七七(原神)

登録日:2024/06/06 Thu 14:00:00
更新日:2025/02/04 Tue 15:57:06
所要時間:約60分で…何だっけ?忘れた。




「七七、キョンシーだ。・・・ん?あと何だっけ。」

七七(ナナ)とは、HoYoverseが運営するオープンワールドRPG、原神に登場する人物。




プロフィール


誕生日:3/3
所属:不卜廬(ふぼくろ)
神の目:氷
命ノ星座:法鈴座
武器:片手剣
CV:田村ゆかり

薬舗「不卜廬」の薬採り兼弟子、紙のように白い顔色で不死身。口数が少なく、あまり表情がない。
(ゲーム内プロフィールより抜粋)



概要


璃月港に店舗を構える薬屋、不卜廬にて店主である白朮(びゃくじゅつ)の手伝いをしている少女。
外見こそ年端もいかない幼女だが、一度死にかけて蘇ったキョンシーの為見た目に対して年齢は数百歳と高齢。要は合法ロリ
だがキョンシーの特性上か人格はリアルな幼女のそれ。
口調はやや舌っ足らず気味、かつ抑揚の少ない淡々としたもの。表情の変化もやや乏しく、冷たいお人形のような印象を受ける。
ただ全く感情表現が出来ない訳ではなく、とても嬉しい時やがっかりした時などははっきり解る程度に声色が変わる。
またパッと見冷たく見えても、行き倒れを運んで来たり、困っている子供を連れて来るなど基本的には優しい良い子。
子供特有の純粋さもあってか感受性も比較的高く、人の内面的な本質を見抜く力は強め。

しかし身も蓋もない言い方をすれば屍の体同然ゆえに脳の回転が鈍い為か、
記憶力が非常に悪いという日常生活で割と致命的な体質を抱えている。
その記憶力のなさは今話そうとしていた事を忘れる、という日常あるあるに留まらず、
薬の調合を忘れる事は日常茶飯事、師匠である白朮の顔も覚えておらず、
果ては親しい友人の事すらたまに思い出せない、と人間関係の構築に支障が及ぶレベル。
当人はそれをあまり気にしてないが、問題とは認識している為大事な事をメモに書き留め凌いでいる。
とは言え何でも忘れてしまうかというとそうでもなく、強く心象に残る事はある程度記憶する事が可能。
記憶力強化の為の脳トレにも勤しんでいる。
ちなみに現行明確に忘れなさそうな人物は白朮を筆頭に、往生堂の堂主であり天敵胡桃(フータオ)*1、そしてプレイヤーたる旅人の3名である。

その他、キョンシーである事には不便も多く、放っておくと死後硬直で体が動かし難くなる、*2
暑い場所に行くと体に支障が出るなどの弊害も多い。
これに対し何も手を打っていない訳ではなく、例えば体の硬化に関しては柔軟運動を日課にして対処している。
その様子は待機モーションで「一、二、七、七・・・」という掛け声と共に披露してくれる。かわいい。
暑さに関しては特に明言はないが、元素スキルの説明を見るに神の目の力で対策しているのだろう、多分。

一方不便な事ばかりでもなく、その肉体は驚くべき力を行使する事が可能。
キョンシーは本来誰かの勅令で動く物だが、七七はその来歴上自身にその勅令を下せる為、自発的に普段制限している力を使えるのだ。
ただしこの勅令にも、物理的に不可能な事でも実行出来るまで止まらないという欠点がある。
薬草を採りに行って崖の途中で引っかかる事もあるらしい。そういう時は白先生が探しに行くとか。
尚この勅令は彼女に直接強い愛情を、具体的には抱き締めた上で、それを伝える言葉をかけてあげれば解除可能。
だが肝心の白朮が行っても効果はいまひとつらしい。彼の事情を考慮するとやむを得ない所か。
現在では「一定の時間が過ぎれば必ず不卜盧に戻って来る」という勅令を事前に下す事でこの事態を回避している模様。

好きな物はヤマガラ、そしてココナッツミルク。
ヤマガラには強い愛着があるようで、旅人と一緒に飼いたいと明言している。
また親友ヨォーヨの事は「ヤマガラみたいでかわいい」と表現しており、彼女に対する好意の強さが透けて見える。
ココナッツミルクは冷たくて美味しい、との事。ただし彼女に味覚はない。

ちなみに、前述の通り基本的に冷淡ではあるが、物事の好き嫌い、特に好意に関しては比較的解り易め。
旅人との親交次第では、かなり重めの愛情の籠った台詞を向けてくれる。
正直そっち方面に定評のある綾華や申鶴と良い勝負。幼女とは言えやはり氷元素の女・・・

後、死に近い存在である為か、霊的な物を引き寄せたりする事もある。
夜に日課の柔軟体操をしていると、この時間帯に一人でいるのが不自然な程幼い女の子の気配を感じるとか。
一方で、死にまつわる物、振り撒く物を非常に忌避しており、そういった気配を感じた場合徹底的な排除に固執する模様。
抱えている事情もあって、生に対する執着は非常に強い。



ゲーム中での活躍


メインストーリーである魔神任務第一章、第二幕に登場。

岩王帝君の暗殺事件を経て、彼の葬儀である葬仙儀式を進める道中。
必要な道具の一つである永生香を求め不卜廬へとやってきた旅人一行の前に、不在の店主白朮の代わりに姿を現す。
この際のカウンターからひょっこり顔だけ出す仕草にやられた紳士諸君は多いだろう。
自身の常識から外れた事情を説明する七七に面食らいながらも目的の物はないかと旅人が聞くと、
本来必要な処方箋なしで売る代わりに、ココナッツヒツジなる伝説の獣を狩ってきて欲しいという依頼をされる。
永生香は儀礼用である為処方箋は必要ないのだが、
七七は自身に処方箋なしに物品を売ってはいけないと勅令を下していた為、このような事になってしまった。
ココナッツヒツジは見識に優れた鍾離でさえ知らない獣だったが、正統な葬仙儀式を行う為旅人達はこの依頼を承諾する。

しかし、幾ら山中を探してもココナッツヒツジは見つからなかった。
それもそのはず、七七は好物であるココナッツミルクが羊から採れると勘違いしていたのである。
最初からココナッツヒツジなんて生き物は存在しなかったのだ。
当初はがっかりする七七を見て申し訳なさを感じていた旅人とパイモンも、事実を知って呆然としていたが、
丁度良く出かけていた白朮が帰還。事情を聞き彼から苦笑されつつも無事永生香を購入する事が出来た。
支払いに駆けつけたタルタリヤも話を聞いて死ぬ程爆笑していたが。

尚、ココナッツミルクだが、タルタリヤが値引き事前交渉の際に持って来る事を約束してくれた。良かったね七七ちゃん!
支払いは300万モラが299万モラになっただけだがな!

なお完全に余談だが本人とこのくだり自体は特に関係はないにもかかわらず甘雨が風評被害を受けまくる事になっている。
というのも七七が「ココナッツヒツジは半仙の獣」と勘違いして思い込んだことで、
実際に仙獣の血を引いている上にツノもそれっぽくカウベルっぽい首輪をつけてる彼女に結びついて流れ弾が飛んだのであった……



以上。これ以降の出番はなし。
要は璃月の一住人としての依頼人、兼コメディリリーフである。
勘違いからプレイヤーを振り回す立場だが、渾身のあざとさ満点ムーブもあって反感は持たれ難い。
七七当人に関係はないが、この際に修理した巨大弩弓、帰終機が留雲借風真君の目に留まり、この後の大事件の解決に寄与したので結果オーライと言える。
まあ魔神任務にはこういう顔出し程度の出演も多いし、大体はその後伝説任務(キャラスト)やイベントで掘り下げがあるのだが・・・



このキャラ、最初期からいるキャラにもかかわらず未だ自身の伝説任務がない。



現時点で固有の伝説任務は実装済みの星5キャラほぼ全員に実装されており、そうでなくともそれ相当の間章が大体用意される。
だがこの七七ともう一人、刻晴だけは何故か最初期からいるにもかかわらず伝説任務が実装されていない。
もっと言うならイベントシナリオへの出演も少ない。何度か端役出演があるのみ。
刻晴が一度メイン出演のイベントシナリオを別衣装スキン込みでもらっているのを考えると、相当な差である。

補足しておくと、日頃不卜廬の手伝いをしている関係で他の事をしている余裕は少ないという事情はある。
縁者である白朮が草元素の神の目の持ち主である事が草元素キャラが実装されていない時点で明らかだったので、
彼のプレイアブルまで本格的な動きを温存していた可能性も否定出来ない。
事実、今までの璃月が舞台の恒例イベント、海灯祭においては祭には参加せず、白朮を手伝っている様子が確認出来る。

