登録日:2024/02/16 Fri 10:34:10
更新日:2025/01/13 Mon 20:18:48
所要時間:約 20 分で読めます
『
現実主義勇者の王国再建記』は、どぜう丸による日本のライトノベル作品である。
「
小説家になろう」で連載されていた作品を、2014年よりオーバーラップ文庫より連載化がなされ2024年に完結した。
全20巻+短編集1巻(2024年12月時点)
略称は「現国」
(高校の科目のような略称である)
【概要】
異世界召喚による冒険
ファンタジー物語である。しかし本作はファンタジーものにありがちな、例えば魔王軍と壮絶なバトルを繰り広げたり、
ダンジョン探索を通じて己を強化していったりとか、なろう系にありがちな無双したりするという展開はほぼない。(バトル描写などは存在する)
主人公は召喚後、すぐに王位を譲位され、不安定かつ厳しい財政状況であった王国を現代知識と自身が好きな歴史書の知識を駆使して立て直すところから始まる。主人公は王国運営に関する様々な課題(食糧問題、衛生管理、反逆者や腐敗貴族に対する粛清、敵国との領土交渉、医学、難民問題)の解決に奔走することになる。
ファンタジックな世界観と現代知識や科学・歴史的事象をフュージョンさせてどのように問題を解決していくのかについて描かれるかがコンセプトである。
イメージとしては異世界を舞台にした大河ドラマである。
そうした事情もあり、本作の世界観は詳細にまで詰められている。
公式HPには世界観や用語について辞典形式で細やかに記載されていることから、そうした世界観を深く理解すればするほど楽しめる内容になれるのではないかと思われる。
このため、主人公にも特別な才能はあるが、他のなろう発端の作品のように戦闘で無双するといった展開は用意されておらず、あくまで一般人として描かれている。(それでも常人より博識なイメージを持つが)
(メディアミックス)
①コミカライズ版
上田悟司によるコミカライズ版がコミックガルドより連載されている。(既刊11巻)
②テレビアニメ版
分割2クールで、2021年7月~9月、2022年1月~3月までの期間で
アニメ化された。
1クール目が原作2巻まで、2クール目が原作4巻までの範囲でアニメ化された。
監督は『
スレイヤーズ』『
灼眼のシャナ』の渡部高志。
制作会社はJ.C.STAFF。
【あらすじ】
たったひとりの身内である祖父を亡くした相馬一也は、
ある日、突然、異世界に勇者として召喚されてしまう。
召喚された先は、まるで中世ヨーロッパのようなエルフリーデン王国であった。
勇者どころか、ごくふつうの青年のソーマだが、
持ち前の合理的精神と現代知識から、次々と新しい政策を打ち出し、
傾きかけていた王国の財政政治体制を立て直していく。
ソーマと共に歩むのは、エルフリーデン王国の王女リーシア、
王国一の武を誇るダークエルフのアイーシャ、
怜悧な頭脳を持つハクヤ、大食いのポンチョ、歌姫のジュナ、
動物と意思疎通できる少女トモエなど、多才で個性的な仲間たち。
現代知識で窮地の王国を再生する
異世界内政 ファンタジー、
『現実主義勇者の王国再建記』。
いよいよ開幕!
