仮面キャラ(属性)

登録日:2012/10/07 Sun 20:42:16
更新日:2022/09/11 Sun 22:21:50
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これはファッションのようなもので、
プロパガンダと言ってもいい


君のように素直に言ってくれる人がいないので、
つい忘れてしまう。すまなかった





仮面キャラ(属性)とは、有り体に言えば『何らかの事情で仮面や覆面、眼帯など顔を大幅に隠すアクセサリーで素顔を隠したキャラクター』の総称である。


●目次

【概要】

基本的には前述の通りの話であり、マスク、及びマスクとして代用可能な衣類を常に顔に装着したキャラクターの事。

古くから『怪傑ゾロ』の伝説よろしく、「正体不明の正義の志士」や「主人公達を導く謎の戦士」といった形で仮面を付けたキャラクターは少なくない。

だが、特に日本では特撮作品やアニメがテレビ番組で一般的に放送されるようになった昭和の高度経済成長期以降、
創作作品における仮面の扱いが「怪盗や怪人等の悪党が必要に迫られた時の変装に使う小道具」といったものから、
「何らかの形で主人公が一般人や主要キャラクターに正体がバレないようにする為のアイテム」、
「主人公達に敵対するライバルキャラクターが素顔や素性を隠す為につける、ドラマ性を高めるアイテム」へとシフトしていった。
美少女戦士セーラームーン』に登場するタキシード仮面のように「読者には正体バレバレ」な方もいれば、作者が本気で「こいつ誰だと思う?」と推理させるつもりのキャラ、仮面を取る前と取った後が明らかに別人のようなキャラ(設定変わった?)と様々な仮面キャラがいる。
ガンダムシリーズでは素顔を隠す人の登場がほぼ恒例となっているが、逆にマクロスシリーズには殆どいない。

いずれも、このようなキャラが現れたら、読者が「〇〇、一体何者なんだ…?」と思うのがお約束

そんなわけだが、現在では一般的に仮面を付けたキャラクターの正体といえば
この3つのパターンが非常に多い。

こういった仮面や覆面を付けたキャラクターは基本的に「正体を他の登場人物に隠さざるを得ない明確な理由」があり、それ故に他のキャラクターよりも人気が出やすく、主人公を食ってしまう事も多々ある。
正体不明のキャラが、マスク割れして正体が露見するのは一つの盛り上がりポイント。

また、逆説的な意味でこういったエピソードも紹介しておこう。
先ほども例に挙げた『るろうに剣心』において、
普段覆面を付けており、戦闘時には好んでさらに時代考証を無視したようなパワードスーツを着込んで戦う男」の正体が小汚いジジイだったというオチがついた事があり、
その際に読者から大顰蹙を買ったという話を作者が単行本に載せた事があった。
顰蹙を買った原因には「連載当時、『るろ剣』は女性読者層の支持がかなり強く、ジジイキャラが基本的に女性受けしなかった事」や、
「ストーリーの都合上、実質2部中盤~3部終盤まで正体を明かさないで引っ張ったのに、特に大きなドラマも無しにあっさり正体がバレた事」も理由として大きいだろうが、
確かに正体が拍子抜けと言えば非常に拍子抜けだった。
これには原作者の和月伸宏氏も「実際誰が喜ぶのか」と反省し、以後の和月作品の仮面キャラはパピヨンを始め、基本美形であり、
外印も再筆版やキネマ版実写映画版といったメディアミックス作品にて(各々の差異はあれど)美男子に改められている。

とまあ、ある程度仮面キャラについて解説した所で、今度はパターンに分けて解説していこうと思う。

【仮面キャラのパターン】


顔の傷を隠す

一番現実的な理由かつ、創作作品でも最もメジャーな理由の一つ。
火傷や刃傷によって癒えない傷を付けられたりしたキャラクターが、その素顔を隠そうと仮面をかぶる。
この系統で知名度を誇るのが横溝正史の『犬神家の一族』で、戦争で顔にケガをしたのでゴムマスク*1をかぶらされた話だろう。
推理小説などでは「自分は火傷で顔が爛れている」などとをついて仮面を被り、トリックで「入れ替わりに必要な架空の人物」を健常な人物が演じる事も。
江戸川乱歩のとある小説ではこのパターンをさらにひねったものに「焼けただれた顔のマスク(蝋製)」をかぶって、顔にやけどをした謎の男(劇中の実在人物)に化けた犯人もいる。
上に挙げた仮面ライダー1号の仮面も、漫画版では改造人間としての力を使うと浮かび上がる醜い傷跡(改造手術の手術痕)を隠すための物である。
こちらの項目も参照。