そして、2024年の海灯祭イベントではついにヨォーヨと一緒に参戦。
当日までは例年通り白朮の手伝いをしていたが、友達の誘いがあったという事か当日は送り出してくれた。
ムービーの開始と同時、璃月港をヨォーヨに手を引かれ走る七七を見た時驚いたプレイヤーも多かったのでは?
イベント後には隠し会話を聞く事も出来、ヤマガラの凧を贈られヨォーヨに素直な好意を伝える七七の姿を見る事が出来る。てえてぇ。

更に2024年実装の新コンテンツ、「幻想シアター」*3では初開催では氷元素が選出されなかった為参加出来なかったが、
代わりにコンテンツ内でのサブコンテンツ「空想の軌跡」の初期対象キャラとして選出。
クリア報酬として移動時の特殊エフェクトがスキンに先んじて実装された。*4
参加にはLvが最大値である90までの育成、好感度もMAX近い8を要求され、
肝心の秘境の内容も七七(と同行キャラであるフィッシュル)の性能を理解していないとクリア出来ない物だが、
逆に言えばそこまで七七と付き合っている旅人であればそう難しい物でもない為、彼女に思い入れのある方は是非挑戦して欲しい。
ちなみにエフェクトは霊魂が七七を追いかけて来ると言う物。でもおどろおどろしいというよりはちょっと可愛い。
また、空想の軌跡実装から暫く経った2回目の幻想シアターでは氷元素が選出された為七七も参戦。
これによって待望の休憩所における新録台詞が聴けるようになった。
しかし下記の来歴の項頭に記した台詞が彼女の設定を考えると人の心とかないんかって感じでかなりアレ。

その他の印象的な出番では、白朮の伝説任務における物が挙げられる。
事件の発端となる少年を不卜廬へと連れてきたり、いつも通り白先生を手伝ったりと助手ムーブを発揮。
一方で白朮を監視していた胡桃の視線に怯え、仕事どころではなくなる場面も。
場面の節々で胡桃から逃れるべく、隠れ潜む七七を見つける事が出来るので探してみよう。

+ 以下白朮伝説任務ネタバレ注意
色々あった末に、白朮は患者を救う為実験段階の不死の秘術を施す事を決意、結果キョンシーが璃月に一人増える事となる。
当人に家庭がある為不卜廬預かりとはならなかったが・・・
それに際し日常生活をしっかり過ごしてもらう為、先輩として七七が日頃の心得を指導する事になった。
先輩風を吹かせつつもメモ取りを教えた直後に次の心得を忘れる事でその重要性を証明する七七ちゃんかわいい。

尚、キョンシー化に際し患者の性格は特に変わらなかったので、七七の冷淡な性格は元からの可能性が強まった。

+ そして五度目の海灯祭では
Ver5.3で開催された海灯祭イベントでは、遂に白朮と共に本格的な出番が到来。
当イベントは胡桃が主役である事が発表されていたが、後に前提推奨任務に白朮の伝説任務が挙げられていた為
不卜盧組の出番があるのでは?と予想したファンも多かったが、その通り待望の本格出演となった。
尚衣装スキンは胡桃と香菱に枠を取られまたも逃した。もう一着位千織さんに作ってもらっても良いじゃないですかホヨバァー!

内容としては一日目こそ不卜盧サイド的には白朮メインで話が進んでおり、七七の出番はなかったが2日目以降出演。
裏で起こっていた璃月中を覆いつつある死気絡みの事件の重要ポイントに意図せず遭遇し対処しようとした結果、
死気を吸って弱ってしまったりなんと天敵胡桃と死の境界で遭難してしまったりとかなりの受難振り。
しかし最終的には旅人や魈の助けもあって無事胡桃、及び彼女に同行していた藍硯共に生還。
幸いキョンシーの体ゆえ大事にも至らず翌日には復調し、事件の原因であった死気を取り除く為の八門七門の儀式に自ら協力を表明。
その際不卜盧を訪れていた胡桃から、「どこにいても安全で、全て上手くいきますように」という願いのこもった吉語銭*5を渡される。
この時胡桃は儀式の主導となる死門を引き受け、表には出さないようにしつつ内心死を覚悟した上で未練を残さないよう不卜盧の面々に挨拶をしに来たのだが、
七七はそれを察してか察さずか、少なくとも助けてもらった恩や優しさからの思いやりも含めて危険に赴く彼女を案じる言葉を贈った。
そしてその後のメインムービーでは燃える儀式台を眺め、白朮の手を握りつつも胡桃を案じるやたら力の入った顔のアップが2回のズームを挟んで映された。

このように、胡桃や白朮、魈との人間関係の深掘りや、自身が使う術の源流とおぼしき無妄童子や雲来釣爺の存在などかなり七七に関する話が多い一幕であり、
人気キャラである胡桃の掘り下げも含め七七のファンのみに限らず好評の多いシナリオだった。
また某落ちものパズル風ミニゲーム、八奇乱闘でもプレイアブルキャラとして使用可能。厳密には彼女達を模した籐人形だが。
全体的に、今後の海灯祭にも出番に期待が出来る内容と言えた。

と、白朮の実装、及び友人であるヨォーヨの登場をきっかけに今後も七七の掘り下げが進んでいく事が期待される。
後述する背景のドラマティックさもあって、彼女に関連したシナリオが面白い物になる事は間違いないと思われる、備えよう。



+ 見つかった?
実は一回だけ、一章以外にも本編内に出番があったりする。
間章第一幕、申鶴と一緒に浮生石を現場に運んた翌日、
再び申鶴との会話を終えた後港の造船所に行くと、そこに七七の姿を見る事が出来る。
話しかけると以前仙人達の力を借りて撃退した脅威の再来を予見した凝光が、人間達の力だけで璃月港を襲う何かに敗北した場合、
最悪の事態は回避出来るよう七七を配備した事を聞ける。白朮が良く貸してくれたな。
どうやら住民の避難を行っていたようだが、子供の言う事と誰も信じず、難儀していた模様。
しかしそれでも自分に与えられた目的を果たすべく、万が一の場合には皆を守る意思を表していた。良い子過ぎる。

尚この隠し会話、ほぼノーヒントである為見るのが難しい。*6
気にせず一本道で進んでいくとほぼ間違いなく聞き逃すのでこれから、と言う人は気を付ける事を推奨する。



来歴




「物語って、なに?文字にすれば、忘れなくなるの?」

「七七に物語って・・・あったっけ?」



七七の来歴だが、前述の通り出番の少なさの為ゲーム中での情報は少ない。
彼女の好感度を上げる事によって読む事が出来るプロフィール項目のストーリーにのみ、大まかな内容が記載されている。

今を遡る事数百年前、人の世界の間では最早当人の記憶の中にすらない物語。
璃月のとある地に、かつての薬草採りの少女であった七七の姿があった。*7
ある日の事。いつものように薬草を摘みに行った七七だが、誤って仙境、仙人の世界へと足を踏み入れてしまう。
更に運の悪い事に、その時仙境では仙魔大戦なる仙人達と悪しき魔物との戦争が行われており、
巨大な争いに巻き込まれた七七は、その余波によって負傷し瀕死の重傷を負ってしまう。
見知らぬ地で訳も解らないまま、次第に薄れゆく意識。
そんな中で七七の頭の中にあったのは、死にたくないという恐怖と、生への渇望、そして今も帰りを待っているであろう家族の記憶だった。

「もし過去に戻れたらいいな・・・」

もう一度家族に会いたい。
幼き少女の強く、純粋な願い―――双眸から零れ落ちた涙は、天へと届いた。
雫はいつの間にか降りていた神の目へと零れ落ち、彼女は常人を越える力を手にするに至る。
その生への執着とも言える力は凄まじく、仙境を跳梁跋扈する魔物の群れを次々と打ち払っていく七七。
そしてついには、たった一人で仙境を襲った災厄、仙魔大戦を終結へと導いてしまった。
だが幾ら神の目の所持者と言えども、力を得たての状態でこれだけの規模の戦闘を単身行い無事で済む訳でもなく、
七七は今度こそその命を失いかけてしまう。
その様子を見ていたのは、そこに住まい、恐らくは先程まで魔物共と戦っていたであろう仙人達であった。
彼等はこの本来知る事すらなかった争いに巻き込まれし少女を哀れに思い、慈悲をかける事にした。
それは仙境に伝わる、死に瀕した体すら生を与える不死の力、キョンシーの秘術。
幾人よりの仙力を注がれ、不死の力に満ち溢れていく肉体。
同時に彼等はその最早常軌を逸した身と力を認め、そして巨大な争いを鎮めた名誉を称え、彼女に尊名を与える。
『救苦度厄真君、起死回骸童子』
こうして仙人達の目に留まり、仙号を与えられた七七はその力を得て黄泉返った。

だが、その代償は当事者である仙人ですらも予想出来ない物だった。
元より神の目を授かったその身の力が強大だった事もあったのか、
巨大な仙力を注がれた七七はその力を制御出来ず暴走、悪しき魔物以上の災厄となってしまう。
その様子を見た仙人達の一人、理水畳山真君は、やむなく自身の持つ琥珀の力によって彼女を封印する事にし、
激しい戦いの末、七七は琥珀の中で深い眠りにつく事になった。*8



