風属性(遊戯王OCG)

登録日:2021/11/22(月) 20:37:26
更新日:2024/01/02 Tue 18:11:28
所要時間:約 23 分で読めます






俺の道はとともにある。

そのバカでかい斧じゃとらえることはできないぞ。



風属性とは、遊戯王OCGにおける属性の1つ。



☆特徴☆


といえば「空」、延いては「翼」や「羽(翅)」を連想させるからか、鳥獣族ドラゴン族昆虫族などの飛行能力を有する姿形をしたものが多い。
それらに加えて「魔法や超能力で風を起こす」様をイメージしやすいからか魔法使い族サイキック族のモンスターもやや多めか。
特に《風魔神-ヒューガ》や《風の精霊》といったOCG最初期に登場した「風」を象徴するモンスターは魔法使い族になる事も多かった。
これは「炎属性炎族」「水属性水族」「地属性岩石族」のような風の生命体を担当する種族が存在しなかったのが大きな理由だと考えられている。

かつての風属性は他属性と比較すると不遇な属性とされてきた。
所属モンスターの総数や強力なサポートカードが少なく「デッキを風属性で固める意味が薄かった」ためである。
これはどういう事かというと、例えば「風属性モンスターは鳥獣族が多い事から、鳥獣族主体の風属性デッキを組んだ」とする。
その場合、「なら微妙な風属性サポートの枠を有用なゴドバやビースト系サポートにして鳥獣族に特化させた方が強いだろ」と帰結してしまうのだ。
闇属性ウイルスカード光属性の《オネスト》などのような「風属性デッキを組む上での絶対的な強みや理由」となるカードが当時は無かったのである。

また、《女忍者ヤエ》や《風帝ライザー》、《風霊術-「雅」》などから窺えるように、長らく「風属性」といえば「バウンス」の属性であった。
しかし当時から《アビス・ソルジャー》や《ペンギン・ナイトメア》などを擁する水属性と比較され、「風属性の特色・個性」として主張するには弱かった。
何故か同時期に両者に似たような効果のカード*1が出る事もあり、その場合大抵水属性側の方が扱いやすかったり有名だったのも逆風となったか。
そんな中、OCG第9期頃からEXモンスターに有効な除去としてバウンスが注目されはじめる。
ここで風属性を推してくれれば良かったのだが、KONAMIの出した答えは「様々な召喚法・種族・属性のテーマへのバウンス効果の大量配布」であった。
結果、《星輝士 トライヴェール》、《クリフォート・エイリアス》、《ジェット・ウォリアー》などバウンス効果を持ったカードが他属性でも続々と登場。
《風帝ライザー》や《風霊術-「雅」》の特色だった強力な「デッキバウンス」も《爆竜剣士イグニスターP》や《冥帝エレボス》などが揚々と行うように。
もちろん《烈風帝ライザー》などバウンス効果持ちの風属性モンスターも増えたが、「バウンス=風属性」という個性はさらに薄れてしまった。

そして風属性モンスターが少ないという事は、同時にアニメシリーズや漫画作品における風属性デッキ使いも少ないという事も意味している。
使い手が少ないだけでなく、「作中のキーカード群に6属性で風属性のみ該当カードが極端に少ない、最悪1枚も存在しない」という事態も頻発していた。
例えばZEXALシリーズNo.は、CNo.やSNo.など派生形を含め合計150枚近くのカードが属する中で風属性は「偽2」と「偽3」と「42」と「75」の4枚しか存在しない。

まとめると、当時の風属性は所属カードも、強みも個性も、アニメや漫画での出番すらも少ないと、まさに不遇としか言えない状態であった。


しかし、そんな第9期において、ついに追い風が吹く事となる。
当時放送中だったアニメARC-Vにおいて、風属性のテーマデッキを使うキャラクターが続々と登場。
中でも主要キャラであるユーゴ(とリン)の使用カードは有用な効果を持ってOCGされ、瞬く間に風属性デッキの新たなスタンダードとして受け入れられた。
両者の使用デッキがシンクロ召喚に特化したデザインだった結果、風属性といえばシンクロ召喚という、新たな個性を得る事ができたのである。
その影響もあってか、現在では「複数の召喚法を操るテーマのシンクロ召喚担当として風属性モンスターが登場する」機会も増えてきている。
例として、DDDの《DDD疾風王アレクサンダー》、@イグニスターの《ウィンドペガサス@イグニスター》、旧神・古神・外神の《古神ハストール》が挙げられる。

