ファイブ・オリジン・ドラゴン(デュエル・マスターズ)

登録日:2022/03/22 Tue 18:05:37
更新日:2025/01/06 Mon 19:59:37
所要時間:約 15 分で読めます






太古の昔、炎龍神海龍神天龍神地龍神黒龍神という、世界を統べる5体のドラゴンが存在した。

彼らの争いは世界を分断し、文明が5つに分かれるきっかけとなった。




ファイブ・オリジン・ドラゴンとは、TCGデュエル・マスターズ」の種族


⬟概要


DMEX-18「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」から登場。王来篇の隠し玉とも呼ぶべき存在で、初めて言及されたのは第3弾 「禁断龍VS禁断竜」に収録されている《蓄積されたハンド》のフレーバーテキスト*1

王来篇の背景ストーリーにおけるラスボスVolzeos-Balamord》の素材となった存在「五龍神」が属していた種族として描かれている。
背景ストーリーの設定や「ファイブ(5)」という種族の名前から、今後この種族の新規が登場する可能性は低いと見られている。
ただし、デュエマの背景ストーリーはパラレルワールド蘇生によるパワーアップが存在する世界観なので、その辺りの設定を利用した新規が出る可能性はある。

種族はドラゴンカテゴリ、オリジンカテゴリに属する。
オリジンはこの種族の登場によって、初登場から10年以上が経過して初の種族カテゴリ化を果たした。
どちらもデュエマにおいては数の多い種族であるため、コマンド・ドラゴン系列には劣るが種族サポートには恵まれた部類のドラゴン種族と言える。

しかし、オリジンとのカテゴリ共有は背景ストーリー上の設定を考えればかなり皮肉な状態となっている。
また、オリジンが登場から長期間経過しているが故のインフレの都合や軽量進化が多いこともあって、《エンペラー・キリコ》関連のカード以外は進化元としてこの種族を活かす機会は少ないと思われる。
一方で《宇宙巨匠ゼノン・ダヴィンチ》のpigからこの種族のカードを踏み倒すなどのコンボも考えられるため、種族を活かした戦略があまり意味を成さないという状態ではない。

種族の所属クリーチャーはどれも超重量級であり、フィニッシャー級のクリーチャーとして設定されたことがうかがえる。
どのクリーチャーもドラゴンに関する効果を所持しており、コストが10コストに統一されていることが特徴。
また各文明の代表的なキーワード能力もそれぞれ持っている。
コスト設定は《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》の踏み倒し効果との相性が良いが、実際に五龍神は《アマテラス・キリコ》が収録されたDMBD-18「レジェンドスーパーデッキ 神歌繚嵐」との連携を考慮して設計されたことが公式で明言されている。

ボルシャック化

ゴッド・オブ・アビス第二弾豪炎の竜王からアビス・レボリューション第一弾双竜戦記で登場した炎龍神ヴォルジャアク以外の五龍神の名を持つ火のボルシャック(デュエル・マスターズ)
魔覇革命時点で天龍神アークゼオスの名を持つボルシャック・アークゼオスのみボルシャック・アークゼオスNEXとして再登場して本来の文明に戻っている。
また、全てのクリーチャーが手札または山札からクリーチャーを踏み倒す効果を持っている。


⬟一覧


天龍神


その龍神は、輝く光にふさわしい、ただただ強き戦士を求めた。

天龍神アークゼオス SR 光文明 (10)
クリーチャー:ファイブ・オリジン・ドラゴン 15500
ブロッカー
T・ブレイカー
自分のドラゴンが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。その後、光のコスト9以下の、「ブロッカー」を持つ進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。
相手が自分のクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)

のファイブ・オリジン・ドラゴン。キーワード能力はブロッカー。
自身を含めたドラゴンのアタックトリガーによるドロー&一定コスト以下の非進化光ブロッカーの踏み倒し効果を持ち、アンタッチャブルで選ばれない。

