マジェスペクター・ユニコーン(遊戯王OCG)

登録日:2021/09/25 Sat 13:51:48
更新日:2021/10/06 Wed 19:42:08
所要時間:約 5 分で読めます




マジェスペクター・ユニコーンは『遊戯王OCG』のカード。

ペンデュラム・効果モンスター(禁止カード)
6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000
【Pスケール:青2/赤2】
【モンスター効果】
「マジェスペクター・ユニコーン」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のモンスターゾーンのPモンスター1体と
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。


【概要】

『ディメンション・オブ・カオス』で登場した、唯一の上級マジェスペクターモンスター。
相手モンスターと自分のモンスターカードゾーン上のペンデュラムモンスターを1体ずつ手札に戻すフリーチェーンのバウンス効果を持っている。(プトレノヴァインフィニティ経験者にはお馴染みプレアデスと同じ効果である)
戻すカードは効果を発動した自分自身でもいいので、コイツがフィールドに出た時点で最低一回は効果発動を許す羽目になる。
先述のプレアデスはエクシーズ素材が切れると効果が使えなくなるが、このカードはそんな心配も無い。

攻撃力は2000と上級モンスターにしてはかなり低いが、大半の下級モンスターには負けない程度はあり自身が備える効果により戦闘破壊される事はあまり無いだろう。
マジェスペクターの共通効果により、破壊と対象を取る効果がダメなため対処手段がかなり限られており、除去したとしてもペンデュラムモンスターなのでエクストラから無限に蘇ってくるのが厄介。
しかもコイツには召喚条件がない。
ペンデュラムでスケールさえ用意できるならどのデッキでもだせる。
もちろん通常召喚もできるし蘇生制限もない。
要するに、相手にとっては毎ターン「強制脱出装置」がやってくるようなもので、起点がはっきりしているデッキや、展開力のないデッキや通常召喚が重要なデッキではコイツ一体に対して土下座状態になることは珍しくなかった。


【評価】

当初はマジェスペクターのスケール*1ではP召喚できないため、基本はアドバンス召喚するしかないという事故要因にもなりうる扱いであり(と言うよりそういう前提で設計されたカードであろう)、
しかもあのEmヒグルミと同じパックに収録であったことも加えてさほど騒がれてはいなかった。
しかしそもそもスケールさえ揃えば、マジェスペクター以外のデッキならペンデュラム召喚で出せること自体が設計ミスであり、早速簡単に出せるイグナイトでエースとなった。

また、登場前に発売されていた魔術師ではデメリットなしの8スケール持ちがおり、デメリット無しで広いPスケールを持つメタルフォーゼが登場した途端評価が一変というよりマジェスペクターで使うより出張で使った方が遥かに使いやすい
マジェスペクター・ラクーンの効果で速攻で手札に加わり、倒しても倒しても毎ターンP召喚で舞い戻っては場を荒らしていくどこぞの畜生モグラを彷彿とさせる挙動にたちまちヘイトを集める。
毎ターンのバウンスで対抗手段の無いデッキは蹂躙され、下手をすると「ユニコーンを出せた時点で勝利確定」とまで言われることになる。

本家であるはずのマジェスペクター含むクリフォートなどのこれをP召喚で出せないデッキ以外は「ペンデュラム召喚デッキの切り札」「ペンデュラム召喚はこれを出すためにある」なんて言われてしまっていたことも。

一番の対策は何とかして効果を無効化するなりして除外してしまうことだが実際は困難極まる

なぜなら破壊以外の強力な除去や無効化系カードはほぼ必ず対象を取る必要がある
つまりユニコーンを指定できる無効化系と除外系カードはほとんどない。
かといって対象を取らない除去系はだいたい破壊を伴ってしまう

仮に対象を取らない除外カードがあったとして、効果が有効かつ自軍にモンスターがいれば自己バウンス効果で回避される
つまりこっちががら空きの状態か、対象を取らない無効化をかました上で除去という2段構えの対策が必須。

効果だけなら氷結界の龍 トリシューラなんかが通用するが、ユニコーンが立っている状況では、トリシューラを出すことからもう困難。*2
後に登場した壊獣ですら、スケールが無事な限りは決定打にならないのだ。

