OCTOPATH TRAVELER

登録日:2018/07/22 Sun 09:25:39
更新日:2025/03/20 Thu 22:58:54
所要時間:約 10 分で読めます





旅立とう、君だけの物語へ──

OCTOPATH

TRAVELER


OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)は、スクウェア・エニックスより発売されたRPGである。
開発はブレイブリーデフォルトの第二開発事業本部ディビジョン6(いわゆる浅野チーム)。
Nintendo Switchで2018年7月13日に発売され、その後様々なハードに展開された。

  • Nintendo Switch版: 2018/7/13発売
  • Steam版: 2019/6/7発売
  • Windows10/Xbox One版: 2021/3/25発売
  • PS5PS4版: 2024/6/6発売

+ 目次


概要


スクエニ独自の表現技法HD-2Dを初めて採用した作品。
キャラクターは昔ながらのドット絵でありながら、画面に3DCGの演出効果(光源処理やぼかし効果など)を加えることによって、質感と立体感を持った幻想的な風景を産み出している。
その仕上がりは「どのシーンを切り取っても美しい絵になる」と評されるレベルで、特に水などの自然物の表現は非常に美麗。

ストーリーは、オルステラ大陸という架空の大陸を舞台に、8人の主人公の物語が並行して描かれるオムニバス形式となっている。
プレイヤーは生い立ちも目的も特技も全く異なる8人のキャラクターの中から主人公を1人選び、自分の物語を追いかけながら他の7人の主人公を仲間に加え、8つの物語を同時に進めていく、といった形。
8人のストーリーは基本的に独立しているため、各ストーリー同士が複雑に絡み合うことはないが、ゲームをやり込んでいけばその繋がりに気づくことができるようになっている。*1

シナリオや世界観設定などは、TRPGではなじみの深いF.E.A.R.より、「アリアンロッドRPG」「ガーデンオーダー」などを手掛けてきた久保田悠羅が担当。
主人公紹介がシナリオハンドアウトのような形式になっていたり、TRPGを彷彿とさせる面もある。

総じてSFCからPS初期世代の「古き良きRPG」が、現代の技術で進化を遂げて帰って来た、という具合である。
主要購買層として「昔のRPGに慣れ親しんだ大人」を想定しているのか、登場人物の年齢が全体的に高め*2なのが特徴。
また、ストーリーについても「巨悪を倒し、世界を救う」というスケールの大きいものではなく、「各主人公がそれぞれの目的のために大陸中を旅する」というスタンスであり、キャラクター一人一人の個人的な事情に深く切り込んでいく。
場合によってはかなり重い話も描かれるため、エロ・グロ要素に関してごまかしが効きやすいドット絵作品であるにもかかわらず、CERO判定はC区分(15歳以上対象)となっている。*3

なお、タイトルの“オクトパス”とは「8つの(Octo)道(Path)」という意味であり、決してタコ(Octopus)の事ではない。


シリーズ展開

OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者

2020年10月28日から配信されたスマホゲーム。
本作のビジュアルやゲームシステムをおおむね踏襲しているため、美しいドット絵や高い戦略性等の特徴はそのまま残っている。
ストーリーについても、本編に負けず劣らずのハードな内容。
パーティーが4人制→8人制になっていたり、武器種に扇や本が追加され全8種になっているなどの違いもある。
スマホゲーらしく数値のインフレも凄まじい。


OCTOPATH TRAVELER II

2023年2月24日に発売された続編。
世界観やキャラクターは一新されており、本作を遊んでいなくても楽しめる。*4
詳細は当該項目へ。


バトルシステム


バトルは、ターンごとに行動速度が速いキャラクターから順に行動の機会が与えられるコマンドバトル形式。
敵味方全員の行動順を次のターンの分まで確認できるため、先々の行動順を考慮しつつ戦略を立てていく必要がある。

本作のバトルシステムを象徴する要素として、『ブースト』『ブレイク』が存在する。
この二つの要素から、覚えることはシンプルながら奥深い戦闘に仕上がっており評価が高い。

ブースト

『ブースト』は、“BP”というポイントを消費して自身の行動を強化するシステム。

味方側のキャラクターは、自身の行動順が回ってくるとBPが1点配られる。BPは最大5点まで溜めることが可能。
貯まったBPを消費すると「ブースト」を行うことができ、消費したBPの数に応じて、
  • 通常攻撃のヒット数が増える
  • 攻撃アビリティの威力が上がる
  • 回復アビリティの回復量が増える
  • バフ・デバフアビリティの持続ターン数が増える
…といった強化行動を行うことができる。なお、1回の行動で消費できるBPは最大3点。
ただし、ブーストによってBPを消費したキャラクターは、次のターンにBPが入らない。

これだけであれば単なる自己強化の要素でしかないが、後述のブレイクと組み合わせることで本作の戦闘は戦略性が高いものとなっている。


ブレイク

『ブレイク』は、弱点を突かれた敵が行動不能に陥るシステム。

敵キャラクターは、ボス・雑魚問わず“シールドポイント”というパラメーターおよび“弱点属性”が設定されている。
弱点属性は次の12種類が存在。
  • 物理攻撃系: 剣・槍・短剣・斧・弓・杖
  • 属性攻撃系: 火・氷・雷・風・光・闇
敵の「弱点」を突く攻撃を当てることでシールドポイントが減少し、ゼロになると敵は「ブレイク」状態になる。
ブレイクした敵は行動不能になり、さらに受けるダメージが二倍になるので、プレイヤーは強力なアビリティで一気に叩くチャンスとなる。
反面、ブレイクから復帰した直後の敵はそのターンで必ず最速行動になる為、状況の立て直しも急ぐ必要がある。

ボス戦では大技の前に力を溜めるなどの予備動作があるので、それを封じるためにブレイクを狙う必要がある。
そのため、むやみにブーストせずここぞという時の為にBPを温存する等の駆け引きが重要となる。

敵の弱点属性を明らかにするには、実際に弱点属性の攻撃を命中させるか、または学者のアビリティ『しらべる』or主人公サイラスの固有アクション『予習』によって看破する必要がある。
弱点の数は敵によってまちまちで、弱点の少ない敵なら2種類、普通の敵は3~5種類程度。シールドポイントの数も敵によって異なる。
また、戦闘画面に表示される弱点のアイコンは決まった順で並んでいるので、すでに判明している弱点アイコンの並びからある程度推測する事も可能。
「飛行タイプの敵は高確率で弓が弱点」などの特徴もあるので、そういった法則からアタリをつけることもできる。