もちろん、シンクロモンスター以外の風属性モンスターだって負けてはいない。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》や《鳥銃士カステル》、《マジェスペクター・ユニコーン》など同時期に登場し環境で活躍したモンスターも存在する。
加えてこの第9期では「霊魂」の切り札として《霊魂鳥神-姫孔雀》と《霊魂鳥神-彦孔雀》という風属性初の儀式モンスターも登場している。
ちなみに今カード名を挙げた5枚全員がバウンス効果を持っており、薄れはしたがやはりバウンスの特色は残されているようだ。

テーマと共に所属カードも増え、新たな個性を得つつ強力な新規カードも登場し、アニメでもプッシュされた。
OCG第9期を経て、風属性はまさに追い風に乗ったが如く全速前進する事となったのだ。



☆主な風属性テーマ☆


+ 原作・アニメシリーズ出身テーマ
●「ハーピィ
ご存じ孔雀舞の十八番。セクシーな女性型の鳥獣族と彼女らのペットであるドラゴン族で構成されている。
お馴染みの魔法・罠除去や華麗なる分身に加え、現在はシンクロ・エクシーズリンクと多彩な戦術を披露できる。
原作出身カード故か、わりと高頻度で関連カードをもらえている優良テーマ。


●「妖仙獣
伝説を生む男、ネオ・ニュー・沢渡が使用したテーマ。
デザインモチーフは妖怪であり、一斉にフィールドに現れて相手の場やライフを荒らしターン終了と共に姿を消す様はまさに変幻自在の妖怪の如し。
堅実なメタビート型とロマンあるペンデュラム召喚型、2つの戦術が楽しめる。


●「SR(スピードロイド)
上記のユーゴが使用した風属性・機械族統一テーマ。地味に「ロイド」であり、あちらのサポートを享受できたり新規カードの効果に影響を与えたりしている。
高い展開力からのユーゴー……ではなくシンクロ召喚を主体としている。ランク3エクシーズ?なんのことやら。
関連カードのドラゴンたちも含め、テーマ名を問わずに使える風属性サポートや汎用風属性を多数輩出した風属性デッキの救世主。


●「WW(ウィンド・ウィッチ)
ユーゴの幼馴染である少女、リンが使用した風属性・魔法使い族統一テーマ。
バーンを主体としたテーマであり、《WW-アイス・ベル》を使った連続シンクロ召喚で耐性付きの大型シンクロを呼び出す戦術が強力。
SRと共に、OCG第9期以降の風属性の方向性を決定付けた開拓者にして風属性デッキ隆盛の立役者といえる存在。


●「LL(リリカル・ルスキニア)
黒咲さんの妹、黒咲瑠璃が使用した風属性・鳥獣族統一テーマ。同じ鳥娘でもセクシー路線なハーピィと異なり可愛さを重視したようなデザイン。
RUMを使う事でより高いランクを目指すRRとは対照的にレベル・ランク1のモンスターを主体としたテーマとなっている。
しかし小鳥と侮る事なかれ。鉄獣戦線や2021年に追加された新規カードを組み込んだ構築は環境でも結果を残す程の高いデッキパワーを持つ。


●「B・F(ビー・フォース)
格差社会の打破を目指す革命家、シンジ・ウェーバーが使用した風属性・昆虫族統一テーマ。
連続攻撃やバーンを以って相手を襲撃し、ライフ・アドバンテージを奪いにかかる攻撃的なモンスターが多いのが特徴。
長年関連カードに中々恵まれなかったコモンズの昆虫族使いたちにとって、彼女らの登場はまさに革命の嵐となった。


+ DUEL TERMINAL収録テーマ
●「霞の谷(ミスト・バレー)
DT産の風属性テーマの1つ。自分・相手問わず場のカードを手札に戻す当時の風属性らしい効果を持ったカードが多い。
早い段階でDTから姿を消したため所属カードはあまり多くなく、後続の風属性テーマと比べるとややマイナーか。
しかし《霞の谷の巨神鳥》や《霞の谷のファルコン》などの侮れないカードも存在する。


