や作中での通称は「ネフホロ」



【概要】

「突如空から巨人が落ちてきて、なんだかんだあって文明が半壊した、パラレルな地球」を舞台として、プレイヤー達はかつて空から堕ちてきた機衣人(ネフィリム)と呼ばれるロボットを乗りこなし、三勢力*1と時に争い、時に協力するロボットアクションゲーム。
今なお定期的にアップデートと追加パーツの配信が行われるなど、根強いファンが多い。

本作の主要人物であるルストとモルドがメインでプレイしているため、「ギャラクシア・ヒーローズ:カオス」程ではないが劇中でもプレイ内容が描写されており、読者からの人気も高い。

本作の主人公・サンラク個人としては、後述の操作性によりプレイヤーとして参加するハードルが娯楽(ゲーム)とは思えないほど高いものの、見ている分には楽しい点から「良ゲー」と評している。
ただ、ゴミみたいな操作性ゆえ適応できるプレイヤーの少なさから現在は過疎ゲーとなっており、サンラクが再開した時にはランキングの順位も変わらないなど活気が少なく閉塞感が漂っていた。
だが、再開後のサンラクが色々とやらかしたことにより、界隈はにわかに活気を取り戻す。さらに後述する続編が発表されたことで初代を購入する新規参入も現れ、混沌とした環境になっている。
ちなみに操作性以外の面では「良ゲー」であるというサンラクのクソゲー遍歴の中でもわりと特殊な立ち位置のゲームであり、クソゲーマーである事を隠している時に好きなゲームを聞かれた際は「当たり障りのないゲーム」として本作の名前を出している。
難度はバカほと高いが、それを超えた先にある快感に魅了された熱狂的なファンがついているという点から現実世界におけるフロムゲーのようなポジションのゲームと捉えれば間違いはないだろう。

機衣人(ネフィリム)

世界観上の騒乱の発端となった、天から堕ちてきた巨人。見た目は球体関節式のマネキン。
あらゆる文明の武器に「馴染む」特性を持ち、ネフィリムが纏いさえすればそれが如何なるものでも装備として使いこなす事ができる。
目を開いた個体と目を閉じた個体が存在し、前者は敵として、後者は操縦するための素体として存在する。*2

プレイヤー操作用のネフィリムは、ゲーム開始時点でプレイヤーの所属組織「ネフィリム・カンパニー」から1機、シナリオ攻略時にもう1機、計2機は無償で支給される。
3体目以降を新造したい場合、まずは素体となる野生のネフィリムを捕獲する必要がある。
ネフィリム・カンパニーからミッションを受注して野生のネフィリムを討伐する際、たまに目を閉じた個体が発見されるので、それらを捕らえた後にカンパニーから買い取って入手することができる。

目当ての型の素体を入手したら、捕獲したネフィリムにカンパニーや闇市、プレイヤーが出品した装甲や武装を人形を飾るようにネフィリムに「着せ」、名前を付けることで完成する。
そしてプレイヤーが文字通り機体と融合一体化することで動くようになるのだが……そのゲーム上の設定を忠実に再現した結果、「要求される操作が全身感覚に及ぶ上に非常に特殊」というクソゲー認定ものの問題が発生した。

例えば、武器を操作する場合。これが搭乗席(コクピット)タイプであれば、
「レバーを引く」 or 「ボタンを押す」 or 「タッチパネルを操作」 → 「機動実行」
……という流れとなる。

対して、ネフィリムは一体化型。要するにゲーム内でロボットというアバターにログインするようなものなので、
「パイロットが装備を自分の身体として認識」 → 「身体を動かすように武器を機動実行」
……という流れとなる。つまるところ、全身の武装を含めたロボットの肉体をプレイヤーの思考と五感で制御しなければならない。
これが腕や足に装備されていたものなら、まだ操作のイメージができると思う。
だが、例えばアシュラマンのような(※原作者感想返しによる表現)リアルの身体に付いていない6本の腕を移植されたとして、それをすぐに自分の身体(ボディ)と認識して制御&操作(コントロール)できる人間が果たしてどれだけいるだろうか。


実を言うとこの問題はなろうVR界隈でもよくあるネタで、下手をすれば「自身に似て居ない体になると脳がバグるため操作不能」
という設定の作品すらある。*3
ロボット作品の側にも(複数の事情が絡むとはいえ)違うモノになる感覚を受け入れないと操縦できないという設定など、操縦性の問題が言及されることもしばしば。