この『ブレイク』システムにより、従来のRPGではあまり意味のなかった“物理キャラの魔法攻撃”や“魔法キャラの物理攻撃”など、ダメージに期待できない攻撃にも重要な役割が生まれている。
本作のバトルシステムでは、たとえ1ダメージしか与えられなくても、敵の弱点さえ突いていれば攻撃がヒットした数だけ敵のシールドポイントを削ることができる。
そのため、例えば“魔法キャラの物理攻撃”という貧弱な攻撃手段であっても、それが敵の弱点を突ける状況なら、ブーストして通常攻撃のヒット数を増やせば(ダメージはさておき)敵のシールドは大きく削ることができる。
ブレイクした敵に対し、ブーストした味方で強力な攻撃アビリティを叩き込めば数千、数万といったダメージになることもあるため、貧弱な攻撃でも「敵のシールドを削りブレイクさせる」ことは非常に重要な仕事である。



8人の主人公


本作の主人公は、気候の異なる8つの地方で活動する8人。男性と女性がそれぞれ4人ずつ。

プレイヤーはゲーム開始時に8人の中から「自分にとっての主人公」を1人選ぶ。
選ばれたキャラクターはプレイヤーの操作キャラとなり、他の7人は各地の街で『旅の仲間』として冒険に加わることとなる。
誰を主人公に選んでも、8人それぞれのストーリーは全て堪能できるので、基本的にプレイヤーの好みで主人公を選んでしまって問題ない。
なお、パーティーは8人から4人を選んで組むことになるが、プレイヤーが主人公に選んだキャラだけはパーティーから外すことができない。*5

主人公ごとに固有の『ベースジョブ』『フィールドコマンド』『固有アクション』というものをもっている。

+ ベースジョブ/フィールドコマンド/固有アクションについて
  • ベースジョブ
    • その主人公の基本となるジョブ(職業)。
    • 詳細は後述するが、ゲームが進むと『バトルジョブ』というシステムが解禁され、各主人公に別のジョブの技を覚えさせることができるようになる。
      • 『バトルジョブ』は冒険中にいろいろ切り替えることは可能であるものの、『ベースジョブ』は主人公固有の職業であり絶対に変更できない。
    • ジョブごとに強み・弱みは当然存在するので、どの主人公にどのバトルジョブを組み合わせるかを考える上でベースジョブが何であるか、どのバトルジョブとどんなシナジー効果があるかが重要となってくる。

  • フィールドコマンド
    • フィールド上のNPCに何らかの形で干渉するコマンド。
    • 各主人公はフィールドコマンドを使うことで、次の4つのいずれかの形でNPCに干渉することができる。
      • NPCとバトルを行う
      • NPCが持つアイテムを入手する
      • NPCを仲間にして連れまわす
      • NPCの隠し持っている情報を引き出す
    • 各主人公のフィールドコマンドは、それぞれ正道邪道の2種類に分類され、得られる結果は同じでも発動条件やリスクが異なっていたりする。
      • 正道」は条件を満たさなければフィールドコマンドを実行できない代わりに、成功が確実であったり、失敗時のペナルティが無い。
      • 邪道」は使用条件こそないものの失敗することがあり、失敗を重ねるとその町や村との関係が次第に悪化し、最終的にその町でフィールドコマンドが使えなくなる。
        悪化した関係を改善するには、そのフィールドに存在する酒場にお金*6を払わなくてはならない。
    • それぞれの主人公の物語でフィールドコマンドを用いてストーリーを進める場面があるが、この時正道邪道の代替するアクションでは解決できない。
      • 例として、商人・トレサのシナリオでNPCが所持するキーアイテムを盗賊・テリオンが「盗む」ことはできず、逆にテリオンのシナリオではNPCが所持するアイテムをトレサが「買取る」ことができない、など。

  • 固有アクション
    • バトル中もしくはフィールド画面のいずれかで発動する特殊能力。
    • 使用を宣言するタイプのものもあれば、自動で発動するタイプもある。
    • 「戦闘開始時に敵の弱点を1つ看破する」「歩いているだけでお金を取得する」「鍵のかかった宝箱を開ける」など便利な効果がある。
    • 固有アクションの便利さで主人公(=プレイヤーの操作キャラ)を決めるプレイヤーも少なくない。

ストーリーの合間には『パーティチャット』と呼ばれる期間限定の仲間会話イベントが発生し、それぞれの主人公の性格や仲間内での関係性を垣間見ることができる。
テイルズオブシリーズのスキット会話に近いもの、と言えばわかりやすいだろうか。(ただしフルボイスではない)

ちなみに、主人公の名前の頭文字を並べていくと「O C T O P A T H」になる。


オフィーリア・クレメント

英語名 Ophilia Clement
CV 茅野愛衣
ベースジョブ 神官
フィールドコマンド 導く
固有アクション 加勢
性別 女性
年齢 20歳

豪雪地帯フロストランドの町、聖火教会の総本山フレイムグレースの大聖堂の若き神官。
修道院育ちのため、世間知らずなところはあるが、心優しく慈愛に満ち溢れたシスターの鑑のような人物。
誰にでも敬語で接するお淑やかな性格だが、サイラスですらも読めないポーカーフェイスが特技だったりと妙に強かなところも。
好きな異性のタイプは『(強いてあげるなら)優しくて思いやりや気遣いが出来て清潔感があり、文武両道で常識を持ち、自分に厳しく他人に優しく、背が高くて包容力のある人』とかなり理想が高く、プリムロゼから『男に夢見ちゃ駄目』とツッコまれている。

かつて戦災で両親を失い、司祭ヨーセフに拾われた過去を持つ。
そのヨーセフが病に倒れた事を受け、20年に一度の「式年奉火」の儀式をヨーセフの実の娘であるリアナに代わり、自らが執り行うことを決める。

+ キャラクター性能
戦闘面では回復魔法のスペシャリストで肉弾戦は不得手という、典型的なヒーラーポジション。
光属性の魔法攻撃が可能で、バトルジョブによってはサイラスに次ぐ魔法攻撃要員にもなれる。

フィールドコマンド「導く」は、町にいる人を連れ歩くことが可能になる。
「導く」で連れ歩いている人は固有アクション「加勢」によって、数ターンだけバトルに参加させることが可能。
ただし、プレイヤーが操作できないNPCとして扱われるので、コマンド選択は不可。
中にはオフィーリアへの単体物理攻撃をかばってくれるNPCもいるが、一定量のダメージを受けるとその時点で離脱してしまう。
どのNPCも「得意技」を持っているが、どの行動を選ぶかはランダムで、使ってくれるかどうかは運次第。この点は若干扱いづらい。
余談になるが、NPCが敵にトドメを刺すと無言で戦闘が終了する。絵にはなるがちょっとシュールな光景。ボス戦なら尚更。

サブストーリーの解決方法としても重要なコマンドで、特定のNPCを連れていることがクリア条件になっているものが多い。
攻略とは無関係に気になった人を無意味に連れ回すのもそれはそれで楽しい。