ヘブンズ・ゲート》とは相性が良く、《アークゼオス》自身も【天門】デッキにおける大型フィニッシャー候補となる。
ただし、《アークゼオス》のアタックトリガーはドラゴンありきなので、【天門】デッキに投入するならば一緒にドラゴン持ちの光ブロッカーを多く投入したい。
実際に《アークゼオス》を中心としたビートダウン型の【天門】デッキが研究されて注目を集めた。

ボルシャック・アークゼオス SR 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000+
パワード・ブレイカー
自分のファイアー・バード1枚につき、このクリーチャーのパワーを+3000する。
このクリーチャーが出た時、アーマード・メクレイド5する。(アーマード・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト5以下のアーマードを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く)
各ターンに一度、自分のファイアー・バードが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その後、選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。

ボルシャック・アークゼオスNEX SR 光文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6500
自分のアーマード・クリーチャーがあれば、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、コスト5以下のアーマード・クリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。
このクリーチャーが離れた時、自分の山札の上から1枚目をシールド化してもよい。
エスケープ (このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のシールドを1つ手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない)


炎龍神


その龍神は、技術の炎で戦うための兵器を生み出した。

炎龍神ヴォルジャアク SR 火文明 (10)
クリーチャー:ファイブ・オリジン・ドラゴン 17000
スピードアタッカー
T・ブレイカー
自分のドラゴンが出た時、相手のクリーチャーを、パワーの合計がそのドラゴンより少なくなるよう好きな数選び、破壊する。
相手がこのクリーチャーを選んだ時、相手のシールドを3つまで選び、持ち主の墓地に置く。

のファイブ・オリジン・ドラゴン。キーワード能力はスピードアタッカー
自身を含めたドラゴンが場に出た時にパワー分の割り振り火力を放つ能力を持ち、選ばれた際には《インビンシブル・フォートレス》のようなシールド焼却を相手に与えるという疑似アンタッチャブルもある。

火力除去やシールド焼却によって相手の場をオーバーキルクラスに壊滅させることが可能で、超重量級クリーチャーとしてのポテンシャルは非常に高い。
疑似アンタッチャブルはG・ストライクという防御手段が増えている王来篇環境ではなかなか効果が高い嫌がらせとして機能する。
ただし、スピードアタッカーを活かしたアタッカーとしての性質と疑似アンタッチャブルがシールド焼却という点では噛み合わせが悪いという指摘もある。

ボルシャック・ヴォルジャアク SR 光・火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 11000
革命チェンジ:コスト5以上のアーマード
スピードアタッカー
W・ブレイカー
各ターンに1度、クリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をシールド化してもよい。
このクリーチャーが破壊された時、名前に《ボルシャック》とあるコスト7以下のクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。
終極宣言:自分のターンのはじめに、自分のシールドをすべてブレイクしてもよい。そうしたら、次の自分のターンのはじめまで、自分はゲームに負けない。(「終極宣言」は、ゲーム中に一度だけ使える)
DM23-RP4で登場した光/火のアーマード・ドラゴン。
ファイブ・オリジンドラゴンのボルシャックとしては初の多色である。
やはり目を惹く能力が終極宣言だろう。
1ターン生き残らなければならないのが玉に瑕だが、盾を全て破壊して手札補充をしつつS・トリガーを発動させ、さらにゲームにも負けないため実質上のエクストラターンを取れるので生き残れた分のアドバンテージは非常に強力。

地味に盾追加もありがたくこれで勝ちきれなかった時のための保険にもなるほか各ターンに1度であるためクリーチャーを出す時の圧力にもなる点もおいしい。

『竜皇神ボルシャック・バクテラス』とはデザイナーズコンボであり、バクテラスのチェンジ元になれるほか、上述の終極宣言と合わせてバクテラスも回収できる可能性が高まるので相性は抜群。
そのほかにも相性がいいのは『メンデルスゾーン』を打てば最速3ターン目で出てくるヴォルジャアクのチェンジ元である『飛ぶ革命ヴァル・ボルシャック』、『ボルシャック・ドリーム・ドラゴン』、アーマードではないが終極宣言でトリガーになれる『王道の革命ドギラゴン』あたりだろう。

