本好きの下剋上

登録日:2022/06/30 Thu 17:50:20
更新日:2022/08/12 Fri 22:21:47
所要時間:約 13 分で読めます




本好きの下剋上は、web小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載されていたweb小説。正式名称は「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」で、作者は香月美夜。

アニヲタお馴染みのよくある異世界転生物だが、文化や社会の掘り下げが深く、物作りを中心に本と図書館が主要テーマ。

後々魔法が出てくる中世風ファンタジー世界観は、人生の区切りで切り替わるマインの立場に沿った独特で迂遠な言い回しなどで綿密に練り上げられている。

TOブックスより加筆や修正がなされた本編計29巻+外伝1巻+短編2巻が出版されており、イラストレーターは「サクラダリセット」などの挿絵を手掛けた椎名優が担当する。
また、「小説家になろう」では本編後日談の第六部と言える位置づけの「ハンネローレの貴族院五年生」が連載されているが、本編加筆・コミカライズ監修・毎年のファンブック刊行などで手が回らない状況。

コミカライズは担当が一人だととても追いつかない分量のため、作画は第一部&第二部 鈴華、第三部 波野涼、第四部 勝木光が並行して行っている。
2019年10月から「忍たま乱太郎」「北斗の拳 イチゴ味」などを手掛けた亜細亜堂により分割2クールでのアニメ化。
2022年4月開始の3期を以て一区切りした。………が、アニメ化された二部で4分の1三部でも全体の半分にもなってない
完走まで何年かかるのだろうか……
この項目で全体を取り扱うにもあまりにも量が多すぎるため、ここでは主にアニメ化された第一部「兵士の娘(なろう)/本が無ければ作ればいい(書籍)」と第二部「神殿の青色巫女見習い(なろう)/本のためなら巫女になる(書籍)」について取り扱う。




■用語


中世ファンタジー世界なためか、表に出回るのは羊皮紙と革表紙が使われ豪奢な装飾が施されたものだけであり、貴族の嗜好品でしかなく平民ではとても手が届かない。
そもそも商人を除き平民はあまり読み書きができなくても問題ないので、需要もない。

  • エーレンフェスト
ユルゲンシュミット国の北東の端に位置する領地。通貨には国家共通の通貨であるリヨンを使っており、金銀銅貨がある。
主人公のマインは首都であるエーレンフェストの下町で生を受けた。
都市としてのエーレンフェストは北に城と貴族街がある城塞都市で、それと下町を隔てるように神殿があり、外と行き来するための門は東西南北の4つがある。
近隣は街道の他、河川や森、農村といったものが点在しており、平民は必要に応じそれらを行き来している。

  • 下町
魔力を殆ど持たない平民が暮らす場所。
石造りの白い建物の上に木造の居住部分があり、5階建て以上に建物が増築されている。
エーレンフェストではトイレや下水道は整備されておらず、排泄物はある程度溜めておいて窓から捨てる中世スタイル。
当然衛生状態はよろしくなく臭い上に、道の整備も行き届いておらず馬車でもガタガタと揺れる。
また下町の人々にとって教育は生家の仕事を手伝うために家で施すものであり、商人でもなければ文字はあまり必要ない。

  • 身食い
平民から稀に生まれる魔力持ち。
平民に対しては魔力関連のことが秘されているため、ただの熱病や奇病などと思われている。
症状が出た際には魔術具を使って魔力を吸い上げさせなければ、魔力の暴走で7歳までには死に至る。
幼い頃は問題なくとも、性徴で体内の魔力が増えたことで発症することもある。
魔術具は大商人でも大金を払えばようやく壊れかけのものが手に入るというぐらいで、平民にとっては流通数が少なく非常に高価。
このため魔力を使う手段がある神殿に入るか、貴族と従属契約を結ぶなどして魔術具を手に入れなければ生き残れない。

  • 威圧
魔力が高い者の感情が高ぶった時、全身の魔力が活性化して敵意として向けてしまうもの。
受けた者は急激に苦しくなって立っていられなくなり、更に受け続ければ気絶したり吐血したりする。
自身の持つ魔力で抵抗することもできなくもない。