サイラス・オルブライト

英語名 Cyrus Albright
CV 梅原裕一郎
ベースジョブ 学者
フィールドコマンド 探る
固有アクション 予習
性別 男性
年齢 30歳

平原地帯フラットランド地方の王都アトラスダムにある王立学院に務める学者。
若くして王女メアリーの教師を任されるほどに優れた人物であるが、未知の知識や謎を前にするとじっとしていられなくなる癖がある。
その整った容姿から、彼に思いを寄せる女子生徒達も多いが、肝心の本人の思考回路が「未知の謎>>>女性」なため、その気持ちに気づいていない上に、無意識に歯の浮くような言葉を連発しては世の女性たちをやきもきさせる典型的な恋愛漫画主人公タイプの朴念仁。
その為、先輩のオデットからは「いつか刺されるんじゃないか」と心配されていたらしい。

「知識は全ての人が共有すべき」という信条を掲げており、知識を独占及び悪用する者は許さない。
ある日、普段は入室を禁じられている特別書庫に入った際、とある書物が抜け落ちていることを発見したことがきっかけで、彼の物語が始まる。

+ キャラクター性能
戦闘面では攻撃魔法が得意で代わりにHPや物理攻撃等は低い、典型的な魔法使いタイプ。
魔法攻撃の威力は絶大で、他メンバーで状況を整えて彼の魔法を叩き込む、というのが効率的な戦法となりやすい。
一方、本編終盤では物理アタッカーの火力がインフレしてくるのもあり、サイラスは雑魚処理やボスのブレイク担当などの役割に収まることも多い。

フィールドコマンド「探る」は、町の人たちが持つ裏情報を探ることができる。
隠されたアイテムを拾えるようになったり、店に商品が追加されたりするほか、一部のフィールドコマンドを有利にする情報が得られることも。
彼のシナリオは「探る」で集めた情報を元に推理をしていくシティアドベンチャー風のものに仕上がっている。

固有アクション「予習」は、戦闘開始時に敵の弱点を一つだけ看破できるというもの。
前述の通り、このゲームにおいて弱点を見抜くことは非常に重要であるため、初めて訪れる土地ではサイラスをパーティーに入れておくと戦いやすい。


トレサ・コルツォーネ

英語名 Tressa Colzione
CV 青木瑠璃子
ベースジョブ 商人
フィールドコマンド 買取る
固有アクション 歩いてリーフ
性別 女性
年齢 18歳

海岸地帯コーストランドの港町リプルタイドで、両親のよろず屋を手伝う少女。
商人の性分故か、割とちゃっかりしてる部分も多いが、中身は恋愛や美容に興味を示す年相応な明るい女の子。
商人としては駆け出しではあるが天性の目利きの才があり、品物の価値や状態を直感的に見抜く優れた鑑定眼を持っている。
メンバーの中では最年少で唯一の10代。しかし、海賊のアジトや屋敷に忍び込み、悪人にお説教をかますなど、胆力と行動力に溢れている。
好きな異性のタイプは『商品にケチをつけない人』。

広い世界への憧れを秘めながら両親を手伝う日々を過ごしていたトレサだが、ある日、一隻の商船が停泊したことをきっかけに彼女の旅が始まる。

+ キャラクター性能
ベースジョブの商人はサポート特化の性能。ステータスは特に目立った長所・短所がないバランス型。
バトルジョブを何にするかでトレサがやれることも大きく変わる、非常にユニークな性能となっている。

フィールドコマンド「買取る」は、NPCが所持するアイテムを購入することができる。
しかし、中には買取り不可能な非売品扱いの品もいくつか存在するため、それらはテリオンの「盗む」で入手する必要がある。
「買取る」はトレサのレベルに関係なくお金さえあれば実行可能なコマンドではあるが、レベルが上がると値引き交渉の成功率と値引き額が上がる。

固有アクション「歩いてリーフ」は、エンカウントエリアを歩き回ると、マップが切り替わるタイミングでお金を入手できる能力。
歩いたエリアの「危険度」が高いほど、歩いた歩数が多いほど、獲得金額が上昇する。


オルベリク・アイゼンバーグ

英語名 Olberic Eisenberg
CV 小西克幸
ベースジョブ 剣士
フィールドコマンド 試合
固有アクション 防御ブースト
性別 男性
年齢 35歳

山岳地帯ハイランドの村コブルストンに身を寄せる剣士。
かつてはホルンブルグ王国で「剛剣の騎士」と称えられていたが、仲間の裏切りによって国が崩壊。
以来、守るべきものを失った自らの剣の意味に苦悩しながら、「バーグ」という偽名を使い、用心棒として過ごしていた。
威厳溢れる佇まいと口数の少なさもあって無愛想な印象を受けるが、実際は弱きを助け悪を挫く心優しき正義漢。
用心棒稼業の傍ら、後塵を育て上げるなど面倒見もよく、村人全員から慕われている。

ある日、村を襲った山賊の頭ガストンが持っていた剣が、かつて自身を裏切った仲間である『エアハルト』が使っていたものだと判明。
長年見失っていた剣を振る意味を見出すため、そしてエアハルトにかつての裏切りの真意を問いただすため、村を旅立つ。

+ キャラクター性能
戦闘面では8人の中で最もHPと物理攻撃が高く、魔法関係のステータスや素早さが低い…といった、典型的な重戦車物理アタッカータイプ。

フィールドコマンド「試合」は、町にいる人々と一対一の勝負を行う。
勝利すると通常通り経験値や戦利品等を得られる他、道をふさいでいる人を退かすことができる。
強盗でも追い剥ぎでもない「正道」な「試合」です。ましてや不法侵入だなんてとんでもない。
NPCの中には強力な装備品を低確率で落とす者もいる。
そのため、エリアチェンジやリセット&ロードを繰り返し、特定のNPCに何度も試合を挑む血の気の多い勇猛なプレイヤーも存在する。
ただし、入手手段がNPCからのドロップのみという例は一切ないため、その点はわりと良心的。
やり込み派のプレイヤーだけやればよい、という形になっている。

固有アクション「防御ブースト」は、共通コマンド「防御」に「ブースト」のボーナスを得られるというもの。
ブーストするとダメージの軽減率が上がるほか、仲間を「かばう」効果*7も付加される。
サポートアビリティ「かばう」のほうも有用で、装備させておけばパーティの安定感を底上げできる。