一応現実には、このような実験がある。
ttps://www.kyoto-su.ac.jp/project/st/st01_04.html
ttps://youtu.be/CR_LBcZg_84?t=381
下のURLにある動画(6分20秒あたりなど)を見ると、操作されるロボットアームはサルの腕には全く似せていない事が分かる。
少なくともこの実験からすれば、非人間的なボディを脳が認知・操縦する事は不可能であるとは言い切れないと思われる。

また作中を見る限り、シャンフロでも一般の高齢者のプレイヤーがTSアバターを使用している様子も見受けられ、
少なくとも身体操作という意味においては、システムがしっかりしていれば肉体変化に特殊な適合性が必要なわけではないと思われる。

習熟に関しても、上記のアカゲザルの例は何か月もかけて苦心惨憺し動作を習得しているわけではない。
ネフホロにおいて問題になるのは、それ以上のレベルでの能力だろう。


球体関節というネフィリムの構造上、実はかなり無茶な姿勢を取ることも可能なのだが、プレイヤーが身体の動きを知らないとリアル側の認識が邪魔をして、ネフィリムの可動域をフル活用できない。
そして自機の機動や相手の把握などあらゆる行動を取る中で、リアルの身体にはない武装の制御を行わなければならない。
CPUに頼ってオートで武装を動かすこともできるが、代償として対人戦の勝率が落ちる。
少なくともゲーム内ランキング戦で上を狙うのならば、マニュアル操作で高速機動しながら偏差射撃で当てるくらいの技量が必須。

結果、一人乗りのくせに注意を向けるべき事が多すぎることから「一人でボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムをこなすような操作性」または「多重人格者向けゲーム」と言われている。
ちなみにネフィリムは基本的に1人乗りだが、それぞれが操縦者(パイロット)指揮官(コマンダー)に役割分担しているプレイヤーも存在する。

テクニック・関連用語

  • 重装甲クアトロキャノン
その昔、当時のネフホロ環境を席巻していたテンプレ装備。
キャタピラで移動し、オート操作の肩二門で相手の動きを制限しつつ、両腕の二門で打ち抜くという感じの「肉を切らせて骨を断つ」戦法が極まった構築。
ネフィリム・ホロウを始めたばかりのスーパー玉男は、当時この装備でランキング戦に挑んだが「キングフィッシャー」に成す術なく蹂躙されて敗北した。
この装備はプレイヤーの操作負担を極力減らした妥協の産物でしかなかったが、「当てること自体が困難な上に装甲を打ち抜く火力持ち」に完封されるレベルで弱いことが判明した上に、アップデートで弱体修正も喰らって、産廃となった。
作者によるとかつての「クアトロキャノン」一強環境は重装甲タンクの両腕両肩に大型キャノンを装備した「耐えながら撃つ」を極めた機体によって戦車戦に近い環境となったとのこと。
加えてクアトロキャノンの耐久力は同じクアトロキャノンで攻め続けてなお自然と長期戦になることが多かったとか。

  • 翡翠(カワセミ)構築(ビルド)
下記のキングフィッシャーを祖とするビルドスタイル。「カワセミ環境」とも呼ばれる。
一時期は隆盛を誇り今でも記録として残っているが、一般には「当たらなければどうと言うことはないが、速すぎてこっちの攻撃も当たらない上に燃費が悪すぎて失速したところを撃墜される一発屋」という評価を下されている。

後の解説によると「稼働時間を半分以下にすることで重装甲を貫く火力と強めのホーミングすら振り切る機動力」を確保したサンラクがクアトロキャノンを蹂躙してクアトロキャノンを勇退にまで追い込み「カワセミ環境」が到来。
クアトロキャノンの影響で冷や飯を食っていたクアトロキャノン以下カワセミ以上の中型装甲アセンも息を吹き返すなど環境の激変が起こっただけでなく、
その後、ルストがポロっと「……実のところ私の機体も稼働時間は三割ほど削っている」と零したことで「短所を作る代わりに長所を極端に伸ばす」という構築「デメリット許容型アセン」はそのシェアを大きく増やし、闇鍋じみた乱世環境を形成することになったとされる。

ちなみに稼働時間を削ることによる性能上昇自体はユーザー間でも知られていたとのこと。
ただしサンラクが荒らす前のネフホロは重装甲クアトロキャノンが環境トップだった影響で自然と長期戦にもつれ込んでしまい、稼働時間を削る事の旨味がなかったのが流行ってなかった理由だったとか。


  • 鋭角方向転換変形
高等テクニックの一種。
超高速戦闘下においてはどんな高出力レーザーにも勝る一撃必殺テクニックなので慣れたプレイヤーとの対戦では必須スキル。
ある意味では初心者の壁の1つであり、ネフホロ最大の欠点であるゴミみたいな操作性の一端。
やり方としては曲がる瞬間に爪先を伸ばしたまま前転する感じ。人によってはバク転の方がやりやすいと語るプレイヤーもいる。
「両足の爪先に力を入れながら人差し指でコンソール操作して他の指の動きで武装起動ってやること多過ぎない!?」とは初心者である京極の談。

