じゃりン子チエ

登録日:2024/05/27 Mon 04:03:02
更新日:2025/03/10 Mon 00:28:59
所要時間:約 23 分で読めるで!


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『じゃりン子チエ』は、はるき悦巳の人情コメディ漫画作品である。
『漫画アクション』(双葉社)にて1979年から1997年まで連載された。単行本は全67巻。のちに全34巻の文庫版が発売されている。



【概要】

大阪の下町を舞台に、小学5年生ながらホルモン焼き屋を切り盛りする元気な女の子チエと、彼女を取り巻く個性豊かな人々の生活を描く。
『漫画アクション』で約19年に渡り連載され、累計発行部数は3000万部を突破。
1980年には小学館漫画賞を受賞している。
当時売り上げの低迷による休刊が噂されていたアクションを立て直した作品のひとつで、同種の現象を巻き起こした「ルパン三世」「クレヨンしんちゃん」と並び「漫画アクションには神風が吹く」とまで言わしめた。
特に物語の舞台となった大阪府及び関西圏では「バイブル」「必修科目」と評される程で、その人気は今も根強い。

タイトルの「じゃり」とは子供を意味する俗語で、さらに「子」が付く事で女の子を指す意味となって「じゃりン子」となるとのこと。


【アニメ版】

アニメーション制作は全て東京ムービー(現:トムスエンタテインメント)が担当し、テレビアニメの製作は毎日放送が担当した。

アニメ化に際しては「関西弁が達者な人物」であることキャストの必須条件であったとされ、劇場版では関西出身の俳優や当時漫才ブームで勢いに乗っていた吉本興業の芸人を声優として起用する異例のキャスティングが話題を集め、作品の関西での知名度・人気向上に繋がったと言われている。
とりわけテツ役の西川のりおは「奇跡の巡り合わせ」と絶賛されるほどのハマり役となり、のりお曰く今も道を歩いていると「テツ」と声をかけられることが多いとか。その一方でギャラの安さやアフレコ現場の厳しさを度々愚痴っていたが

  • 劇場版/テレビアニメ第1期
映画は東宝系で1981年4月に公開。
テレビアニメは同年10月から放送を開始。当初ローカルセールスで9局程度のネットだったが、1982年4月から金曜19:00の全国ネットに昇格し1983年3月まで放送された。
なお、テレビアニメの10話までは劇場版の映像を流用再構成している。
劇場版の主題歌は当時の漫才ブームに乗じて人気を博していたコミックバンド、ビジーフォーが担当。レコードはすぐに廃盤になったらしい。

「赤毛のアン」「アルプスの少女ハイジ」等で知られる高畑勲が監督を務め、映画版はディズニー映画の伝説的なアニメーターであるフランク・トーマスとオリー・ジョンストンの両名が絶賛したエピソードも残されている。
テレビアニメは関西で平均視聴率25%最高視聴率29.1%を叩き出す人気を誇り、再放送のし過ぎでしまいにはテープが擦り切れてしまったなんて逸話も存在する程。

  • テレビアニメ第2期
「チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ」というタイトルで1991年10月から1992年9月まで放送された。
スタッフは大幅に入れ替わり、メインの声優陣は第1期から続投したが端役は一部非関西出身の人物に交代している。
特にそれまで評判が良かった一部声優の交代や主題歌の変更は惜しむ声が多く、残念ながらファンからの評価はあまり高くない。
更に1期では初回からネットしていたTBSテレビなどでは放送されずネット局も少なかったせいか、知名度は極めて低い。


【作風】

上述したように下町の日常を描いた作品で、時代が時代なだけに
  • 作中普通にヤクザが出てくる
  • 未成年が飲酒・喫煙をする描写がある
  • 暴言や放送禁止用語をバンバン言う
  • そもそも主人公のチエが小学5年生にしてホルモン屋を経営
…etcと、掲載元が青年雑誌な事もあってここ近年メッキリ再放送に恵まれないのも納得な程色々とぶっ飛んだ設定・世界観も多く見られる。それでも人情コメディのジャンルに違わず、人情味に溢れたどこかしら温かみが感じられる感動系のエピソードが豊富なのも本作の魅力の一つ。