プリムロゼ・エゼルアート

英語名 Primrose Azelhart
CV 桑島法子
ベースジョブ 踊子
フィールドコマンド 誘惑
固有アクション 加勢
性別 女性
年齢 23歳

砂漠地帯サンランドの歓楽街サンシェイドの酒場で人気の踊り子。
その正体は、当主を失ったことで没落したかつての名門貴族エゼルアート家の令嬢。
メンバー内で唯一『復讐』という重苦しい動機で旅をしており、時に非情な面も見せるが、亡き父の言葉である『己を信じ、貫け』という信念を胸にどんな苦境も乗り越える芯の強さを持つ。
普段は冗談や軽口を飛ばすサバサバとした姉御肌的な性格で、他の女性陣達が総じて恋愛に疎いため、アドバイスを送ることも。

貴族の令嬢から踊り子に落ちたプリムロゼは、父を殺した「カラスの刺青を持つ3人の男」を見つけ出し、復讐をする機会をうかがっていた。
ある日、酒場で件の刺青の男を見つけた彼女は、復讐の旅へと歩み始める。


+ キャラクター性能
戦闘での主な役割は味方を強化するバッファーだが、ある程度は魔法攻撃も可能。

フィールドコマンド「誘惑」はオフィーリア同様、NPCを連れ歩く能力。同性でも既婚者でもお構いなしに誘惑する。
同性のNPCの場合は、踊りの技量や自身の美貌を褒められるor魅了されるといった反応が返ってくる場合が多い。
誘惑で得たNPCを固有アクション「加勢」でバトルに参加させられる点もオフィーリアと同様。

「導く」と「誘惑」の違いは発動条件とリスク。
プリムロゼの「誘惑」は、自身のレベルが低くても(低確率で)強力なNPCを連れ歩ける反面、成功率は100%ではないため失敗することがある。
オフィーリアの「導く」は、自身のレベルが低いと高レベルのNPCを連れ歩くことはできないものの、一定のレベルに達していれば100%成功する。
なお、「導く」「誘惑」でそれぞれ1名ずつNPCを連れている場合、オフィーリアとプリムロゼをパーティに入れておけば、NPCも含めて一時的に6人ものキャラでフィールドを歩き戦闘することが可能。


アーフェン・グリーングラス

英語名 Alfyn Greengrass
CV 関智一
ベースジョブ 薬師
フィールドコマンド 聞き出す
固有アクション 調合
性別 男性
年齢 21歳

河川地帯リバーランドの村クリアブルックで薬師をしている青年。
年若いが男気に溢れ、気風の良い熱血漢。
かつて難病を患った際に、旅の薬師に命を助けられたことがあり、以後、自らも彼のように旅をしながら苦しむ人々を助けたいという夢を抱くようになった。
薬師という仕事に誇りを持っており、相手の人種や職業・年齢等を問わず「救える人は全てを診察し救いたい」という信念を掲げている。
そのため、薬師という立場を利用して人々から金を巻き上げる等の悪事を働く者には激しい怒りを見せることも。

「世界中を旅して病に苦しむ人々を救いたい」と願いつつも、責任感の強さから、母亡き後も村を出られずにいた。
しかし、親友の薬師ゼフに背中を押されたことで、旅に出る決意を固める。

+ キャラクター性能
性能はヒーラー役も務まる物理アタッカー。
オフィーリアと比べて全体回復はできないが状態異常のケアができる。

フィールドコマンド「聞き出す」はサイラス同様、町の人々の裏情報を知ることができる。
サイラスは高レベルのNPCからも情報を引き出せる反面、確率で失敗することがあるのに対し、アーフェンは発動条件(アーフェンのレベル)さえ満たしていれば100%成功する。

固有アクション「調合」は、戦闘中に薬の素材と植物系アイテムを組み合わせることで攻撃・回復などの独自行動を臨機応変に行うことができる。普通のアイテムと効果が被っているものも多少あるが。
各種素材は店で購入可能だが、それらと組み合わせる植物系アイテムは非売品で、戦利品や盗賊の「盗む」で入手するしかない。
「調合」では味方単体や全体を対象に、HP・SP・BP回復、状態異常回復もしくは属性+状態異常の多段ヒット攻撃を行うことが可能。
一度使用した効果はヘルプで確認でき、未使用の効果でも材料の組み合わせから予想しやすいため、初見でもそれなりに扱いやすい。
材料が余ってきたら適当に使ってリストを埋めておくといざというときに役立つ。
使いこなせればアーフェン一人でかなり幅広い行動がとれるようになるため、シナリオ終盤の強力なボス相手で特に活躍する。


テリオン

英語名 Therion
CV 松岡禎丞
ベースジョブ 盗賊
フィールドコマンド 盗む
固有アクション 開錠
性別 男性
年齢 22歳

渓谷地帯クリフランドの街ボルダーフォールに滞在していた神出鬼没の盗賊。
過去の苦い経験から、人を信じることを極度に嫌うクールな一匹狼。
変装および演技が特技で、普段はぶっきらぼうな喋り方だが、『腰の低い商人』や『気性の荒い盗賊団幹部』といった全く性格の違う人物をいともたやすく演じ分ける。
意外にも『験担ぎ』を結構気にしてるらしく、「験担いで盗みが成功するならなんでもやってやる。」とは本人談。
陰で努力するタイプで、利き腕とは逆の手で文字を書く等普段からの訓練を欠かさない。
出生については生年以外は不明で、天涯孤独の身だが、「兄弟」という存在に対して思うところがある様子。

警備の厳しい貴族の館を中心にお宝を狙っており、名家レイヴァース家の財宝を次の標的としたことで運命が動き出す。

+ キャラクター性能
行動速度に優れる物理アタッカー。
ダメージを与えつつ自身のHPやSPを回復するライフスティールダガー/マジックスティールダガーが主力技。
また、敵を弱体化させるデバフ技も習得するため、どちらかというとボス戦向きの性能。

フィールドコマンド「盗む」はトレサの「買取る」同様、NPCからアイテムを入手できる。
両者の違いは金をかけて確実に行うか、リスクを負ってタダで手に入れるか。
ただし、一部の非売品扱いになっているアイテムは「盗む」しかない。
また、彼のシナリオを進めるうえで必要なアイテムは「盗む」以外の手段では手に入らないようになっている。

固有アクション「開錠」は、フィールド上にある紫の鍵付き宝箱を開く能力。
町やダンジョンを探索する際にはなるべく彼をパーティーに入れておきたいところ。


ハンイット

英語名 H'aanit
CV 甲斐田裕子
ベースジョブ 狩人
フィールドコマンド けしかける
固有アクション 捕獲
性別 女性
年齢 26歳

森林地帯ウッドランドの村シ・ワルキで育った狩人。
リンデという雪豹を相棒として連れている。
切れ長の目をした美女で一見近寄りがたいが、基本的に心優しくまじめでしっかり者な性格。
彼女の師匠ザンターは狩人としての腕は一流だが、狩りの時以外は抜けている部分も多いため、ハンイットは師匠を反面教師とすることで生真面目さを身につけた。
魔物の感情を察するという狩人特有の能力*8があり、リンデをはじめとしたあらゆる魔物と意思疎通ができる。
好きな異性のタイプは『自分よりも強い人』。

