S・トリガー(デュエル・マスターズ)

登録日:2022/07/25 Mon 19:14:25
更新日:2024/07/18 Thu 09:50:25
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逆転のキッカケは、いつでもトリガーだ!デッキに8枚以上いれて、逆転チャンスを作れ!

──DMX-20収録版 デーモン・ハンド



S・トリガーはデュエル・マスターズのキーワード能力であり、史上最高にハゲしくアツかりしカードバトルであるデュエル・マスターズというゲームを象徴する存在である!


概要

この効果が初めて登場したのは「DM-01」...つまり第1弾から登場しており、初期の頃から重要な要素として扱われてきた。

まず、デュエマには「シールド」というものがある。
これは他のゲームにおけるライフのようなものであり、ゲーム開始時に山札の上の5枚がシールドになる。
マナを溜め、そのマナを使いクリーチャーを召喚したり呪文を唱えたりして、この5枚のシールドを全てブレイクし、プレイヤーへダイレクトアタックを決めたプレイヤーの勝利...というのが大まかなデュエマのルール。

S・トリガーはこのシールドがブレイクされた時にそのカードをコストなしですぐに使えるという能力。つまり相手の攻撃に反応し、相手にカウンターを喰らわせるというものである。
初期の頃は相手の攻撃に対する反撃の手段はこれしかなく、相手のターン中に動ける唯一無二の手段であった。
今日ではニンジャ・ストライクやS・バック等の他にも相手の攻撃に反応したりするカードも増えてきているが、S・トリガーという効果の重要性は、昔も今も変わっていない。

相手の攻撃に対して反撃ができるのは先程説明したとおりだが、逆にこちらが攻撃する時も注意しなければならない。
不用意な攻撃は逆にこちらをピンチにしてしまうことも往々にしてあるからだ。




凶戦士ブレイズ・クロー「速攻舐めんなよ!シールドブレイク!」


S・トリガー「ヘブンズ・ゲート


天龍神アークゼオス「今回は出番が早いな。」


提督の精霊龍 ボンソワール「あ、仲間呼んどきますね。」


凶戦士ブレイズ・クロー「イヤァァァァァ!!」




こんなことになったら目も当てられない。安易なブレイクは極力控えた方がいいだろう。

また、S・トリガーを持つカードをデッキに入れる時は、その比率にも気を付けなければならない。
S・トリガーを持つカードは持っていないカードよりも重いからだ。
ソル・チューブ 光文明 (1)
呪文
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップする。

ソーラー・レイ 光文明 (2)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップする。
...このように、効果自体は同じなのにS・トリガーがあるだけでコストが1多くなっている。*1
なので動きやすくする為にも通常のカード>S・トリガーというのがデュエマにおけるデッキづくりの基本。公式は8枚以上入れることを推奨している。
ただし、これは基本的なデッキの場合の話であり、S・トリガーを持つカードのみで組む【トリガービート】、シノビデッキ等他の防御手段が豊富なデッキや速攻など攻撃全振りといったデッキの場合、逆に1枚も入れない、もしくは入れても1種類のカードを4枚だけということもあったりする。
結局のところ何枚が適正かはデッキによって変わってくるので、その辺も意識してデッキを組みたいところ。

因みにS・トリガーのコスト査定は上記の通り呪文ならば1コスト相当。
ただし、これもレアリティやコスト、多色か単色にもよって変動するのであくまで目安といった所。
クリーチャーになると呪文より査定が厳しくなり、大体1.5~2コスト相当の査定がされる。
勿論この通りでないクリーチャーも多い*2のでこちらも目安に過ぎないが。

派生効果等

S・トリガー獣

その名称通り、S・トリガーを持ったクリーチャーのこと。先述の【トリガービート】では主役となるカード群である。
詳しくは当該項目参照。

S・トリガーX

簡単に言えばクロスギア版S・トリガー。その性質上、クロスギアしか持っていないが、能力でS・トリガーを参照する場合、この能力も範囲に含まれる。
なお、読みは「シールド・トリガークロス」。

