アーマー・アルマージ

登録日:2022/05/29 (日) 21:06:45
更新日:2024/11/10 Sun 15:37:29
所要時間:約 9 分で読めるよう命令を受けている






自分は、命令を実行するのがイレギュラーだとは思わない。



我々は、どちらも間違っていないと言う事だな…




これ以上は問答無用!


アーマー・アルマージとは「ロックマンX」及び「ロックマンX サイバーミッション」「ロックマンX2 ソウルイレイザー」「イレギュラーハンターX」に登場するボスキャラクターである。
異名は「鋼鉄の甲弾闘士」





【概要】

第8機甲部隊の元隊長であるアルマジロ型レプリロイド。
鉄壁の装甲を身に纏っており、絶大な防御力を誇る。
また、如何にも鈍重な見た目だが、高速回転しながら縦横無尽に体当たりを繰り出すなど機動力も侮れない。

武人肌で堅物な性格であり、シグマが反乱を起こした際にも、イレギュラーハンター組織の大半を掌握したシグマを自分の上官と判断。その上で「上官の命令」として反乱に加わった。
以降は兵器の原料となる鉱石が採れる鉱山を占拠する。

イレギュラーハンターX」では「狂ったシグマに従うのか」というエックスの問いに対し、「それは自分が判断する必要はない。命令に従うのは自分の意思だ」と返しているも、
記事冒頭の台詞からエックスの言い分にも理解を示している様子。

VAVAからは「命令に従うしかない木偶の坊」と吐き捨てられているが、「お前は命令に従う事もできない…哀れだな」と言い返している。

ちなみに無印とイレハンXでは両腕の装甲のデザインが異なり、前者は楕円形、後者は円形の手持ち盾になっている。

【ボスとして】

その装甲を活かして、頻繁にこちらの攻撃を弾くためダメージが与えにくい。
またフルチャージバスターを当てても1ダメージしか与えることができないので、初見では長期戦になりやすい。
更にボス部屋全体を跳ね回るように攻撃するため、弱点武器を持っていても油断できないボスである。
バスターで戦うときはローリングシールドの終わり際やレーザー攻撃の時を狙おう。ダッシュ撃ちなら2ダメージを与えられる。

イレハンXではフルチャージバスターでも2ダメージ与えることができるようになっており、勿論従来通りダッシュ撃ちも通るのでダメージを与えやすくなった。
また、ボス部屋全体を跳ね回る攻撃はHARD限定になっていて、ジグザグに動き回るパターンがデフォルトになっている。
ローリングシールドのパターンこそ多彩化したものの、そのすべてがセミチャージ以上で解除出来るという抜け道があるためハードモードにおいてもそこまで脅威ではなく、結果的に8ボスの中では正攻法でも攻略しやすい部類となっている。
倒されると、「いい戦いだった…」と言い残して爆散。
一転してVAVAモードではローリングシールドの中断に硬直の大きいキャノン系を使わなければならないこと、初見では装甲を剥がす手段がなく*1
弱点を突くにしてもダメージこそ大きいもののガードされやすいロケットパンチ系統を使わなければならないことから、8ボスの中でも強敵となっている。
まして初手に挑むのは慣れてからでないと到底オススメ出来ない。

弱点武器はスパーク・マンドリラーの「エレクトリックスパーク」。
弾速が遅い分、ガードのテンポが崩れるのでバスターよりも当てやすい。
更に初回を当てると装甲が剥がれ、以降は防御行動をしなくなる。
なお、アームパーツを装備してフルチャージ状態のまま登場演出中にYボタンから指を離していると、開幕フルチャージエレクトリックスパークで先制攻撃が出来るが、何故かこのエレクトリックスパークを浴びてもアーマーは剥がれない。
アニバーサリーコレクション版では、この装甲を剥がすと「アーマー、あるまじき」というハンターメダル(実績)が貰える。
なお、ボスアタックモードのみで出現するソウルイレイザーでは、特殊武器はゲーム本編での入手可能分のみ使用可能になっているため、弱点武器がエレキテル・ナマズロスの「トライアードサンダー」に変更されている。当てやすさは「エレクトリックスパーク」同様。