余談だが、アドレナリンパックに入っているヴォルジャアクはエラッタでパワー11500になっているが正しくは11000なので使う際は注意しよう。

海龍神


その龍神は、水が流れ続けるように常に新しい理論を構築していた。

海龍神クリスド SR 水文明 (10)
クリーチャー:ファイブ・オリジン・ドラゴン 15000
ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない)
T・ブレイカー
自分のドラゴンが出た時、カードを5枚まで引く。
相手は、自分の手札の枚数より小さいコストの呪文を唱えられない。

のファイブ・オリジン・ドラゴン。キーワード能力はジャストダイバー。
自身を含めたドラゴン登場時の大規模なドローと、《サファイア・ウィズダム》のような手札枚数に応じた呪文ロックを持つ。

ドローの枚数が大きい上にドロー条件も難しくはないことからあっという間に手札を増やせるため、呪文ロックの効果を強化しやすい。引く枚数も選べるため山札切れの心配も無い。
ジャストダイバーによって場持ちも優れているため、最低限ロックが機能する可能性が高い点も長所。
コスト設定などから《流星のガイアッシュ・カイザー》との相性の良さが注目を集め、五龍神の中では評価が高い1枚。

ボルシャック・クリスドVR 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引く。その後、コスト5以下のクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。このターン、そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、可能なら攻撃し、その攻撃の後、そのクリーチャーを破壊する。
各ターンの終わりに、そのターン中に破壊されたドラゴンを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。



黒龍神


その龍神は、闇の欲求に従い命を美しき宝石に封じ込めた。

黒龍神モルナルク SR 闇文明 (10)
クリーチャー:ファイブ・オリジン・ドラゴン 16000
スレイヤー
T・ブレイカー
自分のドラゴンが出た時、自分の山札の上から3枚を墓地に置いてもよい。こうして墓地に置いたドラゴン1枚につき、相手のクリーチャー1体を破壊する。
このクリーチャーが攻撃する時、クリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

のファイブ・オリジン・ドラゴン。キーワード能力はスレイヤー
自身を含めたドラゴンに墓地肥やしとそれによって置いたドラゴンの数に応じた確定除去のcipを与え、自身のアタックトリガーによってリアニメイトを行う。

確定除去をしつつ自分は無制限のリアニメイトが可能であるため、場における数のアドバンテージを稼ぐ力は優れている。
一方でリアニメイトのアタックトリガーは召喚酔いが起こるために速効性が弱く、他の五龍神と異なって除去耐性に関わる能力が無いという欠点がある。

ボルシャック・モルナルク SR 火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アーマード・ファイアー・バード 13000
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
このクリーチャーが出た時、ファイアー・バードを全て、自分の墓地から手札に加える。
各ターンに一度、自分のアーマード・ドラゴンが破壊される時、かわりにファイアー・バードを1枚、自分の手札から出してもよい。


地龍神


その龍神は、呪術により大地と森を創り出した。

地龍神バラフィオル SR 自然文明 (10)
クリーチャー:ファイブ・オリジン・ドラゴン 22000
マッハファイター
Q・ブレイカー
自分のドラゴンが相手プレイヤーを攻撃する時、自分の山札から3枚を表向きにする。その中からドラゴンを1体出してもよい。その後、残りを好きな順序で山札の下に置く。
このクリーチャーが破壊された時、次の自分のターンの終わりまで、自分のクリーチャーすべてに「ワールド・ブレイカー」を与える。

自然のファイブ・オリジン・ドラゴン。キーワード能力はマッハファイター
五龍神の中では最高峰のパワーを持ち、自軍のドラゴンによる相手プレイヤーへの攻撃時にドラゴンを山札から踏み倒す豪快な能力を持つ。
しかも破壊された際には自軍のクリーチャーが全てワールド・ブレイカーになるという、ある種の相手への呪いのような効果もある。

