キジムナー

登録日:2019/12/04 (水) 09:47:36
更新日:2022/08/26 Fri 19:06:21
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キジムナーとは沖縄地方に伝わる妖怪、精霊の一種。
勘違いされやすいが「キムジナー」ではなく「キジムナー」である。


概要

【ビジュアル】

見た目は人型で「赤い体や髪をした子供」か「長髪であり全身毛だらけ」の姿で現れると言われるが、「手の部分が枝のように長い老人」だったり「木そのもの」という伝わり方をしている場合もある。
ガジュマルの木や大木の古木に宿った精霊とも言われている。


【行動】

古来、沖縄に伝わる基本人畜無害な妖怪で人間に対しては非常に友好的と言われている。
男女の性別があり、キジムナー同士で結婚をし子供を成すこともあれば、人間と結婚し子供を成す場合もある。

また人間の仕事を手伝うことにも積極的であり、その中でも漁が得意でありキジムナーと共に漁に出ると大漁になると言われている。
ただし、キジムナーは魚の目玉が大好物なので彼らと行った漁ではいつの間にか魚の目玉だけくりぬかれているらしい。

性格は非常に活発であり、水面を走り回ることが好き。潜水が大の得意であり、漁は基本的に潜水によって行う。
人間とは友達という関係を築くことが多く、料理の手伝いやおすそ分けに来たり、料理の際にかまどの火を借りる、年の瀬は一緒に過ごしたりもするらしい。
また、キムジナーに好まれた家はいくらでも魚を貰え、財や富を成すとも言われ、座敷童子のような扱いをされている場合もある。

このように基本的に友好的ではあるが、住まいの家である古木を傷つけられたりするとその行為を行なった人物の家に火を放つ、家畜を絞殺する、最悪の場合漁の最中に海中に引きずり込んで船を破壊し溺死をさせたうえで、末代まで祟られると言われている。

完全なる(人間にとって)善の妖怪として伝わってない理由は、キジムナーは怪力なうえ悪戯好きという面があるが、その悪戯が悪戯の範疇を超えているため。
赤土を赤飯のように見せて食べさせる、夜道で灯りを奪うなどはかわいいもので
寝ている人を押さえつけ窒息させかけたりするほか、人が到底来れないような洞穴や小さい祠に人間を閉じ込める(あとでキジムナーによって救出されるかはキジムナーの気分次第である)という殺人行為に近い行動をすることがある。

国頭郡今帰仁村の羽地内海ヤガンナ島のキジムナーはセーマ(精魔)と呼ばれており、悪戯に島に立ち入った人間の口に雄なら性器、雌なら乳房を突っ込み窒息死させるといううらやまけしからん罰を与える事もある。

【創作上のキジムナー】

様々な妖怪を取り扱うこの作品にも当然登場しているが、姿かたちは伝承とは全く違う。
約10cmくらいのぐでたまの顔の部分を球体化&肥大化させ、顔の半分をギョロっとした両目が占め、歯には牙のようなものがついてるという夜みたらトラウマ必須の姿になっている。
屁に弱いためねずみ男のことを嫌っている。
「アカマタ」という妖怪も登場し、こちらのほうは伝承上のキジムナーと似ている。
ついでに水木しげるも最初はキムジナーと呼び間違えていた。
『鬼太郎国盗り物語』で鬼太郎ファミリーが沖縄に行った際には
『妖怪画談』の「松の精霊」の姿に古風な口調の「ガジュマルの精」が登場するが、
その話の中でねずみ男と目玉おやじが「キジムナーかな」「キジムナーがこんなことするとは聞かない、「ガジュマルの木の精」じゃ」と話しており、
キジムナーはガジュマルの精とすみ分けているようだが関係は不明。

様々な神話を扱う(ry。
こちらもかなり小さく20cmほどで木の葉に覆われている小動物のような書かれ方をしている。
初出は「真・女神転生デビルサマナー」で、ほとんどの作品の共通の特徴としてディアやおまじないなどの回復系の技を覚える。
ペルソナシリーズには未登場。