フルチャージよりも連射やダッシュ撃ちなど通常弾をメインとして手数で攻めたほうが効率のいいボスではあるが、ストームトルネードやファイヤーウェーブといった連続ヒットする武器は全く効かない。

【技】

  • ローリングシールド
現実のアルマジロの如く丸まって回転しながら体当たりしてくる。
スピードはそこそこあるが壁蹴りを駆使すればかわしていくことができる。
回転中は無敵だがエレクトリックスパークで装甲を剥がせばダメージを与えることができる。
このローリングシールドは最初は45度、以降は90度の角度で跳ね返るため、基本的にあまり深く考えずとも壁を交互に登り降りすれば回避できるような軌道になっており、分かってしまえば回避は難しくない。
あまり長く続くと軌道が変わってしまうが。
また、一度体当たりしてすぐに回転を解いてしまうフェイントも織り交ぜるので位置取りには注意。

イレハンXでは原作のパターンはHARD限定かつ、回転中に四方にエネルギー弾をばら撒いてくるようになった。
NORMALではジグザグに跳ね回るパターンがデフォルトになり、体力が減ってくるとボス部屋外周を高速で回るパターンが追加されるようになっている。
前述の通り、エックスならセミチャージ以上、VAVAならキャノン系の一部の技で動作を中断させられる。
ジグザグパターンの軌道はアーケードで稼働していた「ロックマン・ザ・パワーバトル」のウッドマンの物と全く一緒だったりする。また、彼自身はウッドマン同様に防御に特化した性能にもなっているので、もしかしたら、実は彼はウッドマンを元にして作られているのかもしれない…

  • レーザー
頭部から光弾を放ってくる。
地上でしか撃たないので、壁蹴りで簡単に回避できる。
弱点武器で攻撃するとこのパターンに移行するためハメることもできる。


  • ガーディング→ギガクラッシュ
攻撃をガードした後、溜め動作の後に8方向に弾を発射する。弾速は速い。
ただし、エレクトリックスパークで装甲を剥がしておけば使用してこない。


【入手武器】


  • ローリングシールド

地面を転がって進む球状のエネルギー弾を発射する。
シールドの名は伊達ではなく敵の一部の弾をかき消せる他、壁に当たると一度だけ跳ね返る。
チャージするとエックスの周囲にバリアを張り、敵の攻撃から身を護る。
バリアはダメージを蓄積していくと消滅するが、バリア自体にも攻撃判定はある。
ヘッドパーツ装備するとバリアの性能が上がり、バットンボーン程度ならいくら体当たりしてもバリアが消えなくなる。
シグマステージ3のD-REXのようなボス戦では回避に専念するときはローリングシールド、攻めに転じる時は弱点武器を使い分けるというプレイングも可能。

ランチャー・オクトパルドとVAVAの弱点武器だが、ダッシュ中に当てやすいVAVAはともかくオクトパルドにはホーミングトーピードの弾幕で相殺されて中々本体に届かない為微妙な相性。
オクトパルドに使う場合はバリアとしてではなく、背後や着地際を狙ったり密着からゴリ押し気味に使われる事が多い。
また、ラスボスにも通用する唯一の特殊武器である。うまく手に飛び移って頭部に命中させよう。

サイバーミッションでは通常版は原作とほぼ変わらず。
チャージ版は基本的に原作に近い性能なのだが、ハードモードのみのプレーでの波動拳&昇龍拳獲得に対して考慮しているのか、
新たにステージ内の即死トゲを防ぐ性能が新たに追加された。
同作は初代Xをベースとしているのだが、ボタン数の関係でダッシュジャンプがコマンド入力でしか受け付けず、
結果的にフットパーツ装備時のダッシュ壁蹴りやチャージ版ラッシングバーナーといった、ダッシュジャンプ代わりに使える能力に頼る場面が多発する事から、
ハードモード限定ではあるのだが、原作以上に使える場面の多い特殊武器になっている。
また、同作のラスボスもウルフシグマである事から、相変わらずラスボスに有効な特殊武器ではあるものの、
ハードモードからスタートしたプレイヤーへの考慮として、メタモル・モスミーノスのもう一つの弱点武器にも設定されていたりする。