しかし作風は20年近く連載を続けた過程で大まかな変化も見られ、連載後期はテツが実質的な主役となりギャグ回が多くなるなどその作風は徐々に変容していった。そのためアニメや連載初期のイメージが強い人が見るとビックリする…かもしれない。

また本作は所謂「サザエさん時空」を採用しており、物語はチエが小学5年生である1年間を循環する形を取っているため時間は進行しない。しかしその一方で一切成長しないチエ達をよそに劇中で誕生した赤ちゃんが幼児へと成長する等一部設定と矛盾する描写があり、この奇妙な時間軸のズレは作中でも度々にネタにされていた。


【登場人物】

声優はテレビアニメ/劇場版の順に記述し、()が無いものは共通。

◆竹本家

・竹本チエ


ウチは日本一不幸な少女や…

声 - 中山千夏
大きな下駄と、赤いポッチリ(髪留め)がトレードマークな本作の主人公。一人称は「ウチ」。
小学五年生ながらホルモン焼き店「テッちゃん」改め「チエちゃん」を営む女の子。
活発かつ元気でバイタリティ溢れる明朗快活な性格だが、一方で喜怒哀楽が激しく嫌なことがあればひどく落ち込み、下駄をシャラズルと鳴らすこともしばしば。勉強はからっきし*1だが運動神経は抜群で、特に足の速さは両親譲り。
また祖母や父に似て非常に喧嘩っ早い性格で腕っぷしも強く、いらん事言うクラスの男子や飲んだくれの大人、はた迷惑なヤクザはよく下駄でシバいている。
自分の境遇を不幸と嘆くことはあれどホルモン屋の経営は気に入っており、特に客の扱いは祖母の菊からも感心されている。店の常連の中には「チエちゃんの笑顔」目当てに訪れる客もいる程。
働かない父・テツに対しては、彼のことを呼び捨てで呼ぶなど辛辣な態度が目立つが、内心いいところもあると密かに認めていたり、テツが稀に見せる親心に感謝するなど父として大切に思う描写も見られる。
因みに顔や性格と下駄を武器に使う癖は祖母の隔世遺伝だが、時々見せる横顔は母親によく似ている美人さん。
根は素直な良い子であり、年齢不相応にしっかり者。今の生活も気に入ってはいるが、稀に自分を振り回す周囲の大人を凍り付かせる程のドライな発言をする事も。
上述に代表される「ウチは日本一◯◯な少女や」が口癖。


・竹本テツ

声 - 西川のりお
チエの父で本作のもう一人の主人公。一人称は「ワシ」で、本名は「竹本哲」。坊主頭に口元のヒゲ、黒シャツと腹巻がトレードマーク。
ロクに働きもせず博打と喧嘩に明け暮れ続けた結果、ヨシ江には逃げられチエに店を奪われてしまった。その為現在は実質無職で、日頃からヤクザをどついて遊ぶ金を強請る父親どころか人としても完全に失格な無頼漢
無類の喧嘩好きであり、その実力はヤクザ数十人相手に無双したり、東洋チャンピオンと互角にスパーリングをこなしたり、酒の回った平幕力士3人を一度に相手して負傷させるなど凄まじい強さを誇る。ただしカナヅチなのは内緒。その悪名はヤクザがテツの名前を聞いただけで震え上がる程で*2実質彼によって周囲の治安が保たれている一面もある。しかし幼少期のトラウマ故に母・菊と恩師の拳骨には弱く、今も頭が上がらない。また、ヨシ江を筆頭に女性にも弱くゲストキャラに振り回されることもしばしば。
また博打も大好きで特においちょかぶが大好きだが、すぐ顔に出るためこちらはあまり強くない。*3因みに飲んだらやや酒乱気味な妻娘と違って下戸で、タバコも吸わない。
上述の傍若無人な性格が災いして妻のヨシ江とは作中当初は別居しており娘のチエからも呼び捨てにされる等ぞんざいな扱いを受けていたが、物語が進むにつれヨシ江とは復縁し、家族関係も少しばかり改善されている。
また母親の菊の言いつけを守り「ヤクザ・チンピラ以外からは恐喝をしない」自分なりのポリシーを持ち、その割に無賃乗車、窃盗、器物破損、傷害などは常習的だが。さらに動物にも平気で暴力を振るうがこの漫画に登場する動物はやたら強いのでしょっちゅう返り討ちに遭うし、小鉄やアントニオJrには勝てない。ヤクザやチンピラからは恐れられる一方で意外と町の住民達からは慕われている。
不器用ながらチエのことは彼なりに可愛がっており、ヨシ江に対しても実は未だゾッコンで女遊びは一切しないなどツンデレかつ家族想いな一面も覗かせるどこか憎めない人物である。
下記の百合根やカルメラ兄弟や飛田のように、テツのせいで酷い目にあって懲りた後、まともな職について堅気になっていく人物が実は多い。テツはまるっきり変わらず無職
少年期に鑑別所に入れられた経験あり。*4その当時の収監仲間たちは真面目に働くようになった今でもテツを本心から慕っている。 *5
アニメ版では次回予告のナレーターを担当。内容はテツが漫談みたく一人でしゃべくりを展開するもので、公式Youtubeチャンネルでは次回予告を集めた総集編もアップされている。見たってや〜〜!
ネットミームでお馴染みの漫画『ドンケツ』の主人公「ロケマサ」こと沢田政寿のモデルとなったキャラクターであり、容貌のほか「全く同じ形の黒のTシャツ(オーダーメイド)を何枚も持っていて着回している」「ヤクザからカツアゲするのが趣味」「大して強くないくせに博打好き」などの共通点があるが、女性関係や酒・タバコの扱いなど、テツとロケマサでは真逆になっている点も少なくない。


