登録日:2020/01/27 Mon 01:30:24
更新日:2024/11/28 Thu 22:55:22
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く…プレイヤーの手札をさらし者にする忌々しい魔法カード!
手札に揃ったいいカードを墓穴に捨てさせられるのだ!おのれ!
【概要】
手札1枚の価値が他のTCGよりも高く、それに伴って手札補充とハンデスが強力な戦術として見られることが多い。
また、
遊戯王OCGは他のタイトルに比べると大きな逆転を生み出すシステムが存在しないため、後手に回った際に何枚もハンデスされるとそこから巻き返すのは難しく、そのまま勝負が決まってしまうことが多かった。
ドローカードに強い制約が課されるのと同じ理由で、ハンデスの条件も厳しいものが多い。
初期のカードを中心に例外もままあるが……。
反面、ゲームスピードの高速化に伴い、ハンデスの基本的な弱点「先んじないと意味がない」問題はより深刻に。
既に盤面を制圧された後に手札を削っても焼け石に水であることは、深く考えるまでもなく分かるだろう。
また、墓地利用手段の増加によって、手札から墓地に捨てさせても効果が薄いことも多い。
1:1交換の手札破壊は自分の手札も消費するため、考えなしに使っては自分だけが
アドバンテージを消耗し、相手の墓地利用を助けるだけということもありうる。
自分も攻め手を欠いて泥仕合、もしくは墓地を利用されて逆転される危険もあると、扱いは難しくなっている。
とはいえ、先攻制圧の上振れを許す要因になるためか、2023年現在も厳しい規制がかかったカードが多い。
【環境でのハンデス】
Vol.シリーズの時点で《白い泥棒》のようなハンデス効果を持つカードは存在していたが、そこまで活躍することはなかった。
《いたずら好きな双子悪魔》は1枚で2枚捨てさせるという、使うだけで1:2交換となる破格の強さを誇り、《強引な番兵》と《押収》は相手の手札を全て見た上で最も重要度の高いカードを失わせるという凶悪な性質を持っていた。
この内、《いたずら好きな双子悪魔》と《押収》については1000LPを払うというコストがあったが、その強力すぎる効果に比べれば些細なものであった。
これらはデッキタイプを問わずに使用できる通常魔法であったことからあらゆるデッキで使用可能。
当時から《イビー》や《エレクトリック・スネーク》などのメタカードは存在したものの、ハンデスメタ以外の使い道がないことからデッキパワーを落とすことに繋がるため、採用率は伸びず。むしろ「やられる前にやる」の精神でハンデスカードの採用率ばかりが伸びてしまった。
ハンデスは先攻ゲーを助長する要素であり、「やる気デストラクション」と揶揄され
遊戯王の最もつまらない要素の一つとされていた。
これらのカードは【
エクゾディア】への対策として生み出さたものと思われるが、皮肉にもそれら自体が新たな脅威となってしまっていた。製作チームがハンデスという効果のさじ加減を把握できていなかったことに起因すると思われる。
さすがに公式もこの状況を問題視し、段階的に規制されていくことになる。05年頃には《いたずら好きな双子悪魔》と《強引な番兵》は
禁止カード、《押収》は1枚制限となっていった。
だが、しばらく経った
第5期には「新・ハンデス3種の神器」が台頭。
《ダスト・シュート》は罠版の《押収》と言えるカードで、発動条件はあるものの、相手の手札を見たうえで最も重要なモンスターを抜き取ることができた。
そして《マインドクラッシュ》は自分が宣言したカードを相手が持っていれば捨てさせるという罠カード。強力なサーチ効果を持つカードの増加によって注目され、《ダスト・シュート》との相性の良さから一気にメジャーカードとなっていった。
こちらもこちらで積み込み疑惑、フェイズ移行を怠ったことによる巻き戻しなど、不正の温床・ルール上の問題など
ゲームの不健全化を招く要素を多く抱えていた。
やがて《ダストシュート》が禁止カードに指定されてからは、(何も考えずに)どのようなデッキにも投入できるハンデスカードは減っていった。
現在ではハンデスにはある程度の準備が必要だったり、安易な1対1交換を許さない効果管理がなされている物が多い。
一方で、
第7期に【リチュア】【ゼンマイハンデス】、
第9期に【シンクロダーク】など、ハンデスを得意とするデッキ自体は度々登場している。
これらに共通して言えるのが、先攻1ターン目にハンデス効果を持つモンスターの大量展開を行うことで相手の手札を狩り尽くすという点。
1:1交換の手札破壊だけでは、現在の
遊戯王の環境には追いつかない状況であるが、
環境に顔を出す場合は
フィールドを制圧した上でダメ押し的に手札も潰すという「やる気デストラクション」の極致みたいな形で登場している。
遊戯王OCGの性質上、手札破壊は徹底的にやって再利用もきっちり封じる極端なタイプじゃないと結果を残しにくい側面もあるのだが、だからこそ相手は嫌がるというジレンマ。
やはりというか、嫌われ戦略の代名詞のような扱いを受けることが多い。
友達との対戦では用法・用量を守って使おうね!
