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強制脱出装置(遊戯王OCG)

登録日:2014/05/15 Thu 00:28:07
更新日:2026/06/20 Sat 07:44:40
所要時間:約 7 分で読めます





《強制脱出装置》とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

《強制脱出装置/Compulsory Evacuation Device》

通常罠
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に戻す。



概要

第3期パック第7弾パック「暗黒の侵略者」で登場した通常罠。略称は「強脱」。

効果は実にシンプルで、フィールド上のモンスター1体を手札にバウンスするというもの。
相手モンスターに使った場合、一時的にフィールドから離すことで相手を妨害できる。
罠カードなので発動まで一歩遅れるものの、フリーチェーンなので伏せた次のターン以降いつでも発動できる。
王宮のお触れ》や《トラップ・スタン》にチェーンして発動すれば無効化されずに済む。

また、破壊ではないので、《スターダスト・ドラゴン》や《魔王龍 ベエルゼ》など破壊耐性を持つモンスターにも強い。
戻らないのは《E・HERO(エレメンタルヒーロー) ワイルドマン》のような「罠カードの効果を受けない」モンスターや、《蛇神ゲー》のような「効果の対象にならない」モンスターなど一部のみ。


イラストでは《ギガ・ガガギゴ》が脱出させられている。
コザッキー》の強化実験に失敗し、暴走する前に飛ばされたのだろう。


活用法

メインデッキに入るモンスターを戻した場合、手札に戻るため直接的なアドバンテージにはならないが、特殊召喚にコストが必要なモンスターなどを戻せば、結果的に相手に損害を与えたり、相手のテンポを崩すことができる。
墓地やデッキから特殊召喚するのがメインのモンスターなら、戻った手札から処理しなければならないため、より無力化できることも。

一方、《裁きの龍》や《ダーク・アームド・ドラゴン》など、条件を満たしていればコスト無しで特殊召喚できるようなモンスターにはあまり効果がない。
消費枚数は多くなるが、《マインドクラッシュ》などと併用すれば墓地へ叩き落とすことはできる。

儀式モンスターは特殊召喚にコストを要求することが殆どなので、アドバンテージを得やすい。
しかし、手札から発動する効果を持つ「影霊衣」や《古聖戴サウラヴィス》などにはあまり刺さらないので注意。

なお、融合シンクロエクシーズリンクモンスターに対して撃つとEXデッキに戻る。
多くは2枚以上の消費を伴って出てくる切り札級のモンスターなので、再び出される可能性があるとはいえ、その素材を消費させられるのである程度の損失は与えられる。
リンクモンスターについては素材1体で出てくるものもあるが、切り札になるようなものは基本的に2体以上の素材が必要なので、やはりアドバンテージを奪うことが可能。

ちなみに、トークンに対して撃つことも可能で、その場合トークンは手札に戻らずに消滅する
トークンとして出てくるモンスターに強力なモンスターは少ないが、カイエントークンなど高ステータスなものもたまにある。

また罠モンスターにも大変有効。
手札に戻るだけでなく、展開を1ターン遅らせることができ、次の手も把握しやすいため、流れを持って行きやすい。


一方で、ペンデュラムモンスター相手には注意が必要。
一度破壊されEXデッキに送られたペンデュラムモンスターがP召喚された場合にそのモンスターを手札に戻すと、場合によってはせっかく倒して一旦は封じたP効果を再利用されてしまう恐れがある。
全てが全てではないが、こういったパターンはなくはないため、慎重に扱う必要がある。


変わった使い方では、相手モンスターだけでなく自分のモンスターにも撃つことができる
  • 相手による除去や戦闘破壊を受けそうになったモンスターを回収する
  • E・HERO エアーマン》のような、召喚時に発動する効果を持ったモンスターを使い回す
といった目的に使える。

また相手フィールド上に存在する「元々の持ち主が自分の」モンスターの場合は自分の手札に戻るため、《強制転移》でコントロールを渡したモンスターや、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》・「壊獣」を戻して再利用することもできる。

スキルドレイン》や《デモンズ・チェーン》を使われた時、モンスターの効果発動にチェーンして発動という使い方もある。
強引にフィールド上から離すことで効果を無効にさせないという戦術である。
効果が無効になっていてもモンスター効果の発動は可能な点を利用したものである。

ただし《エフェクト・ヴェーラー》や《ブレイクスルー・スキル》など、場に残らないタイプの無効化は注意。
モンスター効果発動に対してチェーンして発動された場合に関しては同じことができるが、通したいモンスター効果の発動前にすでに撃たれて適用されていた場合には、そのまま効果も無効になってしまうので気を付けよう。


評価の変遷

このカードが登場したのは第3期の終盤だったのが、当時はあまり評価が高くなかった。
モンスターの召喚時にこのカードを撃っても、優先権による起動効果発動を止められず、デッキの切り札となるモンスターはメインデッキに入るものが大半だったためである。
現に、当時のメタの中心が「帝」と「ガジェット」というところから分かるように、こんなもんでモンスターを対処したら効果を再利用されてしまう。
A召喚(当時は生け贄召喚)したモンスターをバウンスできればアドバンテージを奪えるものの、《人造人間-サイコ・ショッカー》には通用せず、便利ではあるが活用できる場面は限られていた。
そのためこの時期は《縮退回路》や《追い剥ぎゴブリン》を用いるデッキに使う程度といった感じで、あまり強いカードとは言えなかった。

ところが、第6期でS召喚が登場すると転機が訪れた。
シンクロモンスターに対して撃てば破壊と同等のアドバンテージを奪えるのである。
EXデッキに戻すのでもう一度出されてしまう危険はあったが、かつては広く採用されていた《スターダスト・ドラゴン》に対処できるのも評価を後押ししていた。
その後も、同じEXデッキ枠であるエクシーズモンスターの登場・増加により、強力な除去カードとしてその価値を上げている。