  • 地上番長
ホバー脚による機動スタイルの通称。類義語はガチタン。
アイススケートみたいにヌルヌル地上を走り回るスタイルで範囲攻撃持ちには死ぬほど弱いが、逆に言うと範囲攻撃が無いと地獄の鬼ごっこが始まるメリットがある。
「フィールドが障害物多めだった場合は敵がミスるのを祈るかさっさとサレンダーした方が早いレベルで厄介」とはサンラクの談。
ホバー脚は二種類あるタイプのどちらかに突き詰めた時だけ環境クラスのパワーを発揮する上級者向けの脚部パーツであり、少なくとも妥協で浮かぶホバーの強さは固定砲台以下らしい。

  • 拷問ジェット/地獄ジェット
機動力全ブッパ変形型ネフィリムによる攻撃パターン。
具体的には、ボールペンと紙を用意して紙にボールペンでぐちゃぐちゃに線を引き、その挙動で敵を引き摺り回すようなもの。
「三次元空間全てがレーンの地獄巡り(ジェットコースター)とはサンラクの談。
受けた犠牲者は脳味噌がシェイクされるような感覚を味わう。

  • 変形機
ネフホロにも一応存在するらしいが描写上は現在未登場。
web版のキングフィッシャーは設定上これに該当する。
サンラクによると操作性は爪先グネグネ動かしながら正座と山座りを切り替える感じとのこと。
慣れると半分変形とかできたり関節を逆に曲げられるらしい。

  • 強襲ホバータイプ
リアル3時間の初心者講習の末に京極が一応マスターしたホバーを利用した戦闘スタイル。
近~中距離であれば多少空を飛ばれていようが対応できるポテンシャルを持つが、遠距離狙撃に徹されると哀しいほど弱いのが弱点。
原作者曰く「要するにドム


【登場機体】

  • キングフィッシャー
サンラクが本編開始前にプレイしていた時に使用していた機体。通称「カワセミマン」
名前は翡翠(カワセミ)の英称で、作成時の初期機体パーツのカラーが奇跡的にカワセミを思わせるものになったのが由来。
噴脚を搭載した超高速戦闘ネフィリムであり、武装は右腕の排熱転換ブレード「超熱棒(オーバーヒートロッド)」と、左腕に搭載された高火力高貫通の単発式スナイパーレールガンのみ。
web版では可変型骨格により翡翠(バードモード)に変形する機能があるとされていたが、漫画版(とアニメ版)ではそのような描写はなく、代わりに高速移動時のシルエットが鳥のようになる演出がなされた。
自力では立てず*4装甲は最低限、ワンゲーム5分に対し稼働可能時間は3分、ダメージを受ければ機動力がダウンするなどデメリットだらけだが、反面強めのホーミングすら振り切る化け物じみた機動力とクアトロキャノンの重装甲を貫く火力を併せ持つ。
元々はストーリーボスを強くメタった機体だったが、当時の流行であった「重装甲クアトロキャノン」をことごとく入れ食いし環境を席捲。その勢いで当時からトップの緋翼連理と対戦するも、及ばなかった。

漫画版では背中にバカでかいブースターがくっ付いた細身の人型ロボとして描写。
『自分がロボとして動くから「背中からブースターが生えてる人体」として操作しないといけないんですよね 背骨で力む感じで飛べるよ! 背骨で力む……?』
とこの機体の操作性について後に作者が言及している。
後に更なる解説がなされたが「装甲貫通力に優れている代わりに、単発でしか撃てない」レールガン装備を高機動力で運ぶ移動砲台な機体だったという。


  • フィドラークラブ
シャンフロから一時的にネフホロに戻ったサンラクが新たに作成したネフィリム。名前はシオマネキの英称。
重力浮脚と噴脚、二つの性能を持つ脚部の切替えを可能とする偽装双脚型*5のネフィリム。
産廃と評価されてきた光学迷彩*6とジャミングセンサーを利用して身を隠しつつ、脚の切替によって距離を詰めて脚部装備の「キャプチャーネット」や左腕の「スタンメーザー」で奇襲。
奇襲を回避されようとも、六式断砕シザーユニット「ブックメーカー」や背部搭載式工業型丸ノコ(リモデラー・サーキュラーソー)「ピザカットウィング」といった対超巨大ネフィリム用の高火力武装で一撃必殺を成す初見殺し・接近戦・短期決戦特化型。
また、これらのパーツは使用者が少なく、立て続けに情報の少ないパーツを使いまくることでモルドのオペレートを封じる策も兼ねていた。
作者の解説によるとAC6にいたじゃないっすか、透明になって跳ね回るウザい敵。アレ」とのこと。

