カッコウの許嫁

登録日:2022/05/16 (月) 21:54:24
更新日:2022/05/19 Thu 14:45:17
所要時間:約 7 分で読めます






「取り違え子」から始まる人生交錯ラブコメ開幕!




カッコウの許嫁とは、吉河美希による漫画作品。

【概要】


漫画雑誌『週刊少年マガジン』に2020年9号から連載。既刊11巻。
元々は、2019年に特別企画として展開された吉河による完全新作読み切りとして執筆された3作品の一つだった(他2本は『東京ヘルヘブンズ』と『柊さんちの吸血事情』)。
読者の反応次第では連載化の可能性が示唆されており、アンケートの結果から本作が連載に至った。なお、後に『柊さんちの吸血事情』も別冊少年マガジンにて連載化を果たしている。

作品内容は『ヤンキー君とメガネちゃん』や『山田くんと7人の魔女』で実績のある吉川が得意とするラブコメで、所謂「出産時の取り違え」から始まる。
吉川曰く「この作品は四角関係を描く作品でもあるのです」とのことで、複数人のヒロインが絡む人間関係も描かれる。

商業的評価は高く、21世紀以降の講談社作品としては初の単行本1巻の4週連続での重版や講談社史上最速で10刷りを達成した。
本作の売上についてマガジンの編集長の栗田宏俊は「五等分の花嫁』ぐらい売れてくれたら最高ですね」「全14巻と短めの『五等分』よりは長く続いてほしい」と述べている。
なお、マガジンのラブコメが商業的に成果を残している状況を受けてか、本作の連載以降もマガジンのラブコメ作品の投入は激化することになる。

【あらすじ】


名門私立高校に通う高校2年生・海野凪は、学校では交友関係に恵まれなかったが学年1位を目指して勉強に励んでいた。
しかし、凪は産まれてから16年目にして自身が取り違え子であるという事実を知り、両親や妹の海野幸に似ていなかったのも血の繋がりがなかったためだった。

両親の計らいで本当の親と出会うことになった凪は、その道中で許嫁との対面を控えていたお嬢様女子高生・天野エリカと出会う。
炎上目的の動画を撮影していたエリカの事情を凪は聞くが、話によると許嫁が嫌なエリカの必死の活動だったようで、彼氏のふりを半ば強引にやらされることになる。
何だかんだでエリカは自身に付き添った凪に好感を抱くが、その時の二人はまだ互いの関係性を知らなかった。

エリカこそが凪と取り違えられた子供であり、そして凪はエリカの許嫁だったのだ……。

【主な登場人物】


主人公とヒロイン

  • 海野凪
CV石川界人
本作の主人公の男子高校生。
学力に優れているが冷めた性格で周囲からは好印象を持てない陰キャとして見られやすく、家族仲自体は良好だがヤンキー一族の海野家の中では変わった存在だった。
ただし性格こそ冷めているが感情表現自体は豊かな節があり、元不良の両親の影響を受けてか喧嘩は予想以上に強い。
成績が学年1位で自身を上回る同級生の瀬川に好意を抱いており、彼女を抜かすために成績を向上させることに努力している。
実は赤ん坊の頃に天野家の娘であるエリカと取り違えられた子供だったことが判明し、そのエリカとの許嫁関係や妹との関係性の変化から恋愛関係も大きく揺れ動くことになる。

  • 天野エリカ
CV:鬼頭明里
メインヒロインの少女。物語当初は私立オルフェウス女学園に通っていた金持ちお嬢様で、SNSでも大きく話題になるレベルの容姿を持つ美少女。
性格は強気で明るい人物だが、金銭的に豊かな家庭環境で育った影響で金銭感覚などはかなりズレている。
自分の意思を無視した婚約から出会った凪と偽りの恋人関係を結ぶが、その凪とは取り違えられた者同士かつ実は許嫁の正体だったことが判明する。
結局凪と許嫁としての同居関係と彼の通う私立目黒川学園への転校をすることになるが、凪に本気で惹かれていくことになる。

  • 瀬川ひろ
CV:東山奈央
本作のサブヒロインで主人公の想い人の女子高生。頭脳明晰・運動神経抜群・多趣味優等生で、容姿はボブヘアの美少女ということもあって学校の人気者。
天然でおっとりとした性格に見えるが、実は負けず嫌いな一面や意図が読みにくい大胆不敵な行動を見せることも少なくない。
エリカの大ファンでもあり、彼女が転校してきたことで一緒の学校の生徒になった際には泣いて喜んだほど。
実家は1300年の歴史ある神社であることから巫女をしているが、跡継ぎの都合で許嫁がいるようだが…。

  • 海野幸
CV:小原好美
凪のでエリカの妹でもあった人物。一見落ち着いているが、実際は兄に対して甘えん坊でブラコン気味。
兄が実は取り違えの子供だったことが判明した際には、離れてしまうのではないかと不安を見せると同時に血の繋がりがないという現実に何かを感じ始め、エリカと凪の同棲が始まると家出して彼らの家に居候を試みる。
その後、凪との様々な出来事やエリカやひろとの交流を経てブラコン的な感情は恋愛的な感情へと発展していくようになる。