●「ドラグニティ
DT産の風属性テーマの1つ。ドラゴン族と鳥獣族で構成され、「装備」をキーワードとする。
装備カード化した《ドラグニティ-ファランクス》などのモンスターを過労死させて更なるモンスターの特殊召喚に繋ぐ戦術が特徴。
DT産テーマで初めてストラクチャーデッキが作られたテーマでもあるが、その内容は当時かなりの物議を醸した(リメイクの「R」では改善)。


●「ガスタ
DT産の風属性テーマの1つ。デッキから特定のモンスターを特殊召喚する「リクルート」が主体のテーマ。
ガスタの巫女 ウィンダ》や《ガスタの静寂 カーム》などの美少女カード、いわゆる「アイドルカード」の存在が有名。
エースの《ダイガスタ・スフィアード》を使い、同胞に自爆特攻を強いる少々残酷でトリッキーな戦術も有名。


+ その他OCGオリジナルテーマ
●「音響戦士(サウンドウォリアー)
楽器をモチーフとした風属性・機械族統一テーマ。
シンクロ召喚などの様々な召喚法をアシストするのが得意であり、デッキ構築次第では多種多様なモンスターを呼び出せる。
追加カードが来るまではチューナーモンスターしか存在しなかった時期もあり、後の召喚獣のような「出張前提のテーマ」の開祖といえる存在かもしれない。


●「幻獣機
テーマ名を冠した「幻獣機トークン」などのトークンを駆使して戦う、戦闘機をモチーフとしたミリタリーな風属性・機械族統一テーマ。
他所のカードとの組み合わせ方次第で様々な戦術を用意できるが、その分扱いが容易ではない玄人向けなテーマ。
水晶機巧-ハリファイバー》現役時は《幻獣機アウローラドン》と《幻獣機オライオン》のセットが多種多様なデッキに出張し活躍していた。


●「マジェスペクター
東洋の幻獣をモチーフとした風属性・魔法使い族のペンデュラムテーマ。どう見ても獣族なのに種族設定おかしいって? 遊戯王ではよくあることである。
所属モンスターの多くが「相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない」耐性を持っているのが特徴。
新マスタールール施行前はデッキとしても強かったが、中でも禁止カード化した《マジェスペクター・ユニコーン》の鬼畜っぷりで知られる。


+ 属性は統一されていないが、風属性が多く属するテーマ
●「アームド・ドラゴン
ドラゴン族のLVモンスター及びその関連カードが属するテーマ。
一部はアニメGX・漫画版GXで万丈目に使用され、彼をイメージしたリメイクモンスター「アームド・ドラゴン・サンダー」の登場時は大反響を呼んだ。
ほぼ全員が風属性だが、ダークモンスターの《ダーク・アームド・ドラゴン》が闇属性である他、光属性の派生・リメイクカードが計3枚存在する。


●「シムルグ
鳥獣族の最上級モンスターを主体としたテーマで、魔法・罠カードに関する効果を持つものが多い。
風属性初のストラクチャーデッキ「烈風の覇者」のパッケージを飾った《神鳥シムルグ》を開祖とし、13年の時を超えテーマ化を果たした。
ほぼ全員が風属性だが、《ダーク・シムルグ》の関連カードは「効果によって風属性としても扱う闇属性」となっている。


●「霊獣
「霊獣使い」と「精霊獣」が合体し「聖霊獣騎」となるテーマ。初出はブースターSPだがDT世界と繋がっており、ガスタの末裔たちが主役のテーマである。
合体と分離、除外と墓地送りを繰り返し戦う動きはまさに複雑怪奇で、使いこなすには慣れやデッキに対する理解、さらに言うなら愛が必須となるだろう。
ブースターSPが初出のカードは風属性で統一されているが、現在は《聖霊獣騎 ガイアペライオ》《精霊獣使い レラ》など光属性のカードが存在している。


●「ふわんだりぃず
渡り鳥の冒険物語を描いた、一風変わったデザインのテーマ。水属性と風属性の鳥獣族で構成されている。
特殊召喚のメタを張りながら自分らは効果によって追加された通常召喚を連打して展開すると、戦い方まで一風変わったものとなっている。
ファンシーでかわいらしい絵柄ながら高いデッキパワーを持った強力テーマであり、環境でも度々結果を残している。