【デッキタイプ】
《キラー・トマト》によって《
首領・ザルーグ》《魂を削る死霊》などをリクルート、戦闘ダメージを通すことで手札を削っていく。
第2期の最終盤に成立し、【
グッドスタッフ】全盛期にありながら明確なコンセプトを持ち、環境に結果を残したデッキとして歴史に名をはせる由緒正しきデッキ。
攻撃力の低いモンスターが多いが、《死のデッキ破壊ウイルス》のコストにできるという点でむしろメリットと化している。
このデッキが流行りすぎていたせいで、当時《死のデッキ破壊ウイルス》が使えなかった世界大会に出た日本代表が環境の違いに戸惑ったとか。
第11期現在ではカードパワーのインフレと環境の変化により、これらのカードを活躍させるのは至難の業。《死のデッキ破壊ウイルス》もエラッタされて、相手のデッキによっては大幅な
アドバンテージを与えてしまう諸刃の剣と化している。
遊戯王ARC-V内で
榊遊矢の読んでいた雑誌で特集を組まれていた。
あちらのスタンダード次元では一般的なデッキタイプなのだろう。
第7期後半、
ZEXALが始まった頃に成立。
《ゼンマイハンター》の効果を使いまわすことで
先攻5ハンデスを容易に達成できる。
返しのターン、相手は手札1枚からスタートせねばならず、とてもじゃないがフェアな
ゲームにはならない。
特殊召喚を多用するので《
増殖するG》を打たれるとハンデスどころか手札が増えるが、逆から言えば「G引かなきゃ手札1枚」ということに。
当然【ゼンマイ】からは禁止・制限が連発。色々なゼンマイカードを巻き込んだ末に《ゼンマイハンター》は禁止カードとなり、
現在の【ゼンマイ】は展開力に長けたエクシーズデッキに落ち着いている。
詳細は項目参照。
「
聖刻」はリリースされると後続を呼べる
ドラゴン族テーマであり、《イビリチュア・ガストクラーケ》のリリースを賄うために使われていた。
手札はデッキに戻すため、墓地発動による巻き返しすら許さない。
詳細は項目参照。
とはいえ展開されたターンのバトルフェイズにほぼ死ぬのでハンデスはややおまけ。
むしろ【カエルハンデス】の方がハンデスデッキであった。
様々なループが開発された現在では先攻全ハンデスも行えるループがいくつか存在している。
闇属性モンスターを主軸にした【
シンクロ召喚】は
第6期から存在していたが、
第9期になって有力なシンクロチューナーが増加したことで成立した。
自身や他の
A BFを蘇生できる《A BF-五月雨のソハヤ》の登場も大きい。
3体並べた《
PSYフレームロード・Ω》の効果で、相手の手札を空にできた。
どうして名称指定のターン1にしなかったんだ……。
凄まじいまでの展開力を持ち味とする
DUEL TERMINAL出身の地属性テーマ。
《XX-セイバー ガトムズ》や《X-セイバー ウルベルム》 といったハンデスカードを複数抱えており、それらを使ったハンデスもテーマの強みの1つ。
特に「レイジグラループ」による先攻全ハンデスは強烈である。
アニメ
ARC-VではLDSの刀堂刃が使用し、なんとハンデスコンボを使用して
黒咲隼の手札を空にしてしまった。
なお、作中では
禁じ手とされており安易な使用は憚れるものであるようであった。
VRAINSでブルーエンジェルが使用するテーマ。
デッキのキーカードである《トリックスター・リンカーネイション》と
手札誘発の《ドロール&ロックバード》の2枚を組み合わせることで、相手がサーチやドローをした瞬間に全ハンデスを決められる。
2つとも単体でも十分使えるカードなため腐りにくく、かつ片方はテーマ内の罠カードなのでサーチが極めて容易。
強力なコンボながらデッキのギミックの1つに過ぎないため、相手は全ハンデスを警戒しながら、継続的なバーンや伏せ除去にも対処していかなければならなくなる。
欠点としては、《トリックスター・リンカーネイション》は罠カードで、「相手のサーチ・ドロー行動後にこの2枚をチェーンする」という手順が必要。
そのため初手でのハンデスはできず、また相手に先んじて伏せ除去されるとコンボが潰される。
ただし、《トリックスター・リンカーネイション》自体も「相手にドローさせるカード」という性質上、2枚揃えるとスタンバイフェイズに1枚目で能動的に相手にドローさせて2枚目でハンデスということも可能。