・竹本ヨシ江

声 - 山口朱美/三林京子
チエの母でテツの妻。物語開始当初は別居していたが途中で復縁し戻ってくる。
普段は洋裁学校の講師をしており、チエの一張羅もヨシ江が作ったもの。付き合い始めの頃から不器用なテツをリードする世話女房で、チエやオバアからも慕われる良妻賢母。
「西萩小町」と称されるほどの作中随一の美人で、学生時代はテツ含む男子達のマドンナ的存在であった。
テツとの馴れ初めは共に別地区のアンカーとして対戦した地区対抗リレーにて彼に勝利し、その後テツの再戦の申し込みをデートと勘違いしたことから交際が始まり、その後は両者の想いを汲み取った拳骨の計らいもあって結婚。
実は結婚のきっかけも彼女からテツを選んだらしく、一度は別居状態にあったもののテツのことは今でも好いており、チエが彼のことを悪く言うことには複雑な表情を見せたこともある。
物腰柔らかく控え目で物静かな性格の淑女だが、若い頃は活発な性格だった様で、いざという時には意外な一面を見せることも。
劇場版で声を担当した三林氏はNHK朝の連続テレビ小説最多出演回数を誇り、落語家としての活動も有名なお方。
TVアニメ版で声を担当したのは「火垂るの墓」の親戚のおばさん役でおなじみのお方である。


・オバァ

声 - 鮎川十糸子/京唄子
チエの祖母でテツの母。一人称は「わたい」で、本名は「竹本菊」。チエからはは「おバァはん」、ヨシ江は「お母さん」と呼ばれ、テツからは「ママ」だの「クソババ」だの好き放題言われている。
「チエちゃん」の近所で同じくホルモン焼き店を営んでおり、チエの店の仕入れや経理関係も一括して行っている。
テツの母親なだけあって非常に喧嘩っ早く、そして空手道場で「名誉師範」の肩書きを持つ実力者。齢71歳と高齢ながらその強さはあのテツでさえ凌駕する程であり間違いなく作中最強キャラの一人で、「正拳イスぶち抜き*6」だの「ナンマイダ蹴り*7」だのといった物騒な技を持つ。
テツが幼少の頃から度々喧嘩を吹っ掛け、「ヤクザとチンピラやったらどついてもエエ」と教え込んだ張本人であり、少なからず彼の人格形成に影響を与えている。
幾つになってもだらしないテツに対しては非常に厳しいが、一方でしっかり者のチエやヨシ江には優しい。しかし短気で気が強い性分の為にチエからは度々接客態度を咎められており、あまつさえテツが乱暴者になった元凶として訝しまれたことも。多分合ってる
一方で幼少期から問題児であったテツとのつき合いには相当苦労したとの事だが決してそれを悲観的には捉えておらず、その際に彼女が「不幸」について説いた「ひもじい、寒い、もう死にたい。不幸はこの順番で来ますのや」というセリフは作中随一の名言と名高い。