☆主な風属性モンスターたち☆


砦を守る翼竜
原作主人公のが使用したモンスターの1体で、原作漫画において初めて登場した風属性モンスター。とりでをまもるよ
原作では飛行能力により35%の確率で攻撃を回避できる特殊能力を持ち、その際のやり取りや何ともいえない数値を度々ネタにされる。


八汰烏
「ヤタロック」の通称で知られる恐怖のドローロック効果を持つ、元祖禁止カード。
ちなみに鳥獣族ではなく悪魔族。その所業はまさに悪魔のようであった。


風霊使いウィン
霊使いの風属性担当。
かわいい。


《烈風の結界像》
結界像の風属性担当。結界像の共通効果の通り風属性以外の特殊召喚を封じるが、風属性は属性としてはマイナー気味なため結界像の中でも拘束力は強い。
その拘束力と《RR-アーセナル・ファルコン》(ランク7)や《王神鳥シムルグ》で出せる種族が災いし2023年1月から結界像唯一の禁止カードに指定される事態に。


E・HERO エアーマン
漫画版GXに登場したE・HERO。詳しくは項目にて。
ガジェットに通じる汎用性の高い効果から当時は【HERO】系列以外のデッキでも採用され、名前を皮肉り「空気の読めない男」呼ばわりされる程に大流行した。


《風帝ライザー》
帝モンスターの風属性担当で、ドローロックにもなるデッキバウンス効果を持つ。後に第9期で進化形態の《烈風帝ライザー》と家臣の《風帝家臣ガルーム》も登場。
当時はデッキトップバウンスが強力だったために制限カードにまで指定された他、GOLD SERIESに一番最初に収録された名誉ある帝モンスター。


輪廻天狗
EXTRA PACK 2012で来日した海外新規カードの1枚。
条件の緩いリクルート効果を持っており、海外の環境で大暴れ。その結果なんと来日前に準制限カードに指定されるという前代未聞の事態に。


《嵐征竜-テンペスト》
《風征竜-ライトニング》
征竜の風属性担当。
固有効果が他の3体のような汎用効果ではなく風属性サポートでもなくドラゴン族サポートであり、当時泣いた風属性デッキ使いがいたとかいないとか。


《怪粉壊獣ガダーラ》
壊獣の風属性担当。レベル8の昆虫族で、攻撃力2700守備力1600。
《烈風の結界像》を突破できる属性とサーチの容易な種族、ガスタの自爆特攻1キルや《風霊媒師ウィン》の効果の射程範囲にギリギリ届かない攻守を持つ。


朔夜しぐれ
妖怪少女の風属性担当。相手が特殊召喚したモンスターの効果を無効にでき、さらにそのモンスターが場を離れるとそのモンスターの攻撃力分ダメージを与える。
手札誘発の無効カードとして有名な《エフェクト・ヴェーラー》と《無限泡影》が競合相手となるが、彼女らとは属性やバーン効果で差別化したいところ。


E・HERO フレイム・ウィングマン
アニメGX主人公、遊城十代のフェイバリットHERO。
右腕から炎を飛ばす攻撃方法も攻撃名「フレイム・シュート」も完全に炎属性の様相だが、実は風属性のモンスターである。


スターダスト・ドラゴン
アニメ5D's主人公、不動遊星のエースモンスター。歴代主人公のエースモンスターで唯一の風属性でもあるふつくしいシンクロモンスター。
破壊効果をカウンターできる汎用シンクロだが、主人公のエースというだけあってサポートカードや進化形態も多く、専用デッキの構築も楽しめる。


クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
ユーゴの切り札。《青眼の白龍》と同じ攻撃力に加え、モンスター効果へのカウンターや攻撃力上昇の効果を持つためモンスター戦には滅法強い。
その強力な効果からシンクロ召喚主体のデッキや《アルティマヤ・ツィオルキン》を使うデッキにおける主力モンスターとしても人気のカード。