結局、《トリックスター・リンカーネイション》が10期出身のカードとしては初の制限カードに指定されて安定性は落ちたが、豊富なサーチ手段が残っているのもあってコンボそのものは変わらず生き続けている。
カテゴリにハンデスをするカードがある訳ではないが、
《
氷霊神ムーラングレイス》を自然に投入することができ、キーカードの龍騎隊の効果で用意に手札に持ってこられる。
しかも展開力に優れているので先攻1ターン目で《氷霊神ムーラングレイス》の特殊召喚なぞ朝飯前、
初手に龍騎隊とディニクアビスの2枚さえ引くことさえできれば
先攻で《氷霊神ムーラングレイス》と《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》を並べて相手の手札を4枚消し飛ばした上に
場には他にも《
バハムート・シャーク》と《
餅カエル》を並べた挙げ句
なぜかこちらだけは手札が5枚位余ってるという、ほぼ挽回不可能な布陣を敷く事も容易。
しかし《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》だけでなくそこに至るまでの道筋にいた面々が軒並み禁止へ放り込まれたことにより、この展開ルートは水泡に帰した。
代わりに《
深海のディーヴァ》《海皇の竜騎隊》《水精鱗-ディニクアビス》といった本来の顔ぶれが無制限にまで戻ってきており、《氷霊神ムーラングレイス》と共に新ルートを模索している。
個別カード
タイプ①相手に選んで捨てさせる
実はOCGには相手に選択権のあるタイプのハンデスは珍しい。
暗黒界の効果で特殊召喚された場合に相手に手札を捨てさせる
悪魔族。
が、こいつの真価はもう一つの効果。自身の効果で相手フィールドに特殊召喚できる、つまり
相手がこっちにハンデス効果を発動する。
相手のハンデスにカウンターする【暗黒界】における
マッチポンプ要員である。
相手にカードを与えてしまう点がネックだが、現在は《アカシック・マジシャン》等によるバウンスやジーランティスによる回収で再利用、《
一撃必殺!居合いドロー》の発動条件やコントロール転移の的になる点等でむしろ逆に活かす事もできる。
また、ハンデス効果は相手が発動した扱いなので、
《三戦の才》《三戦の号》の発動条件を満たせるという追加のマッチポンプ能力も得た。
自分が効果で手札を捨てた時に発動できる永続罠。
その後自分が手札を捨てるたびに、相手にも同じ枚数捨てさせる。
効果は強いが、発動させることが難しいと昔からいわれるカード。
手札を捨てたあとに別の処理を挟むカードではタイミングを逃すため発動できない。
例えば後述の《手札抹殺》などは、ドローの処理が来るので発動できなくなってしまう。
ただし、一たび発動に成功すれば強力であり、後はどのような手段で手札を捨ててもハンデスさせることができる。
普通に使うには難しいが、手札を捨てるカードを自然に入れられる【暗黒界】とは相性が良く、【ハンデス暗黒界】というデッキが組まれている。
リンク先にモンスターが特殊召喚された時に自分の手札を2枚までランダムに捨てて相手にも同じ枚数捨てさせる誘発効果を持つ。
さらに、EXリンクが成立してる時に相手に2枚捨てさせる起動効果を持つ。
それぞれのハンデス効果は独立しており、誘発効果の方は相手ターンにも発動出来るので展開力に優れたデッキならば比較的簡単に4枚ハンデスが可能。
EXリンクによってフィールドを封鎖しながら、ダメ押しのハンデスで反撃手段を潰してしまう恐ろしいカードである。
ハンデスされた時に発動する効果を持つ【
未界域】と行った展開力のあるデッキの終着点として安定した先攻4ハンデスを行なっていた為に
禁止カードとなった。
これでもアニメよりは弱体化されているのだが。
EXリンク成立時のハンデスで相手の手札を0にしたら3000バーンのオマケはあるが、バーンが決まる状況的にオーバーキル気味になるので狙う事自体は稀。
タイプ②無作為に捨てさせる
OCGにおいてはこのタイプの効果が大半。
前述の【聖刻リチュア】のハンデスエンジン。
長らく制限カードにとどまっていたが、現在は準制限カードを経て無制限に緩和されている。
戦闘ダメージを通すとランダムハンデスができるカード達。
《魂を削る死霊》のみ直接攻撃に成功した時に誘発する。
