ユニコーン(伝承)

登録日:2011/06/27 Mon 16:17:04
更新日:2025/04/12 Sat 09:14:28
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おお これは現実に存在しない獣だ
人々はそれを知らなかったのに 確かにこのけものを
──その歩くさまや たたずまい そのうなじを
またその静かなまなざしの光に至るまで──愛しているのだ。


ユニコーンは良く知られた伝説上の獣である。

■変遷

元々、古代ギリシアでインドには一角のいろいろとすげぇロバがいるという話があり、
これがギリシア語で一本角を意味するモノケロースと呼ばれていた。
(ラテン語に翻訳すると一本角を意味するウーニコルニス、そしてそれを英語にするとユニコーン)

ここまでなら古代ギリシアで知られていたインドの怪物だったのだが、
旧約聖書をヘブライ語からギリシア語に翻訳する際、ヘブライ語の野が誤解からモノケロースに翻訳されてしまう。
聖書のありがたい聖獣へとまさかクラスチェンジ。

そしてインドの伝承から、一本角をもつ仙人リシュヤ・シュリンガと王女シャーンターの要素が取り入れられる。
娼婦が誘惑するバージョンの伝承もあるが、せっかくだから聖獣には徳高い王女に惹かれるバージョンを選ぶぜとなったのかもしれない。
こうして、ユニコーンは処女厨属性を手に入れた。


■姿・形

基本的にライオンの尾、牡ヤギの顎髭、2つに割れた蹄と、最大の特徴である螺旋状の筋の入った大きな角を持つ白馬が一般的となっている。
しかし、意外と諸説あり、角は曲線だったり、後ろに伸びてる姿の伝承もある。

中にはゾウの脚、猪の尾 という伝承もあったという。
サイと混同しているんじゃないだろうか。

現在では、翼の生えた天馬(ペガサス)とごちゃ混ぜになって、翼と角が生えた白馬なんかがかなり多い。見た目も格好良いしね。


■性格・生態

綺麗な見た目とは裏腹に力強く獰猛。
加えて勇敢で、子供を守るためにゾウ程大きい動物や狩人達に囲まれても逃げようとせず、その角を武器に立ち向かう漢である。

角は常に岩を使って研いでいるらしく、ゾウを突き殺せるとも。
そんな角を使った薬は非常に効き目があり、には勿論、癇癪等の精神的な物にも効く優れ物とか。
特に日々毒殺の恐怖に晒されていた中世貴族にとって、ユニコーンの角で出来た杯は垂涎の的であったという。
「肉を食べたことがあるぜ!」という記述も幾つかあるが、非常にうまいとかとても苦いとか、はっきりしたことはわからない……

ユニコーンの角という触れ込みで、北極海の良く分からん生物(イッカク)の角*1が乱獲されて流通したりもした。
東方見聞録』にはユニコーンを見たとの証言があるが「思ったより鈍重な体つきをしていた」とされており犀(サイ)のことではないかと言われている。
なお、犀の角は漢方で解熱・鎮静・解毒薬に珍重される。

伝説では人の力によって「殺す事」は出来るが、「生け捕り」は難しいらしい。
何故なら、万が一生け捕りに成功しても怒り狂って自殺してしまうからである。

プライドが高いなんてレベルじゃねえ。


褐色だったりした毛色が一時期あったが、白に戻ったのも、美しく気高いものには白が似合うからかもしれない……。




白馬の一角獣を知る方、追記・修正お願いします。


-それは-
-可能性の獣…-


















さて、堅苦しい話はおいといて、本題に入ろう。


先程生け捕りは難しいと言ったが、難しいだけであってユニコーンを捕まえる事は可能である。その方法は、



純潔を保っている未成年の女性を住み処の森や洞窟に置いていく方法


つまり我々の言語で翻訳すると、



ハニートラップ

である。


そうするとしばらくすると、このビンビンにそそり立った一本モノ処女の臭いを嗅ぎ付けて幼女の元に来るらしい。

ちなみにこの時、獰猛なはずの性格は猫を被って、とてもおとなしいらしい。
白馬からくるイメージ故に気高き紳士然とした描写をされることも多いが、よもや羊ならぬ白馬の皮を被った狼さんだとは夢見る少女は想像すまい。

神話の皮を被った淫獣が……ッ!
そしてしばらくすると幼女の膝枕で眠りはじめるので、そこを捕らえる。そうするとあっさり捕まるとか。



なおこの作戦、途中で女性が処女ではないと分かると、ブチ切れて、騙した女性を八つ裂きにして殺るそうだ。

どうやらユニコーンは処女信仰らしい。


ユニコーン「処女じゃなかったからカッとして殺った。後悔はしていない」


そんな事もあり、ユニコーンは純潔、貞潔のイメージとされる一方、悪魔、憤怒の象徴ともされる。

なお、処女の判別法は魂の清らかさらしい。所謂「」だね。

……ん? 白い淫獣ってどっかで聞いた事が……?



その額から角が生えたのだ。一本の角が。
そして獣はひとりの少女に白い姿で近寄り
銀の鏡の中と彼女の中に存在し続けた

R・M・リルケ『オルフォイスへのソネット』より抜粋


なお、女装した上で香水も振りかけた男でも釣られるらしい。



◆ユニコーンをモチーフにしたキャラクター


◆ユニコーンをモチーフにした図柄





存在する必要すら持たなかった
人々は穀物ではなくいつもただ存在の可能性だけで
それを養った
それがその獣には大きな力となって
獣の額から角が生まれてきた

一本の角だった
R・M・リルケ『オルフォイスへのソネット』より抜粋

追記・修正は可能性だけで角を生やしてからお願いします
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最終更新:2025年04月12日 09:14

*1 実は角ではなく長い牙のようなもの