コズミック・ブレイザー・ドラゴン
まさかのOCG化で話題を呼んだデルタアクセルシンクロモンスター。レベル・攻守共に風属性最高のステータスを持つ
《神の通告》《神の宣告》《攻撃の無力化》を思わせる相手の行動を抑え込む強力な効果を持った、シンクロデッキにおける1つの到達点及び切り札である1枚。


《ハーピィ・レディ・SC》
《ハーピィ・レディ》のリメイクモンスターにして必殺技カード。貴重な「特定のカードをチューナー扱いでシンクロ素材にできるシンクロモンスター」でもある。
このカードの収録パックには城之内に縁のある人物の所有カードをEXモンスターにリメイクしたカードが収録されているが、シンクロ担当は風属性である彼女。


迅雷の騎士 ガイアドラグーン
「特定のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できるエクシーズモンスター」の1体で、ランクが5か6のエクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚が可能。
聖刻や《No.61 ヴォルカザウルス》とのシナジーで大暴れしたせいか、以降の「重ねてエクシーズ」モンスターは条件や制約が厳しめなものが増えた。


鳥銃士カステル
対象の表側モンスターを裏側守備表示にしたり、表側カードをなんでも1枚デッキバウンスしたりできる汎用ランク4エクシーズ。
その扱いやすい除去能力で《交響魔人マエストローク》などのこれまでに出た多くのランク4エクシーズの居場所を奪ってしまった罪作りな1枚。


《王神鳥シムルグ》
鳥獣族を含むモンスター2体以上でリンク召喚できるシムルグのリンクモンスター。3つの効果を持ち、特にエンドフェイズに鳥獣族を特殊召喚する効果が強力。
《烈風の結界像》や《霞の谷の巨神鳥》を自身のリンク先に出して相手の動きを強く阻害する動きを危険視され、TCGでは禁止カードに指定されている。



☆主な風属性サポート☆


《ドラゴンフライ》
属性リクルーターの風属性担当。かつては【アームド・ドラゴン】デッキなどで採用され、アニメGXでも万丈目が同デッキに投入していたのが確認できる。
トンボのモンスターなのに英語名をカマキリにされたり初期のゲーム作品で炎を吐くドラゴン扱いされたりと、珍妙なキャラ付けに定評がある。


《風の精霊ガルーダ》
《シルフィード》
墓地の風属性1体を除外すると手札から特殊召喚できるレベル4モンスター。召喚条件は全く同じなのでステータスや効果の差でどちらを採用するか決めたい。
鳥獣族を活かせる【ドラグニティ】などでは前者が優先され、後者は貴重な種族から【風属性】デッキで《スモール・ワールド》を使う際の中継役に適する。


《女忍者ヤエ》
手札の風属性モンスターを捨てると相手の魔法・罠を全てバウンスする効果を持つ忍者モンスター。ちなみに元ネタはこの人
当時では貴重な風属性に関する効果を持ったカードであり、《神鳥シムルグ》とのシナジーからストラクチャーデッキ「烈風の覇者」にも収録された。


ウィンドフレーム
風属性の最上級通常モンスターアドバンス召喚する際に、このカード1体で2体分のリリースコストに使えるダブルコストモンスター
詳しくは項目参照。どうしてこうなった。


《風霊神ウィンドローズ》
霊神の風属性担当で、《ハーピィの羽根帚》と同等の魔法・罠除去効果を持つ。見た目がちょっとキャベツや葉牡丹っぽい。
除去効果自体は弱くはないがこのカードを活用できるデッキや環境に恵まれず、同弾同レアリティの征竜目当てのプレイヤーからハズレア扱いされた悲しきカード。


ガスタの神裔 ピリカ
召喚・特殊召喚時に墓地の風属性チューナーを効果無効の状態で蘇生するレベル3モンスター。
ガスタやSRといったシンクロ主体の風属性デッキで活躍するスーパー幼女。


《SRタケトンボーグ》
SRの一員で、風属性が場に存在すると自身を手札から特殊召喚できる。
そのターン風属性以外の特殊召喚を封印する代わりにSRチューナーを特殊召喚できる効果も持ち、風属性デッキの展開をサポートしてくれる。


《WW-スノウ・ベル》
風属性が2体以上並んでいると特殊召喚できるWWのチューナーモンスター。
さらにこのカードを使って出した風属性シンクロモンスターに効果破壊耐性を付与する効果もあるため、攻撃力の高い大型モンスターに繋げたい。