・おジィ

声 - 伝法三千雄/ 鳳啓助
チエの祖父でテツの父で婿養子。チエやヨシ江らは「おジィはん」、菊からは「あんさん」と呼ばれている。
心臓と気が弱くしょっちゅう過呼吸気味になる頼りない性格で影が薄く他が濃すぎる、テツには完全に金ヅルとしか扱われない可哀想な人。
散々良いように扱われている一方で本人なりにテツに対しては愛情を覗かせ、周りにどれだけ嫌味を言われようとも「もう少しテツのことを信用してやれ」と彼を庇い気遣うような素振りを見せるテツのパトロン的存在。だがその度に期待を裏切られる
その一方でただ一度だけテツを思いっきりぶん殴った事も。
菊とは違いテツとはまるで似ていないが、懲りない性格は父子の血筋である様子。
一家の中で唯一最後まで本名が明かされることがなかった。やはり可哀想な人である。
因みに作中では数少ない喫煙者。
おジィ・オバァ劇場版の演者は私生活では結婚して離婚した夫婦漫才師が起用されている。


◆周囲の人々

・お好み焼きのオッちゃん

声 - 表淳夫/芦屋雁之助
お好み焼き屋「堅気屋」の店主。本名は「百合根光三(ゆりね こうぞう)」。
作中序盤では博打屋「遊興倶楽部」の社長だったが、愛猫アントニオの死をきっかけにヤクザ業から足を洗い、生前アントニオの好物であったお好み焼き屋を始めた。
テツにはヤクザ時代からツケを踏み倒されるなど難儀しており、現在は店の用心棒としてテツを雇っている。その為か今でも彼を「テツ」と呼び捨てで呼ぶ数少ない人物。
改心後は根は優しく穏やかな性格となりチエ達からも慕われる良き友人となった。しかし一度酒が一升を越えるとヤクザ時代の面影が顔を出し、テツでさえ手が付けられなくなる程に凶暴化する。
大の愛猫家であり現在はアントニオの息子アントニオJrと二人(?)暮らし。度を越して猫には非常に甘い為、小鉄も彼のお節介になる事が多い。その逆もしかりであるが
実は旅館の御曹司で、所帯持ちでもあったが現在は妻子に逃げられ離婚しているなど中々濃いバックボーンを持ち、原作ではそれを元にしたエピソードもある。


・カルメラ兄弟

共にカルメラ焼きの屋台を牽いている2人組。
元はチンピラだったがテツにしばかれたことで改心し、テツの子分としてこき使われながらも他の竹本家の面々達と深く関わるようになる。「カルメラ兄弟」という呼称もテツが名付けたもので実際には兄弟では無い。ミツルとは非常に折り合いが悪い。
競馬で大穴を当てた資金でラーメン屋「カルメラ亭」を営む様になり、終盤、二人共百合根の実家の旅館で働いていた双子の姉妹と見合い結婚したことで(義理ながら)本当に兄弟となった
・カルメラ兄
声 - 家野繁次(1期)→ 武原洋好(2期)/ぼんちおさむ
通称「カルメラ1号」。本名は「菊崎健二」。
カルメラ兄弟の坊主頭で額端に傷がある方。かつてはキックボクサーであり、「アラクラン*8菊崎」のリングネームで西日本を制した程の実力者だったが、東日本チャンピオンとの試合の直前にオーナーの無茶苦茶な減量に付き合わされ、体調を崩した状態での対戦を余儀なくされた為に惨敗。その際にオーナーから「お前みたいなカルメラ頭はカルメラでも焼いとけ!」と怒号を飛ばされたことをヒントに、カルメラ稼業を始めることになった。因みにカルメラというあだ名は気に入ってるとのこと。
その後ラーメン屋「カルメラ亭」ではその手先の器用さを活かして餃子作りを担当。
・カルメラ弟
声 - 原一平(1期)→山崎博之(2期)/ぼんちまさと(現:里見まさと)
通称「カルメラ2号」。本名は「山下勘一」。
カルメラ兄弟のリーゼントで背が高い方。カルメラ1号の事を「兄キ」と呼び慕っており、カルメラ兄からは「ヤマカン」というあだ名で呼ばれている。かつてはチンピラで憂さ晴らしにジムを訪れたが、当時キックボクサーだった菊崎に完敗した事でその強さに惚れ込み彼のトレーナーとなった。因みに東日本チャンピオンに惨敗した菊崎に上述の怒号を浴びせたオーナーにはブチ切れ、ぶちのめしている。
カルメラを焼くのは下手だったが、兄より味覚は確かだった為カルメラ亭ではラーメン作りを担当している。