欠点は全武装を展開すると1分でエネルギーが尽きるほどのエネルギー効率の悪さ。加えてセンサーフル搭載の遠距離特化型機体とは滅法相性が悪い。
だが、一度射程内に入れれば瞬殺可能、求められるプレイヤースキルもある程度熟達したプレイヤーなら再現可能とあって、これを基にした「望潮型双脚構築」はひとつのトレンドとなる。
「産廃」やそれに準ずると低評価を受けたパーツや機能の組み合わせで現行最強機の撃破を果たした影響は大きく、それまでの「打倒緋翼連理」から一転、あらゆるアセンのネフィリムによる群雄割拠の幕開けになる。
漫画版ではピザカットウィングが背面サブアームに連結されるのではなく背中に直接内蔵される形になり、使用時には背中から体当たりするようにぶつけて攻撃する。


  • 十四の彩を持つ鳥(コーラシアス・ライラック)
サンラクがキングフィッシャーを改修し、全身に新たな翼を追加した極彩色のネフィリム。
名前はカワセミの近縁種であるブッポウソウの一種。
統一性のないバラバラのパーツは、それぞれが異なる初期カラーリングを持っており、まるで別々の色のペンキをぶちまけたような色合い。
曰く、「フィドラークラブで勝ったはいいけどキングフィッシャーでは一度も勝てていないことを地味に気にしていた俺が考え抜いたファイナルアンサー」

基本となるブースターと脚部の噴脚も加えて、合計十四ものブースターを搭載した機動力全振り機体。
緋翼連理の上を行く、積載限界まで積んだブースターによる()()()不規則機動を可能とした。
当然左右非対称(アシンメトリー)の緋翼連理以上に機体のバランスは崩壊しているが、一つのブースターが暴発してバランス崩しても、残りのブースターで無理矢理軌道補正することで機動を成立させている。

欠点は大きく分けて三点ある。
一つはキングフィッシャー以上の武器の少なさ。
機動力を極限まで追求したために武装は近距離用物理ブレード「十束(トツカ)」一本のみ。ただ一本の剣を失った時点で攻撃手段が体当たりのみになる。
もう一つの問題は操作性の悪さ。
サンラクをしてもヘッドギア型VRシステムでは情報処理が追いつかず、最終的に制御不能のきりもみ回転をしながらビルに突っ込む確率が最低30%、業務用の処理力を得ても20%くらいには暴走の危険性はある。
最後の問題は作者直々に「カス」と断言するほどの稼働時間の短さ。
先ほど説明した機動を成立させる方法についても、1の失敗を10以上のブースターで無理矢理軌道修正しているようなものなので、稼働時間も極めて短くなるのも納得の理由である。
あとは、リアルで気持ち悪くなって継戦が不可能になるのも欠点であろう。

  • スパロウ-B(ビー)
サンラクがストーリー攻略用に構築したネフィリム。名前の由来は雀蜂
「中距離から距離を詰めてパイルバンカーでコアブチ抜けば一撃で勝てますよね?」という脳筋思考で作成された。
その内まともなのに変えるかと思っていたら意外と中盤まで使えた構築。
尚最終的にはキングフィッシャーでなぎ倒す脳筋思考になった。

  • 緋翼連理(ヒヨクレンリ)
ルストの操るネフィリム。
ベースは中型二脚、右肩にレーザーガトリング、左脚にはミサイルポッドを搭載し、両腕は腰にダッキングしたレーザーブレード、及び実体ブレード一対二組合計四本を使い分ける形で戦う。近距離高速戦闘が得意。
背中と左肩と右脚、あえて左右非対称(アシンメトリー)に装備・配置された追加ブースターにより、複雑怪奇な加速挙動と不規則かつ予想が困難な機動を可能としている。
作者曰く「端的にいうとすげえキモい挙動で避けてくる」

なお、燃える炎のように揺らめく機体カラーはランキング戦首位防衛戦を五回勝利した報酬で獲得した特殊機体塗装色(ユニークペイント)であり、緋翼連理以外には存在していない。
当然このアセンを真似するプレイヤーは多いが、四肢のバランスが全てバラバラかつ推進力が乗り手からしても不規則かつ不安定なため、その場で宙返りし始めたり明後日の方向に攻撃をし始めたりと、大抵まともに扱えない。
ルストがこの機体を操れる理由は本人曰く「………勘。」との事。

