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ガンダム・センチネル

登録日:2011/11/10 Thu 22:30:24
更新日:2026/07/20 Mon 23:41:21
所要時間:約 5 分で読めます






GUNDAM
SENTINEL



『ガンダム・センチネル』は、大日本絵画社発行の月刊模型雑誌『モデルグラフィックス』の連載企画、小説、フォトストーリー。
同誌において1987年9月号から1990年7月号まで連載(小説パートは元ストリームベースの高橋昌也)され、1989年に総集編+新作模型作例掲載の別冊ムックが発売、1990年には完全版の小説『GUNDAM SENTINEL ALICEの懺悔』が発売された。
元々は『機動戦士ガンダムΖΖ』終了から『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』公開までの間新商品の供給が途絶えてしまうガンプラのラインナップ増強のためにバンダイ主導で立ち上げられたガンプラ販売企画。そのためサンライズは許可を出しただけで製作には関与していない。

色々あってバンダイ側は企画を凍結する事にしたがモデグラ側が勝手に企画を再始動し、オリジナルストーリーとして再構成されたのが本作となる。

そんな経緯を辿った企画な上モデグラ側が勝手にガレージキットを販売するといった行動もあったためバンダイと非常に揉めていた時期があり、店頭用のPVとしてのアニメ化の企画もあったようだが、この対立が原因なのかは不明だが残念ながら実現しなかった。これの名残がガンダム0083になったとも言われている。

作品の世界観や設定は『機動戦士ガンダムΖΖ』を非常に意識している事が良く指摘され、
実際に
と、正反対とも言える設定になっており、これが男らしいストイックな世界観形成に役立ち、好評を得ている。
……これだけなら良かったのだろうが、
  • ΖΖガンダムより高性能かつΖガンダムの正統後継機という設定を与えられたSガンダム
  • ガンダムΖΖに出てくるジムⅢより性能が上という設定のヌーベルジムⅢ
  • ΖΖガンダムに匹敵する性能を持ちながら量産され、作中でボコボコにされるΖΖガンダムのそっくりさん
等、妙にガンダムΖΖを下げるような設定や描写が多い
また、α任務部隊が編成・出発したのはネオ・ジオンが本格的な侵攻を開始する1週間前なので、もしペズンの反乱が無ければこの戦力をそのままアーガマの補充戦力にできたということになる。機体のスペック的にはとんでもない強化である

当然の事ながら、当時のサンライズからは快く思われていなかったらしい*1
さらに、本企画を主導したあさのまさひこ氏も当時のコラムにてZZに対する挑発的なものを多数掲載しており、ホビージャパン側もそれに対してセンチネル関係を酷評するなど、絵に描いたような対立関係となっていた。
これらは「時代が時代だから」では済まないようなものであるためか、別冊化されたムック本ではこうした挑発的なコラムは一切掲載されておらず、後述する作品の扱いの悪さ*2に繋がっていると考えられている。



[ストーリー]

グリプス戦役末期、小惑星ペズンに駐留する連邦軍教導団のうち、ティターンズに賛同する一部青年将校たちが、エゥーゴが主導権を掌握した連邦政府に反発。
彼らは地球至上主義を唱える「ニューディサイズ」を名乗って武装蜂起し、ぺズンを制圧する。いわゆるぺズンの反乱の始まりであった。
これに対し、ネオ・ジオンとの対決を控えた連邦政府は、早期の反乱鎮圧のため討伐隊の編成を決定。
手始めに少数精鋭の「α任務部隊」を編成し、討伐隊の先遣として派遣する。しかしその実体は最新鋭の兵器に未熟なパイロットという「張子の虎」であった・・・。



[主要登場人物]

CVはGジェネより。
Gジェネでは定番の「ついで撮り」によるキャスティングであるため、他のガンダムシリーズ出演者が非常に多い。


[α任務部隊]


リョウ・ルーツ
CV:藤原啓治
本作の主人公(一応)。母親がALICEの開発者であり、家庭を顧みなかったことからDQNな性格になった。しかし実戦を経験して成長していく。
名前の元ネタは坂本龍馬

シン・クリプト
CV:塩屋翼
リョウの悪友。FAZZ隊隊長に任命される。彼も当初はDQNだったが、隊を全滅させられた後は成長した。別作品の主人公とは関係ない。
名前の元ネタは高杉晋作。

