ドム(MS)

登録日:2009/10/25 Sun 23:19:48
更新日:2020/12/03 Thu 21:26:29
所要時間:約 7 分で読めます




ガイア、オルテガ、マッシュ! モビルスーツに
ジェットストリームアタックを掛けるぞ!


ドム
DOM
性能諸元
型式番号:MS-09
所属:ジオン公国軍
建造:ツィマッド社
生産形態:量産機
頭頂高:18.6m
重量:62.6t
出力:1,269kW
推力:58,200kg
最高速度:386km/h(280km/hとも)
装甲材質:超硬スチール合金

武装:
  • 胸部拡散ビーム砲
  • ヒート・サーベル
  • 360mmジャイアント・バズ(弾数5~10)※諸説あり
  • 他、ザク系統の汎用武装を使用可能

搭乗者:
  • ガイア
  • オルテガ
  • マッシュ
  • ジオン一般兵 他


【概要】


ドムは『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ(以下MS)。
近年では汎用型のザクに対して、対艦・重目標にシフトしたMSという位置づけがなされている。

ツィマッド社が開発したMSで、脚部に内蔵されたホバーシステムにより地面を滑るようにしての高速移動が可能である*1。砂漠や湿地帯や雪原など足場の緩い場所でも(それぞれの環境に適応するための調整は必要だが)速く走行でき、陸上MSとしては破格の機動性を誇る。
その高速は基本的には直線運動向きであり、ジャイアント・バズの大威力や一見した通りの重装甲は、ドムが一撃離脱に特化したMSであることを強く伺わせるものとなっている。
頭部には特徴的な十文字状のモノアイレールを採用している。

武装はザクバズーカよりも大口径のジャイアント・バズを主力とするが、MS戦を考えると初速の遅いバズーカは回避されやすいため、ザクマシンガンを運用することも多かった。
また、左胸にはジオンMSとしては初めてのビーム兵器を装備する。しかしこれは出力は低く収束率も悪かったため、至近距離で使っても対象を破壊できなかった。
ただ目眩ましには有用で、至近距離でセンサーを焼く程度の効果は見込めた。

ドムを宇宙用に改造したリック・ドムも存在し、ゲルググの実戦配備が遅れたために終戦まで宇宙での主力だった。


【開発経緯】

ジオン公国軍は宇宙世紀0076年に、地球侵攻作戦を前提にした局地戦用MSの開発に着手した。
地上戦でネックになるMSの移動速度の遅さを補うため、ジオニック社ではグフ飛行させることで行動半径の拡大を狙う。だが開発は失敗し、ドダイYSとの運用で妥協せざるを得なかった。

一方ツィマッド社は宇宙世紀0078年、グフをベースにしたグフ試作実験機(MS-07C-5)を経てプロトタイプドム(YMS-09)を試作し、ホバー走行機能のMSの開発を開始した。
脚部に熱核ジェットエンジンによるホバーユニットを有し、高速移動することで陸戦用モビルスーツとしての機動力を格段に上昇させるというものである。
この開発にはジオン公国の主力機の座をザクⅠと争い、敗れたヅダ(EMS-04)の土星エンジンの技術が投入されている。

本機のテスト結果は非常に良好で、空力や耐弾性の向上を目的とした外装の改良や、エネルギー経路(動力パイプ)の変更を施されたのち、直ちにドムとして制式採用された。

なお仕様書においては高機動型ザクⅡと同程度のボリュームの細身の機体だったが、実際に建造する際の細部の手直しで重MSに相応しいボリュームになったといわれている。


有名なホバー走行については、元々は制作環境の都合で歩く作画をする時間がなく、演出上やむを得ずホバーを行なった事から始まっている。
このスピーディーな動きが思いがけず効果を上げた事から、「ジェットの代わりにロケットを取り付ければ宇宙でも使えるのでは?」という発想でリック・ドムに転用された。元々の構想ではグフと同様に完全な地上用だったようである。

ゲーム作品だと機動力は悪くないが回頭速度に難ありという調整をされる事が多い。

印象的でわかりやすいシルエットから、三次元においてあまりにふくよかな体格(特に足)をした女性の形容詞として「ドムみたいな」などと扱われることもしばしば。
特徴的な腰部の形状から、本編では連邦軍より「スカートつき」とも呼ばれている。


【劇中での活躍】

TV本編では20話で名前だけ登場、青い巨星ことランバ・ラル大尉の部隊に配備される予定だった。
しかしラルはドズル・ザビの所属であり、キシリア・ザビの所属である地球方面軍の司令官マ・クベ大佐は、ラル隊の活躍を苦々しく思っていた。
そのためマ・クベはラルに届けられるはずのドム三機を「補給中撃墜された」と虚偽の伝達をしてネコババし、補給を断たれたラル隊は全滅。