主人公の家族が正体

I'm your father」など古今東西ある「仮面の下は父親や兄弟」と言う黄金パターン。
例えば「家族を捨てた決意として仮面を被る」だったり、「正体を隠して主人公にアドバイスを与えたりする事」だったりする。

珍しい例では未来から来た主人公の子供というものもある。

仮面が制御や生命維持といった特殊な装置

割と前述の正体が「主人公の家族だった」パターンに見受けられる。
例えば仮面自体に洗脳装置が付いており、その人を操ったり、あるいは仮面自体が生命維持装置だったりする。
このパターンだと、生命維持装置が破壊された場合は死亡フラグになる確率が高い。

視力の補正

基本的に「眼鏡かけたらいいじゃない」と言う突っ込みはヤボな、「ケガした目の視力を補正」する器具として仮面や覆面をかぶるパターン。
『パワポケ1』の野球マスクがこのパターン(というか、仮面扱いされているがやや大きめなサングラスのようなデザインでメガネの範囲。)
かなり珍しいが、逆に「高すぎる視力を抑制する」パターンもある。
少し違うが、『X-MEN』のサイクロップスのように「放置すると、目から有害なものが出る」のを押さえる仮面もあったりする。

ファッション

要するに「仮面ってお洒落」という人が仮面を付けているという事。
たいがいこのパターンに限って残念な仮面を装着しており、そして素顔が一番美形と言う事が多かったりする。
職種や身元によっては、美形だと都合が悪いので意図して醜い/恐ろしげな顔の仮面を付けている、という場合もある。

犯罪者が身元を隠す

推理物や怪盗物だとだいたいこの理由。
仮面や覆面は「目撃者や防犯カメラの映像から身元をバレないようにする」「返り血を防ぐ」為に用いるのが大半。
中には横溝正史の『夜光怪人』の様に、これに加え黒幕(本物の夜光怪人)が自分以外を囮などに使う目的で活用しているケースもあり、
同作では序盤にデパートの展示宝石を盗もうとした「夜光怪人」が罠にかかるが、正体は脅されていた少女でこの騒ぎの隙に宝石は盗まれ、
さらに宝石を盗んだもう一人の夜光怪人も(おそらく脅されて従わされていた)別人で口封じに本物に殺されるという出だしであった。
金田一少年の事件簿』に出てくる怪人が怪人の扮装で出てくる時が大体これ。
また、基本的にシリアスな話だと仮面も顔を全て覆うような物が多いが、
ライトな話だと「むしろ何でバレないんだ?」と思いたくなるような顔を殆ど隠しもしない仮面で変装する事も。
一応「認識阻害用に仕掛けが施されている」というパターンもなくはない。
ディストピア作品や冤罪など、不当な罪で追われている場合にはヒーロー側がこの目的で使う場合もある。

犯罪者から身元を隠す

尻尾を掴むためや逃走の恐れがある犯罪者に接近するため、
或いは危険な組織犯罪などを相手にする場合、身元が分かると暗殺される恐れがあるため。
このケースは現実的には「覆面」と呼ばれることが多い。
変身ヒーローなどに多いが『仮面ライダー』シリーズだと逆に敵組織には最初からバレてるケースも多く、
この場合は「危険であることを日常生活の付き合いから隠す」と言うべきか。

仮面が強化パーツ

仮面自体に魔力のような物があり、それをかぶる事でパワーアップすると言う話も創作作品では珍しくはない。
そのものずばり『マスク(映画)』という作品における仮面もこのケース。
もっとも、仮面の持つ力によっては外しても元に戻れるとは限らないが…。

