モスキート音

登録日:2020/01/02 Thu 22:11:00
更新日:2024/09/12 Thu 22:40:16
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キィィィィーーーン…



モスキート音とは、およそ17000ヘルツ前後の高周波音である。


■概要



人間が聴き取れる音の周波数=高さは、最高で約20000ヘルツと言われている。
当然ながら加齢に伴い聴力は低下するが、同じ音でも低音よりも先に高音が聴き取りづらくなっていく。
「高齢者に対して高音が伝わるためには低音の1.5倍の音量が必要」とする研究データも存在するほど。

基本的に聴力は20代から徐々に低下していく。
個人差はあるが、30代以降は15000ヘルツ以上の音が聴き取れなくなる人が多いようだ。

つまるところ、モスキート音とは「若者にはよく聴き取れるが、中年以上には聴こえない(聴こえにくい)音」である。

なおモスキート(Mosquito)とは英語で「」のことで、その羽音に似ていることからこう呼ばれるようだ。

■使い道


自分の耳がどれぐらい若いか、あるいは老けているかのテスト。
テレビ番組で取り上げられることもあるが、ネット検索で音を発するサイトに容易に辿り着ける。

年齢不詳の知人に不意打ちで仕掛けることもできそうだが、機嫌を損ねたとしても自己責任で。
聴こえていないのに聴こえるフリをするのはやめよう。

  • たむろする若者対策
最も一般的かつ有効な活用法。
コンビニの前など特定の場所でたむろする不良の若者をさり気なく遠ざけるために使われることがある。
ただ、あまり強過ぎると却って迷惑になるので出力はごく微弱。

  • 害獣、害虫撃退
動物や虫の多くは人間には聴き取れない音も聴き取れる。
そのため、たむろする野良犬や野良猫、人や建物、農作物などに直接被害をもたらす害獣を撃退するための手段として採用されることがある。

ただし、人間との遭遇率が高く生命の危機に直結するクマ避けとしては、最近では必ずしも有効とは断言できない。
確かに熊の耳自体は良く、モスキート音が聞こえて逃げる熊もいることにはいる。といっても高周波が嫌いというよりは人間が鳴らしていると分かるから逃げていくという説が有力になっている。
もともとはハンター達の尽力もあり、熊としても人間の存在を恐れている個体が多かった。
そのため特殊なモスキート音を使わなくとも、単純に熊除けの鈴などを鳴らすだけでも人の存在を伝えるには十分有効だったのだ。まあ、派手にリンリンやるよりはモスキート音の方がまだ近所迷惑になりにくいというメリットはあるが。
しかし最近では人間のいる環境に慣れてしまった、いわゆるアーバンベアと呼ばれる個体も増えているとされ、かつてのように鈴やモスキート音で撃退できるかどうかは不明瞭らしい。
手ぶらでいるよりはマシだろうが、スプレーなど他の手段も用意しておいた方が良いかもしれない。

電車内や大学の講義中など、大人達に聴かれず着信を確認できる。
一部で密かに利用されているらしい……?

  • 競技でのイカサマ
使い手が若者、対戦相手が中高年である場合は不正行為に利用することも考えられる。
将棋チェス麻雀等のゲームで外部から指示や情報を送って貰うことで優位に立つのだ。
しかし、相手が歳の割に耳が良かったり、そもそもギャラリーがいたり録画されていたりするとあっさり破綻する。
そもそも予め音の聴き分けパターンを決めておく必要があり、リスクとリターンが割に合わない可能性が高い。

■モスキート音が登場する主な創作物


用途は限定的だが、意外とメジャーな作品で採用されていることも。


■余談


主にTMネットワークなどで活躍したミュージシャンの小室哲哉氏は、その非常に細くて甲高い独特の声質から、しばしばモスキート音、もしくはモスキートヴォイスとファンからネタにされることがある。

追記・修正は、30代以上でモスキート音を聴き取れる方にお願いします。

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最終更新:2024年09月12日 22:40