  • 望月あい
作品途中から現れた所謂「追加ヒロイン」。大きめのヘアリボンと片目が隠れた容姿が特徴的な少女。
幼少期の凪の初恋の人物だったが中国に引っ越す事情で別れることになり、別れ際に凪からの告白に対して返事をすることを決めていた。
13歳で大学を飛び級で卒業した天才であり、ネット上では「漏電」という歌で知られている有名歌い手。歌い手としては顔を隠して活動していたが、素顔を公表した。
凪と結婚する目標を抱いて日本に帰国し、凪に告白を断られても諦めずに積極的なアピールと行動を仕掛けてくる。

海野家

  • 海野洋平
CV:木村良平
お食事処『海野亭』の店主を勤める男性で、凪の父親かつエリカの実父。
典型的なヤンキー上がりの風貌と性格で釣りが趣味。生活は困窮しているが、子供達は大事に思っている。
幸の性格について「ある意味凪よりも心配がない」と評する場面も。

  • 海野奈美恵
CV:日笠陽子
洋平の妻で凪の義母。『海野亭』では女将の立場になっている。
容姿も幸やエリカに似ている。明るい性格だが、夫同様のヤンキー上がり故に凄い形相と口調で幸と口論を繰り広げたことも。
命よりも仕事が大事と語っているが、幸が私立の進学校を目指すと聞いた際には店を売り払おうとする意志も見せた。

天野家

  • 天野宗一郎
CV:森川智之
エリカの父親で凪の実父。「ホテル王」とエリカから呼ばれる強大な資産家。
穏やかな雰囲気に見えるがエリカから「やりたいように決めちゃう人」と呼ばれる強引な性格らしく、言葉には真意が読めない部分が多い。
エリカと凪に別宅を用意して同居生活の計画を進めた後に幸とも接触して交流を行い、運転手に「カッコウの卵」について問うなど意味深な様子を見せるが…。

  • 天野律子
CV:有賀由樹子
宗一郎の妻であり、エリカの育ての母親で凪の実母。
TV局のプロデューサーとして働いており、エリカからは「なんでもエンターテイメントにする性格」と評されており、その評についても肯定している。
エリカを溺愛していることから実子の凪を内心で敵視していて凪と出会って娘が変化しつつあることを察すると苛つく様子も見せたが、後に凪に夫の面影を見て自身の息子であることを実感させられた。

  • 天野宗助
エリカの兄で凪にとっては実兄に該当する男性。エリカより5歳年上。容姿は凪に瓜二つ。
エリカにとっては良い兄だったが天野家では「いなかったことになっている」らしく、その正体や動向については謎に包まれている。

その他

  • 遊馬シオン
凪のクラスメイトの男子生徒。ヤンキー風な容姿と話し方をする典型的な「チャラ男」だが、根は悪い人物ではない。
SNSで初めてエリカに惚れ込んでおり、彼女と近づくために積極的に凪達に関与する行動派だが、後一歩の場面で告白に失敗するなどヘタレな一面もある。
凪からは軽い扱いを受けることもあるが、何だかんだで友人的なポジションになっている。

  • 柴田
CV:鈴木裕斗
エリカが通っていた私立オルフェウス女学院の近所の高校に通っている男子高校生。
舎弟を引き連れてエリカのストーカーを行っているが、エリカと親しい凪に喧嘩を売っては返り討ちにされるのが定番。

【アニメ】


TVアニメ

2022年4月よりテレビ朝日『NUMAnimation』枠にて放送。放送期間は2クール。
放送カウントダウン記念プレゼントやBlu-rayの初回特典などでは、吉河による新規描き下ろしイラストも用意されている。

  • OP:凸凹/歌.吉岡聖恵
OP映像の流れが少し特殊で、タイトルロゴが頭やラストではなくサビの直前に出る珍しいパターンとなっている。

  • ED:四角運命/歌.三月のパンタシア

ミニアニメ

TVアニメの放送開始直後にYouTubeのチャンネル『KADOKAWA Anime Channel』から不定期に配信されるショートアニメ。
異世界転生をすることになったエリカが繰り広げる本編とは関係のないコメディストーリー。メタ発言も飛び出す。

【余談】


  • 鳥のカッコウの「他種の巣に卵を産み付け育てさせる」*1習性を知る人からは、作品タイトルを見て不倫や寝取られ系の作品を想像したとの声も*2
    まあマガジンは少年誌としてはドロドロな恋愛関係の漫画も少なくないので、そういった方向性の作品が連載されていても違和感がないと言えばないのだが…。
    ちなみにカッコウの仲間でもミチバシリの一種のように托卵を行わず自分で育てる種もある。




追記・修正は、取り違え子であることが判明した人にお願いします。

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最終更新:2022年05月19日 14:45

*1 しかも早く生まれたカッコウの雛は巣の主の卵や雛を叩き出してしまう

*2 他に「カッコウ」をタイトルに含む作品の例としては『カッコウの卵は誰のもの』という東野圭吾の小説があるが、これは「娘が妻の子ではあるが自分の子ではなかった父親の話」である。