ブンボー軍団

登録日:2020/09/28 Mon 08:19:37
更新日:2025/04/13 Sun 22:27:02
所要時間:約 6 分で読めます





ペーパーマリオ オリガミキング』の悪役・オリー王の部下達で、各ステージの大ボス。
最大の特徴は姿が殆ど巨大化した文房具そのもの*1ということ。
本来はオリー王やオリビアが生まれたオリガミ職人の家の道具だったのが、何らかの理由で脱走+変化したことがゲーム中示唆されている。
ゲーム開始時点で既にオリー王の部下として従っており、主が占拠したピーチ城を囲むカミテープの番人という形でマリオの行く手を度々阻む。

情報公開当初こそあまりに「そのまま」な姿から賛否両論だったが、いざ蓋を開けてみれば一転、個性的なキャラクターと、元ネタの文房具の特徴を巧みに捉えたアクションが好評を博した。
さらに中には酷似した色・デザインの文房具を買い揃えたプレイヤーも現れるなど、発売直後から高い人気を得ている。
さらにペーパーマリオシリーズでは恒例だが、全員が固有の戦闘BGM持ちで、こちらも総じて評価が高い。

なお台詞が各自与えられているものの、バトル研究所のVSマシーンで再戦した際には一切喋らない。
バーチャルによる偽物であることに加え、再戦時はタイムアタックであるため時間のロスをなるべく減らすための配慮だと思われる。

彼らは作中の多くの人物……すなわちペラペラの紙にとっては天敵、あるいは権能を携えた超越的存在と言っても過言ではない代物であり、その蹂躙具合はシリーズでも凄まじい部類であるほど。
たまたまペラペラが敵だったもんで矛先はマリオ達に向けられているが、紙である以上、ペラペラの上位存在であるオリガミもまた本来ならひとたまりもないのは例外ではない
刻むも貼り付けるも染めるも固めるも開けるも思いのまま。創造的な側面を持つからか、彼らに攻撃されてもすぐさま絶命するわけではなく、場合によってはそのまま新たな存在に作り変えられることも。
……このような連中、脅威度合いだからだろうか、我らがMr.ニンテンドーも彼らに対してはほぼ一切の容赦がなく、全力をもって制しにかかる。それだけ、ペラペラにとっては恐ろしい存在なのかもしれない。


◆メンバー

  • イロエンピツ

  
 
 

ミハラシタワーで赤のカミテープを護衛している「ミサイルアーティスト」。
一人称は「ミー」。落ち着いてる時は語尾に「〜ざんス」をつける。ただし戦闘中はこの口調を忘れて喋るので、どうやら演技のようだ。
蓋にオリー王のマークが刻まれている。よく見ると中に違う色で擦ったような跡がある。

自分からは『ジャン=ピエール・イロエンピツ12世』と名乗るがオリビアに「長すぎ」と一蹴された。この名前から、ファンからは「ジャンピ」なる愛称で呼ばれることも。
名前に反して赤い色鉛筆のケースが本体であり、中に入った12本の色鉛筆はなんとミサイル
カミテープを追ってタワーに入り込んだマリオ達をミサイルで内側に閉じ込め、エレベーターも破壊し、階段で外側に出るや今度は本人達をしつこく追撃するといったとてつもない策士ぶりと容赦の無さを披露してくる。本当に1面ボスか?
またタワー内には彼があちこちに落書きしており、キノピオ以外はかなり上手い。アーティストは伊達じゃない。
タワーのロビーに大きくオリーの肖像画を描いたり、赤カミテープの守護を「オリー様から託された大事なお仕事」と称する辺り忠誠心は高い様子。

360°バトルではいくつかのマスに照準を合わせ、マリオの攻撃ターン時にミサイルで攻撃してくる。また近づきすぎるとケースで噛み付いてくるため要注意。
後ろからケースの蓋を閉めることでイロエンピツ本人に自爆させるのが基本戦術。
体力が減ると大技のアーティスティック・ローリング・ミサイルを使用するが、この時はケースがガラ空きなため反撃することで大ダメージが与えられる。
立ち回り次第ではノーダメージでクリア可能。貰えるコインが増えるので狙う価値は十分ある。
色鉛筆なのにミサイルと、コイツだけ能力が本来の文房具の性能から見て異次元だったりする。
色鉛筆ケースの中には本来の配置と違う色鉛筆を置いたであろう跡が残っているなど、色鉛筆を使った人あるあるを完全再現しているところは見事である。

なお、順当に進めればここからONパネルが登場するが、土ガミ戦でトドメを刺し損ねるとそのタイミングでONパネルが出る。


  • わゴム

これからワタクシがじきじきに
相手してやるヨッホォ〜ン!