【キャラクター】
(エルフリーデン王国関係者)
主人公とメインヒロイン
ソーマ・カズヤ(相馬一也)
CV:小林裕介
本作の主人公。
現代日本からエルフリーデン王国に召喚された青年。
両親は物心つく前に亡くなり、自分を育ててくれた祖父母も大学合格時に亡くなってしまい、天涯孤独の身となった。
ちなみに大学卒業後は公務員になり、堅実に生きようと考えていた模様。
勇者として召喚された後は当初は、事態を呑み込めず困惑してしまったが、国王より王国の深刻な財政事情や他国との緊張関係など事態を知らされ、自身を含め帝国に売り飛ばされぬように、国の再建を協力することになる。その際、王位継承と共に国王の娘であるリーシアと婚約させられることになる。
後に自身の持つ豊富な知識や人材発掘する際の有能さが評判を呼び、人材狂い、勇者王と呼ばれ、評判を高めることになる。
最初は国家の運営に関してはある程度は協力した後に自身は身を引く予定であったが、仲間たちや自身の婚約者たちを「家族」と思うようになり、天涯孤独になったことを含め、王国を自身の「居場所」として大事にするに至る。
歴史書を読むことが好きで、特にマキャベリの「君主論」を愛読していることもあってか、王国の改革には彼の思想の影響を受けているところがある。
また、勇者召喚の際に「生きた騒霊たち」(リビング・ポルターガイスト)という魔法を使うことが出来る。これは、物体に意識をコピーして操ることが可能で、様々な雑務や事務仕事を分身の如く任せることや、人形に自分の意思をコピーさせて戦闘に参加させることが出来るなど、痒い所に手が届くような優れものの魔法である。
自身の持つ現代知識や歴史的知識や思想・文化的価値観を駆使して様々な事態を潜り抜けてきたが、やはり20歳にも満たない学生であるため、様々な事項に対して決済する際には、多くの心労がのしかかることが多い(特に自身に歯向かう者に対する処罰に関する事項など)。その際はリーシアを始めとする婚約者たちに支えてもらうこともある。
+
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ちなみに… |
作中では話が進むにつれ婚約者が増えていき、最終的にリーシアが認めた限界まで…正妃4人・側妃3人・王家外部にいる女性の計8人の妻に恵まれている。
ちなみに公的には諸事情から「妻は7人」とされ他に愛人がいる事は機密とされているものの、外の街に住む実質的側室の女性とその子供も妻達全員から家族として認められており、後日談では庶子(息子)とアイーシャの娘が兄妹で一緒に冒険者となっている。
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最初に異世界に来た時に手続きを間違えてしまい、本名を苗字であるソーマとして登録してしまった。(欧米圏と同じであることを気づいていなかった)
また、食の価値観があまりに違っていたエルフリーデン王国の食文化事情に対して不満などは抱いていなかったが、後に醤油に似た調味料を駆使して作られたイナゴの佃煮を食した際、歓喜の涙を流していたことから、日本食への憧れは捨てきれなかった模様である。
氷属性魔法を得意としており、麗しさを感じさせるレイピアによる剣技と氷魔法で他を圧倒する。もちろん戦闘力は一般人出身のソーマ以上なので、彼女に守られることも多い。
アイーシャと訓練している様はソーマを驚愕させた。
なお、街へお忍びに行く際は眼鏡と三つ編みの学生風の姿になる。
ソーマの婚約者になると言い渡されたときは、あまりに事情が急すぎたため困惑したが、ソーマと出会い、現実主義的な思考と改革を着実にこなす業務遂行能力に信頼を感じるようになる。後に彼の人柄に惹かれることになり、エルフリーデン王国第一王妃として彼を支えることになる。一方で女性人気が高く、多くの美女に惹かれるソーマに嫉妬の感情を向けることも多い。(特にジュナ)一応エルフリーデン王国は一夫多妻制であることに理解を示しており、ソーマに対しては8人までなら正妃と側妃を設けても良いと伝えている。(エルフリーデン王国は1週間を8日で設定していることから、必ず1日はイチャイチャできると考えているため)