S・バック

DM-17「終末ナスオ大戦」「終末魔導大戦」にて初登場した効果。ブレイクされたシールドを捨てることで手札から発動できる能力。
詳しくは当該項目参照。

ニンジャ・ストライク

シノビと共に颯爽と現れた能力。相手の攻撃時かブロック時にマナさえあれば手札からそのシノビを召喚できるというもの。シノビは出た時能力を持つものが多いので、その能力を反撃に使うことができる。汚いなさすが忍者きたない。ただし、ターンの終わりに山札の一番下にドロンしてしまう。
なお先述の通り相手のブロックにも反応するため単なる防御手段ではなく、更なる援軍を呼ぶための手段としても利用できる。
数少ない能動的にも使用できるカウンター札かつ、文明を問わないという性質から非常に愛されるギミックである。

革命0トリガー

革命編にて初登場した能力。
通常のS・トリガーがシールドをブレイクされた時に発動するのに対し、革命0トリガーはダイレクトアタックの時に手札から発動できる。
手札にあるだけでいいのでS・トリガーと比べると発動自体は簡単だが、革命0トリガーを持つカードは効果を発動できるかが運次第であることが多い。
その為、S・トリガーの代わりではなく最終手段として見た方がいいだろう。

スーパー・S・トリガー

S・トリガーを使う時に自分のシールドが1枚もなければ更なる追加効果*3を発動できる。
追加効果は超限定的な状況でしか使えないので、普通と比べてとんでもなく強力な効果がついていることが多い。最大のピンチを最高のチャンスに変えるポテンシャルを持つ究極のS・トリガーである。
黒神龍ブライゼナーガ「俺のブライゼシュートを見ろ...。」

G・ストライク

王来篇にて登場した能力。シールドから手札に加えた時に、相手に見せることで相手のクリーチャー1体の攻撃を止めることができる。
詳しくは当該項目参照。

S・トリガー・プラス

アビス・レボリューションで登場した能力。
基本的な部分はS・トリガーと同様だが、相手のターンかつそのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされていれば、追加効果を発揮する。
スーパー・S・トリガーの発展形とも言うべき能力であり、ターンの制約で暴発による悪用が難しくなり、相手側も攻撃順で追加効果を踏みにくくするといった調整が難しくなっている。


代表的なS・トリガーカード

種類が多いのでとくに有名であろうものを抜粋して紹介。

ホーリー・スパーク 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーのすべてをタップする。

デーモン・ハンド 闇文明 (6)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーを1体破壊する。

ナチュラル・トラップ 自然文明 (6)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。
俗にいう三大S・トリガーのお三方。
S・トリガーを代表する存在と言っても過言ではないかもしれない。


アクア・サーファー 水文明 (6)
クリーチャー:リキッド・ピープル 2000
S・トリガー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
先程の三つの呪文がデュエマにおける呪文S・トリガーの代表ならば、こちらはS・トリガー獣の代表格。
素出しすると弱いがトリガーとして出ると強力というS・トリガーのお手本のようなカード。
流石に現在では上位互換も多くなっているが、コストが6なのでガチロボデッキの防御手段として重宝されている。


フェアリー・ライフ 自然文明 (2)
呪文
S・トリガー
自分の山札の上から1枚目を、自分のマナゾーンに置く。
マナブースト呪文の永遠の大定番。様々な派生カードこそ出たが未だに完全上位互換が出てきていないという珍しいカード。
「相手の攻撃中にマナブーストしてどうすんの」という人もいるかもしれないが甘い。マナが増えるということはニンジャ・ストライクの発動に必要なマナの枚数を達成する一助になる為追撃を止める布石になるのだ。ニンジャ・ストライクがなくとも攻撃をしのぎ切った後の展開を手助けしてくれるので発動して損はないといえる。え?最後のシールドがこれだった?ドンマイ。
これからも定番カードとして使われていくことだろう。