OEDO大劇城で青のカミテープを護衛している「ゴムゴムエンターテイナー」。
一人称は「ワタクシ」。語尾に「〜ヨン」をつけた間延びした口調。

ブンボー軍団の中では珍しく、大量の輪ゴムを纏めて巨大な人形状に見せるというやたら凝った外見をしている。
本体であるゴムバンドにオリー王のマークが刻まれている。
ところでコイツは折り紙細工においてどう使われるんだろうか?*2

自分が主役でなければ気が済まない目立ちたがり屋。
劇場では自分を主役にした舞台を作って座席に縛り付けたキノピオたちに見せつけようと画策、その前座としてマリオを役者のハリボテ兵に始末させようとしたが失敗に終わった。
そのため最上階で直々に現れた際にマリオを指名し、そのまま戦うことに。
ちなみに登場シーンのBGMでは女性コーラスによる歌唱が使用されており、全言語共通で女性という設定だと思われる。
舞台役者繋がりなのか、どことなくペーパーマリオRPGのクラウダを思わせる雰囲気をしている。

360°バトルでは輪ゴムトラップを使い、踏むとマリオが1マス内側に強制移動する。*3
またカミの手で体を構成する輪ゴムを外側へ弾き出さない限り毎ターン完全自動回復してしまうため、下手すりゃ以降のボスより手こずるなんてことも。
熱に弱いゴムらしく巨人形態では火属性のファイヤーボールで大ダメージを与えられる…のだが、自動回復によってほとんど回復してしまうため、小ネタ程度。
戦術としてはカミの手を使って輪ゴムを引っ張りゴムパッチンの要領で攻撃すること。攻撃するたび輪ゴムが吹っ飛ぶので回復できなくなる。距離が離れていればいるほどダメージは大きい。
体力が残り1になるとゴムバンド1本だけになり、完全にカミの手しか受け付けない上に大技のデカゴムパッチンを繰り出してくる。



  • パンチ

ノリノリだぜ〜!
今夜はオールナイトで
おどりあかそうぜ〜!
てか、
太陽なんてもうねーから
永遠にオールナイトだけどな〜!

キノピチュいせきで黄色のカミテープを護衛する「ノリノリあなあけフリーク」。
一人称は「おれッチ」。チャラチャラとした軽いノリながらも威圧的な話し方をする。
一方で大技を避けると素直に褒め、最期もしんみりした空気を嫌ってカウントダウンを要求する潔さも持つ。
蓋と本体の2箇所にオリー王のマークが刻まれている。

ダンス好きで罰当たりなことに遺跡の一部をディスコとして改造し、更に太陽をミラーボールにすることで文字通りのオールナイトを作り上げた。
40人のうるさいキノピオたちを黙らせるため顔に穴を開けたが、選曲担当のDJだけは度々「穴空けんぞ」と脅しながらもそのままにしている。
自分が求める曲でなければ出てこないが、曲そのものを否定はせずあくまで「自分に合わない」という方向で却下する、妙な律儀さも持つ。
ちなみにキノピオとはセンスが似ているらしく、事件解決後、キノピサンドリアホテルにいるDJに彼がノったディスクを渡すとキノピオ達もノリノリになる。
太陽をブチ抜いたことから、穴のサイズは自在にコントロール出来る模様。

360°バトルではパネルに穴を開けることで行動を妨げてくる。
穴を避けつつ、後ろから弱点の蓋を叩くのが基本戦術。なおハンドル部分は硬すぎてダメージにならない。
アイテム以外では完全にハンマー頼みになるが、ハンマーの射程範囲内だとマリオの顔や胴に穴を開けて最大HP&攻撃力を下げてくる。あの大きさならそれだけで済まなそうだが、見かけに反して開けられる穴はさほど大きくないのは幸いである。
蓋を叩くか、遠距離技のペーパービートを誘うことでステージにマリオやパネルの破片をばら撒かせられる。マリオやパネルを拾えば失ったHPが回復する。
カミの手でひっくり返すことで蓋に大ダメージを与えることも可能だが、体力をある程度減らさないと起き上がって反撃されてしまう。
マンジシ(満を持し)て使う大技は体当たり、穴あけ(2連)、ペーパービートを同時に使う「ダンシングコンボ」。こちらも盛り上げて対抗してやろう。



  • セロハンテープ

ヘッヘッヘ、カワイコちゃん!
ちょっとは楽しませてくれよなァ。
さあ
どっからでも本気でかかってきな!

