N・グラン・モール

登録日:2011/01/07(金) 11:10:21
更新日:2022/09/20 Tue 19:45:27
所要時間:約 4 分で読めます




N(ネオスペーシアン)・グラン・モール
効果モンスター
星3/地属性/岩石族/攻 900/守 300
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う
ダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターとこのカードを持ち主の手札に戻す。


【概要】

遊戯王OCGに存在するカード。
アニメ遊戯王GXに登場し、主人公遊城十代が使用する地属性のネオスペーシアン。

見た目はモグラだが、獣族ではなく岩石族なので間違えないようにしよう。
おかげでコアキメイルの維持コストとして見せる手札として使える。

E・HERO ネオス」とコンタクト融合で「E・HERO グランネオス」、
N・フレア・スカラベ」+「E・HERO ネオス」+「N・グラン・モール」によるトリプルコンタクト融合で「E・HERO マグマネオス」になる 。

効果名は「ドリル・モグル」


特筆すべきは、いかに強力なモンスターであろうと手札に戻してしまう鬼畜な効果。
相手モンスターと戦闘を行う際、ダメージステップ時にお互いを手札に戻す。

こちらから攻撃しても、表側表示で相手に攻撃された時も効果は有効。
裏守備のモンスターを攻撃した場合、表になる前にバウンスするのでリバース効果も発動させない。

さらに、この効果は対象を取らないため、カオス・MAXマジェスペクターのような「相手の効果の対象にならない」モンスターにも通用する。


考えても見て欲しい。

せっかく出した青眼の究極竜も融合E・HEROも、こいつに攻撃されるだけでバウンスされるのである。
召喚に手間のかかる特殊召喚モンスターを戻されると非常につらい。
エクストラデッキのモンスターだと再び出されてしまう可能性があるが、蘇生制限をリセットできるので蘇生・帰還をされずに済む。

また、自身も手札に戻る点がクセモノであり、何度でも利用可能。
フィールドに残らないので通常魔法やモンスターの起動効果による除去を喰らう心配が無い。

攻守は低いがバウンス効果のために気にならず、むしろ奈落に落ちない利点となる。

結果ついたあだ名が
鬼畜モグラ
糞モグラ
外道モグラ

etc…

……まあ否定はできまい。


【環境での活躍】

その脅威的な性能から、かつては非常に恐れられ、
サイバー・ドラゴンの特殊召喚の後にコイツが出たら詰みゲー』
と揶揄された時期もあった。他にも接戦でモグラが出てきた瞬間にギャラリーがため息をついたりすることも。

GXの頃は第5期シンクロ召喚が登場前である。
それほど特殊召喚の手段が発達していなかった、つまり「通常召喚の権利を用いて盤面を展開していく」というゲーム性だったことから、このカードで一度戦略の腰を折られると巻き返しが困難だった。
たとえば上記のサイドラモグラコンビなら、下級アタッカーではサイドラに勝てず、守備表示モンスターや上級モンスターを出してもモグラでバウンスされるという寸法である。
当時はまだ「相手にリクルーターやリバースモンスターを攻撃させて効果を発動させる」という戦略が強かったのだが、モグラがいれば発動すら許さない。
さらに当時のファンデッキは「非常に高いコストを支払っての特殊召喚で切り札を出して遊ぶ」というものだったのだが、それをあっさりと否定できる。頑張って出した《サイバー・エンド・ドラゴン》や《神鳥シムルグ》をモグラ1匹に否定されちゃゲームにならないのである。
今となっては考えられないだろうが、当時の遊び方を全否定するのに近いカードだった上に、今ほどテーマ間のシナジーが強くなかったのでどんなデッキにも違和感なく入れられる。
ファンデッカーはもちろん、一部のガチデッキ使いからすらも蛇蝎のごとく嫌われたものである。まったく毛色は違うが、駆け引きを否定する一方的なゲームを作り出す上に様々なデッキに入りうるという意味では《大寒波》や《王宮の弾圧》に近いかもしれない。

あまりにも鬼畜過ぎる効果のために07年3月1日から制限カードとなる。ネオスペーシアン唯一の規制である。
しかし制限カードになったところで《クリッター》《巨大ネズミ》などから簡単にサーチできるし、当時は割とゆっくりした環境だったので素引きすることも珍しくなかった。
そもそもサーチが容易なうえに1枚手札にあれば十分なカードなので制限カードにしたところであまり意味はなく、いさぎよくさっさと禁止してしまえという意見の方が強かったほど。
ただし結局「通常召喚権を用いてモンスターをバウンスする」という動きなので、低コストで高打点のカードを出してくるハイビート軸の【アトランティス】や【スキルドレイン】には意外と弱かった。