終末の時計 ザ・クロック 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
S・トリガー
このクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、ターンの残りをとばす。(次のプレイヤーのターンをすぐ始める。)
恐らく「最強のS・トリガーといえば?」という質問で多くのデュエマプレイヤーが名前を挙げるであろうクリーチャー。
相手のターンを強制的に終わらせるというとんでもない能力を持つ無法者。
その性能から登場以降活躍し続け、水文明が入っているデッキならばほぼ確実にこいつも入っているレベルの人気者。
というかデッキによっては水文明入れてないのにトリガーだけを目当てに投入する事も。
ただその能力の都合上シールドでなく手札に来てしまうと処理に苦労する。
効果誘発型のコスト踏み倒しメタが相手のバトルゾーンに立っている時に連鎖して踏み倒す事で効果を誘発させないなんて裏技めいた使い方をする事もあるが、大抵マナゾーンに置かれる。


切札勝太&カツキング -熱血の物語- 水/火/自然文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジ・ドラゴン/ヒューマノイド 5000+
マッハファイター
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。そのうちの1枚を相手に見せてから手札に加え、残りを好きな順で山札の下に置く。こうして見せたカードが火または自然なら、クリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
革命2:自分のシールドが2つ以下なら、自分のシールドゾーンにあるこのクリーチャーに「S・トリガー」を与える。
革命0:自分のシールドが1つもなければ、このクリーチャーのパワーを+10000し、「スピードアタッカー」と「T・ブレイカー」を与える。
あまりのハイスペック故に、多くの軽量ドラゴンと革命チェンジ元の役割を奪ったパワーカードの極み。
シールドが2枚以下という条件つきとはいえ、パワー5000のマッハファイター付きドラゴンが《ドンドン吸い込むナウ》を撃ちながらトリガーでから飛び出してくるのは理不尽がすぎる。
マッハファイターがついているゆえに、相手のシールドを破らずとも返しのターンで《蒼き団長 ドギラゴン剣》、《時の法皇 ミラダンテXII》にチェンジできる他、シールドが全部破られればこのクリーチャー自体が打点になる。
登場以降、色の合うデッキにはほぼ確実に投入されており、《天災 デドダム》と並び現代デュエマのパワーバランス崩壊の象徴として語られることも。この2枚が2色被っているのダメだろ。


代表的な関連効果を持つカード

エメラル 水文明 (2)
クリーチャー:サイバーロード 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を1枚、裏向きにしてシールドに加えてもよい。そうした場合、自分のシールドを1枚、手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
シールド交換カードの本家本元。手札に来てしまったクロック等のシールドにあってほしいS・トリガーをシールドに仕込むことができる。シールドに加えたカードと同じカードを引いてしまうのはデュエマあるあるの一つ。
エメラル自身はその軽さ故の強さにより殿堂入りしているが派生カードが多く出ている。*4


マーシャル・クイーン 水文明 (3)
進化クリーチャー:スプラッシュ・クイーン 5000
進化−スプラッシュ・クイーン1体の上に置く。
このクリーチャーが出た時、自分の手札を3枚までシールド化し、その後、同じ数の自分のシールドを手札に加える。(その「S・トリガー」を使ってもよい)
エメラル同様シールド交換ができるカード...と思いきやエメラルと明確に違う点が一つある。それはシールドから手札に加えたカードのS・トリガーを「使うことができる」という点である。しかも3つも。 こんなのインチキでんでん!
事実上手札のS・トリガー持ちのカードを進化元が必要とはいえ3コストで、最大で3枚をタダで使えるというこのクリーチャー。登場からしばらくたった戦国編にて登場した《星龍の記憶》が登場すると一気に凶悪なカードと化した。
現在ではルール改定により先述のコンボは弱くなっている...というか《星龍の記憶》自体が度重なる裁定変更のせいで実用性皆無に等しいカードとなってしまったので恐らく今後このクリーチャーとコンビを組むことはないと思う。
一応こちらはS・トリガーが増えれば増える程できることも増えるのでこれからも強化は続いていくことだろう。...とか思ってたらこのクリーチャー自身の強化版が出てきた。