しばらくマ・クベのもとで宙に浮いていたが、キシリアの本拠地がある月のグラナダから派遣された黒い三連星に配備されることが決定した。
赴任した三連星はさっそくドムを受領したが、なにせ初めて乗るものだから慣らし運転も出来ていなかった。
そこで、慣熟訓練も兼ねてホワイトベース隊を襲撃したのだが、この奇襲でガンダムミデアの思わぬ抵抗を受けてドム一機が撃墜され、三連星の一人マッシュが戦死。
翌日のオデッサ作戦ではマ・クベ本隊の背後を攪乱するホワイトベース隊の迎撃に出動するが、そのためにレビル本隊を迎え撃つ戦力が薄くなってしまい、裏切り工作の失敗もあってマ・クベ本隊が崩壊。
二機のドムも、ガンキャノンガンタンクGファイターは大破させたがガンダムの猛反撃で全滅した。

この黒い三連星もマ・クベとは人間的に対立しており、この三機のドムのエピソードは終始、組織や人間の関係で磨り潰される結果になった。


その後は一般量産機としてジャブロー攻略戦などに登場するが目立った活躍はなく、ジャブローの要塞砲やフライ・マンタに撃墜されたりしている。


その他の作品では、ホバリングによる高い機動力によってザクやグフとは一段上回る強敵として活躍しているのが多い。
特に地上ではゲルググがほとんど配備されていないことや、機動力でゲルググ以上ということもあり、随一の機体とされることも。


【バリエーション】


ドム系統

MS-07C-5 グフ試作実験機
グフのバリエーションを参照

YMS-09 プロトタイプドム
MS-09 ドム(先行量産型)
MS-09C ドム長距離支援型
YMS-09D ドム・トロピカルテストタイプ
MS-09D トロピカルドム(亜熱帯仕様)
MS-09K-1 ドム・キャノン単砲仕様 / MS-09K-2 ドム・キャノン複砲仕様
MS-09F ドム・フュンフ
MS-09F/TROP ドム・トローペン
MS-09F ドム
MS-09F ドム・デザート
MS-09F-2 ブリザードドム
MS-09G ドワッジ
MS-09H ドワッジ改
MS-09K ドワッジK
OMS-09RF RFドム
OMS-09DRF RFデザート・ドム
OMS-09SRF RFスノー・ドム

かつてはMS-09S ドワスも名前と背面イラストのついでにほんの少し添えられた解説の中で「ドムの最終生産型」とされていたため、ドムのバリエーションに含まれるのでは、とも言われていたが、「アナハイム・ラボラトリー・ログ」でのドワス改の登場に伴いこの機体もリック・ドムの系統に組み込まれた様子。

リック・ドム系統

性能が違うため個別項目にて記述

ドライセン

機動戦士ガンダムΖΖ』で登場したドムの発展機

ドムトルーパー

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で登場した別物
大まかなデザインは似ているが細部を見ると差異は多い。
「ドムなのに盾・ビームを使うなんて」という原理主義的意見と「現代風にリファインされたデザインとして見るとアリ」という意見で賛否が大きく分かれている。
しかし後述のドムR35の登場により反対派の声はなりを潜めがちになった。

ドムR35

ガンダムビルドファイターズトライ』で登場した、ラルさんがドムを改造して作ったガンプラ。
機体色をグフを彷彿とさせる青に塗装し、頭部にアンテナ、両手にナックルモードとマシンガンモードに変形する多目的シールド(ヒート・サーベル内蔵)、肘と膝にクローを備えたドムとしては相当異色の機体。

ちなみにこの番組の主人公カミキ・セカイが最初に操作したガンプラはガンプラバトル部の部室に隠されていたドム。
中にビルドバーニングガンダムが隠されており実際のところはドムの皮を被ったガンダムという感じだが、ドム状態ではホバー移動も可能。
またセカイが操作を切り替えるまでは、ホバーを使わずに二本の脚で軽快に大地を走るドムという珍しい絵が流れていた。

【ゲーム】


・VSシリーズ


連ジ
ジャイアント・バズが遠距離での命中力に欠けるため必然的に近距離での戦闘になる。地上ではホバーで機動力が高い。
サブは当てるのに技術がいるが、リスクに見合うほどの効果はない。
初代の連邦ルート、黒海沿岸ステージにおいてのヌルヌル移動しながらこちらの攻撃を回避し、3機いることで手数が多く僚機を撃ち落すわこちらに回避を強いるわの敵CPUドムがトラウマになった人も多いだろう。

