ハーヴェステラ

登録日:2023/09/02 Sat 10:08:00
更新日:2025/04/13 Sun 21:13:45
所要時間:約 5 分で読めます





死季を生きる──。


概要


ハーヴェステラ(HARVESTELLA)とは、2022年11月4日にスクウェア・エニックスより発売されたRPG。開発はLiveWire。
対応ハードはNintendo SwitchSteam

数多くのRPGを生み出してきたスクウェア・エニックスにおいて、普通のRPGではプロジェクトとして成立しない。
そこで、かつてルーンファクトリーシリーズを開発してきた今は亡きネバーランドカンパニー出身者の多いLiveWireを通じて、同作に近い生活シミュレーション要素を足したRPGが作れないか……という経緯で企画が始まった。

スローライフゲームというと緩やかで可愛らしいテイストのものが多いが、今作は農業や恋愛といった生活要素はこの手のジャンルとしてはやや簡略化されている。
反面、重厚な世界観で綴られるストーリーは秀逸で、評価が高い。
戦闘要素に関しては、意図的にハードルを低くした事もあり、単調や簡素すぎるといった否定意見が多くなっている。

楽曲担当は壮大さに定評のある椎名豪氏。
オーケストラ調のスケールの大きな曲から牧歌的でのほほんとした曲、ポップな曲からハードロックまで網羅し、ハーヴェステラの物語と世界観を彩っている。
サウンドトラックも同時発売されているが、今のところ物理メディアでの展開はなく、配信限定での販売となっている。


ストーリー


「シーズライト」と呼ばれる、巨大な四つの結晶体が存在する世界。
シーズライトは四季をつかさどり生きとし生けるもの全てが、その恩恵に与っていた。

しかし、いつしかシーズライトに異変が生じ、季節の変わり目に「死季」が発生するようになる。
シーズライトが異常に発光し、大気を舞う光の塵があらゆる生命を脅かす。作物は枯れ人々は外を歩くことすらできない。

ある死季の日に、辺境の村で行き倒れていた旅人の主人公。
主人公と、とある少女との出会いが冒険の始まりを告げる。
……少女は言う。「たぶん、私は……この時代の未来からやってきたのだと思う。」

死季の謎を究明しようとする少女──アリアとともに、主人公はこの世界の真実に迫る旅路へと、歩み出すのだった。


登場人物

仲間キャラクターには主人公との親密度が設定されており、キャラクタークエストをこなすことで上昇する。
親密度はジョブのレベル上限を解放するためにも必要。
また、ある条件を満たせば人生のパートナーになることも可能。


■主人公(CV:小林千晃/千本木彩花) ジョブ:ファイター
本作の主人公。デフォルトネームは男・女・ニュートラルいずれもアイン(Ein)。
公式絵では金髪+青瞳だが、ゲーム開始時の初期設定で変更可能。
死季の日に、辺境の村レーテで倒れていたところをクレスに助けられ、それ以来、村の近くで暮らしながら死季の謎を解き明かすべく旅をする。


■アリア(CV:立花理香) ジョブ:アサルト・サヴァン
未来から来たという謎の少女。どういうわけか秋のシーズライトに見覚えがある様子。
主人公と共に生活しながら、元の時代へ帰る方法と死季の謎を模索していくことになる。


■アジール(CV:河西健吾) ジョブ:スカイランサー
春のシーズライトの近くにある街、ネメアに住む青年。
街の孤児院出身で、今は自警団の一員。真っ直ぐな性格で、住人たちに頼られている。


■イスティナ(CV:佐藤利奈) ジョブ:シャドウ・ウォーカー
ネメアの孤児院で子供達と暮らす女性。
感情をあまり表に出さず、理知的で物静か。
本を読むのが好きで、子供たちにもよく読み聞かせている。


■ハイネ(CV:櫻井孝宏) ジョブ:メカニック
夏のシーズライトの近くにある街、シャトラにアトリエを構える発明家の青年。
すぐ女性を口説くキザな性格で、日々発明に明け暮れており周囲から変わり者扱いされている。


■エモ(CV:上田麗奈) ジョブ:ヴォークリンデ
シャトラにある酒場の歌姫。
どこか人間離れした雰囲気の持ち主で、初対面時はとある事情から人間の言葉を話せなくなっている。


■シュリカ(CV:村川梨衣) ジョブ:ピルグリム
シーズライトを崇める「季石教団」の巡礼師。
各地を巡りながら、事件を解決に導く。


■ブラッカ(CV:内山昂輝) ジョブ:アベンジャー
何者かへの復讐を目的とする、黒衣の傭兵。
報酬さえ払えばどんな依頼も引き受ける。
シナリオ中でも彼を加入させるには3000Gを払う必要がある。足りない場合はアルジェーンのクエスト報酬で稼ごう。


■ディアンサス(CV:甲斐田裕子) ジョブ:ルナマンサー
魔族の一人。
ある目的で秋のシーズライトに向かう道中、動けなくなっているところを主人公に助けられる。
魔族は重厚な鎧に身に包み、目的は不明だがシーズライトの調査をしている。また、理由は不明だが人間たちを「アベル」と呼称する。
そのため、死季の発生は魔族の仕業ではないかと疑っている者も少なくない。謎に包まれる彼(?)らの目的とは…


■クレス(CV:ファイルーズあい
レーテの村で医師を務める女性で、倒れていた主人公を介抱した。
死季の時に発生する塵を吸い込むと発症する「死季の病」の治療法を研究している。


