トリプルチェンジャー

登録日:2022/07/19 Tue 23:55:00
更新日:2024/12/02 Mon 13:45:00
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トリプルチェンジャーとは、トランスフォーマーシリーズに登場する種族のことである。

概要

名前の通り、3つのモードにチェンジする…すなわち三段変形するトランスフォーマーのことである。すべての作品に登場するわけではなく、一部の作品にしか登場しない。
初登場は初代アニメである『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』。意外にも初期の初期から登場しているのである*1

三段変形する可変機と言えば、マクロスシリーズに登場する可変戦闘機(バルキリー)(TF的にはコイツ)が有名である。そちらはファイター(戦闘機)とバトロイド(ロボット)、そして両者の長所を兼ね備えた中間形態であるガウォークの三段変形で統一されている。
一方でトリプルチェンジャーの場合、ロボットモードと、TFによって全く異なる2つの形態に変形することが可変戦闘機との大きな違いだといえる。例えばロボットと戦車と戦闘機、ロボットと車とヘリコプターといった具合である。

玩具でもしっかりと三段変形が再現されていることが多く、近年のシリーズは可動性も重視しているため、設計者の努力がうかがえる。一方で仕方がないがいずれかのモードに見た目的なしわ寄せがくることもある。
実写版の玩具のみ、玩具オリジナルの形態が追加された一例を除き、トリプルチェンジャーの玩具はどちらか一方のビークルモードにのみ絞られる。これは実写という都合上、現実の乗り物がモチーフになっており、変形にCGの嘘がふんだんに使われているためだと思われる。
ちなみに、通常はトリプルチェンジャーではないが、玩具限定で既存のトランスフォーマーがトリプルチェンジャーになることもある。

ちなみに3つ以上の変形を持つトランスフォーマーもいくつか登場しており、例として4段変形するダイアトラスやアニメイテッド版ショックウェーブ、6段変形するシックスショットギガトロン、そしてギガトロンの強化版であるデビルギガトロンはなんとTF(それどころかロボット全体?)史上最多の10段変形を行う。

各作品のトリプルチェンジャー

ここでは、武装展開のみなど大きく変化しない、合体モードも含めた三段変形、複数のマシンがロボットを構成するパターンは省く。変形形態は基本的にTFの名称の後の()内に記す。

初代~2010

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』では、ブリッツウイング(戦闘機/戦車)とアストロトレイン(スペースシャトル/機関車)が登場。どちらもデストロン所属である*2例のナンバー2と共に反乱を企てるエピソードネタ的にあまりにも有名。

トランスフォーマー ザ・ムービー』にてサイバトロン側のトリプルチェンジャーであるスプラング(ヘリコプター/装甲車)が登場。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』ではサイバトロン側にサンドストーム(ヘリコプター/バギー)とブロードサイド(ジェット機/空母)が、デストロン側にオクトーン(ジャンボジェット/タンクローリー)が追加。以前のメンバーと合わせ両軍ともに3体のトリプルチェンジャーがいるようになり、それぞれ「トリプルボット」「トリプルトロン」と分類分けされた。
ブロードサイドは脚本の混乱で、アニメではデストロンとして描かれたりしていたが。

放送当時の玩具はいずれもかなり昔の玩具ながら三段変形を実現している。特に初代に登場した2体はビークル2つの破綻が少なく、現在でもファンからの高評価を受けている。

ヘッドマスターズ~マスターフォース

トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』では、フォートレスマキシマス(戦艦/基地)とメガザラック(サソリ/基地)が両軍のリーダーとして登場。また、ビークルモードが車のみで、代わりにロボットモードが2形態あるダブルスパイなんて変わり種も。
また、デストロン側に「ホラートロン」なるトリプルチェンジャーの派生種族が登場。エイプフェイス(ゴリラ/ジェット機)とスナップドラゴン(ドラゴン/ジェット機)の2体が属している。
ダブルスパイを除き、頭が小型ロボットとして分離する「ヘッドマスター」に属しており*3、メガザラックとホラートロンはヘッドロボが基地、ジェットモードを除く2形態それぞれの頭部に変形する。
フォートレスマキシマスは後にグランドマキシマス及びブレイブマキシマスとしてリカラーされることとなる。

