登録日:2022/05/03 (火曜日) 19:03:30
更新日:2025/03/09 Sun 01:50:55
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【概要】
「五馬鹿」とは小説「
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のレギュラーキャラにして、
ゲーム「アルトリーベ 〜聖女物語〜」一作目の攻略対象の男子達の総称である。
マリエ・フォウ・ラーファンと共に
リオンがアンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ(アンジェ)と交流を持ったきっかけを作った原因にして、ゾラ一家と並んで彼が望まぬ成り上がりの道を歩むことになる最初の元凶の一角となった存在。
彼らもまたオリヴィア(リビア)と同様に転生者たちの介入で運命が変わることになった人物たちで、初期はスペックこそ高いが自惚れやかつ傲慢で嫌味な性格で、
軽はずみな行動を起こした挙句に早々にリオンに惨敗して醜態を晒した末に報いを受けるという典型的なかませキャラであったが、
マリエに惚れていたことが原因で、マリエの男をダメンズ化させてしまう気質と金持ち&世間知らずの彼らの性格が相まって、
一応エリートという出自にあるまじき考えなしの暴走行動を繰り返し、リオンや王国はおろかマリエにすら迷惑をかけてはしっぺ返しを受け続けるという、いつしか存在そのものが面白いキャラへと変遷していった。
リオン曰く、彼らとマリエの生活は「人生を賭けたお笑い」との事。全くもってその通りなのが泣けてくる。
マリエを筆頭に周りを困らせる事ばかりするので、リオンから項目名のように「五馬鹿」「疫病神」の総称で呼ばれるようになる(地の文でも五馬鹿と書かれてる)。
【原作のゲームにおける五馬鹿】
いずれも王族や有力
貴族の跡取りで相応の英才教育により能力も高く、将来的に国の中枢を担う人物として、
女尊男卑が激しいホルファート王国でも例外的に女子生徒からアイドル的人気を誇る人望を誇っていたが、主人公にして人知れず「聖女」の血を引いていたオリヴィアと身分差を超えた恋に落ち、
やがて国の命運を賭けた壮大な戦いに身を置く事になる、というのが大まかなストーリーであった。
クリアまでの難所として、そもそも攻略キャラが揃いも揃って面倒な性格なので大半が攻略が難しく、
加えて戦闘パートでは癖の強い性能ばっかりだったためよく沈み、課金コンテンツ無しでクリアは困難だった。
よって生前妹に無理矢理代理プレイを徹夜でさせられた前世リオンは、やりたくもない野郎のご機嫌取りをやらされた事と、戦闘パートで足を引っ張りまくりクリアに支障をきたす原因となった五馬鹿に対して全くいい感情を抱いていなかった。
なお、ユリウス及び他の4名の先祖がリビアの先祖である聖女と共にホルファート王国建国の中心となったとされているが……?
【小説内における五馬鹿】
ゲームと同じく将来的に国の中枢を担う人物として周囲からは将来を期待されていたのだが、転生者であるマリエに篭絡され、
我慢の限界を迎えたアンジェリカがパーティーにてマリエに決闘を申し込んだ際も、国政も常識も度外視してマリエに肩入れする浅はかな行為に及んだ。
しかし、これを問題視したリオンに決闘で負けて廃嫡されてからは、実家の後ろ盾を失い、金や地位はないが、
世間知らず、甲斐性なし、金銭感覚のおかしさだけが残ったくせに無駄にスペックと行動力だけはある、上記のように馬鹿な行動を繰り返す
残念なイケメン集団と化した。
(ついでに自覚はないがアンジェリカへのあまりに薄情な言動から、本来結ばれるべき相手だったオリヴィアとの
フラグもここでへし折れている)
五馬鹿があまりにどうしようもない事やゲーム通りにいかない事もあって公国との
戦争の際にマリエは猫を被ることをやめるのだが、それでもマリエへの愛は冷めずに付きまとっている。
マリエからは「誰か引き取ってくれ」と思われるくらい辟易されているのだが、本人たちは持ち前のポジティブさのおかげで全く気付いていない。
共和国編ではあまりのろくでなしっぷりにブチ切れたマリエに全員追い出され、それぞれの方法でお金を稼ぐことになるが、
その結果、
元から濃かった個性が更に濃くなって帰還する事になる
当初こそリオンのことは下級貴族の癖に身の程もわきまえず自分達の恋路を邪魔する不届き者としか考えていなかったが、