テックス・ウェスト
CV:川津泰彦
元カラバ出身。温厚な性格だが、怒る時は怒る。終盤で発した台詞は本作屈指の名言。
名前の元ネタは西郷隆盛

シグマン・シェイド
Ζプラスに乗る。台詞は少ないが、比較的出番は多い。真面目で努力家。
名前の元ネタは大隈重信。

ジョン・グリソム
ロバート・オルドリン
FAZZ隊に配属。ガンダムMk-Ⅴにやられて戦死。
名前の元ネタは実在の宇宙飛行士もしくは桂小五郎(木戸孝允)大久保利通

チュン・ユン
ネロ隊隊長。終盤ではZプラスに乗る。最初リョウ達とは対立していたが、和解した。終盤の姿はまさに
名前の元ネタは中岡慎太郎

ストール・マニングス
CV:大塚明夫
リョウ達の上官。一年戦争からのベテランであり、親友のトッシュを庇い右足を失くす(今は義足)。未熟なリョウを厳しく育てた。終盤で隊を救うため出撃し、そして…。
名前の元ネタは岩倉具視

イートン・ヒースロウ
CV:戸谷公次
ペガサスⅢ艦長。士官学校を優等生で卒業したが、それ故失態が続く。しかし終盤では「本物の艦長」に成長した。
名前の元ネタは伊藤博文。

ALICE
CV:朴璐美
Sガンダムに搭載されているAI。本作の鍵を握る。
名前の元ネタは有栖川宮熾仁親王。  

[ニューディサイズ]


ブレイブ・コッド
CV:玄田哲章
ND首領(局長)。「戦は技量で決まる」が自論であり、ガンダムMk-Ⅴ搭乗時はその言葉を存分に証明した。その実力でEx-Sガンダムを撃破寸前まで追い詰めるが…。
名前の元ネタは近藤勇

トッシュ・クレイ
CV:堀内賢雄
ND参謀(副長)。マニングスとは戦友。NDの作戦の殆どを立案した。終盤ではブレイブに代わりリーダーとして戦い抜こうとするが…。
名前の元ネタは土方歳三

ジョッシュ・オフショー
CV:山寺宏一
もう一人の主人公。第一突撃隊隊長を務める。理想と現実の差に苦しみ、やがて悲劇的な道を歩んでしまう。
名前の元ネタは沖田総司

ファスト・サイド
CV:関智一
第四突撃隊隊長。顔出ししたのは後半。終盤ではゾディ・アックに乗るが、とんでもない悲劇が…。
名前の元ネタは斎藤一

ブライアン・エイノー
CV:大林隆介
連邦軍X分遣艦隊提督。NDを説得しようとするが、サオトメの口車に乗せられ寝返る。終盤では無責任な発言をしてテックスにぶん殴られる。
名前の元ネタは榎本武揚。

マイク・サオトメ
NDの情報士官。本編の様々な局面を動かしたといっても過言ではない。実はネオ・ジオンのスパイ
名前の元ネタはジョン万次郎もしくはアーネスト・サトウ。

ドレイク・パーシュレイ
反乱をおこした不安に耐え切れなくなり、投降しようとするが粛清された。
名前の元ネタは芹沢鴨だが、末路は武田歓柳斎を思わせる。

カイザー・パインフィールド
エアーズ市市長。コロニーレーザー戦に参加しようとしたが部下に止められた。その鬱憤を晴らすためNDに協力する。
名前の元ネタは松平容保。

ホワイト・フォース
エアーズ市の少年兵。だがα部隊に射的のように落とされていった…。
名前の元ネタは白虎隊

[他作品出演]


雰囲気やメカデザインから人気の高い作品ではあるが、版権問題のため露出には恵まれない。
そのため、動くセンチネル系の機体の勇姿を拝めるのはGジェネガンダムバトルシリーズ、後述のVSシリーズくらいと少なかった。
とはいえ参戦作における演出には恵まれており、版権の隙間を縫うような形でアニメ作品に登場することもあった。
また、メイン機体はともかく、量産機はそこら辺のハードルが低いのか、ゼク・アインやヌーベル・ジムⅢ、バーザム改、Ζプラス等の機体は外伝漫画で脇役として登場することもあった。
しかし後述するが、2020年代以降はさらに版権問題が悪化しているような節がある。

Gジェネにおいては『ZERO』で参戦し、これ以降各キャラの声優や戦闘BGMも定着している。
特に、主人公のリョウはシナリオ再現が無い作品でもただ一人参戦することが多かった。
リョウ以外ではブレイブ・コッドもしばしば登場しており、『ジェネシス』でもリョウ共々参戦していた。
ただしストーリーが取り上げられたのは『ZERO』と『F』のみ。
その後は一貫して機体と一部キャラクターのみ参戦という、やや寂しい状況が続いていたが……?