・丸山ミツル

声 - 上方よしお(1期)→国分郁男(2期)/上方よしお
西萩の交番に勤務する警察官。
テツの幼馴染であり、今でこそ真っ当な警官であるが、昔は「ポストテツ」の異名を持ちテツと共に色々悪さをやっていた悪童であった。その為今でもテツにはイマイチ頭が上がらず、テツの悪行をかなり見逃す一方で、彼の活躍によって犯人逮捕の功績を挙げた事もあり役職も巡査から派出所の所長にまで昇進している。ある意味一番の勝ち組
劇中では山下ノブ子という職場の同僚と結婚し、1児を儲ける。カルメラ兄弟とは非常に折り合いが悪い。
声の担当はテツ役ののりおの相方。作中の出番は微少ながら監督の高畑勲から続投を明言された数少ないキャストの一人である。第二期放映時はのりお・よしおが一時解散していたこともあり、やむなく続投は見送られている。


・花井拳骨

声 - 須永克彦/笑福亭仁鶴
テツの小学生時代の担任で、仲人も務めた恩師。チエの担任・花井渉は息子に当たる。
テツにとっては大人になった今も全く頭の上がらない存在で、しょっちゅう彼に懲らしめられている。一方で拳骨自身は「テツのファン」と評され、テツのことは何かと気に掛ける他、テツとヨシ江の想いを汲んで結婚・別居解消のキーマンとなるなどなんだかんだで悪友のような師弟関係を築いている。
テツを余裕でしばける本作最強キャラクターの一人で、大学時代はアマチュア横綱を務めていた程。更に勉学も李白研究の第一人者として将来を渇望されていた秀才だったが、学生時代権力を笠に着る教授を全裸にひん剥いて学内のポプラの樹に吊るし上げる事件を起こして大学を去った過去がありテツに似て色々と滅茶苦茶な人物。
上述の通り地位、名声とは無縁な生き方をしている文壇の孤児で、現在は文筆業で悠々自適な生活を過ごしている。
妻とは12年前に死別。テツを可愛がる良妻だったようで「どつくのはやめてあげて」という遺言を残しているが全く守っていない。


・レイモンド飛田

声 - 大橋壮多(1期)→田畑猛雄(2期)/未登場
「地獄組」なるヤクザ組織の親分。ルー語を思わせるデタラメな英語で話すアメリカかぶれな男で、チエの事を「赤貧チルドレン」と呼ぶ。「チルドレン」は複数形なのに。
初登場時はヤクザの親玉だったが、テツに関わったばかりにいろいろババを引き、最終的には逮捕されてしまった哀れな男。出所後は完全に人生の歯車が狂い、様々な事業や仕事に手を出したもののどれも大体テツのせいで失敗。その後は紆余曲折の末ステーキハウス経営者で落ち着いた。そっくりな顔をした弟(オカマ)が居り、一時弟と組んでオカマバーで働いていたこともある。
仁吉という唯一組壊滅後もその身を案じて付いてきた部下がおり、常に一緒に行動している。


・天野コケザル

声 - 小川聡明
チエよりひとつ年下。テツの鑑別所時代の友人・勘九郎の一人息子で、未成年ながら喫煙者という度を越した不良少年。金銭話となると父親以上の目ざとさを見せ、パチンコの腕前はプロ並みと子供ながらに根っからのクソガキ。
おそらくチエのことが好きだがマサルと同じく素直になれないツンデレその2。
チエの校区とは隣の学校に通っており、子分がいたり学級委員長を務めたりするなど案外人望はある様子。


・釜地捨丸

声 - ?
テツの鑑別所時代の所長。
テツには散々な目に遭わされたものの、テツがいたころを『黄金時代』と呼び、再会した時は号泣するほどのテツの大ファンでテツを息子のようにかわいがっている。
時折頭の回転が鈍くなる*9のはご愛敬。