  • 神殿
ユルゲンシュミットを創造した神々を信仰し、神事が行われる場所。
子供や大人として正式に認められる洗礼式や成人の儀式なども行われる。
魔力を持つ青色神官/巫女が神事に当たり、灰色神官/巫女は側仕えとしての補佐や掃除などの雑務などを行う。
平民と貴族のどちらからも居住や勤務の環境は良く思われておらず、平民からは青色神官/巫女は貴族だと思われていて孤児がその奴隷として暮らす場所だと思われており、貴族からは魔力不足などの出来損ないの子供や政敵などを左遷して押し付けるような場所と思われている。
しかし神官や巫女により隅々まで清められており、衛生状態は下町よりとても良い。
実際に身分が下の者が逆らうことは死を意味するという貴族の風習が持ち込まれていて「花捧げ」といういわゆる性欲を鎮める仕事もあるし、魔力を持つ青色神官/巫女はかなりの魔力を使って行わなければならない神事もあるが人海戦術で時間をかければなんとか解決できるため認識は間違っていない。

しかしユルゲンシュミット中央で起きた政変で貴族と青色神官/巫女が減ったため、中央神殿や貴族の欠員を補充するため召し上げられたり還俗したりしてしまい業務が逼迫している。青色巫女に至っては一人もいない。
加えて神殿長が妊娠した経験のある灰色巫女を全員処分してしまったため、赤子が育て方がわからないという状況にもなっている。

  • 洗礼式
7歳を迎えて洗礼を受ける子供を祝う、季節初めごとに行われる式典。
平民は一堂に神殿へ集められて行われるが、貴族は城や館に神官や巫女を呼びつけたりして行われる。
平民は洗礼として神への祈りと感謝の作法(グ○コからの土下座)*1を教えられ、メダルに血判を押して人権を登録する。
従属契約をした身食いなどは、行うことが許されず無戸籍にされる者もいる。

  • 貴族
基本的に魔力を持って生まれる生まれながらの支配階級。
魔力は四季の訪れや大地の実りに直結しているため、貴族の多さと魔力の強さはそのまま領地の豊かさにつながる。
更に魔力量によって上級・中級・下級に分けられており、ここでも身分差が適用され自分より下位の貴族なら側近にできる。領主・領主候補は上級より上に位置する。
神官は魔力はあっても貴族扱いはされないが、貴族としての教育を受けているか否かで扱いは変わる。
中級以上の貴族は領地を与えられることも多々あり魔術具の作成など魔力を使う作業などで多方面の金策ができるが、下級貴族は側仕えを増やせないことから領地は与えられにくく魔術具の作成など魔力を使う作業は難しいので登用され任官されねばその生活は苦しいものとなっている。
騎士団員も貴族のみで構成されており、騎士は正装として領地の色をしたマントを付ける。エーレンフェストは黄土色。

家格は魔力量で決まっており、家督が3代続けて現在の位で見合わない魔力を出せば家格が変動する。
このため家格に対して魔力が低い者は神殿に入れられたり下働きにさせられたりする。
また魔力に大きく差があると結婚しても子供ができないため、貴族の結婚は魔力量と位によってある程度相手が絞られる。
努力して魔力量を伸ばした結果、結婚相手の魔力を感知できない(子供が出来ない)といったこともある。
もし神殿で青色灰色で子供を作ってしまった場合、その青色は魔力が平民並しかないという証明になってしまい二度と貴族に戻れない。

  • シュミル
前足の爪に毒を持つ、ウサギのような姿の魔獣。アニメではCMで叫ばれたりしていた。
人懐っこく「ぷひぷひ」と鳴くため、貴族の間では愛玩用としても人気。
平民にとってはおいしいお肉だが。


■登場人物


  • マイン
CV:井口裕香
下町の兵士の次女で主人公。本編開始時は5歳。
身喰いの高熱で死にかけていたところで前世の記憶が戻り、とにかく大好きだったが手が届かない本を手に入れるため奮闘。
生きているのがおかしいとまで言われる病弱ながら、感情のまま先走ってトラブルを起こし、誰かが止めようとしても魔力を暴走させて威圧するなど、その執着は凄まじい。
マインとしての生活で家族のことを大事に思うようにもなりそのまま熱病で果てようとも考えていた…が、神殿に本があることを知り、本を読むためにあっさり撤回。
紆余曲折の末強引に下町から通いの青色巫女見習いという身分を手にし神殿入りした。

前世の記憶があるのに周囲からすると地雷(マイン)*2のような危なっかしい行動に走るのは、記憶や性格から自分が前世の人物だと思い込んでいるが精神そのものは幼いマインのままだから。
ベッドの上で夢を見ることしか楽しみのない幼い病弱な少女が死の床で前世の走馬灯という夢を見ていた中、意識を引き戻し記憶を引き継げたといったところ。

