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更新日:2025/04/10 Thu 12:49:18
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『ボマー僧タチハ出来ルダケノ慰メヲ、モウクレテイル』
ボマー教団(B'omarr Order)とは、
スターウォーズ・シリーズに登場する教団。
「Order」の名を冠する組織として、
ジェダイ騎士団、
シスの暗黒卿と併称される教団である。
教団に属する者を
ボマー僧・ボマー修道士(B'omarr Monk)と呼ぶ。
その歴史は映画本編より700年ほど前にまでさかのぼるとされ、
ジェダイやシスなど数千年の歴史を持つ両教団には及ばないが、辺境域ではかなりの知名度を持っている。
タトゥイーンの修道院が有名である。
『〈ジャバ〉ハ私ニ手術ヲ施スヨウ僧タチニ命ジタ。ソシテ私ハコノカプセルニ脳ヲ移サレタノダ。私ハコノ足ヲ使ッテ歩キ回ル。コノ状況ニ慣レルニハ一年カカッタ』
ボマー教団の教義は
「自己の精神をあらゆる肉体的感覚から切り離すことで、世界に対する熟考に没頭し、その果てに悟りの境地に到達しうる」というもの。
この「自己の精神をあらゆる肉体的感覚から切り離す」とは
文字通りの意味(物理)であり、彼ら修道士は
自らの脳を肉体から摘出して、培養カプセルに保管する。脳だけとなった修行僧は
あらゆる肉体的な欲求や苦痛から解放され、永遠の瞑想・哲学的思索に没頭する。
いやもうはっきり言って
カルトに他ならないのだが、こんなんでも割と入信者はいるというのだから末法の世の中である……
なお、以下の設定のほとんどは現在はレジェンズ設定に分類されるもの。
とはいえ、現行のカノン設定でも「あらゆる肉体的感覚を切り離すことを教義とする」「悟りの境地に到ると脳を摘出する」「必要がある時はクモ型ドロイドウォーカーを使う」など基本的な設定は継承されている。
【信仰と実践】
ボマー教団の教義の趣旨は、「自分の精神を、あらゆる感覚や感情から隔離すること」である。
肉体の感覚に囚われ、俗世間のさまざまな快楽や苦痛、喜怒哀楽のナマな感情に気を散らしていては、いつまで経っても世界の真理にはたどり着けない。
そうした、いわば「雑音」を切り離して精神修養に没頭するというのが彼らの教義であり、一般人には狂気の沙汰としか思えない「脳の摘出」も、静かな部屋を用意して無心に坐禅に没頭する程度の意味合いしかないのである。いや仏教的にも十分「狂気の沙汰」と反論できるが。
したがってボマー僧は、個人的な快適さは追及しない。服装も極めてシンプルで、黒いローブを中心として両肩に赤い帯をかけるぐらいで、装飾といえばこの赤帯の結び目に金色の留め具がついているぐらい。見るからにボロボロであることがわかる。
外出時には山高帽(というには「山」がめちゃくちゃ高いが)をかぶり、傍目には黒いのっぽのようになる。ステッキをつく人もいる。
◆修行
ボマーといえば脳を切り離すことばかりで有名だが、いきなりそんなことをするわけではない。その境地に至れるのはごくわずかな覚者のみであり、覚者もいきなりそこに到達するのではなく、修行の段階を経てそこに至る。
修行といっても多様で、論理学もあれば、神聖ボマー言語による知識・文学もあり、また苦痛の中に身を置いて修行し、自己の精神と肉体の構造に意識を向けることもする。
それら修行の合間には、どこまで悟りに近づいているかのテストもある。
こうした修業を積んでいくうち、修道士たちはほとんど会話さえも行わなくなり、単語一文字か映像を一つ見せることで意思表示とするようになる。
相手のそうした「言葉」を理解できるようになれば、その相手も修業を積んでいる、となる。
一部の修道士にはテレパシーによって直接相手の心に話しかけることもあるというが、これが
フォースによるものなのかはわからない。