風霊媒師ウィン
新たな力を得てレベルアップを果たした《風霊使いウィン》。
風属性に関する2つの効果を持っており、特に守備力1500以下の風属性をサーチできる効果が強力。


《SRカールターボ》
SRの一員で、風属性が場に存在すると自身を手札から特殊召喚できるが、こちらはターン終了時まで風属性以外の効果発動を封じるデメリットがある。
その代わりに墓地から他のSRと共に除外すると場の風属性全員の攻撃力を800アップする効果を持つため、攻勢をかける際に重宝する。


《SR吹持童子》
SRの一員で、場の風属性を参照する手札補充効果と墓地から自身を除外する事で場の風属性モンスターのレベルを下げる効果を持つ。
単純にレベル4チューナーとしても扱いやすく、《SRタケトンボーグ》や《HSRカイドレイク》あたりと共に他所の風属性デッキに出張させる事も可能。


《魔救の奇跡-ラプタイト》
アダマシアシンクロモンスターの風属性担当。自分の墓地に風属性モンスターが存在していると相手ターンに1度相手の墓地のカードを除外できる。
デッキの岩石族を掘り起こして特殊召喚するアダマシアらしい効果も持っているが、こちらの効果を風属性デッキで活用するのは難しいだろう。


ダイガスタ・フェニクス
見た目が某オエー鳥みたいなガスタのエクシーズモンスター。
効果を使うと自身を含む風属性モンスターが2回攻撃できるようになり、かつての環境デッキ【代行天使】で使用された実績も。


●《電光千鳥》
レベル4の風属性2体で出せるエクシーズモンスター。エクシーズ召喚時にはデッキの一番下に、起動効果でデッキの一番上に、それぞれカードをバウンスできる。
《風帝ライザー》と《風霊術-「雅」》の両方を思わせる効果を併せ持つ、実に風属性モンスターらしい1枚。


《グレートフライ》
属性強化リンクモンスターの風属性担当。相反する地属性モンスターを弱体化しつつ、強化と回収という2つの効果で風属性をサポートする。
当時は対となる《ミセス・レディエント》が早々に出た癖にマーカーが下向きの汎用風リンクは皆無という超逆風状態だったため、風属性使いたちから大歓迎された。


《蒼翠の風霊使いウィン》
リンクモンスター化を果たした《風霊使いウィン》。相手墓地の風属性を奪う効果に加え、被破壊時に守備力1500以下の風属性をサーチできる効果を持つ。
6人いるリンク霊使いの中でも特に高額な事で知られ、最も貴重な20thシークレットレア仕様は2023年12月時点で1枚20万以上の値が付く超レアカードとなっている


《デザートストーム》
風属性モンスターの攻撃力を500ポイントアップ、守備力を400ポイントダウンさせるフィールド魔法。
登場当時の第2期はともかく現在はマイナーなカードだが、全体強化は馬鹿にならない。他属性と比べると風属性がマイナー故に逆利用される頻度も低め。


《霞の谷の神風》
場の風属性モンスターが手札に戻るとデッキから風属性モンスターを特殊召喚できるフィールド魔法。
当時では貴重な風属性サポートであったが、《重爆撃禽 ボム・フェネクス》などを使った1キルデッキを生み出してしまい、制限カード化(後に緩和)。


《ガルドスの羽根ペン》
墓地の風属性2枚をデッキに回収しつつ、場のカード1枚をバウンスする魔法カード。
ガスタや《スターダスト・ドラゴン/バスター》などのデッキに戻す事に意味のある風属性を回収できるとより良い。


《サモン・ストーム》
手札の風属性モンスターを特殊召喚できる2つの効果を持つ魔法カード。
基本的には《二重召喚》で充分だが、レベル5・6の上級モンスターも出せる点で差別化したい。


《風霊術-「雅」》
風の霊術。風属性モンスターを1体リリースし、相手の場のカード1枚をデッキの下にバウンスする罠カード。
罠カードなのでサクリファイス・エスケープで使いたいところ。