「嫌だ・・・」



それから遠い遠い時間―――娘の帰りを待つ家族すらも、遠い過去の存在となってしまう程の長い時間。
実に数百年の時を経たある日の事、とある山中で中に少女の眠る巨大な琥珀が発見された。
何故こんな事になったのか、発見した人々には知る由もなかったがこのままにしておくのも不憫だと思った人々は、
彼女を往生堂へと運び葬ってやる事にした。その中で眠る少女が、未だ尚生きているとも知らずに。
その道中は険しい物であり、何度もその道中でどこかしこにぶつけられた琥珀は小さな損傷を重ねてしまう。
また、数百年という長い年月もあって封印は摩耗を避けられず、それは中の少女が破るに申し分ない程弱まっていた。

そしてある夜、琥珀の中の少女―――七七は再び眠りから覚め、その封印を破壊する。
幸いな事にキョンシーの身となった事でその忘却の性質が上手く働いたのか、目覚めた彼女が暴走する事はなかった。
代わりに七七は生前の僅かに残った記憶の欠片に従い、かつての習慣通り山奥へと向かう。

「ははっ・・・どうやら神も、狂妄なるこの私に生と死の掟を探るお許しをくださったようです。」

そこで出会ったのは、かつての自分と同じくこの山中に薬草を摘みにやって来た緑髪の男であった。
この出会いは完全に偶然であったが、不死の秘術を追い求める彼にとって、目の前に現れた少女の存在は渡りに船と言える物だった。
こうして、七七の新しい人生と生活が始まる事になる―――



と、まあ要約すると、
  • 家族を手伝って真面目に生きていた少女が事故で異境に迷い込んでしまう
  • 折悪くそこで戦乱に巻き込まれ瀕死の重傷を負う
  • 神の目を得て危機を退け、そこにいた仙人達の善意で助かる、と思いきや暴走。長い時間を封印されて過ごす
と短期間で余りある程の不幸と理不尽を叩きつけられている。
しかも封印から解けたら解けたで、
  • 封印されていた事自体はバッチリトラウマとして記憶していると思われる*9
  • 数百年の時間が経過している為、かつて願った家族との再会が永遠に叶わなくなってしまう
  • どころかその願いや家族の記憶自体キョンシー化の影響で忘却してしまっている
  • 再会が叶うとすれば自らも人生を終わらせ、輪廻の輪の中に戻るしかない
  • だが上記の通りかつての願いさえ忘れてしまっている上、死にかけた恐怖は残っているのか常人以上に死を忌避している
  • かと言って生きていれば生きていたでヨォーヨ達親しい人間に先立たれてしまう事は決定事項
  • 加えて白朮が不死の秘術を完成させられなかった場合、また独りぼっちになってしまう可能性すらある
  • 一緒にいてくれそうでかつ長い期間同じ時間を生きられるだろう旅人でさえ、兄妹が見つかればテイワットを離れてしまう
と、幼い少女が背負うには余りにも重過ぎる業を背負わされてしまっている。
本作には他にも辛い過去を背負った人間が多くおり、その背景には目を覆いたくなるような物も多いが、
そう言った人物は多くが旅人達の活躍によって救われ、これからの人生に良い兆しが見えているのに対し、
七七の受難は今後も生きている限り続き、しかも本当の願いを叶え、自らの業から逃れる手段は死しかないと最早何が救いか解らない状況になっている。
胡桃の言動にも一理あるような気がしてくる。少なくとも白朮が許さないが。
せめてどこかに彼女の家系が残っていればとも思うが・・・

の狭間で翻弄され、その両面の重さに振り回されている悲劇の少女。それが七七という人物である。
それを彼女が理解していないのが唯一の救いと言えば救いである・・・大切な人との離別を以って理解する事も予想出来るが。
いつか彼女が出会いと別れを繰り返して成長し、自分の手で何かを選択出来る程になった時。
その時まで側にいて、目一杯の幸せと愛情を注いでやる事が今旅人たるプレイヤーに出来る最善と言えるだろう。
願わくば彼女が、永劫を生きるにしても輪廻に還るにしても、自分の納得のいく選択を選べる事を祈るばかりである。



人間関係


自身の忘れっぽさ故、その交友関係は狭い。
反面、物珍しいキョンシーであるという事から一般の認知度は璃月港内では高く、彼女の事は知っている、会った事があるという人は多い。
また来歴上仙人サイドの人物も、その存在自体を認知している人物は多い。

◆白朮

「仙人様ですらあの子を不憫に思い、『此岸』に引き留めようとしたのですから・・・
私がその成り行きに従って、あの子を引き取ったことも、何ら間違ってはいないでしょう?」

現在の保護者兼お師匠様。
自身の目的である『不死の秘法』の完成の為、仙人によるその秘術の実例として七七を引き取っている。
ただ、自身の目的の為に利用している代わりに面倒を見ている、と自身の主張する関係性はややドライ気味。
もっとも感受性の強い七七はその事を見抜いており、その上で自分と普通の人間と変わらない日常を提供してくれたり、
何度仕事を失敗しても辛抱強く接してくれている彼に感謝を向けている。
実際やや胡散臭い印象こそある物の、不死の秘法を手に入れるという目的の動機も含めた白朮の善性や優しさは隠せないのだろう。
その事実をしっかり忘れないよう、七七は自身の想いをメモに書き留めていた。

「白先生、考えごとがあっても、全然言ってくれない・・・『死』が大嫌いなのに、いつも『死』を探究してる・・・よく分からない・・・
でも大丈夫。七七、分かってるから。白先生、いい人。」

しかしその良心の呵責ゆえか、白朮は自らを『いい人』と呼ばれる事を否定し、その記述を破り捨ててしまう。
それは再びそう思われるまでの先延ばしに過ぎないのかもしれない。もしかすれば既に何度も行っている事なのかもしれない。
ただ、その関係性が多少歪だったとしても、白朮が生きている限りこの師弟の繋がりは続くのだろう。
たとえこの先、どれだけ彼女の気持ちを無駄にするとしても。

+ 以下Ver5.3海灯祭ネタバレ
五度目の海灯祭では前述の通り本格的に七七とイベント出演。
年に一度の祭の裏で璃月中に広がりつつある不穏な空気を医者の立場から懸念していたが、問題視されていた軽策山方面から七七が戻ってこないという事態に。
この頃には「一定の時間が過ぎれば必ず仕事を打ち切って戻る」と自身に勅令を下す事で薬草採りに行ったきり戻って来ないという事案はなくなっていた為、彼女を信用していた白朮も深刻に状況を懸念。
冒険者協会にまで依頼を送った上で、旅人に助力を申し出た。
この時の白朮の心境は明らかではないものの、珍しく焦っているような風であった上出来得る限りの手を尽くしていた為、七七に一定以上の心配はかけていた事が解る。
結果、七七は旅人達の助けもあって無事帰還。その際の様子は魈が送り届けた為定かではないが・・・
後日には八門七門の儀式に協力する事を決めた七七に付き添いとして同行。
儀式の最中には、胡桃の身を案じる彼女の手を優しく握っていた。恐らくは少しでも安堵させようとしていたのが伺える。
その行動で『いい人』を否定するのは無理だと思います白先生。

このように、本質的に自覚があるのかないのかはさておき、少なくとも七七にとって白朮は父親代わり同然であり、不卜盧は帰るべき家である。
そう見るとこの事件の顛末は普通の少女だった頃の七七が果たせなかった「家族の下に帰りたい」という願いを果たせた結果となっており、かつての悲劇の回避に成功している。
今度はこの暖かい場所に少しでも長くいられる事を、願わくばいつかは本当の家族に一目でも会える事を祈るばかりである。


◆桂、長生

不卜廬の同僚である一般人と、白朮の契約者である白蛇の姿の仙人。
当然同じ店で過ごす間柄ゆえ、七七の事は認知しているが、これと言った印象が言及された事はない。
長生の方は少し小馬鹿にしたような喋りを七七に向けているが、別段特別彼女にだけそうという訳でもないので良く解らない。
桂に至っては本当に良く解らない。白朮の背景を読むに、普段から二人で彼を手分けして手伝っているのが解る位である。

ちなみに、Ver5,3の海灯祭にて、長生が無茶苦茶上手い七七の声真似が出来る事が判明した。
メタ的には担当声優の演技力の賜物。真面目にゆかりんがそこだけ演じたのかと一瞬疑わしく感じるレベル。