さらに修行を積み重ねていくと、修道士は感覚を「無」にしていくようになる。
「無の感覚」を言葉ではなく体で理解したとき、その修道士は悟りの境地に到達した、覚者であると言われるようになるのだ。
◆「肉体の排除」
純粋な精神力を手に入れ、宇宙・世界・万物と調和した修道士だが、しかし悟りとは一瞬のものである。ややもすると肉体の快楽に気を取られた次の瞬間に、その悟りは霧散してまた俗世の業にとらわれてしまう。
そうした覚者たちにとって、肉体はもはや不必要な檻、誘惑の枷、堕落の罠に過ぎない。
ここに至り、覚者は弟子たちの手を借り、ボマー教団に伝わる外科技術によって「肉体の排除」――脳を摘出して培養カプセルに保存する――という段階に至るのである。
彼らは苦痛や欲望から永遠に自由となり、人生におけるあらゆる邪念から解放されるのである。
脳だけになった覚者たちは「啓発の大広間」の棚に収容される。棚は生命維持装置と接続されており、以後は何百年にもわたって永遠の瞑想と熟考を行うことになる。
覚者の名前と、彼らが生み出した哲学的論旨・悟りの内容などは、ボマーレジストリ(B'omarr registry)という文献に記録された。
脳は食事も睡眠も性交も必要なく、五感からの煩いもなかったし、また生命維持装置の調整・整備といったような雑務はまだ肉体のある段階の修道士たちが行うので、瞑想以外にやらなければならないことはほとんどなかった。
しかし、どうしても彼ら自身が出かけなければならない場合は、「
BT-16ペリミタードロイド」というクモのような形をしたドロイドを使用した。機体の下に自分の脳が収まったカプセルを接続して歩くのである。
ちなみにボマー教団の歴史は700年だが、こっちのドロイドは4000年前から原型があるらしく、ボマー専用の機器
というわけではない。
一般にドロイドは自立知能を持つものをいうが、BT-16型は知能面においてはほとんどない。
呼び出されればカプセルを棚から下して中央部分の保護装置に接続し、あとは脳からの命令通りに動くのみである。
一部には、肉体を持つ修道士によって作られた戦闘用・防衛用の新型もあり、修道院近辺を歩き回り、近づくものを片っ端から攻撃した。
このタイプに覚者の脳が接続されるかは不明。またそんなに数はなかったようだ。
◆失敗例
時には、真の悟りに到達していない修道士が脳だけになることもあった。
この場合は悲惨で、手術が成功し、対象者が生き延びても、対象者は肉体を失ったことに精神が追い付かず、激しいパニックから精神病に至り、長期間にわたって発狂を引き起こす。
そうなるとほかの修道士・覚者たちにとっても迷惑ということで、静かな部屋に隔離される。
やがて多くの場合、発狂は静まり、他の脳が置かれている場所に戻される。発狂が次の段階に進んだだけじゃないのか。
ごく稀に、脳が元の肉体に(なくなっていれば他の肉体に)戻されることもあった。
ただし、ボマー教団にはそのための技術・経験は乏しく、非常な危険を伴った。
ほとんどの修道士は肉体から切り離されても安静だったということもあり、肉体へ戻す行為はボマーの間では広まらず、そのための技術も進歩しなかったのである。
◆宗教以外の技術・学問
意外なことにというか、はたまた当然なことというか、ボマーの修道士たちは卓越した医学者・治癒者でもあった。
なんといっても、脳の摘出なんてものは脳外科でも最も難しいレベルの 奇行 偉業である。施術に必要な道具・機器や麻酔薬、そしてもちろん外科技術まで、すべてボマーがその歴史の中で研究していったものである。
その過程でさまざまな医学知識も生み出しており、修道院に迷い込んだ訪問者たちが負傷していた場合、ボマー修道士たちは治療を施すこともあった。
培養カプセルに充填して脳を生かす培養液も、彼らの秘伝の製法による。
この培養液にはある種のハーブも材料の一つとなっていて、そのハーブを用いたお茶も彼ら独自の製法によるものとして知られていた。