ギレンの野望 アクシズの脅威V』でも機体のみ多数参戦。殆どの機体が一線級のスペックを与えられている。
さらに、同じくフォトストーリー作品である『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗の下に』との共演も遂に果たした。ヘイズル VS Ex-Sといったドリームマッチも可能。

「ガンダムVSシリーズ」では、EXVSフルブーストの家庭版でEx-Sガンダムの参戦が決定した。ファンは感無量だろう。
しかし、こちらはEXVSシリーズでは異例となる「パイロット無し(UNKNOWN)」という形での参戦であり、ボイスは一切無くカットインも黒塗りのシルエットが表示されるだけという異様な扱い。
やはり版権問題が原因と噂されており、EXVSシリーズがタイトル変更していく中でも未だにパイロット追加はされていない。
ゲームスタッフによると、パイロットがいない機体を参戦させるという試験的な意味合いでの参戦となっている*3*4
そして、EXVS2からはその黒塗りのパイロットイラストすらも削除された。
「ALICEによる完全自動制御になった」という前向きな見方もできる…が、ALICEによる自動制御はメインカメラが赤く発光している時だけなので、普段操縦している人物は結局謎である。

一方で中国市場向けのスマートフォンアプリ「ガンダム争鋒対決」ではリョウ・ルーツが声付きで参戦している。
それまでは「CV無しであれば許諾が出るが、藤原氏の新録やバンク音声を使ってしまうと版権上アウトとなる?」という意見が主流だったため異例とされた。

ガンダムトライエイジ』では、Ex-Sガンダムとリョウ・ルーツが参戦している。
こちらではGジェネやEXVSシリーズとも異なる、「リアル体型のEx-Sガンダムに乗るリョウ・ルーツ」という非常に珍しい描写を見られた。
先述のようにCV無しだから*5とする説は当時結構あったが詳細不明。

『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』では、もともと機体しか取り上げないゲーム性のお陰か早い段階で参戦し、しかも主要機体だけでなく量産機やバリエーションも含めて収録率は高め。
同時期のゲームと比べても機体モデリングに定評のあるゲームだけあって、複雑なEx-Sガンダムのディティールや変形を見事に再現している。
さらに既存機体とサイズ差がありすぎて実装困難と思われていたゼク・ツヴァイまで参戦済み。
流石にゾディ・アックはいないが。

ガンダムビルドファイターズ』では「ガンプラである」ことを利用してか、出番は短いながらもまさかの映像化が実現。
しかも一定以上の作画を維持しながらバトルで動かすというトンデモなことをやってのけた。BFスタッフは狂ってる(褒め言葉)としか言いようがない。

スーパーロボット大戦シリーズ」では『第4次スーパーロボット大戦』にSガンダム・Ex-Sガンダムが登場するに留まっている。
また『第2次スーパーロボット大戦α』に参戦する予定があったようで、衛星ミサイルがΖガンダム名義で登場し*6、バーザムのデザインがセンチネル版になっている他、没データにSガンダムやΖプラスをはじめとする本作の機体が存在している*7



機体はアニメ・漫画・ゲーム等の各種作品に登場しており、キャラもリョウ以外でもブレイブ・コッドが出ているため権利が散逸しているとは考えにくい。「版権料や各種の調整などの手間がかかるが少数なら何とか出せないことはない」のではないかという見方もある。

…というより、当時のサンライズやバンダイから大いに不評を買った作品なので、ゲームなどの制作側からは「人気があるから機体は出すがストーリーに関しては極力触れたくない(そのためキャラも出せない)」と思われているのが真相では?と考えられている。
特に2022年発売の書籍『機動戦士ガンダム新訳MS大全集 U.C.0081-0090編』では権利者の希望としてセンチネルのMSの掲載が拒否されたことが明言されており、複雑な状況が続いていることが示唆されている。
誰が言ったか、版権の無間地獄