《ハーピィの羽根吹雪》
正確には「風属性の鳥獣族」のサポートカード。
【ハーピィ】や【LL】など採用できるデッキは限定されるが効果自体は非常に強力。


《SRデュプリゲート》
墓地の風属性を除外して相手のカードをバウンスする効果と、場のSRのレベルを1つ下げてレベル1チューナーモンスターとして特殊召喚される効果を持つ罠カード。
OCG第11期にてようやく登場した、風属性初にして2023年12月の現時点で唯一の罠モンスター



☆作中の主な風属性使い☆


DM
孔雀舞(ハーピィ)

GX
バードマン


ZEXAL
蝉丸、蚊忍者(軍蚊)

ARC-V
ユーゴ(SR)、リン(WW)、黒咲瑠璃(LL)、沢渡シンゴ(妖仙獣)、シンジ・ウェーバー(B・F)

VRAINS
ウィンディ(嵐闘機)、道順健碁


上記の他、GXの三沢大地は作中で使用する機会は無かったものの風属性デッキを所有している事が本人の口から語られている。
そのためTAG FORCEシリーズやWCS2008などのゲーム作品で「空気」ネタ要素を拾いつつ風属性デッキや本編未使用の風属性モンスターを使用する事がある。

また、「疾走」のイメージからか5D'sのD・ホイーラーは他属性を多用しつつもエース・切り札ポジションとして風属性の高レベルモンスターを使用する事がある。
上記の《スターダスト・ドラゴン》の他、炎城ムクロの《スピード・キング☆スカル・フレイム》やボマーの《ジャイアント・ボマー・エアレイド》などが該当する。



☆その他☆


OCG第11期では風属性使いをテーマにしたデュエリストパック「疾風のデュエリスト編」が発売されたのだが、その人選が話題となった。

●ユーゴ(ARC-V)
●黒咲瑠璃(ARC-V)
シェリー・ルブラン(5D's)

前者2人はともかくシェリーは意外なチョイスであり、デュエリストたちを驚かせた。
彼女はエースの《フルール・ド・シュヴァリエ》こそ風属性であるが、風属性を主体としたデッキを使用していたわけではないからである。
この人選は、アニメ作中の風属性使いがARC-Vに大幅に偏っていたために3人目を他作品から選びつつ、舞などの過去に推された人物を選外にした結果なのだろう。
一応シェリーはライディングデュエルなどの風に関連付けた物事や言い回しを好むキャラクターではあるので、意外ではあるがミスマッチでは無い。

ちなみに、彼女の新たな切り札枠として登場した《フルール・ド・バロネス》は高い汎用性を持つ強力なシンクロモンスターである。
属性も当然風属性であり、風属性シンクロデッキの新たな主力モンスターとして歓迎される事となった。


これまで語ってきた通り属性としてはややマイナー気味な風属性だが、実はレギュラーパックの表紙を飾る頻度は意外と低くないという特徴がある。
圧倒的に機会の多い光・闇属性には到底敵わないものの、他の3属性と比較するとその機会は目に見えて多い。というより光・闇に偏りすぎて他が少なすぎ……。
特に目立つのはOCG第6期第7期と第11期で、やはりというべきか半数近くが《スターダスト・ドラゴン》関連のカードである。
また、第11期で表紙を飾った3枚の風属性モンスターは全て過去作品に登場したカードの派生・進化形であるが、同時に全てドラゴン族モンスターでもある。
近年のレギュラーパックは高頻度でドラゴン型のモンスターが表紙を飾る傾向にあるため、他の3属性よりドラゴン族の多い風属性が得をした形になっている。
しかし中にはドラゴン族ではない《ジャンク・バーサーカー》や《エクスコード・トーカー》といった変わり種も存在しているのが面白いところ。

ちなみにデッキビルドパックなどの番外パックや構築済みデッキではこの通りとはならず、他の3属性に立場逆転されている場合が多い。
リンク3コード・トーカーが唯一パックの表紙を飾った属性だが、裏を返せば唯一ストラクやスターターデッキの表紙を飾れなかった属性でもあるのだ。



駆け抜ける疾風!
輝く追記を翻し、勝利の修正をその手に!!
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最終更新:2024年01月02日 18:11

*1 例:《氷結界の龍 ブリューナク》と《ミスト・ウォーム》、《氷結界の虎王ドゥローレン》と《霞の谷の雷神鬼》