すぐ熱を出して寝込む虚弱な青色巫女見習いでありながら、その影響力が上がるにつれて周囲のマインを取り込もうという動きも活発化。
家族と離れざるを得なくなっていき、第二部で神殿が他領の貴族の襲撃を受け、表向きは死亡する。

  • 本須麗乃
読書が生き甲斐で大学を卒業してからは司書になることが決まっていたが、自室で地震による本の倒壊に遭い窒息死したマインの前世。
マインの人生で役立つ本以外の知識は多趣味な母親に付き合わされてのもの。
名前の由来は「らくウラの*3」ととても強欲。


  • トゥーリ
CV:中島愛
服飾職人見習いになるマインの姉。
マインに振り回されることもあるが妹思いの優しい姉であり、精神年齢が上がった(と思っている)マインはマジ天使とか思っている。

  • ギュンター
CV:小山剛志
下町の門番を勤めているマインの父親。
相手が貴族であろうと家族のためならなりふり構わない。
周囲にはマインの性格はギュンター譲りのものと思われている。

  • エーファ
CV:折笠富美子
マインの母親で、染色職人。
ギュンターから騎士のやり方での求愛を受け、結婚に至った。
夫婦仲は非常に良いが、マインが本須麗乃の意識を得るまでに4人もの子を失っている。妖怪紙候補捨ておばさん

  • ルッツ
CV:田村睦心
マインとトゥーリの幼馴染で、建築職人の四人兄弟の末っ子。
兄のお下がりしか回ってこない現状を苦々しく思い、旅商人になって街を出ていく事を考えていたが、ベンノやオットーに諭されて商人見習いとなる。
開発した商品からマインの異常さに気付いたが、自分が麗乃の記憶を得る以前のマインを知らないことから受け容れた。以降は吹っ切れて相棒兼マインの暴走を抑えるストッパーとなる。
なお、どちらにも恋愛感情はない。

  • ベンノ
CV:子安武人
マインのストッパー兼保護者。
オットーの義兄となるやり手の若手商人で、服飾関係を扱うギルベルタ商会の長。独身。
年相応の素直さを持つマインとルッツにあえて意地悪な質問を出し、行動しようとした時に問題点を指摘したり有効なアドバイスを与えることで二人を商人として伸ばそうとしている。
ベンノの薫陶を受けたおかげで、マインは実利に聡くしたたかな交渉ができるようになった。

昔愛した女性が身食いで、助けられるだけの金を手にして戻った頃には亡くなっていたという過去を持ち、生涯独身を貫くつもりでいる。

  • オットー
CV:日野聡
ギュンターの部下である門番。
以前は旅商人だったが、ベンノの妹のコリンナと結婚するためにエーレンフェストで全財産をはたいて市民権を得た。
文字を読めて計算ができることから書類担当として重宝されている。
マインに計算をやってもらったことから文字を教え助手として働いてもらうようになり、マインの異常さに気が付く。
マインがルッツから旅商人になりたいという相談を受けたことから、マインとルッツにベンノを紹介した。

  • グスタフ
CV:中博史
商業ギルドのギルド長で、オトマール商会の主。
ベンノとは仲が悪いが、ベンノに対して親切心で行ったことが全て裏目になってしまったからというのが理由。
孫娘であるフリーダに対して甘いが、二人でギルベルタ商会躍進の立役者であるマインのことを引き込もうとしたり抜け目がない。

  • フリーダ
CV:内田彩
グスタフの孫娘。
身食いだが、グスタフが様々なコネを使って平民にも理解のある下級貴族と従属契約しており、金銭的に援助する代わりに魔術具を融通してもらっている。
マインのことは同じ身食いという身の上だからか親近感を持っているが、祖父と共に引き入れようとするしたたかな面も持つ。
マインは知らないが契約している下級貴族はダームエルの兄ヘンリックであり、青色巫女見習いの服の料金のうちダームエルが負担した分は兄からの借金で賄われたため間接的にオトマール商会が払った形になっている。

実は初期プロットではマインが商業活動をする上でグスタフとフリーダが深く関わる予定だったと作者が明かしている。
だが「女の子二人ではできない肉体労働要員」としてルッツが、「革新的な商品を売り出し既得権益に喧嘩を売る野心家の商人」としてベンノが生まれたためかなり影が薄くなってしまった。