また、ソーマよりも年下であることを考えて、国の内政外交で様々悩みながらも、強気な姿勢を見せる彼を励ます役割を自身やソーマよりも年上であるジュナに託すなど、懐の深さがうかがえる。
結果、数名ほどかかえることなるソーマの正妃や側妃のとりまとめ役として、リーシア自身も奔走することになる。反面、王国No.2の立ち位置になってしまうことから、有事の際はどちらかが現場・どちらかが王国にいるなど離れ離れになってしまうことも多く、二人の時間をなかなか持てないことが悩みどころである。
訳あって前王夫妻の養子としてやって来た義妹のトモエのことを気に入っている。
後にソーマと結婚して双子の子どもを設けることになる。
主要家臣
アイーシャ・ウドガルド
CV:長谷川育美
神護の森出身のダークエルフ。エルフリーデン王国において最高クラスの戦闘力を持った大剣使い。
ソーマが才能のある人材を集めた際(唯才令)に残った者の1人。故郷の荒れた森の自然を救ってほしいと直訴した際、ソーマの現代における林業の知識や技術を聞き、彼を信頼し、騎士として忠誠を誓うことになる。
当初は忠義を尽くす律儀な騎士、国王相手にも物を言う豪傑という評判であったが、実際は愛犬のような愛らしさと天然さとポンコツぶりが目立ち、食いしん坊な一面も相まって「がっかりダークエルフ」と称されている。
「なんていうか、俺の中のダークエルフのイメージにそぐわないというか・・・」
ジュナからも「食べてばかりのがっかりさん」と手厳しい・・・。
「なんとおおおおお!!」
本人は夜伽役を申し出るなどソーマへの忠誠心はピカイチなんだが、最近は弄られ役が板についているようだ・・・。
そんなネタの宝庫な彼女だが、ソーマへの忠誠心と恋心は本物で頼りになる。後に第二正妃になれた。(よかったな)
後日談では長命種ゆえかかなり時間は掛ったものの、ソーマとの娘も生まれている。
ジュナ・ドーマ
CV:
上田麗奈
第一歌姫(プリマ・ローレライ)
ソーマが唯才令で集った者の一人。
青髪の人間族で当代随一の美貌と美しい歌声を持っている。歌声喫茶で働いているが、こうした人気は国中の国民から絶大な支持を得るに至っている。要は異世界のアイドルということだ。
その正体は海軍大将エクセルの孫娘の一人。
海軍内では奇襲攻撃を得意とする海軍特殊部隊“海兵隊”のリーダー・カナリアの異名も持っている。隠密のように情報収集にも秀でており、戦闘力も高い。
ソーマの下へ来たのも、エクセルが彼の実力を図るための密偵としてやってきたという事情もある。後にソーマに身分を明かし、エクセルとのパイプ役を務める。
物腰柔らかなお姉さんヒロイン。一方で他の王妃や即妃と比較して甘え下手であるという。ソーマに惹かれていたが、すぐに婚約を結ぶとジュナのファンが(おまいらドルヲタたちにより,暴動が発生する可能性があることから、ジュナの後継の歌姫の人材が充実したらの条件で側妃になった。後に彼とは子どもを授かることになる。
ハクヤ・クオンミン
CV:興津和幸
エルフリーデン王国宰相。
黒衣の宰相と呼ばれたソーマの右腕的存在。唯才令で集まった際は他薦で参加した人材である。あらゆる学問に精通しており、その才能は内政だけでなく軍事にも発揮され、ソーマの覇業を支える存在にまで成長する。
唯才令で招集された際はソーマの王としての力量を推しはかっていたとされるが、一見見分けがつかなそうなポンチョの才能を見抜き、王国に必要な人材であると迎え入れたことを契機に、彼を認めるに至った。
宰相としてソーマを支えるが、度々ソーマには小姑のごとく小言をいうことが多い。またリーシアとの関係を進展させようと目論む場面も見られる。
後に帝国のジャンヌと仕事を通じて親しくなり、彼女と婚約することになる。
トモエ・イヌイ
CV:佳原萌枝
妖狼族の少女。動物と会話する能力を持つ、その延長線上で魔物とも会話をすることが可能である。こうした稀有な際は、その存在を知られれば国内だけでなく国外からも格好の標的にされることから秘匿とされた。
こうした経緯も相まって彼女は前王夫妻の養子になり、家族も王宮で済むことになった。
義姉のリーシアは妹が欲しかったことから、彼女をとてもよく可愛がっている。
ソーマのことも「兄様」と呼んで慕っている模様。
最初はマルクスから側妃を提案されたが…
リーシア「ソーマ・・・・、10歳はさすがに・・・」
本作のマスコットキャラ。