星龍パーフェクト・アース 光/水/闇/火/自然文明 (5)
クリーチャー:ワールド・ドラゴン 6000
W・ブレイカー
自分の手札に加えるシールドカードすべてに「S・トリガー」を与える。
記憶の元になった星龍。5色レインボーなので召喚するのに苦労するがシールド全てがS・トリガーになるというとんでもない効果を持つ。
このカードが立っているだけで相手はまともに攻撃できなくなるだろう。コンボにも使えるがコスト及び文明的に召喚したターンに行うのは難しいか。


対策等

最初期からありデュエマのルールの根幹を支える効果なだけあって、その対策も多い。
ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに墓地に置く。
デュエマプレイヤーなら誰でも知ってるS・トリガー対策の代表。
シールドはブレイクされると手札に戻り、S・トリガーは手札から使うことができるのだがボルメテウスの攻撃によりブレイクされたシールドは墓地に置かれるのでS・トリガーが使えなくなってしまうのだ。ちなみにS・バックなども使えなくなる。
地獄を生み出した《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》等、派生カードも多い。


無双恐皇ガラムタ 闇/自然文明 (6)
クリーチャー:ダークロード/アース・ドラゴン 5000
シンパシー:デスパペットおよびビーストフォーク(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のデスパペットまたはビーストフォーク1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーが攻撃する時、このターンの終わりまで、誰も「S・トリガー」を使うことはできない。
S・トリガー封じという意味ではボルメテウス以上に強力なクリーチャー。呪紋の化身》?あれはちょっと許されない。
先んじて攻撃することで相手のS・トリガーを封殺できる。その性能とシンパシー持ち故のコストの軽さから長らく愛用されてきた。
2016年に殿堂入りするが元々ピン差しでも強いカードだったので然程気にならない。
因みに一度も再録されていないので今集めようとすると結構骨が折れる。


単騎連射 マグナム P 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
自分のターン中に、相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのクリーチャーはバトルゾーンのかわりに持ち主の墓地に置かれる。

音精 ラフルル P 光/水文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・ドラゴン/革命軍/ドレミ団 5000
革命チェンジ:光または水のクリーチャー(自分の光または水のクリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、相手は呪文を唱えられない。
最強のS・トリガー封じの布陣「単騎ラフルル」を構成する2枚。
というかS・トリガーどころかニンジャ・ストライクや革命0トリガーすら封じてしまうためその危険性から2018年に両者揃って殿堂入り。ラフルルに至ってはその後2020年にプレミアム殿堂になったので現在ではこのコンビを見ることはできない。できることならこの先一生見たくない。
大人しく呪文封じは諦めるか他の呪文封じクリーチャーで代用しよう。





...そしてS・トリガーに対する最も有効な対策は




シールドをブレイクしないこと




である。シールドがブレイクされなければS・トリガーも使えないというわけだ。無論普通ならブレイクせずに勝つなんてことはできないのでダイレクトアタック以外の勝利手段を用意してやる必要がある。
ライブラリアウトやエクストラウィンが代表例。S・トリガーを踏みたくないというのは今も昔も変わらない全デュエマプレイヤーの願望なのでそのデッキタイプも様々。が、ループやソリティアを含むデッキが多数なので嫌われやすい。そして公式により規制されやすい。



ちなみに何処ぞの青髪の小学生はこの手のデッキをよく組む。ただ彼の場合トリガーを踏みたくないというよりコンボを使いたいという願望から組んでいるような気がする。「わぁい、コンボー!」



この項目をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ追記・修正してもよい。

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最終更新:2024年07月18日 09:50

*1 ちなみにソル・チューブの方が後に出てきている。

*2 というかインフレによってコスト査定自体形骸化してきている。

*3 公式の呼称は「スーパー・ボーナス」。

*4 そのほとんどが「エメラル」と名前についているので《原罪の悪魔龍 グルデムボウ》等の名前を指定するカードの効果でこのカードを指定するとその派生カードや「エメラルド〇〇」といった名前のカードすらも引っ張ってこれる。