第11期現在の環境でそんなに悠長なことはできないが、登場から
第5期期中頃までは重要なアドバンテージ源として活躍した。
リリース1体の上級モンスター。
《
天空騎士パーシアス》の対になるカードとしてデザインされたと思われる。
ランダムハンデス効果と貫通効果を併せ持つため、相手が守備モンスターで固めていても手札破壊がしやすい。
…なのだが、上級モンスターでありながら肝心の攻撃力が1800と心許なく、下級アタッカーにもやられかねない。
攻撃力1900でドロー効果を持つ《天空騎士パーシアス》と比べて戦闘の強さでも効果の汎用性でも劣るのも辛い。
使うならハンデスデッキというより
悪魔族デッキで種族専用サポートを活かしたい。
発動している間、戦闘ダメージを与えると1枚ランダムにハンデスできる永続罠。
上記のカード達とも重複するため、ハンデス特化デッキに補助として採用されていた。
ただしこのカード単体では何もしないのが欠点。
うまく機能すれば強力なのだが、安定性が低いのがネック。
3種の神器の1枚となる通常魔法。
ランダムに1枚ハンデスさせ、その後相手に1枚選ばせて捨てさせる。
発動したら確定で1対2交換の時点でおかしい。
申し訳程度についている1000LPを払うコストはお飾りに過ぎなかった。
邪悪な魔族からの誘惑によって悪魔の道に堕ちてしまった《ゼラの戦士》の成れの果て。
フィールド魔法の《伏魔殿》が存在する時に《ゼラの戦士》をリリースすることで出せる特殊召喚モンスター。
特殊召喚するだけで3枚ハンデスという恐ろしい効果を持っている。
第3期で登場した古参であるために条件は厳しく、「フィールドに《ゼラの戦士》を用意する」「フィールド魔法を発動する」「このカードを手札に持ってくる」という3つの障壁を抱え、長らく活躍の場がなかった。
長い時を経てカード
プールが増加、《予想GUY》《魔犬オクトロス》といったカードが出てきて問題を解決しようやく実用レベルになってきた。
アニメではバトルフェイズと引き換えに相手のLPを1にするという、鬼畜極まりない性能だった超官のエースモンスター。
おかげで、OCGでは全く別物の効果にされてしまった。
挙句に「特殊召喚では効果を使えない」「ハンデス+自己強化を使うのに更にコストを要求する」「そのコストはデッキに戻すので、
トークンは使えない」という三重苦。
そのために長らく最強の地縛神(笑)扱いで、ハンデスよりも低ステータス・攻撃対象にならないことを生かすことも多かった。
しかし時は流れ、今では【
ヌメロン】・【
ふわんだりぃず】といった専用フィールド魔法を多用しリリース先の調達も容易なテーマが登場。
【ヌメロン】では素引きしなくてはいけないがリリースしなかったヌメロン2体をコストにすれば良いので楽。
【ふわんだりぃず】はコスト調達の為にやや専門的な構築になるものの、《ふわんだりぃず×いぐるん》でサーチが効き《ふわんだりぃずと未知の風》は相手の邪魔なカードを墓地に送り使用後はコストにできる。
S召喚に成功した時、相手の手札・フィールド・墓地のカードを1枚ずつ除外できる。
フィールドと墓地に対しては対象を取らないという効果であるためその強力さに拍車をかけた。
霊神の水担当。海皇水精鱗における主力。
墓地にいる水属性モンスターが丁度5体の時にしか特殊召喚できないが、特殊召喚するだけで2枚のハンデスを行う。
海竜族というのが強みで、《
深海のディーヴァ》から展開する過程で《海皇の竜騎隊》を落としてたやすくサーチしつつ条件を整え先攻2ハンデスが行えるという手軽さが売り。
しかしこのシナジーで海皇が躍進しすぎたため、《
深海のディーヴァ》と《海皇の竜騎隊》は両方とも制限をかけられることになってしまった。
上述のように現在は両名とも釈放されており、通りさえすれば往時と変わらぬ猛威を振るう。
レベル8の光属性・サイキック族のSモンスター。
メインフェイズ限定だが、フリーチェーンで自身と相手の手札を無作為に1枚選び、一定期間除外できる。
一時的なハンデスとはいえ相手のカードを減らすことで相手の戦術を崩すことができるうえに、表側除外のためハンデス先の確認も可能。
自分も除外されてしまうが、次の自分のスタンバイフェイズには帰ってくるため、これを利用して相手の除去を翻して次のターンに帰還、という芸当もできる。