  • 東京放課後サモナーズ
LGBT向けのスマホアプリゲームで神話や(ry
身長は120cmくらいで非常に活発。半裸の褐色デブショタの姿をしている。
2019年11月に追加された限定カードでは腰みのをつけてもくっきりするくらいに股間が浮き上がっている。
デザインは同人作家の大地巧太氏、CVは二代目・野原しんのすけの小林由美子氏。

  • ふるさと再生日本むかしばなし
まんが日本昔ばなしとは別物のむかしばなしアニメで、「海の神とキジムナー」に登場。
人間を歓迎するために砂浜にハマヒルガオを咲かせたキジムナーに対し海の神が激怒し海を荒らしてしまう。
最終的にキジムナーは巨大なシーサーに変身し、海の神を撤退させ、これら一連の行動が沖縄の守り神がシーサーである理由に繋がると解説される。

  • ちゅらさん
沖縄を舞台にした朝ドラで、キジムナーも伝承の存在として重要な役割を担っている。

  • リロ・アンド・スティッチ
おなじみピクサーのアニメ。TVアニメシリーズは舞台が沖縄のためキジムナーも登場。
スティッチより小さい赤紙の褐色少年の姿をしている。
CVは山口勝平氏が務めた。

キジムナーの性質を持つ沖縄出身の亜人(デミ)女子高生、比嘉薫が登場する。
「相手の目の色で感情が分かる」という性質*1を持っており、そのため普段は達観したような気取った言動を取っている。
伝承のキジムナーとは一見異なる能力を持っているが、これには秘密があり……。

  • C.M.B.森羅博物館の事件目録
87話「キジムナー」に登場する、悪い人間を絞め殺して食べてしまうという謎の怪物。
赤茶色の毛で覆われた巨大な頭部から直接人間の手足が生えているという異形の姿をしており、会計士の大仲正悟にだけ見える。
大仲は少年時代に沖縄でこの怪物に目を付けられて以来、悪い事が出来ない人間になってしまったという。
その正体は大仲少年が沖縄で見聞きした事が混ざって生まれた幻だというが……。

  • ハニカムチャッカ
TAYOの歌声で育った沖縄の樹木にキジムナーが住み付いている。
チャカピーは当初キジムナーを邪険にしたが、カリメロに諭されて「かわいいねー」と態度を一転させた。

182話「神聖妖木」に登場。枝のような衣を纏う赤毛の子供という見た目で、木霊とは世界ユグドラシル同盟の仲間。
棲んでいるガジュマルの木があと50年ほどで寿命を迎えるので、木霊の伝手で地獄に新居を探して訪れた。
福の神が地獄へ移住しようとした理由、それは彼がかつて3人の盗賊を怒り任せで絞殺したから。
その後、鬼灯の提案で阿鼻地獄・身洋処に苗を植え、件の盗賊たちを待ち構えることとなった*2

本人は登場しないが、沖縄の在日米軍基地内の"闇"のアジト攻略のために長老が顔を隠して基地に押し入った際、
単身で戦場にも匹敵する殺気を放ち無双する長老を見たアメリカ兵の一人が地元の古老から聞いたキジムナーを連想している。
キジムナーってそんなんだっけ
常人ならそれだけでKOされるほどの殺気に耐えて銃を向けたものの、銃を素手でプレスされるに至りキジムナーだと確信し退散する。
キジムナーってそんなんだっけ?

  • 宇宙皇子
藤川桂介の小説。
キジムナーは宇宙皇子が琉球へ旅した際に出会った妖魔で、赤髪に赤銅色の肌の子供の姿をしている。今でこそ堕落しているが元は神籍にあったという。
初登場こそ第一部・地上編(全10巻)の中では8巻と遅めだったものの、その後は他の人間キャラ達が代替わりする中、長命の皇子と旅路を共にし続ける。
なお本作では彼個人が「キジムナー」と呼ばれており、琉球では仲間もいなかった模様。ただ元々は蝦夷の精霊コロポックルの1体だったのではないかと思わせる描写がある。




追記修正はキジムナーと相撲をとって勝った人がお願いします。

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最終更新:2022年08月26日 19:06

*1 あくまで「色」を元に経験則で読み取っているため、サングラスなどで「色」が分からないようにすればある程度抑制可能。

*2 阿鼻地獄は地獄で最も厳しいところ。阿鼻地獄行きが決定後、到達するまでに自由落下で2千年を要する深奥である。