男鹿半島怪獣ナマハーゲン

登録日:2024/03/08 Fri 16:26:14
更新日:2025/04/28 Mon 15:57:11
所要時間:約 10 分で読めます




デーンデデン テレレレ

ドォーン!

男鹿(おが)半島怪獣ナマハーゲンが
あらわれた!

ウォーッ! ウォーッ!

なぐ子は いねが〜!
なぐ子は いねが〜!


男鹿半島怪獣ナマハーゲンとは、ゲーム『桃太郎電鉄シリーズ』の登場キャラクターである。


概要

『15』より登場した名産怪獣の一種。
秋田県男鹿地方の伝統行事であるナマハゲにちなんだ名産怪獣で、2月の開始時にプレイヤーの誰かが秋田駅から13マス以内にいると確率で登場する。
キャラデザの刷新前は両手に包丁を持っていたが、『令和』以降は片方の手に桶を持つようになった。

その効果は、実際のナマハゲ同様「なぐ子は いねが〜!なぐ子は いねが〜!」と言いながら各種移動系カードを中心に様々なカードを使いプレイヤーを追い回し、ぴったり重なったプレイヤーの物件数件、カード数枚、所持金半額のいずれかを奪うという恐ろしいもの。このため現れた際には「全力でナマハーゲンから逃げろ!」と警告するメッセージが流れるし、退散すると「どうやらナマハーゲンは消えたようだ!ふう〜っ!」と、プレイヤーの内心を代弁したかのように安堵するテキストが流れるくらい。なお奪ったものをどうしているのか、そもそも何のために奪うのかは全く不明。
4〜6ヶ月経過する、もしくはキングボンビーが出現すると撤退する。また一度出現すると以後3年間は自然発生しない。但し『15』のみこの制約が存在しなかったため、条件を満たしていると本当に毎年来ることも。
また、名産怪獣が原則出現しない「3年決戦」でも例外的に出現する。

このように純粋なデメリットキャラクターだが、なんだかんだ皆お気に入りキャラクターのようで、過去に「桃鉄研究所」で実施された名産怪獣人気アンケートでも上位に食い込んでいるし、『15』以降の名産怪獣システムが存在する作品(『DS』除くコンシューマー機作品)全てに登場する。
原則名産怪獣システムが登場しない携帯アプリ版でも、ゆかりのある『TOHOKU』に限り登場し(ここでは男鹿駅が対象)、日本のマップ自体が縮小され登場可能な都市が大幅に減る世界編でもわざわざ秋田を特殊マスにする*1形で登場している。
加えて『20周年』以降の作品では、ナマハーゲンが結果発表ムービーにおいて2位のプレイヤーの列車を追い回し投げ飛ばすという内容が定番となった。

『ワールド』では、名産怪獣の代わりの存在として「お祭り精霊」が登場するが、ナマハーゲンもおしおき精霊ナマハーゲンと名称だけが変わって続投。でもすることは過去作とまんま同じ。ナマハゲ自体ユネスコ無形文化遺産に登録される伝統行事であるため「"お祭り"精霊」を名乗ることに何の問題も無いのである。
そのため世界編なら勿論国境を越えて文字通り世界の果てまで追い掛けて来るそのため『ワールド』のトレーラー映像で東北に特殊マスが映った時点で全てを察した古参プレイヤーも多いはず。

更には、基本的に共通である名産怪獣の中では専用BGMが存在するものの一体でもあり、東北三大夏祭りイベントで使用される『東北ラッセラー』が流れる。
そのため、ナマハーゲンのインパクトが強すぎて東北三大夏祭りが起こるだけ……もとい記事冒頭のイントロが流れただけで体が強張ったり戦々恐々としたりするプレイヤーもいたのでは?*2
そして『2010』で東北三大夏祭りのBGMが新規の曲に差し替えられ、正真正銘(事実上)ナマハーゲンの専用曲となった
『東北ラッセラー』の作曲者である池毅氏が制作から外れた『令和』以降はヒャダイン氏の『泣け!ナマハーゲン』となった。


その危険性


ウォーッ! ウォーッ!

〇〇社長!
なぐ子は おめが~~~!

身ぐるみ みんな はいでやる~~~!