イレハン版は通常版の性能は原作に近いが、ガード中のメットールや、ローリングガビョールを破壊できる様になったので、割と重要な立ち位置になっている。
弱点としているオクトパルドも攻撃が避けやすく、かつ当てるとひるんでハメが通用する様になっているので、原作から一転して有効になっている。
チャージ版も原作に近いのだが、効果中に通常版の特殊武器での攻撃が可能になったので、原作よりも強化されている*2
特に、今作の波動拳の入手条件が「アルマージステージの特定の箇所までノーダメージで進める」になっているため、波動拳入手の大きな足掛かりになってくれるだろう。
ちなみにVAVAモードではエネルギー弾系の兵装が入手可能になる。
エネルギー弾系の兵装はVAVA版ローリングシールドともいうべき「デッドスターハグ」が存在する。しかし、エネルギー弾系のうち、VAVA版エレクトリックスパークである「ピースアウトローラー」は入手に 弱点としている筈の アルマージが絡んでくるので、VAVAモードでは初回ではアルマージに対して弱点攻撃が出来ないのが難。



【漫画版での活躍】


《岩本版》


よいか?

闘いというものは臆した者に必ず“負け”が訪れるものなのだ!!!


岩本佳浩の漫画版でも武人肌な性格で、一人称は「それがし」。
レプリロイドの装甲をも切り裂く日本刀「紫苑(しえん)」を携えているが、戦闘では使用しない。

スティング・カメリーオを倒した直後のエックスの前に現れ、故障したバスターを修理してあげた上で一騎打ちを申し込む。
だがこれはΣへの命令違反であり、その罰で左目に傷をつけられるもそれを受け入れられる。
決闘場である採掘場では部下が傷付けられないようにトロッコを手配してエックスを奥に誘い込み決闘を開始。


ふっ、心が踊るな…

武人としての血が騒ぐのだ。強い男を見ると戦いたくなる…

たとえどんな咎を受けたとしてもな!!!


シールドで体全体を防御しながら突進する回転的装甲(ローリングシールド)で圧倒。
これは使用すると自分の視界も塞がれてしまうが、自身に搭載された熱センサーによりエックスを感知して攻撃してくるのだった。
これに対しエックスは周囲の岩盤が火に反応するアゴニウムであることに着目。
戦闘に乗じて周囲を火の海にしセンサーから逃れ、一瞬の隙を突いてエレクトリックスパークで攻撃。
彼の装甲を破壊しつつセンサーを破損させて勝利するのだった。


それがしは…最後に“(おとこ)”として戦えた・・・十分満足・・・だ。


アルマージはエックスを讃え、エックスも彼を仲間に誘うが、アルマージは紫苑で自らのボディを貫く。
実は彼の体にはシグマを裏切ると爆発する爆弾が仕掛けられており、その解除コードを切断したのだった。
満身創痍の彼はエックスに武器チップを託し、不意打ちで攻撃してきたVAVAからエックスを庇って死亡。


涙を流すレプリロイドか…レプリロイドの夜明けかもしれ…んな。


アルマージが命をかけて守ろうとした部下のメカニロイド達も既にVAVAによって殺されており、彼の武士道を踏みにじったとエックスはVAVAに詰め寄るも、



たとえば…このグラスの中身がバーボンでも泥水でも…俺達には大差ない…


俺達は…闘うためのみに生まれた疑似生命体(レプリロイド)だからな…


“儀”だの“野心”だの無意味なことだ…



そうエックスを煽り、彼を更なる戦いの道へと誘うのだった…



《池原版》

デラックスボンボンの池原しげと氏による『イレギュラーハンターロックマンX』において、単独行動が多くΣに存在を危惧されてイレギュラー認定されたZEROを倒すために初登場。
強盗殺人を繰り返して多額の金を強奪したイレギュラー討伐のためにアジトの炭鉱に来ていたZEROとそこに合流したXの前に現れ、ZEROをイレギュラーとして破壊しようとしたがそれを阻止しようとしたXと激突することになる。イレギュラーのアジトでハンター同士で何やってるんだか…
炭鉱の地の利を生かし、回転攻撃で落石を起こしてXを苦しめるも、直後にXに発現したヘッドパーツによって落石が無効化され、返り討ちにされてZEROを倒すのを諦めて逃げ帰った。