「赤目」と呼ばれる謎の魔物を追って村を出た師匠ザンターに代わって、村の守り人を務めていた。
しかし、ザンターの相棒である魔狼ハーゲンが村へと帰還したことで、帰らない師匠の身を案じ、彼の足跡を追う旅が始まる。

+ キャラクター性能
クセのないステータスの物理アタッカー。
ベースジョブの狩人がブレイクや行動阻害などで優秀なため、単なるアタッカーだけでなく様々な局面で活躍できる。

フィールドコマンド「けしかける」は魔物を使役してNPCと戦う。
NPCの攻撃を受けるのは魔物ではなくハンイット自身だが。
オルベリクの「試合」と比べると手持ちの魔物次第で物理・属性問わず多数の属性を扱えるが、アビリティが使えないため戦術がかなり絞られる。
「防御」や「アイテム」は自由に使えるため、防具を整え、回復アイテムや各種精霊石(「~(大)」「~(特大)」)を多用して強引に突破することもできなくはない。

固有アクション「捕獲」は、戦闘中に弱った魔物を捕らえる能力。
捕まえた魔物は「けしかける」やバトル等で呼び出して使用できる。
複数の魔物を手元にキープしておくことが可能で、魔物によって「得意技」と使用回数が異なる。
捕獲の成功率は、対象のHP残量、弱点の開示状況、ハンイットのレベル等で変動する。
また、敵をブレイクさせたり、「捕獲」をブーストしたりすることでも確率を上げることが可能。
たいていの魔物はHPを減らしてブーストするだけで捕まえられるが、極端に捕まえにくい強力な魔物も存在する。
また、盗賊や海賊など人間型の敵は魔物ではないため、残念当然ながら捕獲できない。
なお、相棒の雪豹リンデのみ、何度でも呼び出し可能。終盤はさすがに火力不足だが、ブレイク要員としては役割を持てる。

せっかく捕まえても魔物ごとに使用回数に制限があるため、気軽に使いづらい面がある。
制作サイドもその点を考慮したらしく、続編のⅡでは回数制限が撤廃され、捕まえた魔物は戦闘中に何度でも呼び出せるようになった。


ジョブ


キャラには一人一つベースジョブが設定されており、それぞれのジョブに設定された『バトルアビリティ』『サポートアビリティ』を使うことができる。

『バトルアビリティ』は戦闘で使えるスキルで、使用するとSPを消費するが強力な攻撃や回復を行うことができる。
『サポートアビリティ』はフィールドや戦闘中に常時効果を発揮するパッシブスキル。
戦闘後に経験値と同時にもらえるJP(ジョブポイント)を消費することでバトルアビリティが解放され、解放されたバトルアビリティの数に応じて、サポートアビリティが解放される。

また、各ジョブにはそれぞれ通常のバトルアビリティ7つの他に「奥義」と呼ばれるアビリティがあり効果も強力だが、
  • 他の7つのアビリティを習得するまで覚えられない
  • BPを3使用してフルブーストの状態でしか使用できない
という制限がある。

世界各地に点在している各職業の祠に行くと、『バトルジョブ』が解放され、各キャラにもう一つジョブをつけることができる
選べるバトルジョブは各ジョブつき一人までという制約があるため、たとえば誰かが『剣士』のバトルジョブをつけている間、他のキャラクターは『剣士』をバトルジョブに設定できない。

素のパラメータやベースジョブの関係で向き不向きの相性は当然存在する。(物理キャラが魔法系のバトルジョブをつける場合など)
しかし、ステータス的に不向きなバトルジョブであってもサポートアビリティに優秀なものがある場合もあり、それ目的で一時的に不向きなバトルジョブをつける価値はある。

習得したバトルアビリティはそのジョブになっていないと使えないものの、サポートアビリティはバトルジョブを変更しても引き続き使用可能。
他のジョブに付けることで輝くサポートアビリティもあるので、JPが溜まったら必要なサポートアビリティだけ覚えてすぐ他のジョブに戻すことも簡単にできる。

また、バトルジョブを設定すると戦闘中やメニュー画面でのキャラのグラフィックがそのジョブのオリジナルの持ち主をモチーフにした姿に変化する。
『商人』ならトレサの様に帽子とカバンを背負う、『踊子』ならプリムロゼの様に露出の高い服装になる等、ドット絵がかなり凝っており見た目にも楽しい。


ジョブ紹介

剣士

剣・槍による強力な物理攻撃が自慢の前衛職。
剣と槍、2種類の武器の物理攻撃アビリティをどちらも習得できる。
一方、属性攻撃アビリティは1つも習得できない。

また自身の攻撃力や防御力を上げるバフスキルを持ち、自己強化も可能。「かばう」や「挑発」による壁役もこなせる。
序盤は全体攻撃での雑魚散らしや、(ブースト)「たたかう」や連続攻撃スキルでのブレイク役が主な仕事になるが、奥義「雷剣将ブランドの剛撃」を習得すれば、一気にパーティの主砲になれる。

サポートアビリティはHPの低い仲間の身代わりになる「かばう」や、火力の底上げができる「物理攻撃力+50」などがある。
「物理攻撃力+50」の解放は早ければ早いほど有効で、武器が貧弱な状態でもダメージの通りが良くなる。アクセサリとの併用も効果的。
しかし、なんといっても装備者が与えるダメージが最大99999となる「ダメージ限界突破」の存在が大きい。
シナリオ終盤では1万越えのダメージは割と簡単に出せるようになるので、アタッカーには必ずつけておきたい。


踊子

各種バフと闇属性魔法、ギャンブル性の強い「摩訶不思議の舞」など、若干癖の強い能力を持つ。
闇属性魔法で攻撃もできるが、やはり基本は各種バフによる味方の強化。
奥義「舞踏姫シルティージの囁き」は対象が単体の技を全体化する効果を味方に付与する。
自分に使ってバフを全体化し味方を一気に強化することはもちろん、他メンバーのアビリティを全体化させることもできるので利便性は高い。
また「摩訶不思議の舞」は「戦闘後の入手EXPまたは入手JPが100倍になる」というとんでもない当たりを引くことも。
なお、装備可能な武器は短剣のみで、武器技は習得できない。