……が、第6期以降シンクロ召喚が登場したことで環境は一気に高速化。
召喚権を使って1体ずつバウンスするのでは除去が間に合わなくなっていった。

自身のバウンスでフィールドを開けてしまうのも問題であり、こいつを出すくらいなら主軸となるモンスターに召喚権を使って出来るだけ展開し、可能なら1ターンで勝負を付けてしまう戦い方が主流となった。
当時、多くのシンクロデッキの切り札だったブリューナクが手札を捨てることでいくらでもバウンスが撃てたことも向かい風だった。

こうして、召喚権を使用する点と破壊耐性の増加に対する抑止力としてか13年9月から準制限に緩和。
その後も採用率は下がったままだったので14年2月には無制限に帰って来た。

第9期に入るとペンデュラム召喚が実装。
召喚権を消費することなくモンスターを展開する手段が増え、このカードもより使いやすくなった。
さらなる鬼畜であるマジェスペクター・ユニコーンの登場で一時は役どころが危うくなったが、そちらは16年10月1日で制限、17年1月1日で禁止となっている。

モグラを使うなら召喚にリリースが要らない手軽さを活かしたい。
召喚権が余りがちなデッキでは有効であり「壊獣デッキ」に刺さっていることもある。

「対象を取らず手札に戻す」という効果自体は今でも強力なので、意外なところで使われて泣きを見る可能性はあるだろう。


ちなみに、同じく召喚権を使って除去を行うモンスターとして有名な「ならず者傭兵部隊」は、02年5月1日で制限入り、06年9月1日で準制限に緩和、07年3月1日で制限解除となっている。

C・モーグ


効果モンスター
星2/地属性/岩石族/攻 700/守 100
フィールド上に「ネオスペース」が存在する時、このカードを生け贄に捧げる事で手札またはデッキから「N・グラン・モール」1体を特殊召喚する。

《N・グラン・モール》の幼生と思しき姿。どうしてこのころ駆除しておかなかったんだ
このカードで特殊召喚したことのあるデュエリストは、おそらくモグラを使ったことのあるプレイヤーの1%にも満たないだろう。多分存在を忘れていた、むしろ知らない、という人もいるかもしれない。
「派生カードを使うよりも基本モンスターを単体で運用した方が強い」というのは、遊戯王GX時代のモンスターあるあるだった。
ただし実は「C(コクーン)」と「N(ネオスペーシアン)」は特化するとかなりやり手のデッキであり、《コンバート・コンタクト》などでドロー問題は解決でき、あの手この手でネオスペーシアンが蘇ってきては《生還の宝札》でドローできるのは十分な脅威だった。
その脅威を支えたのが、《N・ハミングバード》とこのモグラ。そのため「C」でデッキを組む酔狂なプレイヤーは、この《C・モーグ》を必ずデッキに入れていた。現在もエクゾディアと併用したデッキの動画がニコニコ動画に残っている。
ちなみに十代のように《E・HERO ネオス》のギミックを併用すると盛大に事故る。当時のテーマデッキってそんなのばっかだ。


コンタクト融合

仮にもネオスペーシアンなのでコンタクト融合形態が存在する。
グラン・ネオスには「相手モンスター1体を対象にし、手札に戻す起動効果」があり、一方で素材となるこちらは前述のとおり「バトルフェイズ中に放つ対象を取らない誘発効果」を持つので強みはケースバイケースである。
ただしほとんどの場合はモグラとネオスを別々に出して殴った方がよかったため、あまり使われることはなかった。ケースバイケースという言葉は大体、使用者から一笑に付される。
もちろんあれば便利だし、当時は融合デッキに上限枚数が存在しなかったので併用する場合は1枚持っておくべきカードだったのだが。イラストはめっちゃかっこいいんだけどね……当時の切り札モンスターってそんなのばっかだ。

【弱点】

当然だが、スキルドレイン禁じられた聖杯など 効果を無効にするカードには弱い。
特に、攻撃宣言時に効果を無効にされると手痛いダメージを喰らう羽目になる。

攻撃しなければバウンスできないため、攻撃反応型やフリーチェーンの除去に引っかかる。
次元幽閉」や「強制脱出装置」などに注意!

また、裏側守備表示の状態だとバウンス効果を使えないので、「月の書」や「皆既日蝕の書」には弱い。

その他「マインドクラッシュ」を使われると確実に当てられてしまう。
なお、相手のカードをバウンスする都合上、モグラとの相性もいい。


【アニメでの活躍】

VS銀流星
デビュー戦
巨大戦艦 ビッグ・コア」をバウンスし「ボスラッシュ」の効果による強固なループを破った。
この時はダメージ計算が行われた。
そのため何故ダメージ計算をOCGでオミットしたのかと嘆く人が続出。アニメで弱体化されると思われる強カードに限って逆に強化される遊戯王あるある現象の一つである。

VS斎王
ネオスとコンタクト融合して「グラン・ネオス」になり、「アルカナフォースEX−THE LIGHT RULER」をバウンスしようとするも、その逆位置効果でカウンターされて破壊された。