ポンチョ・パナコッタ
CV:水中雅章
後にエルフリーデン王国食料問題担当大臣に任命された国内きっての食通。
食に対するこだわりや才能は国内随一で。食材の生息地や自生地・郷土料理の調理法を網羅できる知識を持っている。
当初は周囲から食べることしか脳がないとこき下ろされる扱いだったが、唯才令で招集された際、ソーマから三顧の礼で出迎えられ重用されたことで、自信を持つことが出来た。
「待っていたぞ!貴公のような人材を待っていたのだ!!」
こうした期待からソーマから「イシヅカ」の氏を与えられた。「元祖!でぶや」に出るつもりか。
エルフリーデン王国臣下
ルドウィン・アークス
CV:古川慎
エルフリーデン王国近衛騎士団団長
ソーマにとっては古株の配下。沈着冷静な性格で彼を支えている。
1週間戦争時には禁軍総大将として采配を振るうが、時には自ら先陣を切って戦うこともある。
幼馴染であるジーニャに惹かれている。時には多額の費用がかかる彼女の研究のために身銭を切ることもある。何かと問題行動を起こす彼女には甘いことがうかがえる。
ハルバード・マグナ
CV:八代拓
エルフリーデン王国陸軍士官。
陸軍の中でも名門と呼ばれるマグナ家の嫡男。ソーマが実権を握った当初は彼を信用しておらず、三公側に付くことも考えた。そんな中でたびたび街へお忍びで来た彼に「
ハルバート、世の顔を見忘れたか」と言われ、血相を変えることになった。以降は彼の考えに触れ、今までの考えを改め、彼に忠誠を誓うことになる。年齢的にも近いことから「タメ口で話をして良い」ということになり、ソーマの友人となる。
カエデ・フォキシア
CV:高野麻里佳
エルフリーデン王国禁軍参謀。
赤い眼鏡をかけた妖狐族の少女でハルバートの幼馴染。直情的な彼のブレーキ役になっていることが多い。「~なのです」が口癖。
ハルバートが三公側に寝返ることを必死に止めていた際、たまたま出会ったソーマにその慧眼を評価され、参謀職に抜擢された。
ハルバートへの想いを寄せており、お似合いとされる。
ジーニャ・マクスウェル
CV:
小原好美
エルフリーデン王国禁軍の科学者。
超科学者(オーバーサイエンティスト)と呼ばれ、突飛な発想で奇想天外なものを発明してしまうマッドサイエンティスト。
天才肌故に周囲に馴染めず、普段はダンジョンに籠もって研究の日々を過ごしていた。
魔力を蓄える鉱石に関する研究の重要性をソーマに伝え、彼から王都近くの研究所へ移って研究してもらえるように取り計らってもらった。その際、ルドウィンと婚約した。
三公
それぞれ陸海空を指揮するエルフリーデンの軍権を握る3人の侯爵である。
イメージとしては
こういう人達に近い。
ゲオルグ・カーマイン
CV:楠大典
エルフリーデン王国陸軍大将。
ライオンの顔を持つ獣人族。リーシアの師匠的な立場にもいて、彼女は彼を尊敬していた。
1週間戦争ではソーマが追放した不正貴族を集めて反乱を起こす。しかし、この反乱は国王からソーマが王位を譲渡した際の未来を聞いたうえで、敢えて自身は反乱軍を率いて不正貴族を弾圧させようと仕組んだ計略だったことが判明する。
後に騎士団に捕縛され、ソーマからは自害を勧められる。しかし、これはポーズで実際は生きており、後に変装して諜報部の隊長として陰からソーマ達を支えることになる。
エクセル・ウォルター
CV:
堀江由衣
エルフリーデン王国海軍大将。蒼の海姫と呼ばれる。
容姿は20代半ばの美女のように見えるが実際は500年程生きており、その間、様々な男性と壮絶な恋愛をしたとかなんとか。ちなみにそれまでの夫は全員死別している。
ソーマの力量を探るべく孫娘のジュナを密偵として送り、ひそかに情報収集していた。後に彼の力量を認めると1週間戦争では反乱側には組せず、ソーマ側に付くことになる。
後にソーマの正妃や即妃を集め、花嫁育成講座を開く。エルフリーデンの王位継承の歴史といった一般知識によるものから、夫婦円満の秘訣、夜のお勤め、ソーマの彼女たちへの印象など、プライバシーもへったくれもない踏み込んだ内容まで講義される。
カストール・バルカス
CV:
福山潤
エルフリーデン空軍大将。
赤い半竜人(ドラゴニュート)。妻はエクセルの娘とのこと。
ワイバーン騎兵を指揮している。