攻撃面でのオーバーキルの領域に達する効果のデカさは自然全体でも上位に位置するフィニッシャー候補。
一方でマッハファイター持ちなのにドラゴンの踏み倒しは相手プレイヤー攻撃時限定という点が噛み合っておらず、ドラゴンの踏み倒しもインフレの進んだ現在では自然文明でもライバル候補があまりにも多すぎるなどの見逃せない難点が痛い。

ボルシャック・バラフィオル SR 火文明 (4)
タマシード/クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ACE 9000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
自分の、名前に《ボルシャック》とあるクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードがコスト6以下の火のクリーチャーまたはコスト6以下の火のタマシードなら出す。それ以外なら墓地に置く。



⬟背景ストーリー


基本セットよりも遥か昔の時代、超獣世界の支配と運営を行っていた種族として登場。「五龍神」「五大龍神」「五元龍神」などと呼ばれる。
この種族がどこから来たのかは誰も知らないらしく、少なくとも超獣世界出身という訳ではないようだ。
超獣世界の始祖的な存在であることは間違いないが、超獣世界の住民の純粋なルーツと断言するには疑問が残るか。
とはいえデュエル・マスターズの背景ストーリーにおいて「知らない」というのはアンノウンおよび《天罪堕将 アルカクラウン》の文脈であり、彼らと何かしら関わりがあるのかもしれない。

五龍神の各個体名は後の世における各文明の大物クリーチャーや一部の種族を連想させる名前となっており、歴史や血筋的な面での関連性が推測できる。
《ヴォルジャアク》などは外見でも後世のクリーチャーと似通った特徴が見られる。

開発主任Kの発言によると、種族の各個体の仲に関しては良好ではないらしい。

神歌創世記前五文明紀行

後に太古の始祖を名乗るオリジンが登場するよりも前の時代、超獣世界は出身地不明の五大龍神と呼ばれる5体のドラゴンが統治を行っていた。
五龍神の統治の様子は「神歌創世記前五文明紀行」として記録されていたらしく、《クリスド》以外は当時の統治の様子が描かれている。

機械仕掛けの計画都市では、の龍神の技術によって最強の兵器が生み出されていた。
天上コロッセオでは、輝くに相応しいただただ強き戦士を欲した天の龍神に仕える戦士を選ぶため、剣闘士による模擬戦が日夜を問わず行われていた。
地の龍神は呪術で大地と森を生み出し、呪術の世界樹では呪術を学ぶべく妖精が集まっていた。
虚飾の宮殿では、黒き龍神の貪欲な要求に応じて配下が紅き宝石を献上しており、命が闇の欲求によって宝石に封じられていた。

イラストを見る限りでは、五龍神の統治は穏やかな秩序が保たれていたようだが…。

神歌創世記

五龍神の統治が続いていた超獣世界だったが、ある時期に《蒼狼の王妃 イザナミテラス》と《蒼狼の大王 イザナギテラス》を首領とする「蒼狼」を名乗る一族が出現。
蒼狼一族の《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》は「神歌」という力で不滅の銀河に頼ることが出来たが、現在ではアクセスが遮断されて不可能となっていた。
その代替手段として、不安定だが暴力的な力を持つ《暴嵐竜 Susano-O-Dragon》と《八頭竜 ACE-Yamata》という「暴嵐」の竜を未知の世界から召喚、支配下に置いた末に五龍神に仕向ける。

暴嵐竜という未知なる存在と戦うことになった五龍神は力でこそ劣ってはいなかったが、不意を突かれる形となり封印されてしまった。
敗北した五龍神は超獣世界の支配権を没収される形となり、一方で勝利者となった蒼狼一族は「超獣の始祖」を名乗った。
五龍神の消えた世界は蒼狼一族によって5文明への分割や再構成といった事業が行われるようになり、五龍神の文化や技術はオリジンに吸収されたと見られる。