サポートアビリティは「強化ターン数増加(与)」や「SP自動回復」など、地味に便利なものが多い。
「反撃」は物理攻撃に対して50%の確率で反撃するアビリティ。敵の弱点と武器種が合えばブレイクの手数も稼げる。
物理アタッカーなら選択肢。物理火力に期待できない踊子本人がつけてもあまり機能しない。
オルベリクの「試合」やハンイットの「けしかける」で有用なため、踊子として使うつもりがなくても覚えさせておく価値はある。
確率効果とはいえ、剣士の「かばう」「挑発」との組み合わせもそこそこ使える。
「自動復活」は一回限りだが、確実に発動してくれる。


盗賊

「盗む」や短剣2連撃のドレイン技や、物理デバフ技を習得する搦め手使い。
短剣のほかに剣も装備できるが、剣を使う技は覚えない。代わりに火属性の攻撃が可能。

物理属性のデバフを覚えるのは盗賊だけなので、敵の防御力を下げて他の物理職に攻撃させたり、敵の攻撃力を減らしてダメージを抑えたりするのが主な役目。
他にも短剣弱点の敵には2連撃する技でシールドポイントを効率的に削ったり、「マジックスティールダガー」で自身のSPを回復しつつ「SPパサー」で味方にSPを分け与えたりといぶし銀な働きができる。
どちらかというと雑魚戦よりもボス戦で真価を発揮するタイプ。

サポート要員の印象が強いが実はアタッカーとしても優秀で、奥義「盗公子エベルの鉤爪」で全体に大ダメージを与えることができる。
この奥義は物理攻撃力だけでなく行動速度によっても威力が増加するため、素早いキャラが使うと剣士の奥義「雷剣将ブランドの剛撃」に匹敵・凌駕する威力となり、しかもあちらと違って全体攻撃であるためかなり強力。
ややクセは強いが、普段はサポートに回りつつ、ここぞという場面で奥義による特大ダメージを叩き出せる優秀なジョブとなっている。

「盗む」で盗めるものは、回復アイテムや調合素材、各種精霊石などの消耗品がメイン。
装備品が盗める戦闘もないわけではないが、ごくまれ。
アーフェンの「調合」を活用するつもりなら、こまめな素材の収集が欠かせない。
精霊石もあればあったでなにかと便利なアイテムなので、気兼ねなく使える程度には集めておくといい。

サポートアビリティは「弱体効果ターン増加」や「行動速度+50」などサポート向け。
盗む量を増やす「もっと盗む」は商人の「集金」にも有効なので、覚えさせれば金策に使うこともできる。


学者

火・氷・雷属性の全体攻撃を習得可能な、高殲滅力高燃費の典型的魔法職。
雑魚戦、ボス戦共に得意で、全体に2連撃をかます「大○○魔法」はダメージソースのみならずシールド削りにも向いている。

「しらべる」はブーストすれば相手の弱点を一気に丸裸にすることができ、ボス戦で高いアドバンテージをとれる。
多くの属性攻撃を扱える上、基本的にどれも全体攻撃なので、とりあえずパーティに一人入れておけば道中の雑魚戦ではとても便利な職。
奥義「碩学王アレファンの知識」は魔法を収束させ全体攻撃を単体攻撃にする代わりに威力が上昇する効果を付与する。
ボス戦等のここぞという時に真価を発揮するだろう。

使える武器は杖だけで、武器を使った物理攻撃技は覚えない。
素の状態では武器によるブレイクが苦手で、杖弱点の敵以外にはブレイクするにも火力を出すにもSPを消費するのが難点。
特に序盤はガス欠に陥りやすいため、何らかのSP回復手段は常に用意しておく必要がある。

サポートアビリティは「エンカウント半減」や「不意打ち回避」とフィールド系のものを2種覚える。
とりあえず誰かにつけておけば、探索がとても捗る。ゲーム序盤からストーリー終盤のエリアを探索したいときにも非常に役立つアビリティ。
「属性攻撃力+50」は貴重かつ有用な火力アップ系のアビリティで、属性アタッカーには早めに取らせておきたい。
学者以外の神官、踊子、商人など属性系のサポート職にも欲しいアビリティ。
なお、バトルアビリティでのHP回復量は属攻ではなく属防に依存するため、このアビリティで回復量の底上げはできない。


神官

全体回復、光魔法攻撃、防御系バフを得意とする、イメージ通りの神官系能力。
全体回復や味方の蘇生、そして光魔法での攻撃が主な仕事となる。
ただし、単体回復とステータス異常の治療ができないため、それらはアイテムや薬師の技、あるいはアーフェンの「調合」に頼ることになる。

倒れた味方を蘇生する「復活魔法」は消費SPが多いうえにHPが1しか回復しないが、ブーストすることによって真価を発揮する。
最悪、神官さえ生存していれば、全滅寸前の状況からパーティを立て直すことができる。
「反射のヴェール」は味方に敵の属性攻撃を反射する効果を与え、属性攻撃をメインに使ってくる敵との戦闘時に使えば戦いをかなり有利にすることができる。
奥義「聖火神エルフリックの導き」は味方単体に対し、技が連続して発動するようになる強力なバフを付与する。ボス戦でアタッカーなどに使いたい。
バフ技の効果ターン数も倍になる点も地味に便利で汎用性も高い。
余談だが、初期習得の「聖なる光」は"属性攻撃アビリティ"ではあるが"魔法アビリティ"ではないようだ。(他ジョブの単体属性攻撃技と同じ扱い。)

装備可能な武器は学者と同じで杖のみ。
扱える属性が杖・光だけで多段ヒットする技もないので、ブレイクに関しては学者以上に苦手としている。

サポートアビリティはなんといっても「回復限界突破」が重要。
最大HPを超える回復効果を受けた時、最大HPを一時的に引き上げて過回復することができる。
これによりHPを大幅に底上げすれば、敵の強力な攻撃にもかなり耐えられるようになる。
後半になればなるほど敵の攻撃が苛烈になるので、ボス戦などでは全員に装備させておきたいアビリティ。
逃げる成功確率アップ」は学者の「エンカウント半減」と合わせて序盤から遠出をする時に役に立つ。


商人

槍・弓・風魔法による攻撃や、「ひと休み」での自身のHP・SP・状態異常の回復、味方のBPを増やす「BPパサー」と色々できる芸達者。
特に「BPパサー」の存在は、ブーストが重要になる本作の戦闘では非常に強力。
これがあるだけで商人のジョブはどんな状況でも腐らない、といえる程度には有用なアビリティ。

敵からお金をもらう「集金」は、「もっと盗む」と併せれば後半になればなるほどボスから大金をせしめられる。
奥義「紳商伯ビフェルガンの心眼」は単体に無属性ダメージを与え、ダメージと同額のお金を入手できるというもの。
欠点というほどではないが、装備武器が2種類あるわりには武器を使う技を一切覚えられない。