『桃太郎電鉄シリーズ』のデメリットキャラクターの内、ナマハーゲンの危険性を際立たせているのは出現した場合に確実に助かる方法が無いということだろう。
本シリーズに登場する他のデメリットキャラクターの内、
  • ボンビーなら:目的地に近付いたり急行系カードを常備したりする
  • スリの銀次なら:大金を持ち歩かない、「パトカード」を持つ、物件駅等出現しないマスに止まるという(ほぼ)確実な対処法が存在する

一方ナマハーゲンはナマハーゲンとプレイヤーの位置関係に関わらず確実にぴったり重なることが出来る「ぴったりカード」と「サミットカード」、もしくはぴったり重なることはできずとも距離を一気に詰める効果を持つ「テレポートカード」を使用することがあるため、何処に逃げようと確実に助かる方法は無い。
一応、使用頻度の高いカードはマップの広さと比較すると相対的に移動距離が限られる急行系カードであるため、「ぶっとびカード」等で一気に距離を稼ぐことで急行系カードの射程圏外へ逃げるという対策があるも、あれらのカードを使う可能性がある以上、被害のリスクを確実に0に抑える方法は無い。
その上ナマハーゲンが出現する周辺地域の東北(世界編なら中国・ロシア東部)はループが多く、新幹線〜リニア辺りを使えば大体その辺りにいるプレイヤーに重なることができてしまうため、「初月にカードを捨てられる→機動力を失い以後毎ターンナマハーゲンに襲われどんどん資産を失う」という展開もよくある話。そのため、一度ナマハーゲンが現れるだけでも大きく差が開くことも多い。


挙動

捨てられるもの


  • カード
3〜5枚捨てられる。そのためカード枚数が2枚以下では発生しない。
資産そのものへの影響は無いが、このゲームにおいて機動力を失うことは致命的であるため危険なことに変わりは無い。前述の通り機動力を失うことで以後ナマハーゲンに袋叩きにされることも少なくない。運がいいとマイナスカードを捨ててくれるが。

  • 物件
3〜5件捨てられる。そのため物件数が2件以下では発生しない。
1,000万円程度の安い物件ならまだマシだが、運が悪いと数百億〜数千億円の物件を捨てられるし、独占していたのに崩れてしまうことも。

  • 所持金
確定で半額奪われる。そのため所持金20万円以下では発生しない*3
キングボンビーや、『ワールド』のばらまきボンビー等の悪行と違い借金状態になることこそ無いが、スリの銀次同様の割合攻撃であるため当然所持金が多ければ多い程被害は大きい。兆単位の金を持っていようものなら……!!


使用カード

『ワールド』で名称変更されたものは「通常/ワールド」で記載。
初使用作品について特に記載が無ければ『15』より使用。
サイコロを振って移動するカードについては、可能な限り誰かに重なりに行くが、ぴったり重なることができない出目だった場合は誰かに近付くだけで行動を終える。空路も海路も普通に通行するし、うんちなどの障害物も無視して移動する。ただし「みらい超特急」は使用できない。

  • 特急カード/双発プロペラカード
サイコロを3つ振って移動する。
これならまだ襲われる確率は低めだが、日本編では東北の、世界編ではロシアや中国のループを使えば意外と簡単に重なられてしまう。

  • 新幹線カード/ジェットカード
サイコロを4つ振って移動する。
これかのぞみ辺りの使用頻度が比較的高め。
おそらく3つでは襲えないことを想定して使用しているため当然襲われる確率は特急より高い。初手で使われた場合北海道や北関東に来ることもある。出目が一桁なら助かるかも。

  • のぞみカード/音速カード
サイコロを5個振って移動する。
初手で使われた場合、東北にいるプレイヤーはほぼ確実にやられる。出目次第では初手で札幌や首都圏辺りまで突撃してくる。

  • ロイヤルEXカード/超音速カード
『令和』より使用。
サイコロを6個振って移動する。これを使われればだいたい誰かが襲われる。
プレイヤーが(「リニア周遊」を除く)主戦力として活用していることも多いカードだけありその機動力は折り紙付き。

  • リニアカード/ライトニングカード
『15』及びDS作品では30マス進んで移動し、それ以外ではサイコロを8個振って移動する。
初手で使われるのは稀だが、東北やロシア・中国周辺にいればまず助からないと言っていいだろう。付近にいなくても日本編では愛知や京都付近、『WORLD』ではシベリア経由でモスクワ辺り、『ワールド』でもアジア圏全体を通り越して中東〜東欧付近や北米の太平洋寄りのエリア辺りまで突撃してくることさえある。
その他、ループ構造が複雑な大阪やヨーロッパ付近にいるプレイヤーは大体誰かが襲われる。