  • 二律灰反(ニリツハイハン)
フィドラークラブに敗れた緋翼連理に代わるルスモルの新機体。
超近距離特化の右半身と超遠距離特化の左半身というビルドになっている。
感想欄で概要が触れられただけで本編未登場だったが、漫画版でまさかの登場。
ルストが「緋翼連理を倒し得る存在がいたとしたら」という前提で作っており、可能性が一番高いスーパー玉男の機体に対応するため、跳弾猟犬の装甲を一撃で突破できるような高火力の装備が搭載されている。
作者によるとルスト版キングフィッシャーであり、キングフィッシャーを始祖とする「ルストなりのカワセミビルドの結論構築」的なネフィリム。
稼働時間を削ることによるスペック上昇を加速力ではなく機動力に割り振った機体とされる。

  • 跳弾猟犬(バウンドドッグ)
重装甲クアトロキャノンが駆逐された後、激変する環境の中で研究を続けたスーパー玉男が辿り着いたネフィリム。
中距離射撃型の機体で、右肩にプレイヤー操作で一度だけ軌道を曲げる事ができる「屈折(フレキシブル)レーザー」を搭載している。
漫画版では高火力近距離武装「パンツァーパンチャー」が追加されより強力になった。これは作画担当の不二先生より「なんか近距離技で必殺技的なものありますか?」と提案された結果。
ただし、ルストの前では丁寧に見切られ丁寧に分解され敗北。「その場でトリプルスピンしたと思ったら右足以外全部斬り落とされていた」とは玉男の談。

作者によると実はこの機体もカワセミ構築思想からの枝分かれとのこと。
連打可能な小技っぽく見える肩レーザーも本来は劇中のような連射はできず、「色々切り詰めて肩レーザーに機能を盛り込みつつ、叩き落したところに高火力近接技をぶち込む」というのが機体コンセプトだと解説している。

  • キングスギャンビット
へっぽこナイトの操るネフィリム。
大量の索敵レーダーと超遠距離装備を搭載し、最速で敵を捕捉した上で全力で敵との距離を維持しつつ、遠距離から一方的に攻撃を叩き込んで相手を仕留める。
先行攻撃型(キングスギャンビット)」の名前の通り、常に先手と有利を得た上で攻撃を行う機体。

  • ネイキッドノービス
ゲームを始めた初心者に渡されるデフォルトネフィリム。
「とりあえずネフィリムの操作に慣れるための機体」なので拡張性が狭く、どれだけ独自性を出そうとしてもやれることには限度があるのが欠点。
中にはこの機体に似せたネフィリムをビルドして初心者を装いプレイヤーを狩らんとする自称初心者もいるが、装備選択をミスるとあっさり擬態がバレる。


【登場するプレイヤー】

はー勝利の美酒を2リットルペットボトルで飲んでる気分ですわー

CV:内田雄馬

本作の主人公。
ゲーム内では突飛な格好の多い人物であるが、このゲームにおけるサンラクはヤカン頭*7となっている。
漫画版ではアイ〇ンマン風の面に、後頭部から注ぎ口のようなパーツが飛び出ている形で描かれた。
ルストの「緋翼連理」を除いて環境を席巻していた「重装甲クアトロキャノン」を環境から撲滅して見せるほどだったが、ルストとの対戦で引き分けとなり、ランキング戦が終わってからパッタリと来なくなっていた。
ある出来事でシャングリラ・フロンティアのモチベーションを一時的に消失したことから、気分転換でプレイを再開する。
なお、web版では最後にプレイしていたのが数か月前とぼかされていたが、漫画版ではログインしていたのが3,4か月前の出来事と表記されている。

その後アニメ放映に伴いサンラクが環境を席捲した当時のことが作者により開示。
ストーリークリアアセンでそのままランクマに乗り込み、当時は重装甲鈍足砲撃戦環境だった中でキングフィッシャーで環境機体を蹂躙して大暴れした後最終的に一位と引き分け、「超新星の誕生だぁ!」と湧いたネフホロから普通に別ゲーやるために消えたとのこと。


ネフホロ2は!!!!!良いぞ!!!!!!