修道院にはティールームというものがあり、基本的に禁欲なボマー教団にあっても、たまに修行僧がそこに集まってお茶を飲むことがあった。
ただ、修行に没頭する彼らがここに入り浸ることはあまりなく、閑散としていることが多いという。
建築学にも長けており、修道院の建築様式はジェダイにも知られているほど有名である。
アソーカ・タノの発言によると、ジェダイ候補生の教科書にも載っているとのこと。
◆堕落
ボマーの教義では所有を禁じ、楽しみを不要な娯楽と規定していたが、すべての修道士がそうした教義を実践できたわけではない。
少なくない割合の修道士が
教義から足を踏み外し、ボマーの修道院に入り浸る悪党たちと個人的に結びつき、情報を提供しあったりして賄賂を受け取ることも多かった。
ジャバ・ザ・ハットが修道院を支配していた時期には、多くのボマーがジャバの配下たちの忠誠心を探るスパイとして行動していた。なかにはジャバの組織ではなく、よその組織と密通していたものもいた。
また、彼らは時にボマーへの入門志願者でないものまで無理やり拉致して、一方的に脳を摘出して「同志」に加えることさえあった。
やっぱり危険なカルトじゃないか。
【歴史】
ボマーの創設は700年以上前にさかのぼるといわれるが、それに関する資料はほとんど残っておらず詳細は不明である。
ただ、教団は何百年もの間に確実に変容したようで、当初は人間のみで構成されていたのが、いつしか多くの種族の参加を認めるようになった。
銀河系辺境域の
砂漠の惑星タトゥイーンに居ついたのは、人口もまばらで銀河共和国からも忘れ去られていたこの星ならば、教団を作っても文句を言う現地民も少ないということだったらしい。
彼らは惑星タトゥイーンの大砂丘海の近くに修道院を築いた。大砂丘海は近くに
サルラックの巣もあり、人の少ない荒れ地であった。
ほかの星では、例えば
惑星テスに大きな修道院が作られている。こちらも、あえて人の少ない辺境の荒野を選んだようだ。
またボマーの拠点はこの大砂丘海のほとりの修道院がタトゥイーンでは最大だったが、これに及ばない規模ながらもほかの修道院をいくつか作っている。
ボマーがタトゥイーンに移住して数世紀、彼らは何も変わらず瞑想を続けていたが、そのあいだにタトゥイーンでは入植者が増え、大小の都市や水分農場などが点々とだが栄えるようになった。
必然としてボマーの周囲も騒がしくなり、また彼らの奇矯な宗教様式も知られるようになった。
一方、砂漠のど真ん中に立っている宮殿というのは、過酷な砂漠のなかでの緊急避難所のような立地でもあり、盗賊や犯罪者の助けの場所ともなった。
修道士たちも、最奥の「啓発の大広間」――脳が保管されている部屋――には立ち入りを許さなかったが、そうでない部屋なら客室として開放し、これら客人を迎え入れていた。意外と寛容なところもあったわけである。
犯罪王
ジャバ・ザ・ハットがボマーの修道院に乗り込み、ここを自分の拠点とした際にも、ボマー教団・修道士たちはまったく動揺しなかった。
またジャバはタトゥイーンの経済・政治面の元締めという面もあり、彼がここに本拠を置けばタトゥイーン中の人間が多かれ少なかれ影響を受け、訪問するものも増えたが、
これによってボマー側も、タトゥイーンに住む多くの社会・種族と
触れ合うようになった。
ジャバが有する武力なら、その気になればボマー教団を叩き潰すことも可能だっただろうが、ジャバも彼らの不気味さ・グロテスクさを気に入り、教団側と相互不可侵条約と協定を結んだ。
ジャバの配下の悪党どもも、多くは脳みそを抱えて歩く不気味なスパイダードロイドに怯え、近寄らないようにしていたが、一部にはボマーに興味を覚える者も現れた。肉体を持つ僧侶と持たない僧侶の双方から、知恵や助言、哲学的講釈を学んだという。
しかしジャバの犯罪組織と深くかかわるようになったことで、ボマー修道士たちにも堕落するものは増えていった。
ジャバやその配下の出すカネに釣られて、スパイ・情報提供者として歩き回るようになったのだ。