  • テレポートカード
ランダムで誰かの近くに移動する。
近付くだけのため、そのターンの内に誰かが襲われることは無い*4からその点はラッキー。しかし初手でこれを使用し九州・沖縄やアフリカ辺りに飛んでくることも。『WORLD』のループ構造も複雑なのでそのターンの内に逃げよう。

  • スペシャルカード
『ワールド』より使用。
1〜6マス任意のマス数進むことができるあれ。
総資産レベル8以上、かつナマハーゲンから6マス以内にプレイヤーがいると使用することがあり、確実に重なられる。
空路など一本道なら安心……と思っていると使われることがあるため、せめて6マス以内にはいないようにしよう。

  • ぴったりカード
『16』より使用。
その名の通り誰かにぴったり重なることができる。
そのためこれが使われた時点で1/3~4の確率で何処にいようと狙われることになる。
祈れ。来ないことと使われないことを。

  • サミットカード
ジ・エンド。
ナマハーゲンの最終兵器にして、切られた瞬間イコール全社長終了のお知らせ。全プレイヤーをナマハーゲンの元に集めてしまうカード。
これを使われたが最期、全員まとめて一網打尽である。一応ライバルは道連れで蹴落とせるが。
これだけは本当にどうしようもないので使われないことを祈るしかない。
更にプレイヤーが使用した時同様ボンビーの移動も行われるためハリケーンボンビー(『令和』以降ならポコン)やブラックボンビーがいる時にやられると二段階で絶望。「ワールド」ではナマハーゲンとキングボンビーの共存が可能になったので醜いなすりつけ合いになることも。「牛歩カード」や「冬眠カード」を使われていた日にはもはや泣きたくなるどころではない。
一応、自分が目的地に近づいたり、ライバルが目的地から遠ざかったりするが、そんなことを言っている場合ではないのは言うまでもない。


対策

冬場に東北に近寄らない

基本中の基本。出たら困るのなら出さなければいいだけ。
出現対象期間は1ヶ月だけなのでそこさえやり過ごせば1年はセーフ。東北の美味しい物件に釣られて忘れないように。
とはいえそんな空気の読めないCOMを制御することは困難なので、東北が目的地なら目的地を早めに変えてしまうのも有効。
1月にぶっとぶのもNG。「ぶっとぶ→東北に着陸→デーンデデry」もよくある話。

秋田を独占する

実は秋田を独占しているプレイヤーは狙われにくくなる
但し絶対狙われなくなるわけではないので、他に狙えるプレイヤーがいなければ普通に襲われる。
無論秋田が物件駅ではない世界編では不可能。

キングボンビーを召喚する

キングボンビーと共存できないという仕様を利用し、『20周年』以降登場する貧乏神を確率で強制的にキングボンビーに変身させる「キングに!カード」を使ってキングボンビーを召喚し、ナマハーゲンの出現条件を消してしまえばいい。2月にキングボンビーになっていればいいので、必ずしもカードを使う必要は無い。
キングボンビーは別に他プレイヤーに憑いている分には無害な上、他プレイヤーを蹴落としてくれるありがたい存在なのだ。
しかし『15』と『ワールド』ではこの方法が通用しないので注意。

全員でムー大陸に逃げ込む

「ワールド」のみ。
ナマハーゲンはムー大陸には侵略してこないという新事実が発覚。これを利用してプレイヤー全員がムー大陸に駆け込めば、ナマハーゲンは消える。
しかし、目的地がムー大陸の中にあればまだいいが、そうでないときに都合よくCOMが動いてくれるかどうか……。


逆に利用する

もし奪われるものが無ければ、狙われても「ナマハーゲンは 〇〇社長を憐れに思い 何もしなかった!」ということで何も起きない。あとこの状態だと「おめーはいい子だ!」と何故か褒められる。
そのため下位ならガンガン召喚して上位陣を困らせてやろう。
更に『ワールド』ではなんと「ナマハーゲンカード」が登場。これを使えばいつでもどこからでもナマハーゲンを召喚できる。同作では日本の駅は札幌、東京、大阪、京都、那覇、及び港マスの数カ所しかないのにご丁寧にカード売り場駅に昇格した秋田で買えて(しかも「ナマハーゲンカード」が買えるのは世界広しといえども秋田駅だけ!)、切ったのがいつどこだろうと必ず秋田に出現する。ヨーロッパや砂漠あるいは南の島など、ふるさととは全く違う景色の中にやって来ることもあるのでなかなかシュールな画になる。
また、このカードの登場に伴い「キングボンビーと共存できない」という仕様が撤廃された。
だがこのカードによって呼び出したプレイヤーだけは襲われなくて済む……なんてことはなく、普通にターゲットにされうるのでご注意を。