ガンダムVS.ガンダム及びNEXT
原作通り地上を滑る様に移動する1000コスト。
自身とアシストでやってくるマッシュ&オルテガのジャイアントバズに寄る射撃を得意とするが格闘も出来ないことはない。
弾とアシストが切れるとヒートサーベルを振り回すか逃げ回るしかない事と、
このシリーズの実弾武器はビームなどに一方的に消されてしまうため相手の武装次第では非常に苦しい戦いを強いられるのが欠点。
NEXTからはアシスト回数が激減したが、拡散ビームにスタン属性が付いた。

EXTREMEVSシリーズではリストラされてしまったが、PS4専用ゲームGUNDAM VS.で復活。コストは200。
ガイア・オルテガ・マッシュの何れかをパイロットとして選べる。攻撃そのものはあまり変わっていないが、サブ射撃にザクマシンガンがあるので、ジャイアントバズの弾切れがそれほど苦では無くなった。あと後格闘でジャイアントバズを投げる。
特殊射撃と覚醒技でそれぞれ2機のドムを召喚して攻撃するため、3vs3で全員ドムを選ぶと最大30機のドムがフィールド上に溢れる。さすがに優秀なPS4の処理能力でもこれには対応しきれないのか、若干処理落ちしかけるが……。

ギレンの野望

何よりもまず、ランバ・ラル生存の為に開発を急がれる。さらに開発を進めるとランバ・ラル専用機も登場するが、本人を乗せると戦闘メッセージで「グフとは違うのだよ!グフとは!」と言ってくれる。
性能的にはジャイアント・バズによる高い火力と、ホバーによる高い移動性、厚い装甲によるタフさを兼ね備えた優秀な機体・・・のはずなのだが、実は結構カタログスペック倒れな面がある。
まず主武装であるバズは単発火力こそ高いものの、山や砂地での地形適正がイマイチな上に命中率が低すぎるため、実際の期待火力は高くない。
また移動性能も地上用としては高いのだが、ドダイにのったグフやザクはもっと高いのでこの点もぬきんでた長所とは言えない。
オマケに限界性能(パイロットを乗せたときに性能上昇が見込める限界値)が低い上、指揮官用の機体もないので、ジオンの優秀なパイロット達を活かせない。
最終的には「まあ悪い機体ではないけど、実用上はザクやグフで充分」ということになりがち。その上「アクシズの脅威V」では超絶スペックを誇るドム・キャノンという後継機が出たため、生産する意義が消失してしまうことに。
逆に連邦編だと、MSの量産が追いつかないままドムが来てしまうとかなりの苦戦を強いられる。

機動戦士ガンダム 戦場の絆

コスト200の射撃機
メインはジャイアント・バズA(機動低下・小)
サブは拡散ビーム砲/バズB(+10)/C(コスト+20)
格闘はヒートサーベル

REV.3.17以前の本機はホバーによる滑りでダッシュの隙をある程度誤魔化せるのが特長。
しかし、本ゲームにおいてジャイアント・バズは接近戦には極めて不向きで、拡散ビーム砲も牽制にはなるがダメージは微々たるものなため、近距離戦は極めて不利。
更に、メインのジャイアント・バズは慣れれば回避が容易なため、あまり評価がよくない機体となっている。
だがバズCは適正位置から直撃させるとガンダムのビームライフル以上のダメージを与えられ、爆風だけでもかなりのダメージを与えられる。
また現在射撃機体の拠点破壊能力が大幅に引き下げられたが、この機体のみはそのままでありミノフスキー粒子時に隠密で拠点を叩く事も可能。遠距離機にはかなわないが。
しかしコストは200から280コストにまではね上がり立ち回りに注意が必要。機体性能もそのままで格闘機に噛まれたら撃墜はまぬがれない。

REV.3.17で調整され、射撃機として素直な性能になり使用率も上がってきている。
ただし、バズCのコスト低下による拠点破壊能力の削除、ホバー性能の変更もなされている。

ドム3機編成で一列に並び、先頭がヒートサーベルで敵機に突っ込んでいったのも今となっては良い思い出。

他に格闘機にドム・トローペンとリック・ドムⅡ近距離機にドム・トローペン(サンドブラウン塗装)、射撃機にドム・キャノン(複砲仕様)が登場。
いずれも武装はすべて実弾。
機体の特徴である「重MSとしての強度」と「ホバーによる機動性」を兼ね備えており、実弾兵器の誘導性を活かした戦闘をすれば、安定感抜群の支援役となれる。
いずれも機体コストも200前後とそれなりに使いやすいが、キャノン独自の軌道を描くドム・キャノンは少々使いづらい。
ついでにドム・キャノンも拠点破壊装備(+80)を持っている。