さらにジャバお気に入りの一人は、とらえた敵の脳を無理やり取り出してはスパイダードロイドや別の肉体に放り込み、精神と肉体の分裂を味わわせて狂わせるという、悪趣味にもほどがある処刑に興じていた。
ジャバだけではなく、ビブ・フォーチュナやエファント・モンといった部下たちも、ジャバには内密で彼らの一部を抱き込み、対価と引き換えに情報を提供してもらっていた。
たまにボマー側から要望が出ることもあり、ジャバはたいていは話を聞いていた。とくにボマーが「面白い」と呼んだ囚人とは接触を許した。
ハン・ソロがカーボナイトから解凍された際にも、ジャバに頼んで「ソロとは何者か」ということについて教えてもらったという。
EP6にて「カークーンの大穴の戦い」で
ジャバ・ザ・ハットと多くの幹部たちが死亡すると、ハットの犯罪帝国は分裂し、跡目争いが起きた。
ボマー修道士たちもこの瞬間を「かき入れ時」とみなして動き出した。彼らは、
多くの「新しいメンバー」を力尽くで迎え入れ、抵抗する者を
殺害していった。
その後もボマーはジャバの宮殿、いやボマーの修道院に留まり、再び長年にわたる安堵を得た。
【関連人物】
◆メンバー・関係者
ジャバのお抱えとなった、堕落した修道士。
捕らえられた囚人や、ジャバの不興を買った部下などから強引に脳を摘出しては、スパイダードロイドや別の肉体に移植させていた。
犠牲者は当然のことながら、肉体の突然の喪失や、精神と肉体が一致しないが故のパニックによって発狂してのたうち回るようになる。ジャバはそれを見て哄笑するのである。
EP4以前に脳を摘出したボマーの修道士。
彼は「真理」「啓発」といった哲学的概念の探求ではなく、可能な限り多くの知識を手に入れたいと切望していた。
しかし彼は、生身の肉体に閉じこもっていては寿命が足りないと判断し、自らボマー教団に加わり、ついには高僧に至って「啓発」を与えられた。
後述のブーボと深く接触し、彼から銀河系について学んだ。
ボマーの歴史家で、外の惑星からもたらされる情報に強い関心を持っていた。
そのため瞑想と熟考に没頭するべしというボマーの主流からは孤立していた。
しかし彼の探求心はやまず、
ハン・ソロがジャバの宮殿で捕虜となったとき、ジャバの許可を得てハンと対話する機会を得た。
銀河帝国と反乱同盟軍の戦いの歴史を聞かされる以上、多少は反乱同盟軍の実情にも触れなければならないが、
その機密情報を譲る見返りとして、サイダはソロに万一のことがあった場合、虜囚となっているレイア・オーガナの身を守るため全力を守ることを誓って、話を聞いた。
幸い、間もなくジャバは滅び、ソロ、レイアともに解放されたため、彼がレイア保護のため動くことはなかった。
ウィフィッドという中生代の獣のような顔をした種族。
EP6にも登場したジャバの取巻きのひとりだが、その正体は別の犯罪組織の女頭目レディ・ヴァラリアンが差し向けたスパイ、殺し屋。目標はジャバ暗殺。
しかし、いざ潜入してみればジャバの一味はあまりに強く、とても暗殺など不可能だった。
しかも手をこまねいている間に、ジャバはルークたちに討たれ、ヴァラリアンはしくじったジュキールに激怒して懸賞金まで掛けてしまった。
将来に絶望した彼は、タトゥイーンの灼熱の太陽と無限の砂漠に挟まれて生きていくことにも耐えきれなくなり、ついにボマー教団に入信したという。
なお、ジュキールのエピソードはカノン設定として現在も残されている。
正確にはブーボイキュラーといい、ブーボは通称。
EP6にてジャバの取り巻きに混ざっていた、青い巨大カエルのような生き物。
種族はフロッグ=ドッグ。これは言葉をしゃべらず、さらに醜悪な見た目と鈍重な動きをしていて、一般的な単なるクリーチャーだと思われていたが、実際は高度な知性を持っており、ドロイドとつながっているボマー僧だけが会話できた。
そしてブーボの正体は、ジャバの命を狙う暗殺者・
スパイだった。
しかし彼は、上記のエヴィロ・ネラティと接するうちにボマーの教義に関心を抱き、ジャバの死後、自分の脳を容器に移すために進んでボマーに加わった。
