ゾディ・アック(ガンダム・センチネル)

登録日:2011/11/14 Mon 15:46:50
更新日:2025/08/26 Tue 11:19:54
所要時間:約 3 分で読めます





ゾディ・アック(Z'OD-IACOK)とは、ガンダム・センチネルに登場するMA。型番はAMA-100。全長は218.30m,全高は44.20m.


【概要】

アクシズ地球侵攻作戦のため開発したMAであり、地球低軌道上からの攻撃および制空権の確保が主なコンセプト。
ロケットを思わせるような前後に長いシルエットが特徴だが、これは大気の反作用を利用した旋回、機動を行うためこのような形になり、大幅な燃料の消費を抑えるためでもある。
さらにゾアンⅠ、ゾアンⅡという分離形態も存在し、またサイコミュ兵器の導入も計画されており、そのためのスペースも用意されていた。

【武装】

  • メガ・カノン
主砲の大型メガ粒子砲。これによる超火力がゾディ・アック最大の特徴。
機体前半部分が上下に大きく割れて上下二門のメガ粒子砲を露出させ、さらにIフィールドを分割した胴体の縁に展開して、ビームの命中精度を上げる。
偶然なのか、その形状はνガンダムのフィンファンネルに近い。
197,400kWという、かつてのビグ・ザム(140,000kW)をさらに凌駕するパワーから発射されるメガ粒子ビームの威力は凄まじく、コロニーレーザーやソーラシステムなどの要塞攻略級兵器を除けば史上最大級の火力が出せたとされる。

  • 有線式ビームクロー
機体の後部に搭載された4基のビームクロー。
同時期のネオ・ジオンがハンマ・ハンマで研究中だった、準サイコミュ技術を用いた有線式の攻撃端末。
格闘戦にもつれ込んだ際に使用し、オールレンジ攻撃が出来る。
このビームクローにはビームサーベルとビームカノンの砲口が仕込まれており、接近してきた敵MSを距離を問わず迎撃できる。
メガ・カノンの桁外れた威力から比較すれば「補助兵装」ではあるが、このビームカノンもZZガンダムのハイ・メガ・カノンに匹敵する出力50MWを誇り、さらにチャージ無しで連射できるという超兵器。

  • ファンネル
キュベレイを開発したネオ・ジオン製らしく、こちらも搭載する予定だった。
しかし、製造途中でメガ・カノンの欠陥が発見され、ニューディサイズ譲渡時には搭載されていなかった。
搭載スペースだけは機体に残っており、本編ではここに臨時に大型ミサイルが詰め込まれていた。

【欠点】

ビグ・ザムをさらに凌駕するパワーと、機動兵器としては最大級の攻撃力、巡洋艦サイズながらMA並みの機動力、そして無線式と有線式双方のサイコミュ兵器を搭載した、ネオ・ジオンの最先端技術の結晶となったゾディ・アック。
が、この機体には致命的な設計ミスがあった。

大型メガ粒子砲の位置を燃料タンクの間にしてしまったのである。
しかも、砲のチャージ機構・冷却機構の信頼性が低く、不調時は砲に電力が逆流してしまう
つまり、主砲を発射すると燃料が加熱され、時々着火されて機体ごと爆発する
パイロット? もちろん死ぬ。
このため、大気機動などのテスト後に廃棄予定だったが、そこにニューディサイズが現れ、彼らに譲渡(という名の押し付け)される。もちろん、欠陥持ちなことは知らせずに。

「タダでくれてやるのだ。少々の欠陥には目を瞑ってもらわんとな。」

もちろん少々で済むならそもそも廃棄予定の必要もなく、発言通りの意味ではない。
アクシズにとってニューディサイズは、粗大ゴミの便利な押し付け先に過ぎなかったということである。
ニューディサイズはエゥーゴの敵でこそあったが、もともとはジオンと敵対する地球連邦軍内部の一派閥であり、そのなかでも「反ジオン」を旗頭に結集されたティターンズと近い思想を持った派閥であった。彼らが蜂起したのも、元はといえば「連邦がエゥーゴ寄り・スペースノイド寄りになりすぎた」ことへの不満からであった。
そのためネオ・ジオンにとっては本質的・思想的に「敵」以外の何者でもなく、協力したのも「敵の敵」だけであって友好関係などではなかった。
ただし、事件後のニューディサイズ残党がネオ・ジオンに合流したという設定もあるため*1*2、この件のみで全ての関係を推し量ることは出来ない。

【劇中での活躍】

前述の経緯でムサイ級軽巡洋艦1隻(後に『ブレイブ』と命名される)と共にニューディサイズに譲渡。
ニューディサイズの最後の作戦はこの機体を地球(チベット地区ラサ市)に落とすことに決まり、トッシュ・クレイとファスト・サイドが搭乗した。
その圧倒的火力でペガサスⅢに損害を与え、ネロ・トレーナーも撃墜する。
だが、このネロにはトッシュの親友ストール・マニングスが搭乗していた…

その後、地球軌道上の決戦でゾアンⅠ、Ⅱに分離するも、ゾアンⅡが欠陥により爆発・四散。
トッシュが乗るゾアンⅠはクローやビームサーベルSガンダムと交戦した後、機体を爆撃コースに乗せるがSガンダムの狙撃で破壊され、失敗に終わった。


デザインはカトキハジメ氏であり、ムック化の際の大ボス機として登場した。余談だが、頭部形状やインコムとして使える上にサーベルも出せる大型クローなどノイエ・ジールに似ている要素も多い。
(ノイエのデザインは明貴美加氏だが、影響を受けた可能性はある)

[関連機体]

  • ゾディ・アック量産型
型番:AMA-100C
本機の発展・改良型量産機であり、見た目はどちらかと言うとゾアンの量産型といった感じ。
生産性を重視してサイズが縮小された他、設計ミスなどの欠陥を克服。
結果、主砲の威力は劣るものの威力は十分であり、何より安全性や信頼性の不安はほぼ無い。
またビームサーベルや大気機動、大気圏突破能力も健在。

コストパフォーマンスにも優れていたため地球侵攻作戦の主力部隊に配備予定だった…が、準サイコミュの開発が優先されたため没られた。勿体ないことをした気がする。





余談だが、00ガデラーザは本機と似ている要素が多い。
(前後に長いシルエット、主砲の展開の仕方、サーベルが使える、ビット兵器、など・・・)






追記・修正は分離してからお願いし…

ファスト「で、電力供給が…大尉いいいいぃぃぃぃ!」


ぼぼーん!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年08月26日 11:19

*1 ニューディサイズと同じ思想を持つティターンズも、Z終盤にネオ・ジオンにすり寄ろうとした(これはエゥーゴもだが)ように、各勢力ともイデオロギーは一旦置いて同盟を組む考えはあった。その流れで言えばニューディサイズがネオ・ジオンに亡命するというのもおかしい話ではない。

*2 そもそも前線の兵士全員が全員自身のイデオロギーに則った組織に配属されるとは限らない。特にニューディサイズの場合は彼らを説得または鎮圧するために派遣された艦隊が、司令官が逆に説得された結果艦隊丸ごと寝返ったと言う経緯もある