三公の中ではソーマに対して疑心暗鬼が最も強く、王位を簒奪しリーシアに無理に婚姻を迫ったと考えていたようだ。
ゲオルグが反乱を起こした際には、連座制を恐れ、手勢を100騎のみに絞り挑むことにしたが、ソーマの策を見破れず敗北する。
後に裁判にかけられたが、それまでの功績を考慮し、命ばかりは助けられた。その後はエクセルに身柄を引き取られ、海軍で働くことになる。
カルラ・バルカス
CV:
愛美
エルフリーデン王国の空軍平でカストールの娘。
ドラゴニュートであり戦闘は父に次ぐ実力。リーシアとは親友である。
父同様にソーマに対しては疑念を抱いていたが、リーシアからの手紙でその誤解は解消された。しかし、武人としての矜持や簡単に寝返ることに抵抗を覚え、ゲオルグ側についたが敗北した。
裁判では、ソーマをはじめとする王族の奴隷となり、ソーマからは「
自身が圧政を敷き、道を誤った時の心中役」にされた、リーシアを始めとする王妃ではできないことを託したと言えよう。
その後は奴隷として仕えるのだが、何故か服装はメイド服。どうやら侍従長の趣味であるらしい。それまでの武士としての威厳はどこ吹く風に。侍従長からソーマとリーシアのベットメイキングについて卑猥なシチュエーションを用いて怒られたときには悩んでしまうくらいに純情である。
マルクス
CV:青山譲
エルフリーデン王国宰相
前王アルベルトの頃より支えた最古参の配下。
ハクヤがソーマの右腕としてから頭角を表してからは宰相の座をハクヤに譲り、自身は庶務を取り仕切ることになる。
ハクヤと共にリーシアとソーマの仲を取り持とうと画策することもある。
クリス・タキオン
CV:七瀬彩夏
エルフリーデン王国の
吟遊詩人だったが、後に王国の玉音放送を使い、報道や文化の情報発信をするようになった際にはニュースキャスターのような立ち回りを演じている。
前王夫妻
アルベルト・エルフリーデン
CV:
麦人
エルフリーデン前国王
リーシアの父親で、実は婿入りして国王になった。
野心なく温厚な性格で、国民から広く愛される性格であるのだが、イレギュラーな事態には対応できず、食糧難・貧困・難民流入、加えて人類宣言非加盟に由来する帝国からの圧力により、国家の衰退は避けられない情勢になっていた。
その打開策として勇者召喚の儀を行い、ソーマを召喚することになる。
エリシャ・エルフリーデン
CV:
井上喜久子
エルフリーデン王国王女。
いつも穏やかでニコニコしている。しかしそう見えて闇魔法の使い手でもある。
この彼女の能力がソーマを含めたエルフリーデン王国の今後を左右していることになる。
(アミドニア公国関係者)
ガイウス・アミドニア
CV:
稲田徹
アミドニア公王でユリウスとロロアの父親。
先々代のエルフリーデン王国の領土拡充政策によって、奪われた領土とエルフリーデンへの恨みを抱き、一週間戦争でソーマが三公と内乱を起こしているのを好機とみて様々暗躍、エルフリーデンに攻め入るように準備を進めた。
だが、これはソーマとハクヤの罠であり、エクセルらによって時間稼ぎを食らい、逆に全軍を上げたエルフリーデン王国に宣戦布告され、追い込まれることになる。
最後は王国禁軍を出し抜き、ソーマのいる本陣に突撃するが戦死する憂き目にあった。
ユリウス・アミドニア
CV:
野島健児
アミドニア公国の公子
父譲りの武人の性格で、一週間戦争で公国が形勢逆転され不利になったのを機にガイウスの発案で戦線離脱。帝国の支援を後ろ盾に、エルフリーデンに奪われた首都ヴァンの奪還の交渉を進める。結果ヴァンは変換されたが、後にロロアの策略も相まって、アミドニアは内乱状態になり国を追放されることになった。
ロロア・アミドニア
CV:
M・A・O
アミドニアの公女。
二つのお下げと関西弁が特徴的な可愛らしい少女。
アミドニア公国の方言は関西弁なのかどうかはともかく・・・。
武官な父と兄と違い、彼女は経済的なセンスを持ち合わせており、アミドニア公国が一週間戦争に敗れた後、生き残る道としてエルフリーデンとの合併を考案。そのために商人の情報網を駆使してアミドニアに反乱を勃発させ、ユリウスを国外追放に追い込んだ。
父親を戦死に追い込んだソーマに対して、遺恨は持っておらず、彼の才能とセンスには興味を持った模様。
アミドニアがエルフリーデンに編入された際には、自身もソーマの婚約者になる。リーシアをシア姉と呼んで慕っており、最初は怪訝な目で見ていた彼女とも関係は良好になった。