後の『SDガンダム Gジェネレーション エターナル』では、機体はサービス開始当初から参戦していながらパイロット無しのいるだけ参戦状態だったものの、2026年4月のEx-SガンダムのUR実装で、遂に対応パイロットも追加された。
…が、実装されたのはリョウではなくヤサカ・マオであった。同時に他のセンチネル系機体も追加されたが、いずれもパイロット無しである。
この扱いに「何でだよ」「マオは『センチネル』のキャラだった…?」という反応もあったが、これはマオが幼稚園の頃に「HGUC Sガンダム」を作っていたが故の縁。きちんとマオのビジュアルも幼少期仕様になっている。
とはいえ、マオをSガンダムではなくEx-Sに対応させていたりと強引な感は否めず、「これまでのGジェネでは出せていたリョウすら扱えなくなるほどに、現在は版権的な問題が悪化してしまっている?」と推察されている。


[プラモ展開]

ガンプラ

主にMGで展開されている。
MGの展開以前は、1988年から1/144でフルアーマーZZガンダム、ゼータプラスC型、Sガンダム、Sガンダムbst、ExSガンダムと多数が発売され、さらにガレージキットのような改造用キットの形式でゼクアイン、ネロ、Mk-Ⅴも発売されている。
ただし、MGの方は巨躯で膨大な量のパーツがあるFAZZを筆頭に、細身なのに背負い物がデカすぎるEX-S、完全変形を目指したが故に脆く繊細なΖプラスなど、組み立てからディスプレイに至るまで扱いが難しいという上級者向けなシリーズになっている。
素組でこうなのだから、さらに完全に塗装して組み立てるとなると、かなり上級難度を誇るシリーズだろう。
2019年には選択式キットとしてS/EX-Sガンダムが事実上のVer.1.5版として再度立体化、続く2020年にはFAZZがVer.kaになって立体化、更に誰もが無理であろうと思っていたディープストライカーがMG200番目記念で立体化など、イカれたラインナップが続く。
またガンダムMk-Ⅴがプレバン限定で発売し、多くのユーザーから歓喜された。

HGの旧キットではΖプラスやFAZZなどは早くから展開しており、可変機構の再現もできている前者の評価は高い。
HGUCに入って以降はSやEX-S、ゼク・アインも立体化していて色分けなどの向上が図られた。
更にガンダムUCでΖプラスが出て以降は、プレミアムバンダイを含めΖプラスのバリエーション展開が拡充している。

SDガンダムでは、BB戦士の初期シリーズにSガンダムとΖプラスなどが発売されていた。
後に成型色の変更やランナー追加などを施したGジェネ版も登場している。
いずれもスプリングギミックによるBB弾の発射ギミックがあったり、パーツの差し替えで細かな仕様違いも再現されており、当時なりの古さはあるがプレイバリューは高く侮れない。


その他立体化

ROBOT魂やFIX FIGURATIONシリーズではハミングバードなどが立体化。
SD頭身になると更にゼク・ツヴァイがユニバーサルキットシリーズで発売している。
この辺りの完成品フィギュアシリーズになれば発売するあたり、やはり元の大きさや構造難度が影響していると見受けられる。


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最終更新:2026年07月20日 23:41

*1 ジ・O等のデザイナーとして知られる小林誠氏は当時連載していたガンダムの外伝漫画にEx-Sガンダムを描いた所編集者から「Sガンダムは描くな」と言われた事を語っている。

*2 一方のZZは後発作品のガンダムUCやクロスボーン・ガンダムDUSTにて設定が拾われている。とはいえ、ガンダムUCはΖプラスなども登場してはいるが。

*3 https://dengekionline.com/elem/000/000/785/785948/index-3.html

*4 ただしその後のパイロット不在の参戦機体は、EXVS2で『SDガンダム』の騎士ガンダム、EXVS2XBで『ガンダムNT』のフェネクスのみと極小に限られている。どちらも設定上パイロット不在にするしかないorその方が望ましい機体が選択されているので、Ex-Sに関しては方便ではないかと噂されている。

*5 『トライエイジ』では一律でパイロットボイス無しだったため。明確に原作キャラによるナレーションがなされたことは一応あるが、当該のキャラも「パイロットカード扱いの時の音声」は入っていない

*6 センチネル以外で衛星ミサイルが登場した作品はΖではなく本作では参戦していない1stである

*7 長らく動画では有名であったが、2018年にふたば☆ちゃんねるにて本格的な解析を行った結果、事実であることが判明。「ALICEが特殊能力として実装されている」「ガンダムmk-Vやゾディ・アックまで機体データは完成していた」一方で、「ゾディ・アックに分離があるのに分離先のゾアンは名前すら存在しない」「パイロットデータは誰一人存在しない」という部分もあるため、開発途中で没になったことが推測できる