◆胡桃

「七七ちゃんを見かけた?どこにいるか教えて!あの子をどこかに隠してそれから・・・えへへへへ!」

何の因果か彼女の名と同じ、往生堂第七十七代目堂主にして璃月港屈指の変人。
死者を在るべき所に送る使命を持つ胡桃にとって、死にながらに生きる七七は黄泉路へと送るべき迷い子である。
故に胡桃は七七を葬ってやるべく彼女を誘拐、火葬しようとした。当人の同意なしに。
胡桃の言い分も間違ってはいないが、人を襲っている訳でもない七七の事情も知らず無闇に葬ろうという行動はやり過ぎである。
この児童誘拐、猟奇殺人に等しい蛮行は白朮が何とか水際で食い止めているが。良く千岩軍のお世話にならないなこの路上詩人。
また初犯最初に失敗した際、胡桃は七七にお詫びの手紙を書いているのだが、
その内容が自分の不手際でいかに上手く埋葬してやれなかったかを詫びる物であった為、白朮の頭痛と七七の不信は強まる事となった。
そういう訳で七七にとって胡桃は不倶戴天の天敵であり、
人に対して悪印象を持つ事の少ない彼女が唯一「嫌い」「殴りたい」とまで言及している人物である。ある意味すげえよこの変人。

「高温、嘘の笑顔と・・・死、嫌い。」

ただし、胡桃はあくまで己の役割を全うしているだけであり、七七に嫌がらせをしようという気はない。
寧ろ当人の事は気に入っており、縁あらば仲良くなりたいとすら考えている。
ただ往生堂堂主としての使命と本人のズレた感性が相まった結果、アプローチを致命的なレベルで間違えているだけで。
結果、何度も追いかけ回す内に七七の生への執着を疑問に思った胡桃はその動機について気になるようになり、
何と最早忘れ去られたに等しいその来歴を調べ上げるに至っている。さり気にとんでもない事こなしてんなこの堂主。
この理不尽な悲劇に対しては流石に思う所があったようで、以来胡桃は七七を無闇に攫ったり埋葬しない事を白朮に誓っている。

尚肝心の七七に対する交流はそれまでの前科もあって絶望的。追いかけ回す行動は改めてないし。
項頭の台詞も七七の事情を知った後の発言である可能性が強く、*10最早ストーカー同然。
もっと言うなら上記の台詞の「えへへへへ!」の部分は実際に聴くとそんな生易しい物ではなく、活字にするなら「うへ、うへへへへ・・・」というへんたいふしんしゃさん染みた何かである。
少なくとも年頃の娘がしてはいけない表情をしているであろう事だけは確か。
そんな訳で二人が親交を芽吹かせるのは、難しい問題があると言えるだろう。

しかしながら、たとえ嫌いな人物であっても七七にとって貴重な『覚えていられる人物』であり、
また数少ない人間側の立場でありながら七七の事情を完全に知っている人物でもある。
いつか少女が不死を捨て、命の理に沿った道を逝く事を選んだならば、その時思い出すのはあの殴りたくなる顔だろう。
それが代替わりする程の遠い未来であったとしても、胡桃の遺志を継いだ人物が彼女を送り出す手伝いをしてくれるはずである。
そういう意味で、胡桃もまた白朮達とは違ったベクトルで七七を救い得る道標でもあるのだ。

+ 以下Ver5.3海灯祭ネタバレ
胡桃主役で話が進んだ五度目の海灯祭では、上記で記した七七との関係性が明確化。
本来の目的を果たすならば絶好の機会とも言える死気を吸って弱った七七を前に、彼女を励ます言葉を投げかけ続け旅人の救援が来るまで意識を保たせた。
これにより、平時の言動からやや疑わしかった「取り敢えず七七ちゃんを見守る」というスタンスはしっかり遵守している事が明らかに。
なので意識を落とさないようにいつもの埋葬ジョークを藍硯の逆催眠誘導に乗せてラップ調で投げかけた事は許してやって欲しい。

また死を覚悟して八門七門の儀式に臨む際、胡桃は一切の未練を残さないよう不卜盧の面々に挨拶に向かうのが、
その際七七には「七七ちゃんがいなくなったら白朮が困るからずっと元気でいてね」といった旨のメッセージを吉語銭を通して送っており、その事実を強調している。
同時に「もしいなくなったら埋められなくなるので次に自分が困る」とも言っていたが・・・自分が死を覚悟している事を悟らせまいとする為の言動なので、どうか一つ。
これには純粋に七七も助けてもらった感謝と、何となく不安を感じており、その感情を明言する事はなかったものの胡桃を案じる言葉を返した。

「胡桃、うまくいきますように。」

もしかしたらこの二人が仲良くなれる日は、そう遠くないのかもしれない。*11


◆ヨォーヨ

「七七は一番の友達だよ!たまにヨォーヨのことを忘れちゃうけど、わざとじゃないって分かってるから。
メモを見るように言えば、すぐに思い出してくれるから。」

七七にとって数少ない同年代、と言えなくもない友人。
当人の性格もあって何かと七七を気にかけており、良き友人関係を築いている。
どこかすっとぼけたマイペースな七七と、人の世話を焼きたがるヨォーヨでは何かと噛み合うのだろう。
ただし、自分の事を忘れられてしまうのは何も思わない訳ではなく、表面上気丈に振舞っていても内心堪えている模様。
それでもヨォーヨはこの交友関係を止める気はなく、何とか自分の事を覚えてもらおうと努力しており、
たとえ上手く行かずに一生忘れる度に伝え続ける事になろうとも、七七の親友で居続ける事を決めている。ヨヨ七尊い。

初登場となる三回目の海灯祭に際しては、その関係性はボイスモードで語られるのみであったが、
続く四回目の海灯祭でついに直接的な描写がされるに至り、彼女の想いの深さが改めて言及された。
自分の事を覚えてもらえるよう、自身を思わせるお日様のような黄色で塗られたヤマガラの凧を作る様子は何ともいじらしい。
幸い、七七のヨォーヨに対する印象は「ヤマガラのような愛らしさ」であり、その点でもヨォーヨを覚えてもらうに相応しかったと言える。
この一件以降、七七がしっかりヨォーヨの事を忘れずにいるかについては言及がないが、
後日の隠し会話にて贈られた凧と一緒に寝ても良いか、と聞いており、少なくともこの贈り物に対して並々ならぬ感謝を抱いている事が解る。

「ありがとう。ヨォーヨ、好き。」

恐らくは朝起きて真っ先に見るこの凧から、毎日ヨォーヨの事を思い出すのだろう。

◆魈

璃月を守護せし降魔大聖。という立場であるが、七七の側には魈に対する面識はない。
ただ戦いに明け暮れて来た魈の立ち位置を考えると、仙魔大戦に参加していた可能性は高く、
その際まるで自らと同じく幾多の魔物達を薙ぎ払う七七の姿を見た後、暴走した彼女と戦ったのかもしれない。
下記の台詞は、その時の事をうっすらと思い出した際の物である可能性も否定できないだろう。

現在でも度々会う機会があり、三回目の海灯祭の期間中には行き倒れた魈を七七が不卜廬まで運んだ事もある。*12
その際白朮は看病の末薬を処方しようとしたが、先に目が覚めた魈は黙って出て行ってしまう。
彼曰く、人間の薬は仙人には効かないとの事で、無駄な事をさせまいとその身に宿る業障の影響が及ぶ事も含めて気を遣ったのだろう。
しかしその後も白朮は彼の身に効く薬を研究しているようで、2024年の魈の誕生日イラストでは薬を七七に運ばせているであろう様子が見られる。
七七はその目的を忘れてしまったが。

+ 以下Ver5.3海灯祭ネタバレ
五度目の海灯祭では、死の境界に入り込んでしまった七七達の救援に旅人と同行。
魈本人が直接境界に赴く事はなかったが、要所要所のサポートで救助に活躍。
目的を無事果たした後は、意識を失いかけていた七七を不卜盧まで運ぶといつかの恩を返す形となった。

「会ったことあるの・・・?」



その他にも重雲、行秋等璃月の少年達が彼女の秘密を追うも、資料が見つからず不卜廬まで直接聞きに行ったが白朮に追い返される様子があったり、
仙人の事情にある程度詳しい重雲や実家のコネがある行秋でこれなのに某堂主本当すげえな。
同じく璃月の少年である嘉明が怪我薬を買いに不卜廬に来た際に柔軟体操を教えたりと、些事ではあるが他のキャラとの繋がりもある。
そういった程度の繋がりは七七の側からは忘れてしまう為、親交が中々深まり難いのが現状だが、
コミュ力高めの嘉明なんかはその内仲良くなれそうな気もする。今後に期待しよう。
また、父に仙人を持つ煙緋はある程度彼女の事情を知っているようで、
強大な力を秘めながらも平時無闇にそれを振るわない七七に対して感服しており、いずれ大事を成す器だと評価している。