ブーボは上述のジュキールと共にカノン作品(というかEP6)に登場しているが、ジュキールと違い現在のところは彼がボマーに加わったという設定はカノン設定に統合されていない。
ただEP6後の動向は不明なだけなので、いつかは追加される可能性はあるが。
脳を摘出した高僧。
彼は「完全なる教団」を自ら立ち上げた、いわば
分派の指導者である。本家ボマー教団さえ、自分の教団からの分派に過ぎないと主張していた。
といっても、教団の内容はボマー教団のそれと変わりなく、脳だけとなって永遠の熟考を行っていた。
しかし、クヴィンはさらなるステップアップを志向していた。彼は自分自身の脳さえも破壊し、魂を脳から解放してより宇宙への理解を進めようとしていたのである。
EP5の時期、
ハン・ソロを探していた賞金稼ぎがクヴィンの修道院を訪れたとき、彼は賞金稼ぎに自分の容器を撃ってくれと懇願した。
他の修道士たちは翻意させようと懸命に諫めたが、賞金稼ぎは言われたとおりに実行し、クヴィンは見事に散華した。……端的に言うと
即死したのだった。
高僧たちから「肉欲主義者」と認定され、ほとんど破門処分を受けた人物。
それで怒った彼は、ボマーの秘伝書を奪って教団から離反・逃亡してしまった。
当然、修道士たちも捨て置けない。ジャバの宮殿にいる傭兵・賞金稼ぎのうち比較的話を聞いてくれるものを選抜し、秘伝書の奪回を依頼した。
イスティも追手が掛かることは覚悟しており、こちらも護衛を雇って激しくやりあった。しかし、いつまでもボマー教団と戦い続ける将来しかないというのにはさすがの彼も悲嘆し、ついに秘伝書を教団に送り届けた。
カノン作品のコミックに登場。
本編の数世紀前に活動していた盗賊。ドロイドで構成された盗賊団の長だった。
当時アラリス・プライムに存在していた
ジェダイ聖堂に侵入し、
ジェダイ騎士団の秘宝を盗み出してアジトに隠した。
当然ながら
ジェダイの追っ手が掛かり、ザリルはタトゥイーンまで逃亡、ボマー教団と接触して脳の摘出手術を受けた。ザリルは「部下のドロイドたちがいずれ救出にくるだろう、それから肉体を戻せる」と考えていた。
しかし肝心のザリル配下のドロイドがジェダイに見つかり破壊されたために
ザリルの当ては外れ、彼の脳はボマー寺院に取り残された。
なお、彼がボマー教団に接触したのはジャバが彼らの寺院を接収するより前のことらしい。後述のアルカーラの時代だろうか。
その後、後述のクラッカ・デシリジク・ティウレによって彼の脳は破壊されてしまった。
◆犠牲者
ジャバの執事として有名な人物。
トワイレック。
ボマー僧たちを情報源として利用しており、彼らのティールームにしばしば顔を出していたという。
彼自品は決して彼らの仲間になど入りたくはなかったのだが、ジャバが殺されたとき、ボマー僧たちは突然
彼を襲撃し、無理やり脳を摘出されて「入団」させてしまった。
しかし彼もまたただでは終わらず、脱出と再起の時を待ち続けた。
やがて、フィリス・オランというトワイレックがジャバの遺産目当てに宮殿に侵入した際、ビブは彼を捕えて、
脳を交換。新しい肉体を手に入れて修道院を脱出し、再び犯罪帝国の再建に乗り出したという。
なお、カノン作品「
マンダロリアン」ではボマー教団に襲撃されたという設定は変更されている。
レジェンズ小説「ダークセーバー」に登場。
かつてジャバと争ったが敗れ、ボマー僧の手で脳だけにされてスパイダードロイドに接続された人物。ジャバは彼がのたうち回るのを見て笑いものにしていた。
しかしジャバは死に、自分は曲がりなりにも生きている。彼はこれで復讐が果たされたと感じ、ジャバを永遠に笑い続けてやれるという快楽を満喫している。
小説本編では冒頭に登場。ハットの大物たちがジャバの宮殿を調べていたと知り、不穏なものを感じたルークとソロがジャバの宮殿を再訪した際に現れる。