CV:高橋李依
ネフィリム・ホロウを魂の故郷と定めた、ネフィリム・ホロウの絶対王者
web版でのアバターはバイザーをつけた小柄な少女、漫画版では左頬に大きな傷のある大人の女性。
漫画版での設定変更は「”マジ”でやるゲームほどキャラメイク凝るんじゃない……?」との原作者考えのため。
緋翼連理に用いられている特殊機体塗装色(ユニークペイント)の名でもある不死鳥(フェニックス)の異名をもつが、普段早朝五時から七時の間に必ず現れることから「早暁の女王」とも呼ばれている。

感情表現の気迫な無口クール系に見えてその実、主人公のサンラクがクソゲーに向ける熱意と同等か、それ以上の熱意をネフィリムホロウに注ぎ込んでおり、彼女の熱にあてられていつしか周りのプレイヤーも盛り上がっていくある種のカリスマを持っている。
なおネフホロ2が発表された際は感極まり過ぎて情緒と感情表現がバグった。
サンラク曰く「妖怪ネフホロ狂い」「あいつネフホロのことになると早口になるな」

また「負けたら別機体」という自分ルールを課しており、サンラク曰く得意な距離はショートレンジとミドルレンジだが、遠距離狙撃も普通に回避するなど、ネフホロの絶対王者にふさわしい操縦スキルを持つ。
漫画版では描写統合の関係からweb版で反応できなかった初見殺し攻撃を間一髪で回避するなど、実力が上方修正されている様子が見受けられる。
ちなみにリアルでマックナイフみたいな可動ができるほどに体がすごく柔らかく、上述したネフィリムの球体関節をフル活用可能。
作者曰く「シャンフロのルストのテンションを界王拳だとすればネフホロのルストは常時SS4」
また「縛りは対人戦だけだから……」とストーリーの方でこっそり新しいネフィリムを乗り回してたとのこと。


  • モルド
ウチのルストがすいません……

CV:石川界人
ルストの相方にしてオペレーター的な存在で、試合では相手の動きをルストへと伝えるなどサポート役に徹している。
ネフホロでは逆立った黒髪が特徴の大柄かつ筋肉質な男性アバターを使っている。
パイロットとしての彼単体での戦闘力は中の下程度であり、ルストの影に隠れがち。
ただし、彼の本領は最高峰の操縦者(パイロット)に指示を出す指揮官(コマンダー)として相応しい力量と洞察力を備えている点にあり、彼の指示を過不足なく認識し実行できる相方がいる場合、その危険度は極めて高くなる。*8作者曰く「大体ハンドラー・ウォルター
また温厚に見えてルストと同じく重度のネフホロファンなので案外好戦的。「狂犬の陰に隠れた狂犬」「大人しそうなツラして歴戦の闘犬」とはサンラクの談。
スーパー玉男との力関係だが、作者によると事前準備ありなら一切の遠慮容赦なくガンメタ機体を持ち込むので玉男との勝率は6:4くらいらしい。

なお欠点として笑いの沸点が低く、しかも長時間持続する筋金入りのゲラ。
些細なことでも笑ってしまう上に、一旦スイッチが入ると一分以上笑い続けることもある*9ので、それが原因で叱られたりもする。
最近はサンラクが編み出した「モルドを爆笑(モルド)させてルストの判断力を低下させる」戦法を他のプレイヤーが真似しだしたため、腹筋に少なくないダメージを受けるハメに。
ルスモルコンビを効果的に弱体化させられる手段だということにランカーが気付いたため、これからも苦労することが予想できる。
ちなみにリアルでは身長170cm超えかつ格闘系の部活から度々スカウトを受ける程度には恵体の持ち主であり、身体はすごく硬い模様。

  • スーパー玉男(ボールマン)
CV:笠間淳
ランキング2位のプレイヤー。たまに3位に落ちることもあるとか。
サンラクが以前にプレイしていた時期にネフホロを始め、当時はまだビギナーかつ重装甲クアトロキャノンを使用していたこともありキングフィッシャーにボコボコにされた過去を持つ。
その後は試行錯誤を繰り返し、いつしか絶対王者ルストを倒す可能性が最も高い男として現在の地位に上り詰めた努力の人。

web版では偶然にも野良マッチでサンラクと遭遇、初陣のフィドラークラブの餌食となるが、漫画版ではもじゃもじゃアフロ頭の男性のアバターとして出番を前倒しされ登場。
以前キングフィッシャーに敗北したことへのリベンジに燃え、復帰したサンラクを見つけるや即対戦を申し込んだ。
サンラク側のブランクも要因とはいえ、超高機動を誇るキングフィッシャーを飛行不能にしてギリギリまで追い詰める実力を見せたが、瓦礫を囮にした狙撃を受けて再び敗北する。
その後もサンラクが新しいネフィリムを作るにあたって行動を共にするなど、実質的なネフホロ編の相棒枠として出番が大幅に増加している。

なお、本人としては名前の読み方は上述の通りなのだが、周囲からは「スーパーたまお」と呼ばれており、諦めたのか本人も訂正している様子はない。
また初対面がサンラク相手に喧嘩腰だったのは当時負けてたことに起因する強烈な不完全燃焼感に加え、環境を荒らしに荒らしたサンラクがさっさと雲隠れしたのでリベンジの機会を失ってしまい他のプレイヤーから「今の二位は玉男だけどサンラクと比較したら三位じゃないの~?」ってずっと言われてきたためだった模様。