また、ゲーム外での話になるが、モンドの幼女枠であるクレーとの交流がちょくちょく描かれたりする。
三回目の海灯祭を記念して作られた短編アニメでは、彼女に手を引かれ屋台の間を駆け巡る七七が見られた。
気合の入った作画で七七のキラキラした表情がアップで写されるシーンはファン必見。
まあこの後いつものドッカーン!が発動してオフで来ていた大マハマトラが出動する事態になったがな!*13
更に同年の夏に公開されたPV動画では彼女と一緒に何と遠く海を挟んだ島国である稲妻まで遊びに行き、そこで出会った宵宮とひと夏の冒険を楽しんでいた。
こう言った要素は本編に関わりがあるか不明である為、この辺りの展開が持ち越される事は期待できないが、
そんな世界線があるなら作中でもこの組み合わせが見られる可能性はあるという事である。新しい同年代?のお友達が出来る事に期待しよう。



ゲーム中での性能


氷元素、片手剣の星5キャラ。いわゆる恒常、限定ガチャの両方から排出される可能性がある恒常星5キャラの内の一人。
簡潔に説明すると回復性能にガン振り、と言うかほぼ全振りしたヒーラー性能特化キャラ。
通常攻撃、元素スキル、元素爆発という3種の行動全てから回復行動に繋げられる全キャラ通しても奇異な能力の持ち主。
また、基本ステータスがキョンシーの肉体という事を反映してか全て高く、特に防御力は900越えの全キャラ中第4位となる。
その為、余り意識される事は少ないが回復効果の起動条件も相まってタンクとしての要素も併せ持つ。
ちなみに幼女体型キャラの片手剣使いはVer5,3時点で彼女のみ。

尚、本作のヒーラーの回復効果はHPステータスに依存する事が多いが、七七の回復値は攻撃力依存である。
地味ながら間違え易いので育成の際は気を付けておきたい。

◆通常攻撃 雲来古剣法

振りの早い最大5段の剣撃。
解り難いが3段目~5段目の間で得物を両手で右→左→右と受け渡している凝ったカンフーアクション。

本当に振りが全キャラ通して早く、片手剣持ちのキャラの中では最速クラス。
その代わり倍率は控えめで、手数は稼げるがダメージを取る性能はイマイチ。
それもそのはずで、この通常攻撃は元素スキルから繋げて回復を取る使い方がメインとなる。

重撃は素早く斬り付ける二連撃。こちらは倍率がそこそこ高いが、硬直が長め。
とにかく通常攻撃によるヒット数を稼ぎたいヒーラー型の場合あまり使わない。
使うとすればアタッカー型がコンボの締めで火力を伸ばす目的での運用である。
回避の難しい幼女体型キャラゆえスタミナの消費にも気を付けたいが、ここぞで格好良くキメてやろう。

◆元素スキル 仙法・寒病鬼差

「生生流転。」

七七の立ち回りの根幹を担う元素スキル。寒病鬼差(かんびょうきさ)なる霊魂を呼び出し、周囲をグルグル回らせる。
主な効果は二種類あり、一つは氷元素による攻撃、もう一つは回復効果。
効果時間15秒の間、発動時とそこから3秒毎に一度に付き2ヒット、合計10ヒット分の氷元素攻撃と、
発動時と5秒毎に1回発生する合計4回の回復を行ってくれる。
効果は七七が裏に引っ込んでも持続するので、サポート効果は高め。

ただし追撃のダメージ倍率は低いのであくまで氷付着目当てで取る程度。
付着量もそこまで多くなく、かつ頻度も合間時間が大きいのでダメージ目当ての溶解反応は七七側で起こす公算が大きく不向き。
どちらかと言えば相手の動きを止められる凍結、及び物理防御デバフ目当ての超伝導狙いで使うのが良いだろう。

本命と言える回復効果だが、こちらはかなり高め。
一回当たりの回復量も中々で、合計すると相当な量を回復してくれる。
また効果時間中に七七が通常攻撃を当てる度、パーティ全員を回復してくれる特性まである。
こちらの回復量は然程高くないが、効果時間の長さと先述した七七の通常攻撃の速度を考えると合計回復値は馬鹿に出来ない。
もっと言うならこの回復効果と当人の防御力の高さから、激しい敵の攻撃を矢面に立って耐えてもらい状況を立て直すという使い方も。

他にも短距離だが水上を凍らせて渡る事が出来ると探索面でも絶妙に便利。我が名は海上渡氷真君なり。
CTの関係で永続して渡る事は不可能だが、空中を高速で飛べる放浪者やチャスカや、同じく水上移動に制限があるマーヴィカと組み合わせれば更に長距離も高速で渡れるだろう。

ネーミングは恐らく寒氷と看病を掛けた洒落か。

◆元素爆発 仙法・救苦度厄

「聞き給え、ここにて命ずる。」
「我が名は度厄真君なり。」

七七の持つ仙法の極み、本来の救苦度厄真君たる力の片鱗。
凄まじい冷気と度厄の札を撒き散らし、敵対する苦厄を打ち払い、守るべき者を救う秘法。

周囲に氷元素ダメージを放ち、同時に攻撃を受けた敵全てに度厄のお札を付与する。
ダメージ効果の方は効果範囲がそこそこ広く、元素付着の面でも一瞬で大量の氷元素を付与する為優秀。
倍率も低くはないのでダメージを取れなくもないが、やはり本命は回復効果。

お札が付与された敵に攻撃を当てると、その攻撃を当てた味方のHPを回復する。
こう聞くとドレイン効果を連想するが、回復量は七七自身の攻撃力依存。高い回復倍率もあって、攻撃を当てさえすれば一定の回復が見込める。
効果の有効間隔は1秒と短く、一方お札の効果時間は15秒と長い。まさに苦厄から人々を救う力と言えよう。
ただ、爆発に必要なエネルギーが80と最重量クラスとなっている。
懸念点がこれだけなら元素チャージを十分に稼ぎさえすれば特に問題はないのだが…。

フレーバー的には自らに勅令を下した七七が、本来の力を限定的に開放するというもの。
しかし七七は自分に秘められた力が常軌を逸した物である事は理解していても、救苦度厄真君の名は忘れてしまっている。
恐らく発動時は無意識的に忘れてしまった名前を勅令の形式として口にしているのだろう。

発動時の台詞が『ダーク真君』に聞こえるというやや厨二病染みた空耳が有名。
ボイスモードではちゃんと度厄真君と聞こえるので、七七の抑揚の小さい声がSE等で潰れてしまい易い事によるものだろう。

◆固有天賦 延命妙法

パッシブ1。元素スキルの効果時間中、元素反応を起こした味方の被回復量が20%上がる。
効果を受けるのは反応を起こした側である事は注意が必要。
もっとも素の回復量が高いので平時ではそこまで意識する必要もない。

◆固有天賦 玉籖偶開

パッシブ2。爆発で付与される度厄のお札が50%の確率で通常攻撃と重撃に付随するようになる。
通常攻撃に回復効果が付与される珍しい効果。効果量は爆発の天賦レベルが反映される為、回復量も多め。
ただ効果時間が6秒と短く、効果CTは30秒と冗談みたいに長いので常用は難しい。あくまでオマケとして割り切ろう。

◆固有天賦 往時記憶

パッシブ3。いわゆる便利枠。画面左上のミニマップに璃月特産の場所がマークされるようになる。
自らの突破素材である瑠璃袋を含め、璃月特産は探すのが面倒な物も多い為実用度は比較的高め。



さて、これだけ聞くと、このゲームに明るくない人間であれば、
滅茶苦茶回復してくれるじゃん!じゃあもう無敵じゃないか!最強キャラか?と思う人も多いかもしれない。

しかし実際の評価はかなり低く、寧ろ星5最弱キャラとして挙げる旅人も多い。
確かに回復に関しては他の追随を許さない程に凄まじいのだが、他の部分に問題点が多いのである。
以下にそう判断される問題点について記す。

1:回復以外の役割に乏しい

確かに回復能力だけは全キャラでもトップクラスであり、その生存性能は極めて高い。
しかし現環境で評価されるヒーラーが何かしらの副次効果を持つのに対し、七七はそれらの能力を持たない為他のヒーラーより低く見られがちである。
実際問題として七七の回復能力は過剰とも言える数値であり、
その辺の敵を簡単に倒せるようになると、アクションゲームであることも相まって大きなダメージを受ける状況が減っていきその高すぎる回復能力を持て余すことが多くなる。
結果、「過剰回復気味な七七より、回復以外の能力を持つヒーラー、ないしは他の役割のキャラを採用したい」という状況になり易い。

現に、採用率の高い他のヒーラーに言及すると、

・爆発で特大の攻撃力バフに加えて継続回復まで行えるベネット
・爆発による広範囲拡散で強力な連携が可能で、星座を重ねれば攻撃速度バフや風デバフもこなせるジン
・元素スキルにより継続回復と強い水元素付着で反応の下地を作り、爆発時はタンクアタッカーもこなせる珊瑚宮心海
・回復量の計算に元素熟知も参照するためヒーラーでありながら超開花サブアタッカーにもなれる久岐忍
・CT10秒の元素スキルでチーム全員を大回復し、爆発では継続回復に加えて中断耐性付与と草反応バフも行える白朮
・強烈な落下攻撃バフを持ち、本来アタッカーではないキャラさえも一線級のアタッカーに改造出来る閑雲
・緩い条件でお手軽に被結晶元素のデバフを行え、相性の良い外付け要素や凸でバフまで行えてしまうシロネン