◆チエの学校関係者

・花井渉

声 - 伊藤保夫(1期)→隈本晃俊(2期)/ 桂三枝(現:6代目桂文枝)
花井拳骨の息子でチエ達の担任教師。一人称は「僕」で、出身は東京。その為本作では大変貴重な標準語で喋るキャラクターだったりする。
腕っぷしが強い父とは違い運動はからっきしでこちらも本作では大変貴重な穏やかかつ温厚な性格だが、誠実な教師としてチエたちを見守る。その性分からチエやヒラメには大変慕われている一方で、それをマサルに利用されチエやヒラメの暴走を制止する防波堤役にされたり、テツからはしょっちゅう弄られるなど不憫な一面も。
劇中では東京で知り合った朝子と結婚し、一児・アキラを儲けるのだがかなり妻の尻に敷かれるようになってしまい、テツにも嘆かれている。やはり不憫である。ちなみにその息子はサザエさん時空の本作の中で唯一スクスクと成長している。祖父似。
なおアニメ1期ではやたら棒演技だが、声を担当した人物は声優ではなく、アニメの制作スタッフである。


・平山ヒラメ

声 - 三輪勝恵(大阪生まれ)
チエの同級生で大の仲良し。負けん気が強くチエを揶揄うマサル達にも容赦がない一方で、自身がドン臭い事がコンプレックスな傷付きやすい性格でもある。
絵画と相撲が大の得意で、特に絵に関しては府大会で金賞を獲った他、プロからのスカウトも受けた事も。その一方で凄まじい音痴であり、その歌声は攻撃手段になる程。
また意外にもテツとも仲が良く、彼からも可愛がられている。
離れ目で鼻がない愛嬌ある顔立ちと心優しい人柄及びチエ一家に勝るとも劣らない強烈な個性から読者人気は高く、作者自身も「なんとなく描きたくなる不思議なキャラ」とインタビューで答えている。なお、劇場版には「あまりにも存在が印象的すぎるから」という理由で登場を見送られたが、監督の高畑勲もヒラメは好きなキャラと答えている。
塩せんべいが大好物。
家族は全員同じ顔をしており、中学生の兄・丸太もテツに色々絡まれる等、割と頻繁に作中に登場する。丸太も妹同様壊滅的な歌唱力を持つ。


・小林マサル

声 - 入江則雅(1期)→谷真佐茂(2期)/島田紳助
チエの同級生で学級委員。
ことあるごとにチエやヒラメを揶揄いバカにするが、その度にチエ達に返り討ちにあっては泣かされているヘタレ。それでも懲りずにチエに付き纏うが、コレはチエに対する歪んだ愛情表現らしく、要は「好きな子に素直になれずちょっかいをかけてしまう」典型的なツンデレである様子。その想いが歪みに歪んだ結果、毎日チエの悪口を言わないと体調を崩す意味不明な奇病を患っているあたり大分重症である。
母親は典型的な教育ママであり、新年度がスタートするたびに受験や勉強のことで憂鬱になるがサザエさん時空のおかげで「今年も5年生のままでいいんですね」と泣いて喜んでいる。
作者自身がモデルであるとのこと。


・タカシ

声 - 井手上勝富(1期)→ 長岡伸明(2期)/ 松本竜介
チエの同級生で、マサルの「腰巾着」。マサルに対しての忠誠心は非常に強く、本当は運動神経が良いにもかかわらず運動音痴な彼に気を遣いその事実をひた隠しにしたり等あらゆる場面でマサルに尽くす忠臣。それ故にマサルからの信頼も厚い。
マサルと共にチエ達にしばかれる事も多いが意外にもチエとヒラメは「タカシ君」と君付けで呼ばれ、そこまで嫌われていないどころかむしろマサルがいない場面では独り立ちを促される事もある。それに対し時には心が揺れる事もあるが、それでも彼と共に居るあたり、マサルとの男の友情を持っていると言える。初期のころは作者にも名前を忘れられて「コウジ」とか呼ばれていたのは秘密。