VSヨハン
守備表示にしたりとまだダメージ計算を行う効果のようだ。


VSプロフェッサー・コブラ
このターンで勝利しなければ敗北するという絶体絶命の窮地で「E・HERO マグマ・ネオス」となり、コブラを倒した。


VS岩の精霊タイタン
デュエルではなく(グランネオスとして)リアル召喚された 。
流砂に飲まれ行く潜水艦を持ち上げ、「岩の精霊 タイタン」に潜水艦(内部に十代たちが潜入中)を叩き付けるというかなりの活躍をしている。
……十代達はよく無事だったな……。


VSゾンビ万丈目
グランネオスになり、融合モンスター「闇魔界の竜騎士ダークソード」をバウンス、万丈目にトドメをさした。


VSユベル
「ユベル」をバウンスしに掛かったが、満足御用達キャード「ヘイト・バスター」によって破壊された。


VSミスターT
開幕で未来融合→龍の鏡で特殊召喚された「F・G・D」をバウンスしに掛かった。しかしミスターTのスキルドレインによってモンスター効果を無効にされ返り討ち、無事死亡した。
アニメのライフ4000ルールで4100ダメージを受けて十代が後攻1ターン目に負けてしまうという絶体絶命の展開に対し、当時の実況スレは「ざまああああwww」という歓喜の声一色。
カードとアニメは別物として楽しむという層からも「これはさすがに仕方ないと思う」と苦笑されるなど、完全にヒールポジションだった。当時のモグラの嫌われぶりを示す一件。


VS武藤遊戯
「ヒーローズ・ギルド」の効果でドロー、「コードチェンジ」の効果で「ヒーローズ・ギルド」のテキストを岩石族に変更し、手札に加えようとした。
が、「精霊の鏡」によってカウンターされ墓地に送られた。

その後、「ミラクル・コンタクト」により「E・HEROマグマ・ネオス」にコンタクト融合された。

「E・HEROマグマ・ネオス」の攻撃を「魔法の筒」で跳ね返そうとした遊戯に対し、「コンタクト・アウト」で融合解除され、再び場に特殊召喚されるも、ブラック・マジシャン・ガールと一緒に「黒魔族復活の棺」のコストにされた。
もしかしなくても一番厄介だと警戒されたのだろう。



【余談】

四期OPにて、カードエクスクルーダーとネオスペーシアンが映る部分があるが、こいつだけいなかった。
禁止化の噂も流れたが、実際にはエキスパートルールからマスタールールへの移行でエクストラデッキの上限枚数が制定されてしまう。
つまり事実上禁止になったのは十代の融合HEROだったという痛烈なオチがついてしまった。

本当にそれくらい嫌われたカードであり、当時のファンデッカーはこのカードを使わないことをマナーにしていたほど。
「はいはい、「地砕き」、「地砕き」……」というネタが示すように、当時の遊戯王は出すのが難しいくせに除去耐性が皆無というカードを軸にしたゲームだった。
モグラを許してしまうとこういったカードを使う意味がなくなってしまい、モグラに耐性のあるデッキ、たとえば【スタンダード】のような無個性なデッキしか使えなくなってしまう。
せっかくたくさんカードがあるのに使えるカードが少なくなるのは面白くない、ということで生じた一種の紳士協定である*1

しかしあくまでもマナーはマナー。「ルールで違反していないことをして叩かれるのはおかしい」「勝敗を決めるゲームで勝利のために動いて何で叩かれるんだ」という意見との衝突を起こしやすかった。
こういったマナー面の問題を一気に解決したのが、主人公がガチデッキを使う「遊戯王5D's」。特に【BF】を駆るクロウ・ホーガンは分かりやすい。使えば勝って当然レベルのガチデッキを使うキャラクターが面倒見のいい熱血好青年というのは、当時の遊戯王としては非常に衝撃的だった。
そしてクロウの真似っこをするだけでガチ遊戯王の面白さに触れることができ、遊星の【シンクロン】、鬼柳の【インフェルニティ】といった形でガチデッキを使う人気キャラが増えていく。
そしてテーマデッキのシナジーを強化していくことでファンデッキとガチデッキの壁を崩してこの手のマナー問題を解消し、そのころにはモグラはデッキから抜けていくようになった。

いわば《N・グラン・モール》は当時の対戦ゲームのバランスの未熟さや、それが生み出したマナー問題とともに歩んだカードだった。
この時期があるから、今の様々なテーマデッキが殴り合う環境が生まれた。いわば遊戯王の歴史に一石を投じたカードだったのである。


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最終更新:2022年09月20日 19:45

*1 こういった「バランスブレイカーを自粛する」という行為は当時の対戦ゲーでは一般的であり、格闘ゲームからポケモンに至るまで強いキャラクターは自粛することが多かった。競技性の極めて高いMTGですら、あるコンボデッキが暴れまわった頃はそのキーパーツを自重して遊ぶということが行われていたほどである。これについての是非はともかくとして、当時はどんなゲームにもバランスブレイカーが多かったのでプレイヤーが対処するのが普通だったのだ。