オリジンによる文明分割事業の影響を受けなかった土地である仙界に住む《ミロク》という存在は、強き者を求める《アークゼオス》から「ヴォルジャアクの生み出した兵器をどんな超獣でも扱えるようにする」という依頼を受けて研究を行っていた。
その研究の成果である魔導具が生み出される前に依頼主は封印されてしまったが、その後も魔導具に関する研究は続行された。
この魔導具こそが「クロスギア」と呼ばれる存在であり、この行動は結果的に後の世における世界滅亡までの戦争終末魔導大戦」の遠因となった。

歴史の表舞台からの退場を強要された五龍神だが、《ボルシャック・ドラゴン》の発言を見る限りでは封印されたという事実は伝説として伝わっているらしい。

極神編

ゴッド勢力と闇文明勢力の戦闘によって大きく傷付いた超獣世界に「五元神」と呼ばれるゴッドが降臨し、超獣世界の汚れを浄化して世界を癒した。
五元神が五龍神と似た特徴を持つことから関連性が疑われており、デュエチューブでは「封印されていた五龍神が世界を救うために何らかの形で生み出した存在が五元神」という仮説が唱えられている。

王来篇

龍魂珠》という謎の存在が五龍神に関係する力を使っており、最終的に五龍神の肉体を一つに圧縮した最強のディスペクターVolzeos-Balamord》の創造を目論んだ。
なお、ディスペクターは現実世界のカードの歴史からクリーチャーの力を抽出して合体させるという製造方法を取っているのだが、五龍神の場合は王来篇第4弾の時点でまだカード化していなかったというメタ事情を鑑みるに、恐らくオリジンに封じられていた実体の方が素材として引っ張り出されたと思われる。

全ての戦いが終わった後、ヴォルゼオスから解放された五龍神の魂はつかの間の眠りに付いた…。

王来MAX

Volzeos-Balamord》として討たれた後だが、《ジャオウガ》率いる鬼レクスターズの侵攻を受けて、超獣世界がその歴史をタマシードとして現出させた。
これらのタマシードは単色なら天宝(ジュエル)海幻(ビジョン)黒像(シャドウ)炎霊(ソウル)地板(ルーン)、多色なら(ストーン)(リング)の名を冠しており、五元神と同じく五龍神の冠詞が一文字ずつ取られている事から、超獣世界の歴史の根底として五龍神が在る事がうかがえる。

また、タマシードと共鳴して数々の生命・戦いの歴史・護られてきた平和を背負い、S-MAX進化を遂げた《サッヴァーク-MAX》《Code:-MAX》《ゲンム-MAX》《ブランド-MAX》《バラギアラ-MAX》らは全員がそれぞれの文明に対応した五龍神の意匠を纏っている。
案の定というかアークゼオスはやっぱり剣の形だった

ちなみに、ジャオウガが龍頭星雲の向こう側の「鬼の王の歴史」を歩んだ際に戦った別の《Volzeos-Balamord》の素材となったクリーチャーは、五大龍神ではなく「五大鬼王」と呼ばれるクリーチャー群だったとデュエチューブで語られている。
肩書や融合素材という扱いから察するに、ドラゴンではないが鬼の歴史におけるファイブ・オリジン・ドラゴンのパラレル存在だと考えられる。
種族名から推測するに五大鬼王は「ファイブ・オリジン・デモニオ」とでも呼ばれているのだろうか?

