新大阪駅

登録日:2020/09/03 Thu 20:02:03
更新日:2024/11/29 Fri 06:22:37
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新大阪駅(しんおおさかえき)は、JR西日本JR東海及び大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の駅である。

概要

東海道新幹線山陽新幹線の境界駅であり、一部の列車は当駅を跨いで直通運転を行なっている。
また、山陽新幹線の一部列車は博多駅を跨いで九州新幹線との直通運転も行なっている。
JR東海が16両編成以外の乗り入れを拒否しているため、8両編成の新幹線は当駅が終点となっている。
このため、山陽新幹線(九州新幹線直通含む)の列車は当駅以東に乗り入れることができない*1
京都名古屋に直通出来ないのは不便ではあるが、その辺りは現状でもかなり過密ダイヤになってしまっているためやむなしか。

在来線の新大阪駅は東海道新幹線開業と同時に開業したが、大阪市営地下鉄の御堂筋線はそれに先んじて(と言っても1週間前だが)開業している。

在来線は東海道本線(JR京都線JR神戸線JR宝塚線)とおおさか東線が乗り入れている。
新幹線の全列車が停車する重要駅であるにもかかわらず、意外にも昔は新快速は当駅を通過していた。これは高槻~大阪間の最高速度が100km/hに制限されていた影響*2で、最高速度が110km/hに引き上げられた1985年3月改正からは全列車が停車するようになった。
特急も昔は通過列車が少なくなかったが、現在は寝台特急(サンライズ瀬戸・出雲)以外はほぼ停まる。

また、在来線と新幹線との接続も図られており、天王寺駅に環状線直通の渡り線が置かれてからは新幹線始発に間に合うよう、長らく和歌山以南から遥々紀勢本線と新大阪を発着する電車が設定されていた。
阪和線ではこのためだけに4両編成の113系が配置されていた。ワイドビューひだ「たった4両とは恥ずかしい奴め」
更に新大阪~新宮間を結ぶ夜行快速も設定されていたが、いずれも2018年のダイヤ改正で消滅した。

ちなみに東海道本線を走る貨物列車は千里丘駅付近から塚本駅付近まで北方貨物線という貨物専用線を利用するため、当駅を通過することはない。
ただし、線路自体は当駅付近から新幹線の高架に沿うようにカーブしているため、在来線ホーム北側から通過する貨物列車を見ることは可能。


駅構造

4階建てで1階JR在来線ホーム、2階西側に御堂筋線改札、3階にJR改札と西側に御堂筋線ホーム、4階に新幹線のホームがある。うん?
また、3階南口は新御堂筋から直接車が乗り入れられるようになっており、移動がかなり便利である。
問題は新幹線の高架下に作られたにも関わらず、新幹線が東西方向に伸びてるのに対して御堂筋線・在来線は南北方向に伸びているので駅の中がすごく広いということ。
新幹線を利用しないならあまり来ない場所なので、京阪神の人間でも下手すると梅田以上に迷う。
だが、新幹線の利用者自体が多く、いつでも混雑していて南口には多数のタクシーが列を作って待機している。
※ホームの呼称は実際の案内に準じJR西日本は「○番のりば」、新幹線と御堂筋線は「○番線」と表記する。

在来線

JR西日本が保有し、地上に5面10線のホームを持つ。
大まかに言うとおおさか東線・梅田貨物線が2面3線(+通過線1線)、残りがJR京都線・JR宝塚線となっている。

かつては11~18番のりばだったのだが、おおさか東線開業に合わせてホーム増設及び配線変更が行われてホームの番号も改められた。

  • 1番のりば
阪和線からの京都行き特急列車・おおさか東線(放出・久宝寺方面)のホーム。
回送・試運転列車や桜島線安治川口発の貨物列車はこの外側にある通過線を使用する。
  • 2・3番のりば
阪和線方面の特急とおおさか東線が使用する。
2番のりば着の列車は「くろしお」とおおさか東線の一部が使用し、3番のりば着の列車は「はるか」とおおさか東線大阪(うめきたホーム)行きが使用。
3番のりばは4番のりばと対面乗り換えできるので、おおさか東線沿線から特急乗り継ぎで高山や金沢に行くのに便利。しかし、関空・南紀方面と北陸方面を乗り継ぐにはどう足掻いても上り下りしなければならない*3
通過列車、貨物列車といった駅を通過する列車はホームから間近で見れる。
ホーム増設前は今の3番のりばで阪和線特急を全て捌いていたが、同時に運行上におけるボトルネックとなっていた。
  • 4番のりば
主にJR京都線上りの特急列車が使用するが、新快速や快速も使用することがある。
  • 5・6番のりば
JR京都線上り(高槻・京都・米原・湖西線方面)が使用し、6番のりばが普通列車用。
  • 7・8番のりば
JR京都線・JR神戸線JR宝塚線(大阪・三ノ宮・姫路・宝塚方面)が使用し、7番のりばが普通列車用。
JR宝塚線直通列車は普通のみで、快速は隣の大阪駅から発着する。ややこしくね?
  • 9・10番のりば
JR京都線・JR神戸線下りの特急列車が主に使用するが、新快速、快速の一部も9番のりばを使用する。

新幹線

JR東海保有。新幹線のホームとしては国内最大規模の大きさを持っており、全列車が停車する。

構造上は20番線から27番線まで全ての線路が直通運転が可能となっているが、20番線は当駅始発の山陽新幹線、23・24番線は原則当駅始発の東海道新幹線しか使用しない。
20~22番線が山陽新幹線、23~27番線が東海道新幹線用となっている。8線あるのに3:5と不公平だが、それだけ東京~新大阪間の利用が多いということか。
そもそも27番線は後から増設されたホームなので、1本増やしても限界状態である東海道新幹線の利用率の凄まじさがうかがえる。

御堂筋線

1番線が梅田・天王寺・なかもず方面、2番線が江坂・箕面萱野方面となる。
高架の上の道路橋の真ん中にある。地下鉄やろがい!
引き上げ線があるため当駅止まりが結構ある。中津よりは許せる
2階以外から御堂筋線側へ行ってしまうと2階の改札まで行くのに苦労するので、JRから御堂筋線に乗り継ぐ時はJRの改札を出てすぐ階段を降りよう。
御堂筋線に乗ろうと思ったら道路が目の前に出て来てあれ、おかしいな?と思った人がいるはず…いるはずだよな?