サポートアビリティは「消費SPダウン」が目玉。
継続戦闘能力を高められるので、どのキャラに付けても役に立つ。
「ふんばる」は瀕死でなければHPを1残して踏みとどまってくれるが、連続攻撃を食らうと落ちるので過信は禁物。


狩人

弓矢を使っての多段攻撃が得意な前衛職。
弓と斧が装備可能だが、覚えられる武器技は弓技のみ。
斧は属攻や追加効果を重視して選ぶのも有力。

敵全体に何度も矢の雨を降らす「どしゃぶり矢」や、ランダムなターゲットに5~8回攻撃する「さみだれ矢」は、弓が弱点の相手のシールド値を減らすのに凶悪な威力を発揮する。
一方、単体物理技は初期習得の「会心の矢」のみで、物理火力という面では剣士や薬師に一歩劣る。
他にも一風変わったバフ・デバフや雷属性攻撃を覚える。
特に敵1体の行動速度を最遅にする「ねんちゃく糸」がボス戦では非常に有用。
足の遅い味方がいても敵より確実に先に行動させられるので、敵の行動前にブレイクや回復が狙えるようになったりと思い通りの戦略を立てやすく、何かと重宝する。
奥義「狩王女ドレファンドの猛追」は全体に特大ダメージを与えるので、お供がいるボス戦で輝く。

サポートアビリティは「おかわり」と「ラストアクト」が光る。
「おかわり」は通常攻撃が確率でもう一回発動する効果でシールド削りに使える。
「ラストアクト」はターンの終了時に25%の確率でもう1回行動可能になるという非常に強力なもの。こちらはベースジョブを問わず全員常備していてもいいくらいの便利さを誇る。


薬師

単体回復スキルと斧を使った攻撃技が得意で、HPと攻撃力が高い前衛回復職。属性技は氷。
斧は他の武器種よりも強力な武器が手に入りやすいため、序盤から中盤にかけては物理火力の筆頭となる。

斧の全体攻撃「死中活劇断」は序盤から終盤まで雑魚散らしでお世話になる。
「大切断」は命中率がやや低いものの、剣士の「十文字斬り」と同等の威力で確実にクリティカルヒットするため非常に強力。燃費も良好。
ブレイク中の敵に使うなら命中不安のデメリットもほとんど影響しない。

回復・蘇生技も覚えるが、どれも単体回復のため神官ほどの立て直しはできない。
味方の状態異常を治療し更に状態異常無効の効果を付与する「健全化」は、敵からのバステが多くなる後半で真価を発揮する。
奥義「霊薬公ドーターの恩恵」はアイテムの効力を全体化する効果を付与するバフで、全回復やBP回復など効果の高いアイテムが集まってくればくるほど相対的に価値が上がる。
ラストエリクサー症候群の人にはあまり縁がない奥義かも知れない。

サポートアビリティはちょっと地味目。
「たたかうでSP回復」は通常攻撃でシールドを減らすことの多いキャラにつけておくと、効率よくSPを回収できる。
踊子の「SP自動回復」による回復量は最大SPに依存するため、物攻が高く最大SPが低い脳筋物理アタッカーの場合はこちらのほうが回復量が多くなる。
「状態異常回避アップ」はバステにかかりにくくなるので、回復役につけておけば全体にバステを撒かれたときなどの立て直しがやりやすくなる。


+ ネタバレのため格納

上級ジョブ

バトルジョブでのみ設定できる特殊なジョブ。
通常のバトルジョブと同じく祠があり、そこで番人と闘う試練をクリアすることで手に入る。

祠を守る番人は非常に強く、下手をすると各主人公のラスボスよりも手強い
またバトルアビリティも開放するのに1つ2000JPもかかるなど、消費もデカい。
その苦労をかける分、性能は折り紙付きでどの職業も非常に強力で、通常ジョブとは一線を画すものとなっている。
なお上級ジョブは全てバトルジョブなので、上級ジョブを二つ付けるといったことはできない。


魔術師

あらゆる属性を扱う魔法のエキスパート。武器は杖のほかに弓が使用可能。
火・氷・雷・風・光・闇と全属性を扱えるため、いわば学者の上位互換的な位置づけ。

敵全体に3hitする「特大○○魔法」を習得し、ダメージソースからシールド削りまでお手の物。
また相手の属防を下げる杖技もあるため、さらにダメージを上げることもできる。
奥義「魔大公ドライサングの秘術」は味方単体に属性クリティカルの効果を付与する。
学者と同じく、とりあえずパーティに入れておけば、雑魚戦・ボス戦共に捗る。

しかしながら、学者と違って「しらべる」等の補助ができないため、このジョブを入手した後も学者の出番がなくなるわけではない。
また、魔術師には1人しかなれないので、属性アタッカーを複数用意したいときにはサイラスか学者(あるいは両方)を採用するよりない。

サポートアビリティは「特攻強化」や「属性熟練化」など、属性攻撃を強化するものが目白押し。
ただこれらを全部つけると間違いなく9999でダメージがカンストするので、「ダメージ限界突破」はつけておきたい。


星詠人

様々なバフスキルを完備した支援のスペシャリスト。
BPブースト・物防、属防、行動速度全強化・敵バフ&味方デバフ無効化など、強力なバフが揃っている。
また全体に風&光&闇3回攻撃を行う「流星」など、攻め手も欠かさない。
バフは全て単体が対象だが、踊子の奥義「舞踏姫シルティージの囁き」を使えば全体化できるため、主人公では唯一自前でこれができるプリムロゼと相性が良い。
奥義「星占師ステオーラの予言」は味方のBPの数が多いほどダメージが上がる全体攻撃。

装備可能な武器は槍と短剣。ただし武器技はなく、あくまで通常攻撃でのブレイク用。
槍および短剣は属攻が上がる武器が比較的手に入りやすいため、杖が使えないキャラでも属攻を上げやすい。

サポートアビリティはBP関連の強化や、25%でダメージを無効化する「天使の加護」などこちらも強力。
特に「BPイーター」はブースト時の火力を1.5倍にするアタッカー必修のアビリティ。
また「獲得JPアップ」は上級ジョブで沢山消費するJPを効率よく集められるため、早めに開放しておけば後々楽に。


武芸家

六種全ての武器を装備できる、物理攻撃を極めた職。
バトルアビリティも全武器技が揃っており、その様はまさに武芸家。属性攻撃技は剣士同様に一切習得しない。
全武器を扱えるためシールド削り能力も高く、魔術師と同じくまず間違いなく削りには困らないという面も。
奥義「豪武匠ウィンヒルドの咆哮」は、6種の武器で敵全体に6連撃の極大ダメージを与える大技。
ブレイクした敵に、バフを盛った武芸家がこの奥義を叩き込んだときの爽快感は筆舌に尽くしがたい。