と、誰も彼も火力に直結し易い効果を持っており、これらのライバルを差し置いて七七を採用したいパーティはほとんどない。
更に同じ氷元素には、

・シールド付与、確率だが大量の粒子生成、完凸すれば元素熟知バフとマルチな能力を持つディオナ
・スキルのみならず爆発でも継続的な元素付着が行え、粒子生成量も多いシャルロット

と、あろう事かレアリティの低い星4キャラに多くの役割を持たせ易いか融通の利き易いヒーラーが存在しており、その競合にすら頭を悩ませる。
シャルロットはリリースから3年以上経ったVer.4.2のキャラである為仕方ないかもしれないが、ディオナに至ってはVer.1.1での追加キャラである。
ついでに言うなら上記のベネット、ジンも七七と同じ最初期キャラであり、
しかも同じ恒常星5組のジンはともかく、ベネットも星4であるこれは炎神がおかしいだけだが。
Ver.1の段階から他のヒーラーとの有用性に差を付けられていれば、評価が芳しくないのも無理はない。

2:立ち回りの基点になる元素スキルに欠陥が多い

先述した七七の立ち回りを行う上で基点になる元素スキルである寒病鬼差。
確かに継続回復と元素付着を行ってくれる良いスキルだが、先の説明には意図してぼかした致命的な欠点がある。

この元素スキル、ヒットしても元素粒子*14を生成しないという悪い意味で貴重な性質を持つ。
その結果、七七だけでなくパーティ全体の元素爆発の回転率が落ちる事になり、
ただでさえ攻撃性能に乏しい七七を採用している分下がっているパーティの攻撃性能が更に下がり易くなってしまう。
1の項目で挙げられたヒーラーキャラ?当たり前のように生成出来ますが?
そのくせ自身の元素爆発は先述した通り必要エネルギー量が80と多く、回転させるのは非常に困難。

更にこれだけ致命的な弱点を持ちながら継続時間15秒に対してスキルCTが30秒という冗談のような重さであり、
何らかの手段で埋め合わせしない場合15秒間も何も出来ない時間が出来てしまう。
スキルCT21秒の行秋でさえ相当重いと言われるので、30秒がどれだけ長いかは言うに及ばずだろう。*15
しかも七七はスキルが機能しない期間も長い。
一応、爆発によるお札は15秒継続の為、爆発とスキルを交互に回せばその問題は解決するし、
ローテーション中2巡で1回撃つ程度ならばそこまでチャージ要求は多くはない。
しかしそれを解決したとしても、結局味方の爆発が回し難いという問題は解決しないし、しようがない。

それを鑑みると、スキルによる元素粒子が出ない上にCTも異常に長い七七は立ち回りで他のキャラに大きく差を付けられている。
これだけ制限がかけられていては、取れる戦略や装備も限られており、使い勝手の悪さは否めない。

ちなみにこれは、原神最初期のスキルヒーラーが、七七に限らず重い調整がかけられていたのが原因。
実際他の元素スキルから粒子が出ないキャラは、同じくスキルで全体回復が出来るバーバラと、
スキルでシールド展開、効果中に爆発を重ねる事で全体回復が出来るノエルの3名である。ちなみに両者とも星4。
尚そのスキルCTだがバーバラはデフォルトなら32秒、2凸で約27秒まで短縮。
ノエルは24秒とこちらも長めだが、パッシブにより表で切れ目なく殴り続ければ実質20秒前後になる。
何で星5の七七が一番長いCT30秒をきっちり払わされてるんですかね。

だが、岩神鍾離の上方修正により、彼のシールド強度と展開時の中断耐性が大幅に上がった結果専業ヒーラーの立ち位置が低迷。
結果、次に登場したスキルヒーラーである珊瑚宮心海は先の規制を大きく緩和した性能での実装となり、
上で説明した各種便利要素に加え、スキル継続12秒に対しCT20秒、粒子生成もありと大きく使い勝手が向上した。
現行では心海に限らず、最早星4のスキルヒーラーであっても元素粒子が出るのが当たり前の仕様となっている為、
この状況を疑問視するプレイヤーも多く、粒子生成を行えるようにして欲しいという声も少なくない。

3:命ノ星座が弱い

これまでにも軽く触れているが本作にはいわゆる凸システム、命ノ星座が存在する。
無凸では使い辛さがあるような部分が、1凸するだけで大きく改善されたり、
星5完凸という多大な苦労を掛けた日には、思わず絶句するような強さを発揮したりもする。
七七は恒常キャラである為望む望まざるにかかわらず顔を見る機会が多く、プレイ歴の長い旅人である程凸が進む傾向にあるのだが・・・

先の性能説明でこの辺りをぼかしている事から察している人も多いだろう。
七七の星座はとんでもなく弱い。恒常枠だからってわざとそう調整しているのかって位弱い。

◆第1重 寒苦回向
1凸。お札の付与時、元素スキルを当てる事によって七七のエネルギーを2回復する効果。
元素粒子を生成出来ないデメリットを緩和する効果だが、七七自身のエネルギー回復に留まるので味方の回転率には寄与しない。
地味に効果条件もやや面倒で。スキルCTを埋め合わせる関係上爆発とスキルは交互に使う事が推奨されるが、
基本お札は爆発で付与するのでその観点からイマイチ噛み合わない。効果量がそこまで多くないのもマイナス。
かと言って通常攻撃付与版のお札は効果時間6秒と短いのでただでさえ少ないエネルギー回収量が更に下がる。

恐ろしい事にこれでも比較的実用的なので、七七の星座の中ではまだ強い方。

◆第2重 氷寒蝕骨
2凸。氷元素の影響を受けた敵に対する通常攻撃、重撃のダメージ15%アップ。
何故か唐突にアタッカー路線が提示される。しかも効果は通常攻撃と重撃のみ。元々の倍率が低いのにそれをカバー出来る程の効果量もない。
一応、回復値が攻撃力依存ではある為アタッカー路線と共存させる事は可能だが、
元がアタッカーを意識されてない七七は、他に必要なダメージバフや会心系ステータスの確保に難儀しがち。
加えてこちらも対象に氷元素付着時と地味に条件が面倒。スキルと爆発が回し難い七七に付けて良い条件ではない。
何より、メインアタッカーをやらない場合ほぼ死に星座というのも痛い。

尚この星座を突き付けられた為か、七七は初期サポートキャラの中でもメインアタッカー使用者が多め。

◆第3重 昇天宝誥
3凸。一般的な天賦レベルの底上げ。七七の場合はまず爆発が対象となる。

◆第4重 天威圧衆
4凸。お札付与時に対象敵の攻撃力-20%。
効果対象がお札という事は、爆発を回さないと効果が維持出来ないという事である。このキャラの爆発の回転の悪さは散々説明した通り。
通常攻撃による付与版でも効果は発動するが、その場合効果時間6秒、効果CT30秒と非常に短く、敵によっては攻撃モーション中にデバフが解ける。
加えて苦労して爆発を回しても結局やってる事は生存補助なので七七の運用の問題点は何一つ解決していない。最早テキストが白紙同然。
この凸の弱さは最早伝説レベルで、原神に存在する全キャラの星座の中でも最弱筆頭候補とまで言われることも。

◆第5重 紅蓮開花
5凸。3凸同様の全キャラ共通枠で、こちらは元素スキルのレベル底上げ。

◆第6重 起死回骸
完凸。
救苦度厄真君、起死回骸童子たる七七の引き起こす奇跡の最高峰にして真骨頂。
元素爆発の副次効果にパーティ全体にかかる蘇生効果が付与される、非常に派手な効果である。
この手の蘇生効果を持ったキャラはVer.5.0時点で七七とバーバラの2名のみと極めて貴重。
しかもバーバラ完凸による蘇生効果は前線のキャラが落ちた時に自動発動する効果なのに対し、こちらは能動的に、かつ複数名蘇生出来る。
蘇生時のHPは最大値の半分だが、これは戦闘不能状態からHPを50%回復している扱いなので、治癒効果アップが乗る。
七七本人の突破ステータスが治癒効果アップである事を考えれば、実質7割程度での復活になるだろう。
まさにいかなる苦厄をも退け、起死回生の一手足り得るその名に相応しい効果と言える。