  • インゴ
腕一本で木工工房を渡り歩いて資金を貯め独立したばかりという、木工工房の親方。
マインが神殿の冬の手仕事として考えた、カルタに使う板を受注した。

  • ヨハン
鍛冶工房の見習い。
繊細な金属加工技術を持ち腕も確かなのだが、客の注文を取る時つい細かく聞いてしまうため専属がつかず見習いに甘んじている。

  • ハイディ
インク工房の親方の娘であり跡取り。
研究者肌であり好奇心旺盛で落ち着きがないので、夫のヨゼフが苦労している。


  • 神殿長/ベーゼヴァンス
CV:星野充昭
長い間神殿長を務めている髭もじゃの爺さん。
姉が先代領主夫人で現領主の叔父にあたるため、神殿を隠れ蓑に貴族間の様々な不正に関わっている。魔力は持っているが、本来の身分に対して低い。
神殿に本があることを知って神殿入りしようとしたマインが金貨を持ってきた時は富豪の家と勘違いして優しく対応したが、家族やフェルディナンドも含めた話し合いで貧民であると知った途端傲慢な態度を取る。
だが怒ったマインが魔力を暴走させて威圧したため、危うく遥か高みに登るところだった。

その後もマインをよく思っておらず様々な妨害を仕掛け、ついに神殿にエーレンフェスト領以外の領地の貴族と兵士を招き入れてマインに従属契約を結ばせようとした。
しかしマインが先に領主との養子契約を結んでしまったため、断罪され今度こそ遥か高みへ遠ざけられた。
死後も影響力はなお大きく、別の事件を引き起こしたりしている。

  • 神官長/フェルディナンド
CV:速水奨
マインのストッパー兼保護者その2。神殿長の義理の甥だが、神殿長のことは快く思ってはいない。
常に仏頂面で無表情だが、初登場時で20歳と若い。
貴族としての教育を受けている本当のお貴族様であり、その中でも魔力が高く若くして騎士団長を務めた経験も持つなど文武両道。仕事は完璧にこなせて芸事にも長けた完璧超人で自他ともに厳しいハイスペ理系男子。
しかし秘密主義で表情から内面が読み取りにくく*4、対人能力も著しく低く異性も苦手なので側仕えも灰色神官だけで固めている。悪くないが誉め言葉なんてわかんないよ!
神殿入りしている貴族でありながら騎士団長のカルステッドを呼び捨てにして騎士として活動でき、その際に身に着けるマントも黄土色でなく青色など不可解な部分がある。

聖典の読み聞かせをした時にマインが年齢に合わない教養を持ちながら身食いで生きているのがおかしい状態であったため気になっており、神殿長が態度を変えたせいで威圧を受けた時には耐えながらなんとか収め、「下町から通いの青色巫女見習い」という特別措置での神殿入りを許可した。
マインの教育係となった際、側仕えに自身の筆頭であるフランを渡している。
その後はマインに仕事や芸事など様々な課題を与えるが、全てをクリアしつつも虚弱や暴走で手がかかることを悪くないと思っている様子。

後にマインが何者かということが気になり、記憶を覗く魔術具を使い本須麗乃の世界を見たことでその正体を知った。この時マインは抵抗しなかった。*5
その際家族愛に触れたことで、かなり動揺し涙を流した。
以降はマインの価値を理解して、囲い込みのため上級貴族の庇護を受けられるよう手を回すようになる。
しかし間に合わず、マインは死を迎えることとなってしまう。このことは内心とても後悔している。

アニメはフェルディナンドが記憶を覗くところから始まっているが、ちゃんとした登場は1クール目の終わり間際と遅いのにCパートのレギュラーなのでずっとこいつ誰状態
フェルディナンドという名前が明らかになるのも2クール目の終盤と遅い。神殿長の名前はもっと後だけど。

  • フラン
CV:狩野翔
灰色神官。フェルディナンドの筆頭側仕えだったが、マインに付けられることになった神殿のストッパー。
フェルディナンドは優秀さを認めて期待の若手であるマインに渡したのだが、その説明をされていなかったので左遷されたのだと思っていた。
これが解消されてからはマインの筆頭側仕えとして奮闘する。
なろう連載時は何故か女だと思われていたらしい。神官なんですが…

  • ギル
CV:三瓶由布子
灰色神官見習い。マインを快く思わない神殿長によって側仕えにされた問題児。
反攻的であったが、仕事をこなして報酬を与えられ褒められたことで心を入れ替えマインのために努力するようになる。
まだ見習いになっていない孤児たちの面倒をよく見ていたことから、よく慕われている。