よくも よくも
オレっちの だいじな
台を、台を、台をォーーッ!
よっしゃこうなりゃ喧嘩上等じゃァ!

ウナバラタワーで紫のカミテープを護衛している「いきがり はりつけや」。
一人称は「オレっち」。当て字などコテコテのヤンキー口調で話す。
バイクの如く猛スピードで台を乗り回し、テープの先をリーゼントに見立てて若干伸ばしてるのが特徴。戦闘BGMもどこかタイヤの擦れるような甲高い音源が使われている。
オリガミ兵の配置とキノピオをテープで貼り付ける以外特にこれといった妨害やお遊びはなく、一部のプレイヤーからは「実は真面目なのでは?」と考察されることも。創作におけるヤンキーキャラが実は根は真面目なのはあるあるだし。
台の側面と本体の芯にオリー王のマークが刻まれている。

ゲーム中ではタワーの屋上に来たマリオたちを立体駐車場みたいな仕掛けで下から出迎える。
なお明らかな挑発とはいえ、軍団内で唯一オリビアに兄の元へ帰るよう勧めている(『ベタベタ馴れ馴れしい』と完全に無視されるが)

360°バトルでは2段階仕様で戦うことに。
前半戦では台をいろんな方向から叩きつけて破壊しなくてはならず、アクションパネルの位置を毎ターン考える必要がある。台を破壊されるとテープカッターのみを装着した形態になり、後半戦に移行。
後半戦ではテープでパネル同士をランダムに貼り付け、また刃を使った攻撃をしかける、RTA最大の敵。テープは高火力な技で除去出来る。
カミの手を使えば動きを封じたうえでテープを根こそぎ剥ぎ取ることが出来る。
定期的に回収するが、原理は謎。


埃や水が天敵のテープらしく綺麗好きのようで、宝箱に魔法陣など有用なパネルをゴミとして片付けてるため要注意。
使用済みパネルも宝箱に入る為定期的に開ける必要がある。


  • ハサミ

ケーケッケッケ!
あ〜そびま しょっと!
あ〜だけど
すぐに切り刻んじゃったら
面白くないしな〜
よーし
ハンデをあげるね〜

クッパ城で緑のカミテープを護衛する「チョキチョキマニア」。
一人称は「ぼく」。やや幼く軽薄な口調で喋る。
持ち手にオリー王のマークが刻まれている。

完全に刃物なので、紙で構成されたペーパーマリオの世界観では危険すぎる存在。
本人もそこは自覚しており、マリオがジャンプで避けるまでは『ペラペラはすぐ切り刻めてしまう』と認識しナメきっていた。

最序盤でマリオが飛ばされた直後、一旦城に戻ったクッパ軍団を部下のオリガミ兵が待ち構え、見事乗っ取ってしまう活躍をしていた。
この時事故でてんくうスパーランドに墜落したが、温泉に迷惑行為こそしていても特にキノピオ達本人への妨害は行っていない。*4
一般的に戦闘力が低いキノピオでは最早相手する気も湧かないのだろうか。
ともかくマリオが対峙した際は本領発揮し、クッパJr.をはじめとするクッパ軍団の身体を殺さずバラバラにし撃退したり、おもちゃとしてヒャクメンハリボテメット*5に再利用する。最早サイコパスの領域である。

360°バトルでは最初ハンデとして黒いカバーを着けている。
体力が残り少なくなると自ら外すが、マリオが早々に破壊すると毎ターン魔法陣を切り刻むため拘束手段が失われてしまう。
カバーが無い時は、動きを止めない限り必ず即死攻撃を展開。……だがこの仕様上1ターン目からカバーを破壊すればノーダメ撃破が可能。ただし毎ターンフェイント有りの即死攻撃が飛んでくる心臓に悪過ぎるバトルになるが。
自分のターンでの攻撃(フェイントあり)はもちろん、マリオがジャンプ攻撃しても刃を上に向けてくる。
マリオの胴体を的確に切るのでアイアンブーツ系でも防げず、ジャンプで避けるしかない。
こちらが取る対策は氷ガミの力で凍らせること。