現状では前述した隠密拠点破壊も直線的な軌道を描くドムのバズCよりも高く軌道を取れるドムキャノンのが使われる事が多い。
無論隠密でも遠距離砲撃に任せるに越した事はないが…


・ジオニックフロント

瞬殺鬼畜機動兵器。
拡散ビーム砲→ヒートサーベルのコンボを使えば、ガンダムですら秒殺可能。ぶっちゃけ飛び道具はイラナイ。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

近接武器のヒートサーベルと、基本的に射程3~5の物理射撃であるジャイアントバズを備える。
宇宙で使えない代わりに地上適正がAで、リック・ドムに換装できる作品もあるが個別に開発しなければならないことが多い。
ジャイアントバスが威力や射程でビームライフルを上回ることやビーム耐性持ちの機体が多いことからゲルググよりも活躍する。
射程2が穴になっているが、アビリティ「ファイター」持ちのパイロットを乗せればカバーできる。
開発ルートの詳細は作品によって異なるが主にリック・ドムからのリック・ディアスやドワッジを経てのドライセン等。

スーパーロボット大戦シリーズ

黒い三連星が乗ってくることがあるが、ほぼ初登場時だけ。
早々にリックドムⅡやドライセンなどのドム系統の上位機種に乗り換えてくる。
GC』などの一年戦争の頃が舞台の話くらいしか登場しない。

ターゲットインサイト
ドム・キャノン複砲仕様と共に登場。強化によってマシンガンを持たせたり、盾を使う事ができる。しかし、ゲームバランスの調整か、耐久値は少し低くなっている。

ガンプラ

放送当時には1/144、1/100、1/60、情景模型などで発売。
MGではドム、リック・ドム、シャア専用リック・ドム、
HGUCではドム・トローペン(通常色とサンドブラウンの2種類)、リック・ドムII、ドム/リック・ドム(コンパチキット)
SEEDからもドムトルーパー、BFTからドムR35がそれぞれキット化されている。

元々イメージやサマになるポーズがはっきりとしているためか、「ドムのキットに外れなし」と評する声もあり。

MGは1999年発売で既に発売から20年以上経った古いキットだが、ドムの持ち味を最大限に引き出した上に付属品も豊富でなおかつ作りやすいと、今でもMG最高傑作の呼び声が高い。
同じ量産機のザク・グフ・ゲルググは2.0としてリメイクされていた頃、ドムはそのまんま再生産されていた。2019年にプレミアムバンダイ限定で発売されたMGドワッジやドワッジ改は、MGドムを基にしながらも、一部関節が最新の構造にアップデートされて可動範囲が広がった。これらを見るあたり、その時代を超えた完成度の高さが伺えるだろう。
2020年11月にMGドワッジのパーツや新規金型を用いたアップデートが行われる事が発表。これはプレバン限定ではなく一般販売品のアップデートであり、主に肩部及び腰部関節軸の更新、上半身を中心にした構造やパーツの新規化が中心。それに先駆けて現状バージョンの再販が2021年初頭に行われたが、店頭販売品はかなり捌けてしまい入手が困難になってしまった。
ザクはともかくゲルググはプレバン限定で派生機が大量に出ていた中、ドムはドワッジとドワッジ改だけだったので、アップデート後に派生機が出るのを期待しよう。

HGのそれぞれのキットも欠点が無いわけではないが、それを差し引いてもなお魅力のあるものが多い。
HGには「黒い三連星仕様トリプルドムセット」なんてものもあるが、いくら出来が良いとはいえHGUCドムを3機も組み立てなければならない苦労は推して知るべし。
ただ、その分3機全部完成させれば達成感はかなりのものと思われる。専用台座やエフェクトパーツも付いており、ジェットストリームアタックを再現できる等、遊び甲斐も大きい。
ただし、トリプルドムセットの場合はリック・ドム用パーツが付属していないので注意。
後に「ドムR35」が新規設計で発売されたが、通常のドムも開発出来そうな金型設計になっている。だが、今のところ新バージョンの発売予定はない。





追記・修正は滑るように走りながらお願いします。

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最終更新:2020年12月03日 21:26

*1 通常はホバー走行で移動するため勘違いされがちだが普通に歩く事も可能である。歩行シーンは第08MS小隊で確認できる。