  • デリア
CV:都丸ちよ
灰色巫女見習い。マインを快く思わない神殿長によって側仕えに送られたスパイ。
花捧げが通じないことやギルが褒美を貰ったことなどから、着飾りや掃除などの仕事を中心に仕える。
マインが自身のトラウマであった孤児院を工房にしたことで状況を変え、また捨て子であったディルクの世話をさせてもらえるようになったことでマインに深く感謝するが、神殿長との繋がりは断てていなかった。
このため神殿が他領の貴族に襲撃を受けてしまう事件に繋がってしまい、事件後は命を助ける代わりに生涯を孤児院で過ごす罰を受けることとなった。

  • ヴィルマ
CV:安野希世乃
灰色巫女。花捧げをされそうになったトラウマから、男性恐怖症となり孤児院に篭っている。
絵が上手く孤児たちの面倒をよく見ているため側仕えとなるが、ヴィルマの状態を考慮したマインは引き続き孤児院に止めおきつつ絵の依頼を出すこととした。

  • ロジーナ
CV:鈴木みのり
灰色巫女。フェルディナンドにフェシュピール*6を学ぶように言われて教師役として側仕えに付けられた、フェシュピールの天才。
前の主*7の影響でフェシュピールを奏でるばかりで側仕えの仕事をしようとしなかったが、同じ主に仕えていたヴィルマに諭されて事務仕事などをするようになった。

  • アルノー
CV:伊藤良幸
灰色神官。フェルディナンドの筆頭側仕え。
優秀だがフランに対して個人的に含むところがあり、細やかな攻撃を行い続けては内心ほくそ笑んでいる。
ディルクの一件が神殿長の知るところになる致命的ミスの発端となり、故意に取次を遅らせてフェルディナンドによる対処までも遅らせた。
その後「遠ざけた」とされフェードアウトする。
裏設定によると実際はフェルディナンドに事情聴取を受けた際に自身とフランの前の主*8について話し、その際にアルノーが数々の嫌がらせを行っていたせいでマインの死にも繋がったと気付かれてしまい、断罪されたとのこと。


  • カルステッド
CV:森川智之
領主の護衛騎士を務める、領主一族の傍系に当たる上級貴族でエーレンフェスト領の騎士団長。
フェルディナンドにとっては数少ない信用できる人物。
冬のトロンベ退治において二人の未熟な騎士にマインの護衛を任じたが、その護衛騎士がマインを傷つけるという事件を犯したため責任を取らされ減給に加えマインの衣装代を払う処罰を受ける。
しかし信用は変わりなくフェルディナンドからマインの養子縁組を打診されており、その際マインのことを饒舌に語るフェルディナンドを見て殊の外気に入っていることを見透かしている。

  • ダームエル
CV:梅原裕一郎
下の下の家柄という文官の家系に生まれた下級貴族の騎士。冬のトロンベ退治では未熟で魔力も低いことから、討伐でなくシキコーザと共にマインの護衛に回される。
シキコーザからマインを庇おうとしたものの身分差で黙らされてしまいシキコーザともども死刑になるところだったが、マインの口添えで減刑され降格処分の上衣装代を払い、巫女見習いであるマインの護衛に付けられるという処罰になった。
それにより婚約が白紙になったり兄から借金したりなどといったトラブルが起きたが、庇って貰えたことは嬉しく思っている。
少ない魔力を活かして同様に魔力が少ない敵を感知したり、給料が減った分神殿の中でフェルディナンドを手伝ってバイト代を貰い補填したりと自分にできることを精一杯やっている。
下町は不潔なため、正装の黄土色ではなく茶色のマントを付けている。

  • 雑魚騎士シキコーザ
CV:石谷春貴
中級貴族の騎士。冬のトロンベ退治では未熟で中級貴族にしては魔力が低いことから、ダームエルと共にマインの護衛に回される。
政変前まで青色神官だったことに劣等感を抱えており、神殿長から平民だと聞かされていたマインが青色であることとその場に身分が下の者しかいないから感情が爆発。
身分差を振りかざしてフランやダームエルを黙らせマインの目を抉ろうなどとする凶行に走るが、抵抗したマインが手に怪我を負ったことで別のトロンベを発生させてしまう。
対処できずに怖気づいていたところをフェルディナンドが駆け付けたことでマインはなんとか事なきを得たものの、責任を取らされ後に処刑された。

処刑が決まった際に家族には連座するかマインに関わらないという条件で罰金を払い殉職扱いにするかという選択が与えられ、後者が選ばれ表向きには殉職となっている。
納得できなかった母親は神殿長に助命を嘆願する手紙を送っているが、当の神殿長は還俗したことが気に入らなかったため無視。母親はマインを逆恨みするようになった。