トランスフォーマー 超神マスターフォース』ではサイバトロン、デストロンの両方の形態を持つゴッドマスター、ダブルクラウダー(ミサイルトレーラー/鷹)がトリプルチェンジャーに分類。ミサイルトレーラーからサイバトロン側のロボット、デストロン側の鷹に変形する。

ゾーン

『トランスフォーマーZ』では基地モードである「ゾーンモード」を持つTFとしてソニックボンバー(ジェット機/基地)、ロードファイヤー(戦車/基地)が登場。

ビーストウォーズⅡ~ネオ

ビーストウォーズⅡ 超生命体トランスフォーマー』ではデストロン側のリーダー、ガルバトロン(ドラゴン/ドリル戦車)がトリプルチェンジャーである。
また、サイバトロンの副司令官であるマンドリルのビースト戦士アパッチは、第三の形態である「アングリーモード」を持つ。特に何かの乗り物や動物をモチーフとしたわけではないが、これもトリプルチェンジャーといえるだろう。

超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ』では多くのキャラクターにタンクや武器、トラップ、などの第三の形態がある。特筆すべきはトリケラトプスのビースト戦士、ガイルダート。第三の形態は、なんと白目をむいて肋骨があらわになるトリケラトプスの死体。本人曰く「死んだふりは十八番」とのこと。

ビーストウォーズメタルス

超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス』ではネオ同様にトランスメタルス化した全てのビースト戦士が第三の形態である「ビークルモード」を持つ。
とはいえ多くのビースト戦士は多少乗り物っぽい意匠が付いたビーストといった見た目だし、中にはビーストの足をちょっと変形させるだけ、なんてこともあるが。

スーパーリンク~ギャラクシーフォース

ユニクロン三部作の2作目、『トランスフォーマースーパーリンク』ではメガザラックが登場。サソリに変形するのはヘッドマスターズと同じだが、もう1つの変形モチーフがSFジェットになっている。
また、レーザーウェーブ(軍事衛星/SF戦車)がトリプルチェンジャーとして登場。後に弟にして同型のシックスショットも登場した。

三部作3作目の『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』では、デストロン側のリーダーであるマスターメガトロン(SFジェット/レーシングカー)及び色違い強化版のマスターガルバトロンがトリプルチェンジャーである。

アニメイテッド

トランスフォーマー アニメイテッド』ではブリッツウイング(戦闘機/戦車)がリメイクされて登場。顔も3つを入れ替え可能で、これはG1ブリッツウイングのリメイクトイに逆輸入されたこともある。

Go!

参乗合体 トランスフォーマーGo!』ではプライム版オプティマスプライムの新たな形態としてオプティマスエクスプライム(新幹線/東洋龍)が登場。三段変形に加えケンザン、ゲキソウマルとの2形態の合体も可能である。

実写劇場版

玩具限定形態を除けば、『トランスフォーマー ロストエイジ』に登場するオートボットのドリフト(ブガッティ・ヴェイロン/ヘリコプター)が初登場。ただし次回作では車(それもヴェイロンから変わった)のみで、三段変形しなくなったが。
バンブルビー』のメインヴィランであるシャッター(プリムス・GTX/ハリアー)とドロップキック(AMC・ジャヴェリン/AH-1Wスーパーコブラ)は双方ともにトリプルチェンジャーである。

前述の通り、3体とも三段変形を実現した玩具は発売されず、単一の形態(ヴェイロンのみに変形するドリフトなど)で発売されている。


追記・修正は三段変形する方にお願いします。

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最終更新:2024年12月02日 13:45

*1 さらにいえば初期メンバーの1人であるブリッツウイングは他TF同様ダイアクロンからの流用。

*2 人気が正義側に偏ることを防ぐため、新要素は悪側のデストロンを中心に発売していたためといわれる。

*3 フォートレスマキシマスは上位種のダブルヘッドマスター。