その彼に決闘で完膚なきまでの敗北を喫しただけでなく舌戦でもズタズタにされ、全員プライドを完膚なきまでに粉砕されるに至った。
それでもしばらくは決闘での約束をあっさり反故にしてマリエと行動を共にするという厚顔無恥な所業を行い、
学園の多数の女子達から(リオンに賭けで酷い目に会わされたあてつけで)判官贔屓される形で活躍を応援されていたこともあり増長したままであったが、
空賊やファンオース公国との戦いで共通の敵相手に不本意ながらリオンと呉越同舟の形での共闘を経て、彼のことを「気に入らないが自分にできないことをやってのける傑物」と徐々に認めるようになると同時に、各々がリオンに勝てない自分たちの未熟さを自覚し、彼に一杯食わせるという対抗意識の下で今まで以上の鍛錬に努めるようになる。
そして二度目のファンオース公国との戦争やアルゼル共和国での出来事でリオンと共に死線を潜り抜けた事や、
自分たち以上に無責任で浅はかだったセルジュ・サラ・ラウルトの顛末などを見て(Web版と書籍では展開が異なるが)、
生来の世間知らずっぷりや無責任さを限定的ながらも自覚・克服したことで、リオンへの偏見を大きく解消。
最終的にリオンとは思ったことを遠慮せず言い合い、厄介事が起きた際は一緒に暴れる
腐れ縁のような関係に落ち着いた。
また腐っても王族や貴族なので政治面などの
真面目なところでは正論を交え助言をしたり、戦闘では頼りになったりとやる時はやる男たちである。
馬鹿ではあるがマリエへの愛は間違いなく本物である事と、リオンへの対抗意識からゲーム通りの歴史ではありえなかったであろう成長を遂げており、
主人公であるリオンを差し置いて作品的に今作の成長枠の立ち位置にいる。
ちなみに一般的に隠匿されているため五馬鹿もリオンも知らないが、上記の五馬鹿の先祖及び聖女とパーティを組んでいたリーダー格の冒険者がおり、
その人物こそリオンの先祖のリーア・バルトファルトである。なので実は先祖共々実は因縁がある。
リオンの代ではリーアは仲間に裏切られて冒険者稼業にうんざりして田舎に引っ込み農地を耕してスローライフを過ごし、それがバルトファルト家の基盤となったとされているが、
その実態は馬鹿の先祖に裏切られてその功績は全て五馬鹿の先祖の手柄にされたというものである。
建国者の一角でありながら聖女が行方不明となったため血筋が残らなかったといういかにも少女ゲームのご都合主義に見える展開も、
当の聖女アンがリーアへの仕打ちに怒り、五馬鹿の先祖及びホルファート王国を見限ってリーアに代わり復讐を画策したためである。
しかしこのリーアという人物は、血縁者とはいえリオンに非常に似ていたらしく……。
【マリエルート】
マリエルートではゲーム通りリビアに恋愛感情を抱くのだが、相手をちゃんと見ない事や、物事を都合の良いように解釈する悪癖のせいで、自分たちの影響でリビアが苦しんでいる事に気付いていない。
この体たらく故にリビアが聖女アンの怨念に乗っ取られ、中身が別人に入れ替わっている事にも全く気付かず、王国を亡ぼそうとする聖女アンの都合の良い傀儡にされ愚行を繰り返す「救いようのない本物の馬鹿」になっている。
これにより、転生者の介入が無い場合はゲームでいうところの逆ハーレムルートへと進み、逆ハーレムルートでは五馬鹿がヒロインのリビアと共に世界を救う英雄になるどころか、むしろ世界の混迷に拍車をかける愚物になる事が判明。
その事を考えると彼らもまた、リオンとマリエに救われた者達という事になる。
【メンバー】
ホルファート王国の王太子。紺色の髪の俺様系
イケメンで串焼きをこよなく愛する。
王子として不自由なく生きてきたせいか金銭感覚など世間とは常識がずれている五馬鹿の代表。元の婚約者はアンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ(アンジェ)。
王子としての自身の立場を窮屈に感じていた所をゲーム知識を使ったマリエに篭絡され夢中になる。
その結果、自分を諫めたアンジェを貶めるような発言をし、そのことに嫌悪感を抱いたリオンと決闘を行いトリを務める。
幼少期の頃より望んでもいないのに為政者として生きるのを余儀なくされた自分の立場に嫌気が差しており、
庶民の串焼きが好きなことに気付いた(と思い込んだ)マリエに強烈な恋心を抱くに至ったのだが、
好きで王族に生まれたのではないと言いながらリオンに追い詰められても「俺かお前が死ぬまでこの決闘を禁じる」自分の主張から完全に矛盾した王族としての強権を行使し、