また、マスタールール2以降、起動効果は召喚時に優先権が戻るまで発動できなくなったため妨害能力が上昇。
フリーチェーンなのも利点であり、強力なモンスターが出た後からでも除去することができる。
他の除去カードを《禁じられた聖槍》で回避しようとしたのにチェーンして除去したり、相手モンスターの攻撃宣言時に発動することで1回の攻撃を確実に防ぐこともできる。
さらには召喚反応罠も攻撃反応罠も効かない《星態龍》や《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》をバトルフェイズ開始時で処理できる。
インフェルニティ】相手でカードをドローした瞬間に発動→《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》に無効にされることなく除去する、なんて芸当も可能。

こういう様々な使い方からどのデッキにも入り得る汎用罠だが、初登場以降何度か再録されており、入手難度はそこまで高くない。


汎用罠としては《奈落の落とし穴》と並ぶファンデッキ殺しだろう。
破壊を介さない除去であり、罠そのものか、対象を取る効果への耐性でも持っていなければ処理されてしまう。
最上位の神()である《ラーの翼神竜》も、戦闘以外で破壊されない《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》も、ありとあらゆる破壊を防ぐ《魔王龍 べエルゼ》も、全部これ1枚で除去されてしまう。
せっかく召喚した出しにくい切り札があっさりと飛んでいったのがトラウマになった決闘者も多い。
まあ、除去が強いのは遊戯王OCGの伝統ではあるのだが。

発動自体はフリーチェーンなので、このカードに対処できるモンスターでもその途中に妨害されることもある。
除去が怖いなら《ツインツイスター》や《砂塵の大嵐》であらかじめ掃除しておこう。


基本的に優秀なカードではあるが、モンスターの展開力は年を追うごとにインフレしており、単体除去一発では巻き返しできないような場面も見られる。

また《アポクリフォート・キラー》・《RRーアルティメット・ファルコン》・《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》などの耐性を持った高打点が何体も出現しており、そもそもこのカードが通用しないという場面にもしばしば出くわすようになった。

除去カードの選択肢は色々と豊富なので、あくまで自分のデッキとの相性や、環境内での役割を考えて採用するべきだろう。


なお、海外では環境と規制の傾向の違いもあり、制限カードに指定されていた事もある。


関連カード

《強制退出装置/Compulsory Escape Device》

通常罠
お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、
そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。
第8期最初のパック「RETURN OF THE DUELIST」で登場した通常罠。

こちらは自分のモンスターも一緒に戻す必要がある代わりに、手札でなくデッキへバウンスする。
使いづらさはあるものの、再利用させにくいという点ではあちらよりも強力。
また、《ヴェルズ・サンダーバード》などフリーチェーンで退避させられるモンスターを使っておけば、実質相手モンスターのみを戻すことができる。
ただし除去モンスターを選ぶのは相手のため、複数のモンスターが並んでいるような乱戦では使いにくいか。


この他にも未OCG化の亜種が2枚あり、
がある。
遊戯王Rで登場した《強制回収》も近い存在と言える。


ラッシュデュエル』では

罠カード(LEGEND)
【条件】自分または相手がモンスターを召喚・特殊召喚した時、
または相手が魔法カードを発動した後に発動できる。
【効果】自分または相手フィールドのモンスター1体を選んで持ち主の手札に戻す。
ラッシュデュエル』では同様の効果で、LEGEND枠として登場している。

ラッシュデュエルにおいては「破壊」以外の耐性がほぼ存在しない為、切り札の最上級モンスターやフュージョンモンスター、(状況は限られるが)マキシマムモンスターに対する強力な対抗手段として評価を受けている。
ラッシュデュエルは毎ターン手札が5枚になるようにドローする仕様のため、このカードで相手の手札を増やす事でドロー枚数を削れる所もいやらしい。
セルフバウンスコンボについてもOCG以上に利用価値が高く、召喚権無限というラッシュデュエルのルールを活かして下級モンスターの効果を再発動したりできる。

一方、
  • 相手ターン中に下級モンスターに撃ってもほぼ無意味
  • マキシマム召喚自体に撃っても無意味で、ターンを跨いでからの反撃にしか使えない*2
  • OCGと違いバトルフェイズには発動できない*3
といったようにOCGと勝手が異なる仕様が多いため、特にあちらでの感覚に慣れている人は誤認に注意が要る。


余談

鬼柳京介の中の人である小野友樹氏が、かっこいいオリジナル口上を述べながら《氷結界の龍 トリシューラ》をシンクロ召喚した直後、このカードで退場させられたことがあったとか
(もっとも《氷結界の龍 トリシューラ》は誘発効果のため、このカードだと効果発動までは止められないが)。
その際のエピソードから、このカードで手札に戻ったことを皮肉って「おかえり」なんて言われることも。

ガチすぎてアニメとは縁がないと思われがちだが、GXではデッキ破壊戦術の使い手であるエックスが十代とのデュエルで使用している。
ただし、戻された相手は下級モンスターの《N・グロー・モス》という比較的良心的(?)な使い方だった。




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最終更新:2026年06月20日 07:44

*1 正確にはマルコのカード。

*2 マキシマム召喚したモンスターをバウンスするとパーツ含めた3体がバウンスされるので、相手ターン中だと即座に再召喚されて無意味。後述の通りバトルフェイズには使えないのでバトルフェイズ中にバウンスして攻防一体の動きは不可能。

*3 発動タイミングは自分か相手のモンスターの召喚・特殊召喚及び相手の魔法発動時であり、OCGのようにバトルフェイズやエンドフェイズに撃つような使い方は不可能。