ジャバを殺したルークたちを「恩人」として迎え、生前のジャバがコルサントの銀河帝国情報センター中枢にアクセスするパスワードを持っていたこと、ルークたちの前に大勢のハットが現れたこと、彼らの狙いはそのパスワードで、そこから盗んだ情報で強力な兵器でも作り出すつもりだろうということを教えた。
また、本人は「ボマー僧たちはできる限りの慰めをくれた」と語り、ジャバを笑い続けられるという幸運を含めて、人生に満足していると語っている。
項目冒頭のセリフは彼のものである。
EP6に登場。ジャバに仕えた会計士で、種族はクオレン。
ボマーへの入信になどまったく興味が無かったが、カークーンの戦いから命からがら帰還した直後、宮殿を奪回した修道士たちによって強制的にオーダーの一員とされてしまった。
彼はしばらくの間スパイダードロイドの中で発狂していたが、やがてこの人生が「永遠の自由」に満ちていると納得したらしい。
カノン設定では、カークーンの戦いから脱出成功したことは触れられているが、その後は不明。
ビブ・フォーチュナと同じトワイレック。そしてその姓が示す通り、アイラ・セキュラの従弟にあたる。
30 BBY(EP1の二年後)には故郷ライロスにはびこる犯罪組織に拉致され、危うく殺されそうになったが、任務で訪れていたアイラ・セキュラとそのマスター・ソルメに救われた過去がある。
しかし平和な時は続かず(というかそもそも惑星ライロスの治安が悪く)、ナットは故郷を訪れたビブの口車に乗せられ、気が付けばジャバの配下になっていた。
ところが、ナットはある時ジャバの怒りを買ってしまう。
このままではナットが
ランコアの餌にされると慌てたビブは、とっさに彼をボマー僧に「入信」させるという手続きをとった。
悪趣味なジャバはそれに興味を示し、哀れにもナットは
脳をカプセルに移され、残った肉体はランコアの餌にされてしまった。
生きながらえたとはいえ、ナットはもう
発狂状態に陥った。ビブは「クローン技術ですぐにも肉体を復活させる」とナットに請け負ったが、そんなテクノロジーがそうそう見つかるはずもない。
ハン・ソロの肉体に移すという計画も失敗し、しかもそうするうちにビブまでボマー僧になってしまう。
しかしここで、先にスパイダードロイドの肉体に慣れていたナットの知見が生きた。彼の指導により、ビブは手早く新しい肉体に慣れたのだ。
やがてビブが別のトゥイレックの肉体を奪って復活すると、ナットはビブについて修道院を去った。
その後はどこかで新しい肉体を得たと思われる。
シイードという変身能力を持った種族の文化人類学者。
ジャバの宮殿を訪れた際にボマー僧たちと接触し、彼らの教団の実情や信仰内容、慣習などを学んだ。
ボマー僧からの入信の勧めを受けたときはさっさと逃げており、帰郷後はボマー教団の情報を資料にまとめた。
数年後、再び研究するためジャバの宮殿を訪れ修道士たちと接触。この時は姪と甥を養子として同伴していたが、なんと姪が脳を摘出されてしまう。
しかしフールはここから奮闘し、なんとか姪の脳を元の体に戻すことに成功、砂漠の星から脱出した。
この二度の調査は大きな発見となり、これまでほとんど知られていなかったボマー教団の情報や危険性が銀河に広まったのは彼の研究・発表によるという。
カノン作品のコミックに登場。
ジャバ・ザ・ハットの一族。
上述のザリルがかつて
ジェダイ聖堂から盗み出した秘宝の隠し場所を知るため、ジャバの宮殿に忍び込んでザリルの脳を盗み出そうとした。
しかし計画は失敗し、クラッカは脳の入った容器を落としてしまう。
これでザリルの脳は治療不可能となり、ジャバとボマー双方の怒りを買ったクラッカは、自分が脳を抜き取られる羽目になった。
◆その他の関係者
ボマー教に入信はしなかったが、非常に関係の深い人物。
映画本編から600年ほど前の時代を生きた犯罪王で、タトゥイーンのボマー修道院に最初に居着いた人間。
元は言語研究者という異色の経歴で、BBY550にはタトゥイーンの現住種族
タスケンレイダーの言語・文化を研究していた。
しかしやがて野心をあらわにして、タスケンを利用して当時のタトゥイーンの首都を襲撃、壊滅させた。