それでいて自身は楽ではない王妃教育を受けたアンジェの苦労や献身に全く目を向けず理解もしないダブスタな言動ばかり取り、
リオンからすれば一連の考えは世間知らずなボンボンの贅沢な甘ったれでしかなく、先の命令も下級貴族にはさすがに王族を殺すまではできないからこういえば引くだろうという打算からと指摘される、
王子として生まれたくなかったと言いながら立場を最大限に利用する姑息さ、自分の命を盾にして勝ちを得ようとする矮小な姿勢を皮肉たっぷりに煽られるなど、
実力どころかレスバでもリオンに全く敵わず、悪あがきも空しく鎧のみ完全破壊される形で敗北を喫した。
その後は廃嫡され、同時にアンジェとの婚約も解消された。
廃嫡されてからはさらにどんどん残念になっていき、政略結婚にも使えない名ばかりの王子になるが、本人は王太子だった頃より幸せそうである。
戦闘の際は、一応王子であるので前線に出させてもらえず、本人は趣味がいいと思っている仮面と
マントで正体を隠して登場するが他の五馬鹿以外からは正体が丸わかり。
防御系の魔法が得意であり
ダンジョンではリオンたちとダンジョン探索する際は盾役にされることが多い。
これでもエリートなのでぐんぐん成長しており、大抵の敵の攻撃は防ぐようになっているがそれ故にリオンや他の5馬鹿にすぐに盾にされる。
共和国編でお金を稼ぐことになった際は、好物の串焼き屋で働き、自分が王子であることも忘れ一人前の串焼き職人を目指すようになる。
ただし、串焼き屋のお陰で、労働の大変さと賃金の価値を知り、尚且つ料理当番も担当するようになってマリエやカーラの負担を減らす一助にもなった。
串焼きにハマるあまり畜産や農園も始め自給自足生活を行うようになりそれもマリエの助けになっているが、一々家畜に名前つけているのでマリエ曰く「美味しいけどすごく食べにくいから、食事前に思い出語りはやめて」
ユリウスの乳兄弟で子爵家の跡取り。緑の長髪のミステリアスな貴公子。元の婚約者はクラリス・フィア・アトリー。
ゲームだと、戦争パートでは射撃が得意なオールラウンダーという頼りになるキャラだが、とにかく胸の内を明かさないために攻略難易度が高かった。
普段は模範生的な性格を崩さないが内心は腹黒で、リオンとの決闘の際は追い詰められていたとはいえ鎧に
爆弾を仕掛けて亡き者にしようとしたり、
共和国でお金を稼ぐ際はガラクタだと思っている骨董品を売る詐欺行為を行っている。
尤も、ジルクが選ぶ高級品は無価値な偽物で、逆にガラクタと見做すのは莫大な価値を持つ貴重品というあべこべな審美眼だったおかげで結果的に詐欺にならず、むしろ褒め称えられた。
また、詐欺を仕掛けようとしたくせに詐欺に騙されやすく、偽物に大枚をはたいて浪費する始末(元よりマリエの本性を見抜けず篭絡されているので見る目がないのは当然だが)。
このようにろくでもないことばかりしており、五馬鹿の中でマリエを一番苦しめているのは間違いなくコイツ。
更に言うと、乳兄弟と言う立場上、ユリウスを諫めるか、最低でも「マリエを側室か妾にする」と言う落し処にユリウスとアンジェを軟着陸させなければならないにも拘らず、
ユリウスと一緒になってアンジェとその助っ人のリオンを潰そうとしたことから、ミレーヌ王妃やレッドグレイブ公爵父子からはユリウス本人への其れを上回る怒りを買っている。
まだ「笑える屑」の範疇にある他の五馬鹿からもクズ扱いされ、リオンからも五馬鹿の中で唯一「笑えない屑」と評されている(読者視点から見たらやっぱり「笑える屑」だが)。
ちなみに書籍版だと共和国編で他の五馬鹿がお金を使うときはまずマリエに相談する事を学んだというのに、こいつだけは最後まで勝手にお金を使うことをやめなかった。やはり一番の屑は格が違った。
声: 立花慎之介(アニメ)、酒井広大(ドラマCD)
辺境伯フィールド家の跡取り。紫色の長髪をした
美男子。
元の婚約者はステファニー・フォウ・オフリー。作中でも指折りの悪女で、元々政略結婚な上に評判の悪い女性だったため情は無く、後の彼女の顛末から見ても彼に限って言えば婚約破棄に持ち込んで正解であった。マリエのお陰で縁を切ることが出来たともいえる。
魔法を得意とする
ナルシスト。五馬鹿の中で一番接近戦が弱いくせに前に出る為、ゲームではすぐ沈められた。
リオンとの決闘でも1番手だったが圧倒的力でねじ伏せられ、半泣き状態で負けを認める。
その後は自分の弱さを自覚し、苦手な武芸の鍛錬に励むようになる。