・米谷里子

チエ達のクラスに転校してきた少女。通称「サッちゃん」。
スポーツ万能で成績優秀な美少女だが、チエのことは飼い猫のロックが起こした騒動のいざこざと彼女自身の境遇もあって当初は敵視していた。
しかしマラソン大会やロックの事件の落着・帰還を機に和解、それ以降はチエ、ヒラメと共に親友となりマサルから「パンパカトリオ」と呼ばれるほどの仲良しになる。
その後岡山に引っ越してしまったが、チエとヒラメが夏休みに会いに行ったり、最終回の写真撮影では共にセンターを飾るなど主要人物として描かれている。
連載中期から登場したキャラクターなのでアニメ版には丸っきり登場していない。


◆猫

本作における猫は基本直立二足歩行でオスは股にキ◯ンタマ2つブラついた色々と衝撃的なデザインだが、彼らもまた人間同様の知性を有した存在として登場する。
人間は猫の言葉を理解できないが、猫らは人間の言葉を理解することが出来、夏目漱石著『吾輩は猫である』に登場する猫と同じく、時に皮肉・同情を込めた人間観察をする存在としても描かれている。
また、原作では猫たちの吹き出しは違った写植文字が使われ、人間の会話とは明確に区別されている。


・小鉄

声 - 永井一郎(大阪府出身)/西川きよし
甘味処から譲り受られたチエの飼い猫で、本作における猫側の主人公。
生まれながら天涯孤独の野良猫であり、かつてはトレードマークの三日月形の傷から取られた「月の輪の雷蔵」の異名で恐れられた流れ者。しかし「ケンカ嫌い」であり、自ら進んで戦う事は少ない。また本人曰く歳も結構いってる様子。その為歳が離れているジュニアに対しては保護者的な立場になっている。
小鉄という名前は、チエの挙げた名前の候補を全て嫌がったことから「言うことを聞かないところがテツと同じ」として命名されたのが由来。一方でチエにはよく懐いており、用心棒から家事の手伝い、そろばん勘定、ホルモン焼きまでなんでもこなす。我々人間よりも遥かに優秀である
猫、人間を問わず最強レベルの存在であり、中でも「必殺タマつぶし」は彼の代名詞といえる必殺技。
相手の股下に潜り込み、文字通りキ◯ンタマを引き千切る大変下品な技だがその威力は凄まじく、1個取られれば平衡感覚を失いまともに歩けなくなり、2個取られると去勢されオカマになってしまう色んな意味で恐ろしい技である。
本作のスピンオフ『どらン猫小鉄』シリーズでは主役を務める。


・アントニオJr

声 - 山ノ内真理子(1期20話まで)→太田淑子/横山やすし
アントニオの息子。通称はジュニア
父アントニオと瓜二つの外見をしており、首元に巻いた黒斑模様の赤いスカーフがトレードマーク。
父の死後「堅気屋」に現れ、父の死の要因となった小鉄を怨み決闘するが、小鉄が一切反撃・抵抗せず捨て身の説得を行なったことにより和解。以後は小鉄を慕うようになった。飼い主となった百合根に対しても、彼の度を越した猫好きに若干引く事はあれど「オヤジ」と呼び懐いている。小鉄を追い詰めた格闘能力の高さは本物で、彼も規格外の強さを持つ作中随一の実力者
親父に似ず思いやりがあり、義侠心にも溢れた律儀な性格。また若さ所以か生真面目で熱血漢の一面も持ち、トレードマークのスカーフも野良猫排除運動によって仲間を失い、その運動の中心人物であったペット組合会長の自宅を襲撃した際に組合会長が着ていたガウンの切れ端を使ったものである。
一方で毎年春や秋になると『ノイローゼ』と称して中二病気味のポエマーと化したり、小鉄の本気の実力見たさに敵に彼の情報を売る等お茶目な一面も持ち、度々小鉄を呆れさせている。