子狸のような愛くるしいお得意様
(グラン・ケイオス帝国関係者)
マリア・ユーフォリア
CV:
金元寿子
帝国の聖女と呼ばれる純白のドレスをまとった美少女である。
帝国の国民を笑顔にしたいという理想主義的な思想の下、女皇として活動している。ある種、ソーマとは対極的な立ち位置にいる。
人類宣言非加盟国であるエルフリーデン王国が魔王領防波堤の恩恵を受けながらも、戦争支援金の義務を果たさない現状に他国が反発している現状を踏まえ、戦争支援金の支払いもしくは勇者召喚により、その者の身柄の譲渡を突き付けた。ソーマが異世界に呼び出された元凶原因でもある。
終盤では変動する時勢の中、紆余曲折を経て国をジャンヌに託しソーマの側妃の一人となった。
ジャンヌ・ユーフォリア
CV:
石川由依
マリアの妹で帝国陸軍総帥。
理想主義を掲げるマリアと違い、現実主義者。ある意味この二人の立ち位置の違いが帝国を安定軌道に乗せているとも言える。
自由奔放な姉に手を焼きつつも精神的に追い込まれることがないか心配している。
一週間戦争後、ヴァンの変換をユリウスに打診され、人類宣言として面子を守るためにエルフリーデンと交渉することになる。
後に秘密同盟に関する交渉でハクヤと様々やり取りを交わすうちに親交を深め、彼と結婚する仲にまでなる。
領土交渉の際、ソーマの器量に感銘を受け、帝国側にスカウトしようと提案したが、リーシアらヒロイン達に全力で拒否された。
【世界観】
・エルフリーデン王国
ソーマが召喚された王国。イタリアをモデルにしているという。大陸の南東部にある王制の中規模国家。国王には代々人間族が即位するが、さまざまな種族が協力して建国したという歴史的経緯からどんな種族であろうと市民権を持つ。近年は経済・食料事情などに難を抱えている。王都はパルナム。
また、人類宣言非加盟国で、財政難のためにグラン・ケイオス帝国からの戦争支援金の種出が出来ず、圧力をかけられており、これがソーマ召喚につながった。
・ラグーンシティ
海軍大将エクセル・ウォルターが治める沿岸都市。エルフリーデン王国の主要港であり、海軍の本拠地として軍港の役割も担う。
・アミドニア公国
エルフリーデン王国の西に隣接する国。先々代エルフリーデン国王との戦争により国土の約半分を奪われており、失地回復の機会を虎視眈々と狙っている。首都はヴァン。質実剛健な軍人気質な軍人による支配が強い。
・グラン・ケイオス帝国
大陸で最大の領土を誇る国。かつて魔王領への侵攻を主導したが敗北。魔王領の脅威と直接対峙しない遠方の国に『戦争支援要請』を出し、魔物と戦う国々への支援を求めている。首都はヴァロア。
・九頭竜諸島連合
九頭龍閃ではない。
大陸の南東に位置する島々が緩く連合することによって誕生した海洋国家。大陸の国々とは異なる独特の文化が根付いている。
・ルナリア正教皇国
月の女神ルナリアを祀るリナリア正教の総本山であり、教皇が国を治めている政教一体の宗教国家。
・魔王領
ソーマが召喚される十年前に突如出現した魔物が湧き出す領域。当初は小国程度の規模だったが、魔物は北の国々を滅ぼしながら勢力を拡大し、大陸の三分の一を占めるようになった。現在は侵攻が止まり、人類側の国々との膠着状態が続いている。人類側からすれば共通の敵という認識。
【用語】
・魔法
本作における魔法の定義になる。自然現象の操作や物体の強化を可能とする神秘の力。火・水・土・風・光・闇の六属性に分類され、火・水・土・風は主に攻撃魔法、光は治癒魔法となる。闇はこれら五属性に当てはまらない特殊な魔法の総称。
・人類宣言
帝国女皇マリアが提唱した国家間同盟。魔族に対する人類の共同だけでなく、戦争停止・民族差別禁止も提唱している。
ヘルシンキ最終文書に似ており、クーデターや内乱による独立運動が発生した際に、条約内容同士の矛盾により動けなくなるという短所が存在する。
・一週間戦争
エルフリーデン王国における内乱からアミドニア公国との全面戦争にまで発展した戦争。三正面戦争とも呼ばれる。
・着ぐるみ姿の冒険者
冒険者界隈で話題の人物。着ぐるみの格好をしており、身振り手振りで受け答えする。その正体はソーマが『リビング・ポルターガイスツ』で操るムサシ坊や君.