これに加え除外されたカードを墓地に戻す効果を持ち、自身が墓地に落ちてもEXデッキに戻せると、多彩な効果を持つ便利なカード。
さらに上述したシンクロダークなどで、複数体並べてのハンデスが流行ったため、制限カード化。
それでも、汎用性の高い能力や新マスタールールとの噛み合いの良さからいまだ活躍を見せている。
レベル6の
闇属性・戦士族の融合モンスターにして、「
M・HERO」の一員。
嫌がらせ効果の塊として名高い鬼畜ヒーローである。
相手限定の《
マクロコスモス》によって墓地利用を封じて、
ドロー・サーチ効果を相手が使ったら相手の手札をランダムに1枚除外してしまう。
見えている効果のため牽制能力という側面が強い。
ただ、わかっていてもそれらのカードを使わざるを得ない場面が多く、キーカードを叩き落されて絶望する決闘者は後を絶たない。
「M・HERO」なので《マスク・チェンジ》を使用する【HERO】での運用となるのが救い。
《マスク・チェンジ・セカンド》が
制限カードになっている都合上、【HERO】以外で見る機会は多くない。
タイプ③相手の手札を確認し、その中から捨てる
ピーピング+ハンデスによる情報アドバンテージは環境の高速化と共に重要性を増しているが、先攻ピーピングができるカードは少ない。
3種の神器の1枚にして、最強のハンデス魔法。
再利用すら困難にするデッキバウンス、その上ノーコストで手札確認まで行える。
相手が最も嫌がるカードを捨てさせ、セットカードを筒抜けにしつつ、自分は得られた情報をもとに戦略を練ることができる。
ハンデスの性質のみならず、手札を見ることによって副次的に得られるメリットを含め恐ろしく凶悪なカードであった。
登場当時は墓地を再利用する方法が少なく、ドロー・サーチ手段が豊富だった為、《押収》の方が評価が高かった。
3種の神器、新3種の神器どちらにも数えられていた魔法カード。
LP1000を払うことで発動し、相手の手札を見てその中から1枚選んで捨てさせる。
現在でこそ3種の神器の中では一番劣ると評されるカードだが、それでもライフ1000を払うだけでピーピングハンデスができるのは強すぎた。
新3種の神器の1枚。
「発動までタイムラグのある罠カード」「相手の手札が4枚以上」「デッキに戻せるのはモンスター限定」と、あからさまに「強引な番兵」の調整版である。
後攻では腐りやすいが、先攻で伏せれば《強引な番兵》とも遜色ない働きができた。
第2期最後のパックである「Pharaonic Guardian -王家の守護者-」で登場して以来あまり注目されてこなかったが、ある時期を境に突如脚光を浴びることになる。
先攻有利の助長に一役買っており、大規模大会での積み込み疑惑等様々な問題を起こした。手札を見られる性質上、後述する《マインドクラッシュ》とも好相性。
このカードを回避するために「カードをセットしてからモンスターサーチカードを使う」などのプレイングも生まれたが、最終的に
禁止カードとなった。
水属性モンスターを1体リリースすることで《押収》を撃つ通常罠。
基本的に2対1交換だが、ピーピングハンデス系効果が軒並み規制されているため、現在ではハンデス戦術の重要な選択肢の一つ。
《水霊使いエリア》が描かれており、イラストアドが高い点もグッド。
水属性主体のデッキで趣味で入れている決闘者も多い。
タイプ④条件を指定し、相手がそれを持っていた場合捨てさせる
ピーピングできるかどうかはカードによる。
A「俺のターン、ドロー。俺は《デーモン・ソルジャー》を召喚!」
B「あ。俺、スタンバイフェイズに《マインドクラッシュ》発動して、《デーモン・ソルジャー》を宣言してた」
通称マイクラ。現在では無制限カード。
新3種の神器の1枚で、神器に当てはまる5枚の中で唯一禁止カードになったことがない。
カード名を1つ宣言し、相手の手札にそれがあればすべて捨てさせ、なければ自分がランダムに1枚手札を捨てる罠カード。
自分と相手が手札を1枚ずつ持っていなければ発動できないが、それ以外は無条件で発動できるフリーチェーンの通常罠である。
カード名を宣言するという珍しい特徴があるが、それによって揉め事が絶えない厄介なカードでもある。