・アントニオ

声 - 飯塚昭三/横山やすし
百合根光三の飼い猫で、故人(猫?)。通称・アントン。お好み焼きが大好物。
ジュニアの父親にあたるが、若い頃は女性関係に節操がなく好き放題にやっては多くの猫たちの恨みを買っていた様子。
あのテツをして「土佐犬でも噛み殺す猫」とまで言わしめた程の実力者であった様だが、小鉄を襲撃した際に返り討ちにされた挙句キ◯ンタマ一個取られて惨敗。以降はすっかり弱ってしまい、その後いじめていた近所の犬に噛み殺される壮絶な最期を遂げた(なおその犬は後にテツに噛みついたところ、逆に噛み殺された)。彼の死をキッカケに百合根はヤクザ稼業から足を洗い、アントニオは『堅気屋』の店内に剥製として鎮座し、奪われたキンタ◯マも小鉄によって幕の内弁当みたく手厚く埋葬されている。
死してなお飼い主の百合根は毎14日にお経を唱え、事ある毎に外に剥製を持ち出しているがその度に様々な騒動に巻き込まれ、ぺしゃんこにされたり、水につけられたりとろくな目に合わない落ち着かない剥製として存在している。


・クルミ

ある日西萩にふらりと現れた真っ白な猫。関東のヤクザの飼い猫でジェラールという名前だったが、テツにどつかれて傷物になり棄てられ、紆余曲折ありコケザルの飼い猫になる。
元々ブルジョアで嫌味な性格だったが、野良生活にもまれた結果冷めた性格になってしまった。


・ロック

里子の飼い猫。もともとは秋田県でブイブイ言わせていた野良猫だったが小鉄と出会ったことがきっかけで散々な目にあい小鉄を恨んでいた。
石の首飾りを付けていたため里子にロックと名付けられたことで里子に恩義を感じており、彼女のためなら過激な言動・行動も辞さない。


【余談】

物語の舞台は大阪市にある「頓馬区西萩」という架空の地名となっているが、実際は作者の故郷である西成区の花園北地区がモデルとされている。ちなみに、このエリアには1973年までは「西萩町」の地名があった。
本編では「西萩」という駅が登場するが、これも南海電車の萩ノ茶屋駅がモデルとされる。

コナミからファミコン用アドベンチャーゲーム「じゃりン子チエ ばくだん娘の幸せさがし」が発売されている。ジャンルはアドベンチャー。何気にクオリティとしてはかなり高く、キャラゲーとしての出来もいい。興味があるなら是非手に出してやってみてや~!
ちなみにあまり知られてはいないが、PSでも2作発売されており、中身は上記のFC版とは全くの別物で1個はパチンコ、もう片方は花札となっている。

2020年にはJR西日本の「大阪環状線改良プロジェクト」の一環で、本作とのコラボで新今宮・天王寺エリアを紹介する「徒歩13分のタイムトラベル」なる企画が実施された。
この企画では25歳(本作から15年後)のチエが実写で登場しており、チエはスタートアップ企業のCEOでバリキャリなる設定になっている。

2021年には同じく関西を代表するお菓子である「パインアメ」とのコラボで、終了以来24年ぶりとなる新作漫画が同年8月7日の朝日新聞(大阪版の夕刊)に掲載された。これはパインアメ70周年および掲載翌日の8月8日が「パインアメの日」にちなんだもの。






チエ見てみぃ!こんなトコロにワシらの記事が出来てるど!
って何じゃこの記事!ワシの説明ボロクソやんけ!なんでワシだけこんな扱い受けないかんのじゃ!クソッ!おもろない!ワシおもろないど!
何!?誰でも好きに追記と修正が出来る?ははーんそんならワシが書き換えたろ!まずはヨシ江のボケと花井とそれからクソババ!
ワシ怒らせたら怖いで〜?

来週のじゃりン子チエ、「追記・修正お願いします」!

見たってや~~!!

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最終更新:2025年03月10日 00:28

*1 仕事で使う算盤だけは得意

*2 ヤクザ側からすれば極めて対処に困る存在である故、嫌がられるという側面も大きい。

*3 お面を被ったりして表情を隠すと賭博所荒らしができるほどに強くなる

*4 本人曰く無実の罪とのことだが…。

*5 全員がテツが付けた渾名で呼び合っていた・花井夫人とミツルが訪問した時に点呼して集合写真を撮ったなど、相当な影響力があったということになる。

*6 文字通り、木製の椅子の座面の部分を貫く正拳突き

*7 延髄部分へのドロップキック、食らった空手道場の師範代は食らって20年後にポックリ逝った。

*8 スペイン語で蠍の意味。尤も何故スペイン語を用いたかは不明だが。

*9 テツ曰く『大ボケの逆エビ固め』