  • ジルヴェスター
CV:井上和彦
謎の青色神官として祈念式に同行していたが、その正体はエーレンフェスト領主。
フェルディナンドとは兄弟に当たるが、性格は真逆で型破りないたずら小僧。ただしちゃんと領主として振る舞うこともできる。外面だけは
マインに養子縁組契約の魔術具を渡していたことで、その窮地に現れ叔父のベーゼヴァンスを処刑、その関係で母ヴェローニカに連なる自身の支持派閥の者たちを一斉に処分する大改革を行った。
更にマインは表向き死んだこととして、カルステッドの実子であり自身の養子という形で公表することとした。

なおこれらの下準備は殆ど行っていない。貴族側としては突然領主が数日間消えて、戻って来て少ししたらいきなり大粛清というとんでもない事態になっている。*9
鳴かず飛ばずされた後始末、誰がどうするんでしょうね…

  • ゲルラッハ子爵/グラオザム
CV:堀内賢雄
中級貴族の文官で、エーレンフェスト南端にあるゲルラッハ領の領主でありヴェローニカを旗頭とした貴族の派閥における筆頭。
ヴェローニカが疎んじているフェルディナンドとその庇護下にあるマインを狙って暗躍しており、ベーゼヴァンスやアーレンスバッハのビンデバルト伯爵と密談を重ねている。

  • ユストクス
CV:関俊彦
上級貴族の文官兼側仕え。本編での登場は第三部からだが、時間軸が第一部の話があるためOVAで前倒しされて登場。
フェルディナンドの貴族としての側近。ベンノより年上だがバツイチで独身。
フェルディナンドが神殿に入った際に公的には側近でなくなっているが、それでもなお忠を尽くしている。
情報と素材を自ら収集することをライフワークとしていて変装が得意であり、平民や農民にも化けているという根っからの間諜だが、貴族としては型破りな変人。
大金貨を出して神殿に入りたいと言ってきたマインの情報収集をフェルディナンドから命じられ、まだ行ったことのないエーレンフェストの下町へと潜入した。
やり甲斐を感じるぐらいに難航しつつもなんとか情報を集め、帰り際にはマインが最初に興味を示していた本を買い上げている。

  • エックハルト
CV:小林祐介
上級貴族の騎士。本編での登場は第三部からだが、OVAで前倒して登場した他に、マインの視点ではわからなかったが冬のトロンベ討伐にも出陣している。
カルステッドの長子であり、フェルディナンドの貴族としての側近。フェルディナンドより1つ年下。
フェルディナンドが神殿に入った際に公的には側近でなくなっているが、それでもなお忠を尽くしている。
ユストクスと共に情報収集に向かったが、育ちがボンボンな上に平民に潜り込むユストクスのように耐性もないため、下町のあまりの不潔さに即日ダウンしてしまった。*10
マインが最初に興味を示していた本は、実はエックハルトの亡き妻の実家にあったうちの一冊。


追記・修正は本好きにお願いします

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最終更新:2022年08月12日 22:21

*1 キリスト教の十字を切るという所作は細かな部分にまで意味があるということに着想を得て、作者と夫とで酒を飲みながら決めたとのこと。高く亭々たる大空を司る最高神に少しでも近づくため手足を上げて指先までピンと伸ばし、広く浩々たる大地を司る五柱の大神に感謝を捧げ少しでも近づくため手足を地面に付ける

*2 名前の由来は英語ではなくドイツ語で「私」を表すmeinであるため実際は違う

*3 「オラ」の表記揺れとなる一人称

*4 化かし合いが基本の貴族としては表情を取り繕うのは当然なのだが、特に読み取り辛い

*5 抵抗がないのはマインの性格によるものではなく、魔力の質によるものだったりする

*6 垂直に抱えて奏でる琵琶のような弦楽器

*7 芸術を好んでいた青色巫女で、芸術に関して秀でた者を側仕えとして優遇していた。

*8 灰色見習いの少年を性的に食べるために孤児院長となった青色巫女で、政変の時に貴族社会に戻れないとされ自殺した。フランが寵愛されていたためアルノーは嫉妬していたが、フランはその青色巫女を良く思ってはいなかった

*9 ただし下準備してもヴェローニカに筒抜けで失敗するため、これ以外の手段を取ることができない

*10 原作では吐きそうと言ったりダウンもしたものの、家畜の糞を踏んだり人目を憚らず嘔吐するなどという貴族らしくない振る舞いなどはしていない