ちなみに『BLEACH』では「仮面をかぶる事でパワーアップする主人公主人公と似た境遇の元死神達」がいたり、「仮面を割る事でパワーアップする蟹」がいたりと、結局仮面があった方が強いのか割った方が強いのか良く分からない状態に陥っていたりした。
あと「強化パーツ」なのか微妙だが、『究極!!変態仮面』の変態仮面はパンティなど(これ自体は普通の下着)をかぶることで潜在能力の100%を引き出せるという設定。

『ガンダム』シリーズの仮面の男はシャア筆頭にただ単に素顔を隠す為の物が多いが、マスク大尉のマスクは珍しくデータファイルとセンサーを内蔵した高性能マスクであったり、制御パーツとして身につけていたりする。

仮面・マスクの様なパーツは強化服の一部

特撮ヒーローなんかは大概こんな感じ。ヒーローの一番目立つフルフェイスのマスクみたいなパーツも、基本的に単に強化服の一部である。
ストリートファイターシリーズのバルログも、顔を隠しているのは「美しい顔に傷や汚れがつかないように防具として着用」という設定なのでこれに準じるか。

仮面が本体

仮面の形をした悪魔や魔物などが他人の体を乗っ取ったり、疑似的な肉体を操っているパターン。
つまり素顔は仮面の方であり、こういう場合はコロコロ肉体を変えたりもする。


単純に恥ずかしいから仮面をかぶる

気恥ずかしさから顔を隠す為に仮面をかぶるパターン。
……むしろ仮面を付けてた方が恥ずかしいのは秘密。
より具体的な理由として、特に美形キャラが求められない作風あるいはポジションになると
「本当に醜いか、あるいは文化的な事情等から素顔にコンプレックスがあるため隠している」キャラも探せば案外いる。

戦闘がある作品でこの理由の場合、仮面をつけている間は強いが、仮面を外すと恥ずかしさで戦力がガタ落ちといった展開がお約束。
もちろんそれを乗り越え、素顔でも全力を出せるようになるのも王道展開である。

素顔を好まない

自分の正体を隠すといった利便性に加え、自分を嫌っているキャラクターが自己嫌悪などから顔を見たくないが為につけている。
オレは誰でもない。誰でもいたくない」だったり「俺は“美しい”だろう。だから嫌いなのさ」だったりなど。

自己暗示・思考の切り替え

仮面をかぶる事で自身の別の側面(ペルソナ)を表面化させるもの。
外部からはあたかも性格が変わった様に見えるが、先述の「仮面が本体」とは違い、着用後もあくまで主体は本人である。
ONE PIECE』のウソップはスリラーバーク篇において、以前は単なる正体隠し用だった「そげキング」の仮面を再びかぶる事で、自己暗示をかけ勇気を奮い起こして窮地を脱している。

仮面によって“仕事モード”になる者も多い。映画『未来世紀ブラジル』で拷問尋問役を担うジャック・リントが良い例だろう。
また、種族や集団単位で同じ仮面・覆面をつけ個性を抑制するのもこの一種だろうか。

プロレスラーの小道具

往々にして「他団体出身の人が正体を隠し、しばらくして正体を明かす事でサプライズを演出する事」だったり、
「ヒールだった人がベビーフェイスに転向、あるいはその逆をする為に今までのイメージを守る為、正体を隠す」ようにマスクを付ける。
現実においてはアニメとのタイアップでマスクレスラーを売り出す事がたまにあり、獣神サンダーライガーなどが有名。
また、メキシコ式プロレスであるルチャリブレは特に覆面レスラーが多いが、これはプロレス興行的な文脈だけではなく、メキシコ独自の文化・儀礼的な側面も大きい。




追記・修正は仮面をかぶり、なおかつ誰一人も正体を探られない自信がある人にお願いします。

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最終更新:2022年09月11日 22:21

*1 ちなみに映画などではおもっくそ怪しい全頭マスクにされていることが多いが、原作では「佐清の昔の写真そっくり」にできており、表情を変えられないので不気味なだけだと金田一が(心の中で)説明している。