関連キャラクター

おめぐみ精霊モッテケッテ

『ワールド』に登場。モチーフはサンバカーニバルのダンサー。
こちらは3月にブラジル・リオデジャネイロ付近にいると登場。ナマハーゲン同様のカードを使用してナマハーゲン同様にプレイヤーを追い回すし、「3年決戦」でも出現することがあるなど共通点は少なくない。
しかしモッテケッテは、ナマハーゲンとは逆にぴったり重なったプレイヤーにお金・カード・空き物件のいずれかをタダでくれる、いわば「逆ナマハーゲン」。このため出現すると「モッテケッテの周りに大急ぎで集まれ!」と促すメッセージが出るほどなので、何はなくとも南米に急いでみるのが吉。
デメリットは「サミットカード」を切られてボンビーをなすりつけられたり、ライバルに持ち金やカードはともかく物件が渡ってしまったり、せっかく目的地まで数マスのところだったのに引き戻されてしまったりすること。ちなみに持ち金をもらったときのテキストによればパンツにねじ込まれるらしい。
なお、モッテケッテはあくまで自分から相手を追いかけて何かあげるのが好きなので、プレイヤーから重なりに行っても何も起こらない(反応を見せない)ことに注意。下位のプレイヤーやリオデジャネイロを独占するプレイヤーは狙われやすくなる。

エンディングでは、線路の切れ目で危うく沼に落ちてしまう!……というところに追いかけてきて、汽車を飛行機に変えるカードを投げピンチを救ったあとニコッとしながら見送ってくれる。なんて良い子。

世界旅行ボンビー

『ワールド』に登場。
早い話大人の事情で登場出来なくなったエアプレンボンビーの後継で、エアプレンボンビー同様適当なマスに移動させ、飛行距離に応じて費用を請求する。しかも顔がえらく怖い。
花魁と鳥のキメラのような見た目の、京言葉で話す日本キャラ。結果発表映像では日本キャラ同士ナマハーゲンと仲良く各国を観光している様子が見られる
そして最終的にナマハーゲンを乗せてプレイヤーを追い回し、2位のプレイヤーを咥えて飛び去る。トラウマ必至。混ぜるな危険。でも実際に捕まえるのは世界旅行ボンビーなのでナマハーゲンいらないじゃんは禁句。


余談

  • 『15』では3人以下プレイ時に限り、結果発表映像で名産怪獣の一体であるリンゴリラにリンゴ爆弾をぶつけられる様子が見られる*5。作中唯一ナマハーゲンにダメージを与えた存在である。

  • 『20周年』〜『タッグマッチ』の怪盗ジパング、『令和』のレインボー新幹線、『ワールド』の動く目的地のように「マップ上を移動するキャラクターをプレイヤーが追い掛け、ぴったり重なって捕まえる」というイベントはいくつか存在する。これでナマハーゲンの苦労が分かる……かも?分からんわ!

  • 『東北ラッセラー』が使用されるシチュエーションはもう一つ、「指定うんち!カード」使用時がある。これは『2017』までこの曲が使用され、こちらも『令和』で曲が差し替えられたが『泣け!ナマハーゲン』が使用される。曲は変わっても「曲はナマハーゲンと同じ」という点は継承された。

  • 本物のなまはげは男鹿半島の寒風山の麓に12/31の夜だけ行われる神事だが、『桃鉄』で何故2月に出現するのかは謎。


……と、ここまで読んでくれた皆様お察しのとおり、ハリケーンボンビーやペペペマン、ボンビーモンキーなどのキャラリストラ(『WORLD』『2017』間の騒動)に巻き込まれていない。なぜお前に限って。


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追記・修正しない子は いねが〜!
追記・修正しない子がいたらまた来るぞ〜〜〜!

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最終更新:2025年04月28日 15:57

*1WORLD』:ぶっとび駅、『ワールド』:カード売り場駅。

*2 無論ナマハーゲンの出現タイミングが冬で東北三大夏祭りが夏なので、時期での区別はすぐ付くが。

*3 このゲームで扱う最小単位が10万円のため。

*4 「テレポートカード」は誰かの数マス近くまで接近するものなので、たまたま狙ったプレイヤーの近くにいた別のプレイヤーに重なることはあるにはあるが。

*5 本来なら4位のプレイヤーに当たる。