他の上級職にも言えることだが、技の燃費の悪さが欠点。
「たたかう」と奥義だけでも十分強いが、武芸家にしたキャラのベースジョブが何かによって、使い勝手も多少変わってくる。

サポートアビリティでは、「獲得EXPアップ」が目を引く。
装備すればレベル上げが非常に捗る。
また「永続フィジカルアップ」は戦闘中に物攻と物防アップの永続バフがかかるため、踊子や剣士のバフに頼らなくても高い能力を維持することができる。


ルーンマスター

自身の物理攻撃に各属性の追撃を付加することのできる特殊な魔法職。
「火のルーン」「氷のルーン」などのアビリティを覚え、物理&属性の2連撃でダメージ&シールド削り共に高いポテンシャルを発揮する。
魔術師同様に全属性を扱うことが可能。扱える武器は剣と斧だが、物理攻撃アビリティは覚えない。

ルーンによる追撃は、あくまで武器による物理攻撃の追撃として発動するため、通常の属性攻撃技(「~魔法」や「鬼火」など)とは仕様が異なり、「たたかう」や物理攻撃アビリティで実際に使用した武器の属攻を参照する。
ブレイク狙いなら別だが、火力が欲しいときは杖や属攻の高い武器などで殴らないと大したダメージにならない。
そのため、ルーンマスターをアタッカーとして使う場合は、最低1つは属攻が高い武器を持たせておきたい。
奥義「魔剣士バロガーの覇気」は単体に6属性で攻撃する、武芸家の奥義の属性版。

このジョブに関して特筆すべきは、自身のみに効果がある技を全体化する「拡散のルーン」。
これを使った上で「火のルーン」などを使えばパーティ全体に追撃効果を付与できるため、火力アップに非常に有用。
特にルーンの追撃は属性攻撃のため、属攻は高いが攻撃手段に乏しい神官や踊子などの魔法職に付加すれば、9999ダメージ近くの追撃が出せる。
物理職でも2属性攻撃でシールド削りがやりやすくなり、敵のブレイクが早まる。

また、『拡散のルーン』は剣士と商人が覚える“自身にのみ効果がある技”も全体化できるため、これらがベースジョブとなっているオルベリク・トレサとは相性が良い。
特に商人(トレサ)×ルーンマスターは本作でも極めて強力な組み合わせで、商人自体が属性系のサポート職なのでルーン追撃の火力が出ることに加えて、扱える武器が4種(剣・槍・斧・弓)になることでシールド削り能力も格段に向上する。
さらに、「拡散のルーン」で全体化した「緊急回避*9」を使えば、敵の物理攻撃をほぼ無効化しながら戦う事もできる。
また、商人のアビリティ「ひと休み」は、使うと自身のHP・SPを回復し状態異常も直すという自己回復技だが、これも「拡散のルーン」で全体化してしまえば、トレサがひと休みするだけで味方全体のHP・SP・状態異常が回復するというわけのわからない性能になる。
BPを3消費し、「ここからよ!」「ぬうううう!」と気合いを入れたトレサが「ひと休みひと休み」と座り込んで味方全体が回復する様は非常にシュール。

サポートアビリティは、装備者の物攻と属攻のパラメータを入れ替える「物属交換」*10や、敵から受けたダメージの1%分のSPが回復する「魔力還元」など、正直パッとしない一癖あるものが多い。
「永続エレメントアップ」は「永続フィジカルアップ」の属性版で、魔法キャラであれば割と癖なく使える。
属攻のほか属防も上がるのがポイントで、単純に防御面だけでなく回復技(神官の技、薬師の技、「ひと休み」)のHP回復量も強化できる。



余談


本作はボス戦のBGM演出のこだわりも見どころの一つである。

各章ごとのボスとの戦闘前会話シーンでは、戦闘が近づくと主人公ごとに作られたイントロがループするのだが、会話シーンから戦闘に切り替わるタイミングで、イントロから戦闘BGMに自然に曲が切り替わる、という凝った演出がなされている。*11
アシスタントプロデューサーの早坂将昭によると、「ライブで好きな曲のイントロが流れる瞬間の興奮をゲームに落とし込もう」として考え出したとのこと。
西木康智の手掛けた各種BGMそのものも非常に良質であり、先述の演出もあいまってボス戦で使われる「ボスバトル2」は本作を代表するBGMとして人気が高い。
他にも、ストーリー進行に応じて通常戦闘曲も変わっていったり、フィールドのBGMも昨今のゲームには珍しく旋律を前面に押し出したメロディアスな楽曲が流れたり*12と、音楽面の印象が非常に強い作品となっている。


F.E.A.R.が制作に携わったという縁もあり、ゲームと同時発売された「オルステラ大陸旅行記」には、オルベリク、アーフェン、テリオンの前日談がTRPGのリプレイ風に書かれている。
当然この企画のためだけに作られたルールで、このゲームを元にしたTRPGは一般には存在しなかったが、「もし、希望が多ければ発売も……!?」とのこと。
そして、それから3年半後の2022年2月28日、「OCTOPATH TRAVELER TRPG ルールブック&リプレイ」が発売される事となった。


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最終更新:2025年03月20日 22:58

*1 具体的には、裏ボス戦までやり込めば各ストーリーの繋がりが明かされる形となっている。そのため、そこまでやり混んだプレイヤーとそうでないプレイヤーとでは、本作のシナリオの評価は分かれる傾向にある。

*2 8人の主人公の内、10代のキャラクターが一人しかおらず、30代が2人もいる。

*3 そして続編であるⅡは、さらに攻めた内容からD区分(17歳以上対象)に上がってしまった。

*4 一部、本作を楽しんでいるとニヤリとできる要素もある

*5 自分が選んだ主人公のストーリーをクリアした後はこの制限が解除される。

*6 金額は町によって異なる。シナリオ後半の町ほど高額。

*7 「防御ブースト」時は仲間が「瀕死」でなくても身代わりになる。

*8 狩人の中でもこの能力を持つ人物は珍しいようで、少なくとも村の狩人では師匠とハンイット以外にこの能力を持つ者はいない模様。

*9 商人の技で、自身に物理攻撃を一度だけ確定で回避するバフを付与する。拡散のルーンで全体化が可能で、さらにブーストすれば回避回数も増加する。

*10 装備者の素の物攻と属攻を入れ替える。装備品の補正値は影響なし。物攻と属攻が同値のキャラ(つまりトレサ)が装備しても無意味。

*11 どのイントロのどのパートからでも戦闘BGMに自然と繋がるように設計されている。

*12 作曲を担当した西木氏は、本作のBGMを手掛けるにあたり、「とにかく全曲にメロディーを作ること(=環境音楽的なBGMは不要)」というオーダーがあったことを明かしている。