駅周辺

駅構内に飲食店が多く、交通の便も良いからかオフィス街となっている。
遊べるところは殆どない、新幹線から降り立って早々遊びたいなら素直に大阪(梅田)などに行こう。
最寄りのゲームセンターは御堂筋線で隣の駅にあるハイテクランド西中島。ここなら淀川を渡らずとも行けるので歩いて行ってもいいだろう。

前述の通り新幹線接続駅という絶好の立地でありながら遊べる、じゃない商業施設の開発が進まなかったのは、私鉄の乗り入れが(当時公営だった)地下鉄御堂筋線のみだったのが理由とされる。

そのため新幹線のターミナル駅ながら京都駅や後発の品川駅にも劣る状況が続いていたが、後述する新路線の乗り入れに伴い周辺施設の整備が必要になるとの機運が高まり、2022年10月に同駅周辺が国指定の『都市再生緊急整備地域』となった。
今後の再開発に期待しよう。


余談

何故新幹線がJR大阪駅ではなく当駅に乗り入れたのか?
理由は色々言われているが、一番のネックは大阪駅が淀川を越えた先にあるために架橋しなくてはならないということである。それも二度も。
在来線でも国鉄が橋を作るのを渋って数キロ先の都市を避けて35キロも先のどうでもいい方向に伸ばしたが結局は廃線ということがあったので、鉄道橋を作るというのはとてつもなくお金がかかるものなのだ。
保守コストもかかるし、新幹線規格で二本も架けるというのなら在来線のそれとは比較にならないだろう。

更に地図で東海道本線の形を見ればわかるが、新大阪~塚本間でU字に膨らんでいる。
大阪駅には全列車停車しなくてはならないとはいえ、車両の長い新幹線だと発車の際に加速を我慢する必要が出てくる。そうなれば大きなロスである。

その上、大阪駅一帯で新たに新幹線駅を設けるとなればスペースも問題。何せ当時は梅田貨物駅が現役なので大きなスペースなど全くないのだ。
地下という手も考えられるが、そうなると横だけじゃなく縦も心配である。
東海道新幹線の勾配の最大は20‰*4、最もキツいエリアで関ヶ原周辺の連続平均勾配15‰だが、それでも初代0系のモーターは勾配区間で悲鳴を上げたので山陽新幹線区間では基準が最大15‰連続平均勾配12‰まで引き下げられた。
在来線で新大阪駅~大阪駅まで淀川を渡ってから2キロもないが、地下街の一角であるホワイティうめだで7mぐらいの深さがあり、その下は地下鉄が走っている。
淀川の堤防の上から地下十数mまで、梅田周辺の乱立するビルの基礎を避けながら掘るとなると、‰は限界値を超えるかそれ以上になるしルート策定もすごい大変である。
しかも地下に潜る区間も必要なのでそっちも物凄く金がかかる。かといって淀川を地下から攻略するために掘るとなったら架橋よりもっとお金が…。
そこで結局は在来線でたった一駅*5ならそこまでしなくても…ということで現在の位置に置かれるようになったものと思われる。


今後の予定

時期は未定だが、リニア中央新幹線が当駅まで開業予定である。
また北陸新幹線も地下に乗り入れする予定で、あわせて地上の新幹線ホームの処理能力が限界に達した山陽新幹線も地下にホームを新設する予定。

なお、私鉄については阪急電鉄が開業前から路線の免許を獲得していたが、2010年代まで動きはなかった。
先述のように新大阪駅周辺の開発がほとんど行われなかったことや、地下鉄堺筋線の開業で京都線の混雑緩和がある程度緩和されたことが理由とされる。

その後、十三から分岐する形で新線の建設が決定し、2031年度開業を目標としている。
なにわ筋線への乗り入れも見越し、阪急の新線としては初の狭軌として建設される。
また、なにわ筋線を経由して南海電車も新大阪への乗り入れを計画している。



追記、修正は大阪駅から歩きながらお願いします。


   
最終更新:2024年11月29日 06:22

*1 回送列車のみ新大阪〜京都間にある鳥飼車両基地まで乗り入れる。

*2 さらに当時の新快速は現在と異なり、複々線全区間で内側線を走行していた。外側線を走行するようになったのは、1986年11月1日のダイヤ改正から。

*3 関空→北陸方面だけなら京都駅で乗り継いだ方が上下移動がなくて済むが、乗る号車によっては上下移動ありでも当駅の方が移動距離が短くなることもある。

*4 パーミル。1キロ当たりの勾配の単位。1‰=高さ1メートルなので、この場合は1キロ辺り高さ20メートル。

*5 ただし、淀川を超えるため3.8キロほど距離がある。たったのひと駅と思って歩くと、橋を上がって淀川を越える必要まで出てくるためかなり大変。なお、これはJRの話であって御堂筋線は新大阪~梅田間に2つ駅がある。