いや生存補助はもう十分なのでは?!と思った貴方、正解である。
派手でこそあるがこの効果も結局は生存補助なので、七七の運用の問題点の解決には一切寄与していない。
と言うか回復のエキスパートである七七がいる状況で誰かが戦闘不能になる方が珍しい。
しかも細かい問題点は他にも散在しており、
  • 蘇生効果は爆発に付与される為、運用の難儀さから使いたい時に使えない可能性がある
  • 蘇生したキャラの元素エネルギーは0になる*16ので、元素爆発を再度使うにはエネルギーを0から貯め直す必要がある。それも粒子生成できない七七を抱えた上で
  • 蘇生効果は戦闘不能の味方がいる時点で強制発動。その為やや融通が利き辛い
  • しかし一度発動してしまうと15分というスキルCT以上に冗談を通り越して笑うしかないCTがかかる*17
  • パーティ単位で戦うゲームの為一人落ちると全体が機能し辛くなる。その為安牌の使い方は誰か落ちたら即使用。全体蘇生の意味がソロでほぼない
  • 本作のエンドコンテンツ、深境螺旋は区間毎のやり直しが可能。事故って誰か落ちたら即リトライが基本の為結局ないのとほぼ同じ効果
  • かと言ってフィールドでは蘇生効果料理がCT5分で使える為大体そっちで良い*18
総じて、他の星座に比べればまだ役に立つ場面も有り得るが、これだけの噛み合わなさを考慮すると完凸も微妙という結論に至る。
一応長過ぎるCTに関してはVer.4.3でのアップデートによる「秘境挑戦の度に各種CTがリセットされる」という調整の恩恵を受けており、
螺旋の各間の移動や週ボス挑戦の度に蘇生効果が使い直せるようにはなっているが・・・*19

総合的な評価はもう言うまでもないが、恒常とは言え星5の星座なのか目を疑うレベルであり、星4を含めても星座性能では最弱クラス。
つまりは凸効果でさえも、このキャラの使い勝手を良くする事が出来ないという事である。



気付いた人もいるかもしれないが、七七が弱キャラたる所以は偏にゲームシステムとの噛み合わなさにある。
初期のヒーラー特有の強い風当たりを受け、科せられた重過ぎる制約。
キャラが育ち立ち回りが突き詰まれば、強敵相手にも火力や回避で立ち回れるようになり回復が不要になり得るという扱い。
最近ではアタッカーでありながら高火力と自己回復を両立できるキャラまで登場したソーシャルゲームとしてのインフレ。
ヒーラーが必要になり易い高難易度でも、多くの報酬を求め出すと強くなるタイムアタック要素。
全てシステム面という根本が、七七というキャラクターに逆行している。

一応、七七の強みとして他プレイヤーと並行して戦うマルチプレイがある。
他のキャラと同時戦闘を行うマルチならば、自分が回復している間に周りが火力も粒子も出してくれる都合、七七の弱みが顕在化し辛い。
逆に他プレイヤーからすれば幾ら無鉄砲に突っ込もうと勝手に回復しているのだからやりたい放題である。
完凸効果が決まってピンチを捲ろう物なら、効果のレアさもあって拍手喝采だろう。
初期スキルヒーラーの異常な使い辛さは、この面も考慮して調整されたと思われる。
だがマルチプレイ方面の発展は現在ほぼ停止しており、その意義はフレンドや野良旅人と遊びたい時にプレイするに留まる。
効率を考慮した場合マルチは一切プレイする必要はなく、この点でも七七のゲームシステムからの嫌われ振りは加速してしまっている。
おまけに璃月の特産品を探す要員としても、同効果の天賦を持つ星4の煙緋にその出番すら取られてしまいがち。
更にはアタッカー運用する上の主軸である物理がシステム的に不遇、終いにはVer.4辺りから草元素反応がなく凍結が対策され気味な氷元素の不遇が叫ばれるなど、
Ver.4~Ver.5辺りの本作においては最早七七の持つ全要素がしんどいという始末である*20
キャラ背景が不憫過ぎるのにゲームシステム面からもここまでの仕打ちを受ける必要がどこにあると言いたくもなろう・・・
彼女が何をした。良い子なんだぞ。

以上の側面から、残念ながら七七を真剣に運用しているプレイヤーはお世辞にも多いとは言えないのが現状である。
編成を考えれば他のキャラで良いという状況に陥る事が多過ぎるのは、否定し切れない事実としか言えない。
効率だけを追い求めるプレイをするのであれば、彼女が旅の仲間として加わる機会は―――
































「また、封印されるの・・・?」






























確かに七七は、現状テイワットという世界の理を見れば、辛く苦しい立場にいる事は間違いない。
だが、もし、もしあなたが、彼女の手を取って旅をする事を選ぶのであれば、迷う事は何もない。思うように遊んでみれば良い。
何せプレイヤーたる降臨者は、自分の意思で自分の道を選べるどこまでも自由な旅人なのだから。

それに、もしテイワットに来たばかりの駆け出し旅人なら、七七の有用性は極めて高い。
何せその生存性能は全キャラと比べても極めて高いのだから、全滅してしまう危険は極端に下がる。
身の丈に合わない強敵や、思わぬ難敵に遭遇してしまった時、あらゆる苦厄を跳ね除ける彼女は最も真価を発揮するだろう。
回復性能だけはすば抜けている関係上、コンテンツを取り敢えずクリアさせてくれる能力自体は高いのだ。ただ時間がかかるだけで。
また、新要素である週ボスや深境螺旋の敵すら霞む地方伝説の実装も、七七にとって追い風である。
時間制限なしで戦う事になる強敵である彼等に対しては、彼女の圧倒的回復力が活きて来る場面も多い。
加えて少しずつではあるが七七の強化要素も実装されており、使い辛さや弱みはある程度解消されている。
これからもそう言った仲間や武器が増えるのを、辛抱強く待つのも悪くはない。
かの不卜廬の主人がそうしてきたように。

勿論、旅の途中で十分強くなり、彼女の助けを必要としなくなったのなら一度離れるのも良いだろう。
冷淡なようで優しい彼女は、何も言わずに手を振ってまた誘ってくれる日を待っててくれるはずだから。
逆に、もしあなたがずっと彼女と一緒にいたいと思うのならば、彼女の弱さも受け入れた上で、強さを信じて共に行くべきだ。
その気になりさえすれば、いつかは星と深淵の果てにだって共に辿り着けるだろうから。*21

あなたがその崇高さを失わない限り、世界はあなたとあなたの仲間の為に開かれるのだという事を、どうか忘れないで欲しい。





























「昔は生きることだけ考えてた、生きる理由も分からなかったけど・・・今はあなたと生きていきたいと思う。ず、ずっと・・・」





























「一緒にいてくれる?本当に?」






























「うん、あなたは七七が守るから!」










ビルド、編成


散々回復しか出来ない事を強調してきたものの、やはりそれを頼りにする関係上七七を使用するのであればヒーラー運用が基本となる。
幸い地の回復能力は高いので、サブオプ目当ての聖遺物厳選に走る必要性はこちらなら低く、必要な武器も入手性が良い。
レベルも最大80程度あれば不自由せず、最終突破すらボーナスステータスが治癒効果なので足りていると思うなら必要ない。
総じて育成難易度が低く、その意味でも初心者からすれば有難い。

逆にアタッカー運用は修羅の道への始まり。
幾らあっても足りない攻撃%+会心系サブオプ目当ての聖遺物厳選に、武器ガチャに挑戦しての強い武器の入手・・・
控えめに言って、テイワットの暗部に幾度となく立ち向かう事になる。せめて武器は入手性の良い物を使うのも手である。

◆聖遺物

ヒーラー運用の場合、メインステは時計、盃に攻撃力、冠は治癒効果が安定択。
先に書いた通り、メインステだけ合わせておけばその役割を十分こなしてくれるだろう。
羽、花のサブオプで攻撃%が付いてる物を選べれば完璧と言える。

特に有用なのはヒーラー専用聖遺物、『海染硨磲』だろう。
この聖遺物は回復効果起動から3秒間の回復値を計上し、時間が来ると回復値の合計分の物理ダメージ(上限3万)を与えられるという効果を持つ。
聖遺物から直接ダメージを出せる一品だが、本業ヒーラーの回復能力がなければ使いこなせない。つまり七七ちゃんの出番だ!
こいつのお陰で普通に回復するだけで打点が出せるようになり、七七の火力事情は大分変化した。
しかもダメージが会心に左右されず、回復値のみを参照するので初心者にも極めて高火力が出し易くなっている。
現行七七を運用する気ならまず候補に挙がる聖遺物なので、まずここから始めるのが良いだろう。
ちなみに普通にアタッカーをやるにしても有力な選択肢。
何をやろうと七七は回復行動を行う都合、効果ダメージが良いサブ火力になり得る。

アタッカー運用の場合は時計に攻撃力、盃は物理ダメージ、冠に会心系と一般的な構成で構わない。
ただ突破ステータスに頼れない分地力の確保に苦労する事になるので、その辺をカバーしたりダメージを伸ばせる物を取るのが重要となる。
もう一度言及するが厳選難易度は相当高い。心して挑もう。