普通に使うとあてずっぽうになってうまくいかないが、相手がサーチ効果を使用した直後か、何らかのカードの効果で相手の手札を見た後に撃てば確実にハンデスできる。
このカードはモラル上の大きな問題を孕んでおり、フェイズ確認を怠った相手に対する「巻き戻しマイクラ」はあまりにも有名。長くなるので詳しくは当該項目を参照されたし。
宣言したカードが手札に複数枚あった場合それを全てハンデスするためうまくいけば1:3交換が可能。ただし失敗すれば自分が手札を捨てる2:0交換になる。
裁定変更前は相手に手札を確認させる必要があったためピーピングも可能だった。
そのため2枚目が伏せてあれば手札を確認した上で厄介なカードを確実に叩き落とせる。
現在は裁定が変わり第三者に手札を確認させることが可能になったため、ピーピングはほぼ不可能になった。
(見方を変えれば宣言されたカードが手札にないと言い張っても、審判に確認してもらうか、何らかの理由で公開、もしくはカードの効果で見ない限りは相手は真偽を知ることができない=相手が嘘を吐いてしまえばそれまでということでもある。)
最近の
遊戯王では「デッキからキーカードをサーチ」という行為はあらゆるデッキの基本とも言え、
ピーピングを当てにしなくても使えないことはない。
マイクラの通常魔法版。サーチにチェーンできないため使い勝手は大きく劣る。
ただし除外であるために再利用させにくいという利点も持ち合わせている。
相手がドロー・サーチしたカードを捨てさせるカウンター罠。
名実ともに《はたき落とし》の強化版。
《黒板消しの罠》と並びハンデスができるカウンター罠は珍しい。
確実に1:1交換にはなるので《豊穣のアルテミス》でドロー枚数を稼ぎたい場合などには有効。
このカードの問題点は、ドロー・サーチした後すぐに手札をシャッフルすると、どのカードを加えたか分からなくなってしまうこと。
やはりルール上の揉め事が絶えないことで有名。
指定されたステータスの
闇属性モンスターをリリースすることで発動できる通常罠。
特定のステータスを持つ相手モンスターをすべて破壊し、さらに3ターンにわたり相手がドローしたカードを確認し、該当のモンスターなら破壊してしまう。
デッキ破壊とは名ばかりで、
実際は手札に引いたカードを破壊する手札破壊ウイルスである。
サイドデッキからの採用が多いが、刺さるデッキが相手ならば壊滅的な被害を与えられる。
高い攻守を持つ
闇属性モンスターを出しやすいデッキならば発動しやすい。
《死のデッキ破壊ウイルス》のみ
エラッタでデッキ破壊要素が加わっているが、任意効果である上に利敵行為になりやすいのでほぼデメリット効果となっている。
お互いの手札にあるモンスターを全て捨てさせる、墓守が持つ恐ろしいハンデス魔法カード。
《王家の眠る谷-ネクロバレー》がある時しか使えないが、あちらの効果で蘇生やサルベージを阻害できるため恐ろしいコンボとなる。
捨てる効果なのでモンスターを欠く中に
暗黒界がワラワラ湧いてくるという地獄絵図を作ることができて【墓守暗黒界】というデッキも生まれたのだが、肝心の《王家の眠る谷-ネクロバレー》がエラッタされて
暗黒界が湧けなくなり袂を分かつこととなってしまった。
墓守自体は展開力が低く手札にモンスターを貯めがちなので、活躍の場を失っている。
通称キモイルカ。
手札を1枚捨ててエコー・ロケーションで相手の手札を見てモンスターを選択し、選択したモンスターの攻撃力以上のモンスターが自分フィールドにいればパルス・バーストで破壊して500ダメージ与える。
ただし選択したモンスターの攻撃力を下回っていると500ダメージを受ける。
手札コストを要求する割に、破壊できるかどうかはフィールドのモンスター次第という不安定さがある。
しかも肝心の自身のステータスがこの効果の発生ダメージと殆ど変わらないほど低く、
その上キモい等の欠点の方が目立ちあまり注目されていなかった。
しかし
ゴキブリらもっとステータスが低い手札誘発モンスターが増えたことで、露払い役として採用される機会が増えている。
時代の流れがみんなにワクワクを思い出させたのだ。
タイプ⑤全て捨てさせる
説明したとおり手札の価値が高いため、このタイプは少なく条件は厳しい。例外は多々ある
ハンデスというより「リセット」のついでというカードが多く、「通ればほぼ勝ち」な豪快な奴らも。