ちなみに切り刻む即死攻撃はこいつの特権ではなく、オリー王の最終形態も使用する。*6

余談だが、ヒャクメンハリボテメット撃破後に、カメックに近付かずに部屋の奥へ進むと後ろからカメックが話しかけてくる。
その際は戦闘開始時に開いて逆さまになるハサミがチョキチョキと動きながら開始演出が入るという謎の小ネタがある。なお普通は開いたままで開始する演出になる。


  • ホッチキス

マリオ!
こいつだ!
こいつにカミつかれて
ワガハイのカラダの折れが
もどらなくなったのだ!

ピーチ城改めオリガミ城内を進むマリオたちに、最後の妨害としてオリー王が差し向ける「王のばんけん」。
なので一切喋らないが、間接部に刻まれたオリー王のマークを目に見立てることで、黒いボディもありワンワンがモデルだと窺える。
実は捕まったクッパ軍団がオリガミ兵にされる際、彼の針で仕上げがされてるため、オリガミ兵は皆ペラペラに戻れなくなっていた。 *7

360°バトルではホッチキスらしく針(ステープル)を使った攻撃を展開。殴ればその分針も無駄打ちさせられる。
近づくと噛みつき、離れると発射する徹底ぶりだが、中身の針がなくなる(側面とダメージ数である程度確認可能)と1ターン消費して補充するため隙が生まれる。この時に攻撃すれば大ダメージを与えることが可能。
体力の残り具合で針が銀→赤→金色に変化し、ダメージも大きくなる。そのため長期戦になればなるほど不利。何故空から予備の針が飛んでくるのかは謎である。
カミの手を使えば最後に胴体を開き切ってそのままへし折ることが出来る。



◆余談

  • 海外版
ここまで紹介したのは日本語版のキャラクター設定である。
海外版では残忍さこそ共通しながらもそれぞれ独自の解釈が存在し、中には完全に異なる設定もある。
分かりやすい例だと
・マリオを終始ペラペラどころか蛮人呼ばわりし続ける英語版のイロエンピツ
・スペイン語やイタリア語版のパンチは女性になってる
・英語版ではセロハンテープが、アメリカの不良のイメージに則したイタリア語訛り
・フェンシング用語を多用し、子供というより天才肌の剣士のような英語版のハサミ。ちなみに英語版では彼がブンボー軍団のリーダーで、オリー軍団の最高幹部
など。
勉強がてら調べてみるのも一興だろう。

  • 過去作との繋がり
オリガミキングが初登場の彼らだが、文房具そのものはセロハンテープ(セロファンテープ)とハサミ(はさみ)、ホッチキスが『スーパーシール』のモノシールという形で既に活躍経験がある。(姿は別物。)
あちらはあちらで演出がえげつなく、また説明文もツッコミどころ満載。
なおハサミは『スーパーシール』でも本作でもストーリー内でクッパJr.を切り刻んでいる。

  • ファンアート
ファンアートや二次創作においては、文房具そのままという見た目もあってか擬人化人気が非常に高い。というか(多分彼らのせいで)オリガミキング自体、擬人化のファンアートが非常に多い。一方、文房具のままのファンアートも数多く存在する。
作中見せた性格描写が少ない為、作者によってキャラクター像は拡大解釈されることが多い。




追記修正はペラペラの世界を文房具の力で蹂躙してからお願いします。

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最終更新:2025年04月13日 22:27

*1 文房具をモチーフにしたキャラクターでは無く、本当に文房具が喋って動いている

*2 オリガミ職人の家にある本では、使わない折り紙を纏める時に使うという。

*3 矢印マスと違い、横移動中に踏むと内側へ行ってそのまま横移動する。また、使用済みの輪ゴムを踏むと転んでしまい一回休みになる。

*4 実際スパーランド内には折り畳まれたキノピオは存在せず、一人だけいる救助対象もセンサー研究所出張所の職員。

*5 ハリボテメットにクッパ軍団の切れ端を見境なく貼り付けたもの。切れ端でも意識は残ってる。また、使用技はカメックの魔力を悪用したもの。

*6 ただし表示ダメージはハサミの時に比べて下がっている。

*7 最序盤で、シルエットのみだが一部始終の光景が確認できる。