ゴッド・オブ・アビス

直接的な出番はないが、同じ最古の種族ポジションとして新たにアビスロイヤルが登場。
ファイブ・オリジン・ドラゴンと一体どちらが古い存在なのかファンの間で議論を呼んでいる。

また、海龍神と地龍神が何故かボルシャックの一員として火文明化した姿の《ボルシャック・クリスド》《ボルシャック・バラフィオル》として確認されている。
彼らが五龍神本人なのか、それとも名前だけ継承したそっくりさんなのかは分かっていない…。

アビス・レボリューション

クリスドとバラフィオルに引き続き、今度は天龍神と黒龍神がボルシャック化した《ボルシャック・アークゼオス》《ボルシャック・モルナルク》が登場。
更に《ボルシャック・アークゼオスが《ボルシャックの古代神殿》に趣き光の力を得た《ボルシャック・アークゼオスNEX》として再登場。*2
そもそもGoA世界自体、初代ボルシャックと光文明の協力でアビスロイヤルを封じていたりとボルシャックの存在が根底に携わっている世界観であり、五龍神もそこから何らかの影響を受けた可能性が高い。
残る炎龍神…ボルシャックと同じ火文明であり酷似した名のヴォルジャアクに注目が集まっている。


⬟備考


暴嵐竜とのカードスペック対決

背景ストーリー上では《Susano-O-Dragon》と《ACE-Yamata》に敗れ去った五龍神だが、実際のカードスペックでの勝敗を考察すると以下のようになる。

五龍神一覧        考察
アークゼオス パワーでは勝てない。アンタッチャブル効果も強制攻撃誘導効果やマッハファイターを相手には意味がないので非常に分が悪い
クリスド パワーでは勝てない。ただし、ジャストダイバーがあるので一定期間は《ACE-Yamata》のマッハファイターから逃げられる可能性はある
モルナルク パワーでは《ACE-Yamata》とは同数値なので相討ちが可能。
《Susano-O-Dragon》に対しても、スレイヤーがあるので強制攻撃誘導効果を受けても相討ち狙いが可能で、cipによる確定除去を発動出来れば一方的に倒せる
ヴォルジャアク パワーでは《ACE-Yamata》を上回る。《Susano-O-Dragon》に対してはパワーで勝てないどころか、選ばれた際に発動するシールド焼却という相手への威嚇能力も強制攻撃誘導効果で潰されることから非常に相性が悪い。
ただし、味方に《Susano-O-Dragon》を上回るパワー設定のドラゴンがいれば火力除去で破壊は可能。しかし、パワー22000以上のドラゴンは現在でも多くない
バラフィオル パワー設定で両者を上回り、マッハファイターで破壊が可能。《Susano-O-Dragon》の強制攻撃誘導効果も意味を成さない

モルナルクとバラフィオルのみ相性が良く、それ以外の五龍神は相性が悪いと分析できる。
つまりは背景ストーリー上における「力こそ劣っていなかったが、不意を突かれる形で封印されて敗れた」という評価は割と適切だと言えるだろう。


⬟余談


  • 種族の元ネタは海外版DM『Kaijudo』の種族「Monarch」。
    開発時に《アマテラス・キリコ》との連携の都合で10コスト以上の種族としての方針が決められており、似たような存在がKaijudoにいたことからデザインのベースとして持ってきたようだ。
    背景ストーリー上での立場も似ているが、これは別世界の同一的存在という解釈がされているらしい。

  • 基本セット以前の世界観に存在した種族という背景ストーリーの設定を意識してか、DMEX-18で収録された際のカードデザインは覚醒編以前の旧枠仕様となっている。
    ただし、DMEX-18では「フレームが旧枠から変わらなかったら」というコンセプトで新枠以降に登場したカードの旧枠での再録なども行われているため、五龍神限定の処置という訳ではない。

  • カードイラストそのものはそれぞれ別のイラストレーターが手掛けているが、大元のデザインは合成先の《Volzeos-Balamord》同様にRUI MARUYAMA氏が担当。
    それらのイラストはコロコロコミックにも掲載された。



追記・修正は、いきなり出てきた変な集団に敗れて今まで積み重ねてきたことを全て奪われてから、肉体を無理矢理使われた経験のある人にお願いします。

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最終更新:2025年01月06日 19:59

*1 本項目冒頭の奴がそれ

*2 《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》より