彼が苦手分野を克服した上でリオンに再挑戦しようと努力している姿を見て、リオンも後にクリスに「(得意分野での勝負に拘るクリスに比べて)自分の苦手分野で勝負を挑んだブラッドの方が根性がある」と断ずるなど五馬鹿の中では最初に美点を評価するようになった。
ブラッドも自身とグレッグ2人がかりでも空賊のボスに倒されたにも拘らず、リオンに手柄を譲られたことで「リオンを負かしたいのではなく、男として勝ちたい」と改めて決意した上でミレーヌ王妃に真実を伝える等リオンに敬意を払うようになる。
リオンからの信頼度は五馬鹿の中で一番高いらしく、リオンが前線に出て船にいない際は船長代理兼臨時指揮官になる。
カッコいいことにこだわることは変わりないが、かなり的確な指示を出すまでに成長している。
共和国で
お金を稼ぐことになった際は、マジシャンに挑戦し、それなりの人気を集めた。尤も肝心の手品の腕が悪く、失敗する姿が滑稽で観客を笑わせたためというお笑い芸人扱いだったが。
リビアやカイル、カーラと言った弱者の危機には相手が格上だったり自身が重傷を負っていたりして不利な状況でも躊躇なく盾になる勇敢な面を有し、手品の相棒になった
兎と鳩を可愛がる動物好きの一面も見せている。
伯爵家の跡取り。赤髪短髪のワイルドなイケメン。
元の婚約者の詳細は不明。ゲームでも未登場で、劇中でも「数回会った程度で情が沸かない」と称しており、典型的な政略結婚だった模様。
入学前に冒険者として活動していて実戦経験豊富だが、道具にこだわるのはカッコ悪いと思っているのか低品質なものしか
装備せず、ゲームの戦争パートでよく沈んだ。
リオンとの決闘の際は、赤く染めて派手にしただけの量産型の鎧で戦う事になるが、作中最高クラスの性能を持つリオンのアロガンツの前には手も足も出なかった。
その後、リオンと一緒に参加した空賊討伐の任務で、リオンに比べて何もできなかった事で自分の未熟さを認識し、大きく成長する切っ掛けとなる。
グレッグからのリオンへの評価は「意地の悪いやつだが悪党ではない」に変わっており、その後は自分にあう武器を模索するようになる。
共和国でお金を稼ぐ事になった際は、何があったかボディビルダーになる。暇さえあれば筋トレを行うようになり、その筋肉美にはマリエも見惚れている。
脳筋のように見えて意外と聡明で、ノエルを保護するか否かでリオンが悩んだ際には
ブーメランパンツ姿で「ノエルと聖樹を保護すればエネルギー問題で大いに国益が有ると国の上層部を説得すればいい」とリオンに助言し、リオンを格好の凄まじさと着眼点の良さのギャップで固まらせた。
共和国と小競り合いが起きた際は自分の筋肉を見せつけるためブーメランパンツ一丁で戦い、敵を色んな意味で恐怖させた。ちなみに
道具はパンツの中にしまっていた。
剣聖の父を持つ剣豪。水色の髪のメガネ男子。元の婚約者はゲームでも未登場で詳細は不明。
冷静だが感情を表に出すのが苦手なため、攻略難易度は高かった。
剣の腕は高く接近戦が得意だが、剣へのプライドの高さから銃火器を装備しないという
弱点がある。ゲームでもそのせいで遠距離攻撃が出来ずよく沈められた。
リオンとの決闘でもその弱点を突かれ、ドローンからの遠距離攻撃で一方的に沈められた。
その後、
修学旅行で公国と戦う事になった際に捕まったアンジェを救う為、威風堂々と振る舞うリオンに尊敬のような感情を抱き、その事が成長する切っ掛けとなる。
修学旅行や共和国などでリオンとパーティを組む機会が多く、そのため五馬鹿の中ではリオンの影響を一番受けている。
戦い方も剣に拘るのではなく、近中距離を織り交ぜて隙を作り、得意の剣を活かすアタッカーに成長していく
共和国でお金を稼ぐ事になった際は、銭湯のお風呂掃除をすることになり、何故か分からんがはっぴとふんどしを正装として愛用するようになった。
共和国と小競り合いが起きた際はふんどし姿で木刀を振るい、敵を次々に打倒していった。こいつもやっぱり道具をふんどしの中にしまっている。
共和国から帰って以降は風呂の改修改善や布教に取り組んでおり、学園の風呂もすべてより居心地の良いものに勝手に改修してしまった。
教師や生徒からの評判は非常に良い風呂なのだが、学園に黙って勝手に改修したので、「それはそれ、これはこれ」として結局その改修費はリオンが払うことになってしまった
追記・修正は「アルトリーベ 〜聖女物語〜」を無課金でクリアした人にお願いします。
最終更新:2025年03月09日 01:50