LP1000を払うことで手札とフィールドのカードをすべて墓地へ送り、その枚数×300のダメージを与えるトンデモカード。
《
八汰烏》とのコンボはあまりに有名であり、多くのプレイヤーを絶望の淵に叩き込んだ。
エラッタとともに環境に復帰。
この全体除去効果を使う場合、他の効果は一切発動できなくなったことで大きく弱体化した。
結果、効果はほとんど使われなくなり、現在は各種召喚法の素材や打点要員といった下働きとして扱われている。
《
混沌帝龍-終焉の使者-》が禁止カードとなってから出てきた調整版。
バーンがない代わりに1枚ドローがあるので、デッキトップを操作してその1枚で勝負を決めることもできる。
召喚条件があちらよりかなり面倒だが、《
ファントム・オブ・カオス》で効果だけ利用するという抜け穴があるので独自の立ち位置を掴んでいる。
こちらもリセットタイプ。
それぞれ「最上級モンスターである《海竜-ダイダロス》をリリースして特殊召喚してフィールドの《海》を墓地に送る」「フィールドにレベル2以下の通常モンスター5体を並べる」といった下準備を要求する。
どちらも後に残ったモンスターでどう勝負を決めるのかというのが問題。
ただし後者は
トークンで全て賄えることとエクシーズやリンクの登場で立ち位置が向上している。
相手の手札を強制的に入れ替えさせるカード。
が、《ドロール&ロックバード》や《神殿を守る者》をコンボすることで相手のみ一方的に全ハンデスさせることができる。
戦闘ダメージを与えた場合、次の相手ターン開始時に手札をすべて捨てさせる効果を持つ最上級スピリット。
効果こそ豪快だが、特殊召喚が不可能であり二体のリリースが必要かつ、ターン終了時に手札に戻るというスピリットゆえの制約が足を引っ張る。
ライフを代償にリリースを減らす《死皇帝の陵墓》などを使い早いところ決めてしまいたい。
どうやっても先攻ハンデスできないのも欠点。
互いに手札をすべて捨て、その枚数分引き直す通常魔法。
その名の通りお互いが手札をすべて捨てる最強のハンデス…と思いきや捨てた枚数分引き直すため実質手札交換カード。
考えなしに使えば《手札抹殺》を使った分の手札が1枚減るだけなので、手札から捨てることをトリガーにするカードや墓地で真価を発揮するカード等でコンボを決めていきたい。
むしろ引き直す効果に着目して
デッキ破壊で古くから使用されており、魔法カードゆえのお手軽さなどから
15年
制限カードで居続けている。
レベル11の特殊召喚モンスター。
激重な召喚条件の代償に、手札どころか前者はこのカードを除く場や墓地もすべて除外し、後者はこのカードを除くすべてをデッキに戻す強烈な効果を持つ。
一度場に出れば攻撃力3000越えのカードを前に相手はドローしたカード一枚のみ。
共にハンデスというより「リセット」のイメージが強いか。
手札破壊対策
手札から捨てられることで効果が発動されるカード群で、相手によって捨てられると強力なメタ効果も発揮する。
様々なタイプのデッキとして組めるが、その中には
相手に手札破壊効果を送り付けて無理やりハンデスさせる、相手のカードの効果を手札破壊効果に書き換える
などといったハンデスを強要するコンボデッキもある。詳細は項目参照。
ただし《ダスト・シュート》や《
氷結界の龍 トリシューラ》といったカードに対応できない致命的欠陥を持つため対策とするには不足、あくまで「捨てる」に対しての地雷である。
手札から捨てられることで効果が発動できるカード群。
個のカードパワーでは暗黒界に劣り、純粋なハンデス対策としても微妙なところ。
ただし暗黒界と違い、コストで捨てられても発動するため、S召喚を用いるソリティア的なコンボデッキとしての愛用者が多い。
手札から捨てられることで効果が発動できる海外発のカード群で、ランダムに手札を捨てて同名カードがヒットしなかった場合に特殊召喚できる効果も持つ。
捨てられた時の効果は1ターンに1度だけなので、ハンデス対策としてはやはり微妙。
だが能動的に捨てる効果を1ターンに何度でも手札から使えるというのが最大の魅力で、コストとして捨てても使えるので魔轟神のアップデート版に近くソリティア性能は更に上がっている。
いたずら好きな双子悪魔が成長し、手札破壊対策カードとなった。
子供の頃の行いは
黒歴史ということだろうか?