■ジュノー、エアリル、イリス、シリィ(CV:井口裕香
4つのシーズライトの妖精。ジュノーは秋(火)、エアリルは春(風)、イリスは夏(水)、シリィは冬(土)の属性。
名前は加入時に変更することも可能。
シーズライトに起きている異常を解決することで畑仕事を手伝ってくれるようになる。


■ユニコーン(CV:小柳基)
銀色の毛並みで星辰器と呼ばれる一本角を持った聖獣。
「姫」と呼ばれる人物を探しており、初対面時は勘違いから主人公に襲いかかった。
姫のためにしか力を使わないとしており、パーティ加入後も戦闘には参加しないものの、主人公に「メイジ」のジョブを授けてくれる。


■バン、ベント、ミリカ
レーテの村の子どもたち。


■ティエラ(CV:日岡なつみ)
ネメアの街でアジールに保護されている記憶喪失の少女。
春のシーズライトに突如として現れた物体「天の卵」と何らかの関わりがあるようだが…?


■マスター(CV:亀山雄慈)
シャトラの酒場の店主。渋いいぶし銀で客からも人気がある。


■テルシテス(CV:綿貫竜之介)
アルジェーンで出会う、季石教団の神官。
神官という立場でありながら教団の教えに真剣に取り合っておらず、本人も不良神官と自虐している。


■ガイスト(CV:大塚明夫
魔族の一人。
この世界を滅ぼすべくシーズライトを巡り暗躍しているようだが…?


ゲームシステム


農業・畜産

このゲームでは料理やジュースが回復アイテムの役割を果たし、薬草やポーションといったアイテムを店で購入することができない。
そのため、畑や家畜小屋を整備し、材料となる食材を生産する必要がある。
必要ないor余った生産物や拾得物は、出荷箱に入れて売却(換金)することもできる。

システムは概ねルンファと同じで、季節ごとに育てられる作物が決まっており、畑を耕して種を植えて水を撒いて……という大まかな手順は変わらない。
ただし、種や作物にレベルがあるわけでもなく、農作物の出来を競う大会や相手によるプレゼントがあるわけでもなく、飽くまで資金稼ぎと料理・クラフト素材の確保のためといった意味合いが強い。
飼育もモンスターを仲間にしたりはせず、オムドリ(鶏)とメーチェ(牛)を購入して育てていくだけになっている。
とはいえ本作では採集やモンスターを倒して入手できる素材の価格が極めて低く設定されているため金策としての重要度は高く、上位のアイテム製作の解放条件ともなっているため、積極的に行っていきたいところ。
ルンファクにおける季節の畑のような要素がないので、季節限定の作物を●●個育てる、といったクエストを達成し逃すと1年待たなければならない。
ジュースや小麦粉は調理台で作るのではなく、クラフトによって作成した機械を利用して加工する。
もちろん釣りもあるが、釣れるものの中にはドラゴンクエやらトラベラータコやらどこかで聞いたような名前のものも……?

他に特徴的な要素として、ストーリーが進むと水辺と洞窟のバイオームが解放される。
通常の畑では育てられない作物を育てられる他、水やりの必要がなく放置してても作物が育つ。

料理

レーテのリフォーム屋に依頼して自宅の調理場を整備すると、手持ちの食材を使って料理を作ることができる。
レシピは各地の店で購入できるほか、宝箱やクエストの報酬として入手する場合もある。
また、レシピに応じて一定の調理時間がかかる。
料理の効果は、HPとスタミナ*1を回復するものがほとんどだが、ステータス強化や属性攻撃強化などのバフ効果がついているものも。
なお、満腹(スタミナが満タンの状態)だとその間は料理を食べることができない。

余談だが、料理のイラストは飯テロかと言わんばかりの高いクオリティで描かれており、
X(Twitter)の公式垢でもたびたび紹介されていた。


死季

春夏秋冬の季節の合間に1日だけ訪れる災害。
(なお、シナリオ中で「死季が長くなっている」という発言もあるが、ゲームの仕様としては常に1日。)
この日が訪れると木以外の作物は全て枯れ草になってしまう。
町の住人は外出できず、施設・民家にも入れなくなる。
そのため、自宅・レーテ周辺の探索と釣りくらいしかやれることがない。
しかし死季の間だけ自宅の近くの古井戸から「カレノイド」というやり込みダンジョンに挑戦することが可能である。
ルンファで例えるのなら季節の変わり目に必ず台風が来るようなもの、だろうか。


ジョブ

スクエニのRPGらしく複数(全12種)のジョブが用意されており、3つまでセット可能で戦闘中に切り替えながら戦うことができる。
ジョブは基本的には仲間キャラが加入した際にそのキャラのジョブが追加されるが、一部は特別なイベントを通じて入手する。

任意発動型のスキルの仕様は、MP制や回数制ではなくクールタイム制で、同じ技を連続で使用することはできない。
なおジョブチェンジの際にもクールタイムが設けられている。
ジョブとスキルを積極的に切り替えながら戦うと効率的なバトルシステムになっている。


FEAR

各ダンジョンにいる禍々しい雰囲気を持つ強敵。
マップ上に専用のアイコンで表示される。色でおおまかな危険度が把握できる。(赤なら危険で緑なら適正レベル。黄色はその中間。)
そのダンジョンを初めて訪れた段階ではまず勝つことができないレベルの強敵だが、倒せればアクセサリーを落としてくれる。



追記・修正は死季が来る前にお願いします。

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最終更新:2025年04月13日 21:13

*1 いわゆる行動力。走行、攻撃、採集などで消費され、ゲージがゼロ(空腹)の状態だとスタミナを消費する行動が実行できなくなる。画面上には胃袋の形をしたゲージとして表示される。