  • へっぽこナイト
ランキング3位のプレイヤー。
緋翼連理をガンメタした構築をしているが、毎回フルボッコにされている。
web版では復帰後のサンラクと最初に戦い敗北した。
漫画版では戦闘描写がスーパー玉男とルストに絞られたため出番がカットされてしまったが、へっぽこナイトらしき「HEPPOKO」と書かれた服を着たプレイヤーが一コマだけ描かれている。

漫画版単行本19巻特装版付属の「エキスパンションパスVol.19」収録『彼女と彼の理想郷』で正式に登場。
ルストからは「戦法がブレない強敵」「戦う度に厄介になっているのは流石」と高評価を贈られている。
緋翼連理の打倒を諦めておらず、再度ひっぱり出すために二律灰反を操るルストに果敢に挑む様子が描かれた。

  • リモ・コーン
『彼女と彼の理想郷』でへっぽこナイトと組んでいた女性プレイヤー。
高い実力を持つサポート専門プレイヤーで、コンビを組むには高額報酬を積まなければならない。
モルドをハッキング戦闘に集中させて強制的に相方とルストのタイマンに持ち込ませるのを「売り」としている。

意味もなく高等テクニック見晒してマウント取るのはやめてもらえますぅー!?

感極まりすぎて「誰彼見境なくネフホロの沼に叩き込もうとするおぞましい怪物(サンラク評)」と化したルストに半強制的にネフホロに引きずり込まれたシャンフロの有力PK。プレイヤー名は不明。
ただしネフホロのゴミ操作性には上手く順応できなかった結果サンラクに煽られながら初心者講習を受ける羽目になっており、かなり悪戦苦闘しながらも初心者目線でツッコミを入れる役目を背負った。
最初期の京極の挙動は「ロボットダンス以下のロボットのたうち」「ポンコツドロップアウトガール」というのがサンラク評。結局一人立ちするまでリアルで3時間も擁する悪戦苦闘の末に何とか初心者講習を卒業。何だかんだ面倒を見る羽目になったサンラクは内心「(何が悲しくて三時間もこいつのチュートリアルに苦心しなければならなかったんだ!!)」と愚痴っていた。
なお同じ新規勢の秋津茜は京極の半分以下の飲み込みでマスターした模様。

魅せる必殺技(ウルト)はワタシの十八番(フェイバリット)、知ってるでしょう?

ルストに誘われてプレイを始めた謎の大型新人プレイヤー…の皮を被った全米最強プレイヤーのネフホロの姿。
操作が難しいはずなのに2分で鋭角ターンを習得し、自機を破損するほどの格闘戦を魅せるテクニシャン。


  • ヤバイバアル
おおおぉっしゃバトロワなら殴っても問題ねぇってことだよなぁあああああ!!

某孤島のロリコンゴリラのネフホロの姿。
相変わらずの近接戦ジャンキーだが、しれっと初心者集団に紛れ込みながらクリア後コンテンツであるハンマー型武装「ジェットハンマー」を装備して殴りかかるビルドをしている。


  • ヤッシィ
夜道に気をつけた方がいいよ先生、狙撃するから

某孤島の銃狂いのネフホロの姿。
初心者集団に紛れ込んでサンラク襲撃を目論むが、デフォルトネフィリムでは装備できないショットガンを所持していたため擬態が露呈。
ストーリークリアしていたことを吐いた後、拷問ジェットの刑に処され脳味噌をシェイクされた。


【作中でのイベント】

  • アポカリプス・フェスタ
下記の新作「Nephilim Hollow 2」への移行を前に開催された初代ネフホロのファイナルイベント。
ネフホロ2で使用予定のシャンフロシステム搭載の新サーバー「BLACK DOLL」と旧サーバーを直結させ、そのマシンパワーで初代を拡張するという、さながら「ロボットアニメ終盤で旧型の初代主役機に最新装備を乗せる」ような頭のおかしい(ロマン溢れる)発想の下で企画された。
新サーバーを統括する管理AI「メイキー」の試運転も兼ねている。