だがやっぱり手札を捨てるにしか反応できないので、対策カードとしては失格と言わざるを得ない。
古参の手札誘発カード故に仕方ないのだが、更なる成長に期待したい。
かつてハンデス
三種の神器を奪えたカード。
三種の神器はもう使えないため現在は《謙虚な壺》などとコンボしてハンデスをしたりドローソースを奪うという立場。
いつもの汎用
ゴキブリ。
モンスターを使ったハンデスコンボの過程にはどうにも特殊召喚が挟まりやすい。
そこを突いて手札誘発のGを投げておくことで手札が増え、結果的にハンデスの被害は軽減どころかプラスになることの方が多く、ハンデス戦略は無に返す。
とどのつまり、遊戯王に於いて全てのハンデスに対しこれさえあれば問題ないというような便利なカードは存在しない。
効果そのものを無効にするカードで潰したり、そもそも使わせないようなプレイングを心掛けるしかないのだ。
逆に言えばやったもん勝ちになりやすい。実用レベルのハンデスをどんどん発見して作っていこう。
アニメでの扱い
社長こと海馬ボーイがハンデスとピーピングを異様に嫌っている事で有名。
《墓穴の道連れ》を使われた際には、何を捨てさせられるか決まっていない内から激しく憤っていた。
なお、彼の愛用カードである《死のデッキ破壊ウイルス》はそのピーピング&ハンデスカードであった(エラッタ前)。
多くの視聴者が「そんなに嫌なら禁止カードにしておけばよかったのに」とか「自分で使う分にはいいのかよ」と思ったことだろう。
手札破壊を主とする決闘者
アニメオリジナルエピソード「乃亜編」で
闇遊戯と対戦したデュエリスト。
ステータスは弱いがサーチ・特殊召喚・ハンデスといったアドバンテージ獲得能力に秀でる爬虫類族デッキを使用する。
これらと自身のデッキマスター能力を組み合わせ、相手の攻め手を封じつつ手札を少しずつ削るという、堅実ながらえげつない戦術で
闇遊戯を後一歩という所まで追い詰めた。
しかし手札を削りすぎた事が仇となり、「手札がこのカード1枚の場合生け贄無しで召喚できる」モンスター、《疾風の暗黒騎士ガイア》をドローされ敗北した。
「手札明察(ハンド・スキャン)」という
超能力をもつサイコデュエリスト。
相手の手札の内容を見たうえで《名称抹消》《目殺》(いずれも漫画版オリジナルカード)のようなハンデスカードを組み合わせて戦う。
「X-セイバー」の使い手。
対
黒咲隼戦では3枚の手札を叩き落す。
この時自らの戦術を「禁じ手」と発言しており、やはりアニメ世界においても嫌われている戦術であることを匂わせている。
SOL テクノロジー社のマザーコンピュータに侵入したPlaymakerを倒すため投入された、北村が社運をかけて作成しているデュエリスト部隊。
防衛機構としては妥当ではあるが、
先攻1ターン目からPlaymakerの手札全てをハンデスするという事態に視聴者は戦慄した。
ちなみに
遊戯王5D'sに登場したAI搭載のガードロボは時間稼ぎも目的だったので、【パーミッション】を使用して視聴者を驚かせていた。
なお、この時AiはプロトタイプAIのデッキを「夢も
ロマンもないデッキ」と称しているが、
Playmakerは「それもひとつの戦略だ」と否定的ではない受け答えをしている。
追記・修正は、何とか全部手札破壊出来たものの相手のハンドレスコンボによって返り討ちに遭った方にお願いします。
- ハンデス/手札破壊(TCG)より独立しました -- 名無しさん (2020-01-27 01:37:26)
- キモイルカ、今ではモグラに変わってネオスペーシアンの代表格としてなりつつある -- 名無しさん (2020-01-27 12:45:35)
- 最近だとガンブラーだね -- 名無しさん (2020-01-27 12:47:02)
- GBAのEX2006では無制限の魂の削る死霊による手札破壊が強力だった -- 名無しさん (2020-02-05 17:57:12)
- 遊戯王GXにもデッキ破壊前提のデュエリストが居た気がするけど -- 名無しさん (2020-03-08 00:24:22)
- 世紀の大泥棒「あの」 -- 名無しさん (2020-03-27 20:02:11)
- ハンデスが薄いゆえに、手札誘発が安全圏から妨害札を投げつけられる手段になるという卑怯臭さを出してしまうのが悩みどころ -- 名無しさん (2020-10-04 21:52:35)
- 実際ノーリミット環境では指名者に加えてガン積みされた押収だの番兵だので手札誘発が根こそぎ持っていかれるからほぼ先攻ゲーになるんよな -- 名無しさん (2021-10-01 01:10:56)
最終更新:2024年11月28日 22:55