一週間戦争でもガイウス戦で活躍するなど優れものである。
・ゼルリン
とにかく弱いゲル状の生物。切ったり潰されたりすると薄い膜に包まれた体液が流れ出て簡単に死んでしまう。雄雌の概念はなく、分裂して増えていく。
なおポンチョは核だけを破壊する技術(ゼルリンの活き〆め)という技術を考案して、ゼルリンを食用にすることに成功(葛切りみたいなイメージ?)。「ゼルリンうどん」というものを作った。
・幻惑リリー
百合の一種。地下茎(ユリ根)はふかして食べればホクホクしておいしいが、花粉に強い幻覚作用があるため収穫が困難。花粉が出ている時期に収穫をしないと地下茎にも毒性が移ってしまうので、食用目的の場合は対策が必要。
・王様のブリンチ
エルフリーデン王国のパルナム城から情報を届ける『王様のブリリアントなランチ』という番組の略称。宝珠放送にて中継され、司会はジュナ・ドーマとポンチョ・パナコッタ。初回放送では食料不足にあえぐ国民の助けとなるように、食べる習慣のない食材とその調理法を紹介した。
元ネタは「王様のブランチ」
【テレビアニメ版】
2021年7月~9月まで第1期、2022年1月~4月までの期間で第2期が放映された。
制作会社はJ.C.STAFF。監督は渡部高志
ナレーションは
速水奨。
主に内政に対する描写がメインなため、チート能力を駆使して戦闘で無双したり、ハーレムを形成したりする(後者は合っているか)、最近のなろう作品のような展開を期待する層からは地味だという声もあるが、堅実的に政策を実行している様などを丁寧に描いており、上述のように大河ドラマみたいだと称する声もある。
主題歌
(2期)
OP:「REAL-EYES」
水瀬いのりによるオープニングテーマ。
ED:「LIGHTS」
愛美によるエンディングテーマ。
追記・修正はエルフリーデン王国の財政状況を改善したときにお願いします。
- 作者はゴジラ×メカゴジラも見てるのか? -- 名無しさん (2024-02-16 11:38:56)
- 去年、アニメ版が3回くらいつべで公式配信されていたな。 -- 名無しさん (2024-02-16 12:00:28)
- 読んだことないけど現代日本人にとってハーレムって現実主義なのかなぁ -- 名無しさん (2024-02-16 15:28:44)
- ↑そもそもこの作品「現実主義」って言葉が足引っ張ってる感はある。やってる事がほぼ内政で主人公自身もそれで良しとしてる(ヒロイックな活躍には向いてないと自覚している)部分は確かに現実主義と言えなくもないけど、大まかな展開(嫁間の仲が異常に良いハーレムなんかも含め)はやっぱり良くも悪くも「なろう」な印象。 -- 名無しさん (2024-02-17 16:09:15)
- 一体どこが現実主義なのか全く分からなかった、主人公頭悪いし君主論もwiki見ただけだろレベルのカスっぷりとしか・・・ -- 名無しさん (2024-10-11 01:26:24)
最終更新:2025年01月13日 20:18