ネフホロ2の世界観上、初代の頃の文明は破壊され尽くしているので、それに則った内容となっている。
つまり、運営が現時点で存在する全陣営(無印プレイヤーサイド)に「全員死ね」と宣告。空から堕ちてくる大量のネフィリムもどき(※実質無限沸き)を、陣営関係なしでひたすら撃破し続けるイベント。
しかも協力前提の内容と思いきや、イベント期間中は同志討ち(フレンドリーファイア)が解禁。
さらには補給施設などを利用しつつ死なずにどれだけ倒せるかというスコア系ミッションの側面を併せ持っており、自分のランクを上げるために他プレイヤーを引きずり下ろすことも選択肢として与えられている。
サンラクに(ロワイヤル社*10を比較対象に上げながら)「運営は本気でこのゲームにエンドマークを刻むつもりなんだな」と実感させ、
ルスト&モルドもまた未来(次回作)の世界に、過去(無印)の私達が、何かを遺す為の記念撮影」「全てを注ぎ込んで、生涯の思い出にする」と覚悟を固めて挑んだ、まさしく運営が用意してくれた総決算。

現実での『FINAL FANTASY XIV』の『新生エオルゼア』移行直前の最終イベント「時代の終焉」に近い内容と言える。
あるいは本作の元ネタを考慮するとこの作品のエンディングだろうか。

  • 猫耳強化の日
Twitterで判明した本編未登場の定期イベントで、毎月22日に開催される。
索敵能力が多少強化される程度の猫耳パーツが、この日に限っては索敵能力が100倍に強化される。
これひとつでフィールド全域が索敵できることから、この日ばかりは誰も彼もが使用機体に猫耳パーツを取り付けている。
なお、裏声による猫なで声でモルドを封殺(モルド)できた上に、普通のプレイヤーでも操作を狂わせる効果が見込めることから、この日は「如何に不意打ちで猫なで声を聞かせるか」が真剣に検討される混沌(カオス)と化している。


【Nephilim Hollow 2】

サンラクがプレイ再開してからしばらくして発表となった、ネフホロの続編。副題は「VISITORS CRISIS」。秋に発売予定。

GH:C同様に限定的ながらシャンフロシステムが導入されており、さらに操作システムも従来のアシュラマン体験モードに加えて、思考するだけで機体を操作できる思考反映モードが導入された。
従来のモードより操作性が格段にとっつきやすくなっているほか、従来のモードと比較するとより速く始動するが、複雑なマニューバーには弱いという欠点もある。ただ、あくまで得手不得手であり、双方ともに「向こうのメリット的挙動が出来ないわけではない」なので、どちらかが有利とはならず、前作経験者と新規参入者のどちらにも配慮した作りとなっている。

最近のゲームで例えるなら、スト6に導入されたモダン操作が近いか。


【余談】

色々長々と書いたが、『幕末』『GH:C』同様これもあくまで番外編なので、本筋とはほとんど関係がない。
レギュラーのプレイヤーが一部関わってくるだけなので、現状ネフホロがシャンフロに影響を及ぼすとかそんな動向は現状一切ない。



追記・修正はルストに機体乗り換えさせた人がお願いします。

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最終更新:2025年01月28日 11:53

*1 巨人を資源と見なす「ネフィリム・カンパニー」、巨人を崇拝する「天人教」、巨人の殲滅を掲げる「ジャイアント・キリング」

*2 ストーリー終盤で「外宇宙文明が迫る脅威に対抗するためあらゆる宇宙に武器としてばら撒いていたが、その脅威に汚染されたネフィリムが暴れていた」事が判明、ラスボスである最初に世界に堕ちてきた原初のネフィリム「グリゴリ」を倒す事でキャンペーンシナリオは終わる。

*3 身長体重を弄れず現実そのままでプレイというタイプ。鯖癌のサンラクなどを見るとシャンフロ世界では採用されていない。

*4 漫画版のイラストでは足首より先の部位が存在していなかった。アニメ版ではこの脚で直立している他、数歩歩行している描写があるためオミットされたようである。

*5 2つの脚部それぞれでエネルギーを食うため、燃費が非常に悪い。曰く「多脚じゃなくて「二本足を二つ」っていうバカみてえな新パーツ」

*6 あくまで姿を消せるだけで砂埃などのエフェクトは隠せない上に、攻撃モーションに入ると解除される。

*7 ネフィリム・ホロウにおける強化人間系キャラクター「ガジェットマン」の頭装備「ネフィリム融合補助ユニット旧式」というアクセサリを装備してる

*8 具体的にどれだけやばいかと言うと、ネフホロで見ず知らずの人と野良で組んだ際に連勝しまくっていたほど

*9 その反面、つまらないギャグや滑っている芸などでは全く笑わない上に、嫌いなものが「話を聞いた上で軽んじる人」なので、彼が『モルドしない(=笑えない)』状況は相当にやばい

*10 「幕末」を開発した会社。『クソ内ゲバはロワイヤル社の御家芸』だと思っていたサンラクはこのイベントの本質に気付き、ブラックドール社を見直している