さらに直後には味方となったタスケン部族も裏切り、罠に掛けて大打撃を与える。
このアルカーラの暗躍が、タスケンが入植者を憎み続ける原因となったという。
もちろんタトゥイーン政府とタスケンの双方から憎まれたが、アルカーラ本人はボマー修道院に逃げ込み、追っ手から身を守った。
その後アルカーラはこの修道院を拠点に犯罪組織を作り上げた。ボマー修道院を訪れる犯罪者は以前からいたものの、本格的に住み着いて大規模な増改築をしたのは彼が初めてである。
それから三十年あまり彼がこの近辺の犯罪王となっていたが、やがてこの星に
ジャバ・ザ・ハットが乗り込み、アルカーラの組織と争い始めた。
(年齢的に
ガーデュラ・ザ・ハットとはすでに争っていたと思われる)
老齢になっていたこともあるだろう、アルカーラはジャバに破れ、BBY516、ついにタトゥイーンから逃げ出した。ジャバに討ち取られはしなかったようだが、星から去ったあとの末路は不明である。
ジャバはアルカーラの改造した修道院を気に入り、さらに増改築を続けたことは上述の通り。
なお、味方に付けたタスケンを裏切るなど冷酷非情な人物だったと伝わるが、一方で
- ボマー教団とは良好な関係を築く
- タトゥイーンについて「この星では、人生の一秒一秒は呪いであり祝福でもある。起きている間は、人は常に生存をかけた戦いに身を投じる」とその環境の厳しさを理解する
- タスケンの文化について「このような過酷で残忍な場所では、同じように過酷で残忍になってこそ、生き残る希望を得られる」と彼らの文化の源泉を見いだす
など、文化研究者としてのスキルもあった模様。
このアルカーラのエピソードは名前や活躍もほぼそのままカノン設定に継承されており、さらに「砂丘海の
サルラックの巣穴を発見したのも彼」という設定が加わっている。
【余談】
実は映画本編に登場しており、EP6の冒頭、ジャバの宮殿にC-3POと
R2-D2が入り込んだ際に遠景に映っている。
ただ遠景とは視聴者にとってで、同じく遠景に位置していたC-3POはその詳細を至近距離で見てしまった。当然「ひぃぃぃ……」とひきつった悲鳴を上げている。
映画版クローンウォーズの日本語訳では「ボマール僧」と一文字増えている。
『君タチニ出来ルコトガアルトスレバ、〈アニヲタ〉ドモノ項目ヲ追記・修正スルコトダ。ヤツラニ屈辱ヲ与エテクレ』
- ミ=ゴめいた組織がスターウォーズ世界にいたなんて・・・ -- 名無しさん (2023-12-25 22:02:39)
- しかしこうして見ると、教団が目指すべき境地はフォースとの一体化なんじゃないかとも思うな。 -- 名無しさん (2023-12-25 22:08:41)
- 帝国辺りが教団の技術を活かして、死んだパイロットや兵士の脳をドロイドに搭載したスターウォーズ版ロボコップ2号機とか作りそうな気がする。もしかして既にレジェンズにあったりする? -- 名無しさん (2023-12-26 13:05:41)
- あの世界にこんな連中いたんか、初めて知ったぞ -- 名無しさん (2023-12-26 17:33:33)
- ↑2 ある意味グリーヴァスが近いかも -- 名無しさん (2023-12-27 00:05:20)
- レジェンズのシャドウドロイドがまんまそれ。死ぬか重傷を負ったTIEパイロットの脳を摘出してドロイドスターファイターに組み込んだやつ。 -- 名無しさん (2023-12-27 18:57:32)
- クヴィンのところは正直笑える -- 名無しさん (2023-12-28 18:47:03)
- ウォーハンマーじゃないの?スターウォーズ?ってなるな -- 名無しさん (2023-12-28 18:53:35)
- 今更ながら宮殿にボバらが入居する事になったけどこの教団との関係はどうなってるんだろうな -- 名無しさん (2025-04-10 12:49:18)
最終更新:2025年04月10日 12:49