ますますもってなぜペンデュラムとフリーチェーン自己バウンスも絡めた超耐性を付与してしまったのか


数少ない手段としてこの手のモンスターにはお約束スキドレ、ペンデュラム召喚時に宣告や通告を打つのが有効だが、実際はセットしてから一ターン必要で全然間に合わない。
仮に来ても発動する前に破壊される可能性も多い。(もっともこれはユニコーンに関わらずほとんどのペンデュラムモンスターにも同じことが言える)
かといって「ブレイクスルー・スキル」等の純粋な効果無効化系は前述のとおり対象に指定できない。
また、効果モンスターの天敵の「天罰」は効果そのものは無効にできても、耐性を持つユニコーンは破壊できない。

最終的に辿り着いた有効な対策方法は...
対象を選ばず裏側にすることで実質的な効果無効化ができる「皆既日食の書」と「闇の護封剣」であった。

皆既日食は5ds初期、闇の護封剣に至っては初代からGXの過渡期頃というとんでもなく古いカード達であり、
かつては前者はデメリットの大きさ、後者は後出しモンスターを抑制できない点で評価は低かった。

しかし時代とともに「攻撃より効果の抑制が重要視されるようになり、ユニコーンが暴れる前のシャドール影霊衣(遊戯王OCG)の頃には耐性と制圧効果を兼ね備えたモンスターを1ターンで並べるようなデッキが隆盛。
「対象を取らず、かつ事実上の全体効果無効化」と言う点を注目され、デメリットも「これで崩した隙にこっちが制圧しちゃえば関係ないよね!」ということでサイドデッキの常連となっていた。

結界像といい、時代の変化による評価とはかくも激しい。


その影で世界大会で「闇の護封剣」の日本と海外の裁定違いが発覚したりした。*3


【そして…】

流石にコナミもこの惨状を看過できなくなった(と同時にマジェスペクターの収録されたパックをあらかた売り尽くした)のか、2016年10月付けで制限カード送りに。(片棒を担いだラクーンが全く規制されてないのでなんの解決にもなってないのだが…)
とはいっても同名発動制限の都合上複数枚入れる意味は元々薄く、サーチ手段もあったため案の定それでも出張要員として暴れ回ったためか、2017年1月の制限改定でついに禁止入り
某権力・バウンス・ヘルメットのシンクロトリオと入れ替わりに暗箱行きになってしまった。


こんなカードだが制限になるまで1年程かかっている。
これは出たばかりの頃はEM系統のデッキ(【EMEm】、【EM竜剣士】など)の全盛期だったため1体ぐらいバウンスしたところで焼け石に水、手数で潰されてしまうためあんまり使われなかったのだ。
そのためしばらく放置されたことに関しては意外と妥当ではあったりする。


【余談】

モチーフは名前通り「ユニコーン」なのだが、どちらかというと「麒麟」を思わせる姿をしており英語名にも「kirin(キリン)」と書かれている。

ちなみに規制解除の見込みは実は比較的ある方。
実際上記のようにインフレしまくるとこの手の「絶対にアドを稼げるが1ターンに稼げるアドは限定されるカード」の類は時代においていかれる傾向がある。
かつてはユニコーン並だった疑似除去耐性を備え制限化もされた初代鬼畜バウンスこと畜生モグラがまさにそれ。
...ただこの場合は畜生モグラですら制限どまりであること、スキドレすらほぼ通用しない除去耐性&フリーチェーンバウンスという強すぎる妨害除去性能から余程のインフレが進まない限り緩和の見込みは絶望的だが。

本家マジェスペクターとはスケールの問題であまりシナジーが無いのだが、下級マジェスペクターモンスターは召喚時に効果を発動できるためそれを使い回すためのバウンス効果というデザインだと思われる。
まあ、実際に戻していたのは自身かドクロバットが大半だったが。


追記・修正はユニコーンを処理してからお願いします。

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最終更新:2021年10月06日 19:42

*1 最大スケールが5なので、レベル6のこのカードは対象外

*2 一応トリシュなら手札に戻ったユニコーンを除外できる可能性もあるにはあるが

*3 「闇の護封剣の発動にチェーンしてモンスターを特殊召喚した場合、そのモンスターを裏守備表示にするのか」という点で、日本と海外では裁定が異なっていた。