その後はハンターベースでちょくちょく登場し、ブーメル・クワンガー脱退の責任を問うなどXを目の敵にしたり、Dr.ライトのファイルを奪うために潜入したZEROに敵意を剥き出しにしたりしていたが、
終盤のΣの反乱で、VAVA、イーグリード、クワンガーと共にΣの部下としてXと ZEROの前に立ち塞がる。
しかし、シールド状態になる隙を突かれた末にXによって破壊された。

公式設定のプロフィールを「上下関係にうるさい」と解釈したのか、
本作では武人気質の欠片も見られない、皮肉屋で嫌な先輩のような役柄で描かれており、岩本版とは真逆のキャラとなっている。
だが、本作の頃は設定は無かったものの後に語られたZEROの出自を考えると、ZEROをイレギュラー化する前に倒そうとしたアルマージの行動は今思えばある意味正しかったのかもしれない…


《小説版》

小説版では回想シーンでエックスにイレギュラーハンターとしての在り方を説く*3など、8ボスの中でもエックスに最も大きな影響を与えた人物として描かれる。
武人肌で人格者でもあるなど性格は岩本版を踏襲。

初出は2番手のスパーク・マンドリラーを倒したエックスの前に敵として現れ、エックスは自分にハンターとしてのあるべき姿を説いた恩人の離反に大きなショックを受ける。

エックスとの本戦は、5、6番手としてデスログマーの上でストーム・イーグリードと共闘し、エックス・ゼロの前に立ちはだかる。
同じく隊長格であり実力者であるイーグリードと息の合ったコンビネーションでエックス、ゼロを苦しめるが、最後にはエックスのエレクトリックスパークによって倒される。
イーグリードも旧友ゼロに倒され、その際にイーグリードと共に人質を取られて反乱に加担した事を告白した。

彼が斃れた後もローリングシールドの武器チップはエックスに託され、エックスのピンチを度々救っている。
バーニン・ナウマンダーのステージでローリングシールドの通常弾を使用した際は敵陣を突き進む様子を「アルマージが先陣を切るが如く」と表現しており、
クライマックスシーンではエックスが地上に激突する際に能力が顕現し、エックスは「アルマージ…あなたが守ってくれるのか」とアルマージの存在を噛み締めている。


【余談】


彼のステージでは本作の隠しコマンド技であり、最強の威力を誇る「波動拳」が入手できる。
それにはこのステージを何度も往復する必要があり、このステージのBGMが耳に残ったプレイヤーも多くいたことだろう。
もっともこのステージのBGM自体はそのスタイリッシュさ故に評価自体は非常に高いものではある。
(一方リメイク版のイレギュラーハンターXでは、原点に会った爽快さが無くなり劣化したと言う声も)
ちなみにイレハンXでは往復する必要がなくなった。
更に、入手条件に特殊武器のコンプリートが含まれなくなったため、アルマージを最後に残して全てのアイテムおよびパーツを回収していれば、そのままアルマージに対して試し撃ちが出来てしまう。
なお、サイバーミッションでは波動拳の代わりにゼロスクランブル・ダッシュ(ノーマルモード:ヘッドパーツ)入りのカプセルが存在している。

当たればあらゆるボスを一撃で消し去る波動拳だが、アルマージの装甲の前には無力なのでちゃんと隙を狙うか装甲を剥がす手間が要る。
昇龍拳で即死するアジールフライヤーとは違うのだった。



追記・修正はもう良いだろう。命令を実行させてもらう。

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最終更新:2024年11月10日 15:37

*1 装甲を剥がせるピースアウトローラー、スタボーンクロウラーを使うにはアルマージを倒す必要がある

*2 今作はアルマージ撃破前に波動拳を取れるので、実際はチャージカメレオンスティングが使われる事が多いと思うが

*3 イレハンの「Day of ∑」における隊長時代のシグマのように、甘さから任務中に躊躇したエックスを諭すような役割