一般的なのは『蒼白の炎』+『血染めの騎士道』の複合2セット。物理ダメージバフを極限まで積んだ型である。
それぞれの4セット効果は七七には少々扱い辛いが、スキル起動が条件の蒼白なら瞬間火力は2セット複合より出るのでお好みで。
他には会心率を特殊条件下で補填出来る『ファントムハンター』辺りが選択肢。
ただし、後述する特定キャラとの組み合わせが必須な点は注意。
いっそ攻撃ヒット時に確率で基礎ダメージを上げられる『来欽の余響』でパチンコするのも良い。七だけに!
通常攻撃の振りの速い七七なら、上振れさえすれば恩恵も大きいだろう。

他の役割で変わった所だと、元素スキルを当て続けられる限り全体に攻撃バフがかかる『千岩牢固』辺りが良い感じか。
この場合、スキルを継続出来るかが問題になるので武器は祭礼剣一択になる事に注意。
ややネタ気味だが、『華館夢醒形骸記』でトップレベルの防御力をガン上げしてタンク性能特化にするのも悪くはない。
現在では入手不可能だが、武器にシナバースピンドルを持たせれば実に3000オーバーという凄まじい防御力に到達する事も可能。
またタンク性能を利用し、烈開花反応を起こす目的で『楽園の絶花』を持たせ元素熟知をガン積みするパターンもある。
下準備にベネット完凸が必要だが、これで炎付与された通常を振るだけで簡単に大ダメージが出せるし、反動ダメージも即座に回復出来る。
かなり熱そうなので、七七にこれをやらせるのは心が痛むかもしれないが・・・

◆武器

ヒーラー運用ならステータスで選ぶより、効果で欠点を解消してくれる物を選ぶのがベスト。

まずお勧めされ易いのは、スキル命中時にスキルCTをリセット出来る『祭礼の剣』
長過ぎるCT30秒の踏み倒しは極めて大きく、七七にとって神剣とも言える武器である。星4なのも嬉しい。
効果発動には表に出ている必要がある、最大精錬で発動率8割とネックも多いが、矢面に立つ事が多く手数も多い七七には問題にならない。
ただ、七七の運用に慣れると元素スキル→爆発を交互に使う取り回しを覚えていく。
他にこの武器を持たせたいキャラも多く、その中には七七と一緒に運用し得るキャラもいる為慣れたプレイヤー程卒業しがち。
しかしローテの均一化を図れる利点はやはり大きく、最初はこれを持たせるのが安牌。

他には会心発動時に元素粒子を生成出来る『西風剣』がお勧め。
元素粒子を生成出来ない七七の弱点を埋められる神剣その2である。こちらも星4。
効果発動には会心を発生させる必要があるが、攻撃は何でも良いのでこちらも手数の多い七七とは噛み合い、慣れたプレイヤーはこちらに乗り換えがち。
サブステがチャージなのも相まって、七七の爆発の回転も現実的になる。厳選は必要だが。
問題点は優秀な武器ゆえに、こちらも取り合いになる事、そして多少会心率を意識しなければならない事か。

ヒーラー型で高級品を持たせたいなら、シロネンのモチーフ武器である『岩峰を巡る歌』が良い。
通常攻撃を2回当てるだけという立ち回り上七七に取っては無いも同然の条件で、味方全員にダメージバフを配る事が可能な控えめに言って壊れ武器である。
しかもこのダメージバフ値は防御力を参照するので、基礎防御力の高い七七が高い効果を出し易く、彼女の火力貢献し辛いという弱点を埋めてくれる。
ただし使いこなす為には防御力に加え、回復量維持の為攻撃力、そして祭礼や西風を手放す関係上元素爆発を2ローテに1回程度回す為の元素チャージが必要。
早い話本来ヒーラー型では不要なアタッカー型と同様程度の聖遺物厳選が要求される。
それでも現行サポーター七七の究極系の一つの形ではあるので、彼女に愛を注ぐ旅人は試してみるのも良い。
尚この武器を使う場合、聖遺物を『在りし日の歌』『灰燼の都に立つ英雄の絵巻』辺りのバフ効果がある物にして特化させるのもお勧め。

他の選択肢だと、フォンテーヌの世界任務(サイドストーリー)を進める事で入手出来る無課金武器、『水仙十字の剣』が良いか。
サブステが攻撃である為七七と噛み合っており、アルケー攻撃が可能となる為特定の敵限定だがメタが張れる。
基本的には祭礼、西風を調達出来るまでの繋ぎだが、氷風組曲と言った強敵相手に勇者七七と呼びたくなるような活躍をしてくれる事も。
下位互換だが無課金同ステ武器である妖刀こと『籠鶴瓶一心』も取り敢えず持たせるには悪くない。万葉の伝説任務に感動した人はどうぞ。
上で紹介した熟知特化タンク型限定だが、全体のチャージが盛れる『サイフォスの月明かり』も良い選択肢。

逆にアタッカー武器だと高ステータスの物を持たせたい為入手性が辛くなりがち。
とは言え入手性の悪くない物にも良い選択肢はあるので、そちらも交えて記述していく。

まず選択肢になるのは、物理特化武器である恒常星5武器の『風鷹剣』
高い基礎攻撃力に物理ダメバフのサブオプと物理アタッカー七七にとって欲しい物が揃う武器。
地味ながら武器効果で回復が可能とタンク性能も伸ばせる。モチーフ武器と言っても良い噛み合いである。
武器の出自を考えるとジンのモチ武器感の方が強いけどな!
ただし、会心系ステータスに関する補助は一切なく、この武器を使うなら鬼の聖遺物厳選が必要。
また物理七七以外ではベネットが基礎攻撃力欲しさに握る位、と汎用性が低い武器なので、その面での覚悟もしておく事。
癖のなさで選ぶなら、永遠の2番手たる汎用性の権化『岩盤結緑』が良いだろう。
七七にとっても例外ではなく、HP参照で攻撃力を底上げ出来る効果と高い会心率で必要ステータスを確保し易く、シンプルゆえに強い。
PUされ難い為入手性が凄まじく悪い事だけが欠点。
岩元素キャラの起用が必須になるが、千織のモチーフ武器である『有楽御簾切』も良いだろう。
会心ダメージや通常攻撃ダメージに圧倒的なボーナスが入る利点は高く、課題となる岩元素ダメージもアタッカー運用の場合有用なキャラを編成に入れ易い。

他に入手性の良いものなら、課金要素である紀行、要はパスを進める事で入手出来る武器『黒剣』が良い。
星4武器としては貴重な会心率を稼げる武器であり、更に効果の通常攻撃ダメバフもシンプルだが有用。
通常会心時にHPを回復出来る効果も七七の利点を伸ばしてくれ、無課金だと入手出来ない点とすごく似合わない点を除けば良い選択肢。
デザインを気にしたり課金要素を嫌うなら、ストーリー進行で確実に手に入る『斬岩・試作』が有力。
サブステによる物理ダメバフと武器効果による攻撃力上昇が使い易い一本である。出身である璃月の鍛造武器でもあり、デザイン的に持たせても違和感はない。
七七以外には特に持たせたいキャラがいない武器なので、精錬ランクを上げるつもりなら貴重な武器原型を汎用性の低い星4武器に使う事になる点がネックか。
また鍛造武器なら攻撃力を大幅に伸ばせる『海淵のフィナーレ』も選択肢。
追加のバフは回復阻害効果、命の契約を打ち消さないと得られないが、七七なら自前でこの条件を簡単に満たせる。
効果時間10秒、発動条件がスキルなので七七では効果を完璧に扱い切れず、瞬間火力特化になってしまう点は注意。一方ヒーラー型にも潰しが効くメリットも。

◆キャラクター

性能の尖り振りから、七七と相性の良いキャラはそう多くはない。
だが良くも悪くも役割がはっきりしており、噛み合うキャラとの相性はとことん良い傾向にある。

ヒーラー運用なら火力の出せるキャラ、特に裏から攻撃出来るキャラを使い、追撃やそれに伴う元素反応でダメージを取っていくと良い。
七七の通常攻撃の速度によるドライバー適正と、圧倒的回復による耐久という長所を押し付けられる。
この点で相性が良いのは追撃に加え中断耐性やダメージ軽減、あるいはシールド効果も合わせて付与してくれる『行秋』『北斗』辺り。
前者は水元素、後者は雷元素である為狙いたい戦略、元素反応に合わせて選ぼう。
水枠なら爆発で強力な追撃を入れてくれる『夜蘭』も良い。ダメバフも利かせてくれる為七七自身でダメージを取れるなら尚有効。
ただこれらのキャラは爆発が重い為、粒子生成出来ない七七を入れた上でチャージ支援を考える必要がある。
その点で有力なのは、重い爆発を撃つ程自身の爆発の初撃火力を伸ばす事が出来、また夢想モード中全体のエネルギーを回復出来る『雷電将軍』
将軍視点でも夢想モード中は中断耐性こそ得れどダメージは受けるので、七七の継続回復が噛み合うと相性はかなり良好。
火力こそ低いがスキルで追撃も入る為、超電導で物理デバフを継続させたり、将軍を熟知特化にして超開花を狙うと言った戦略も噛み合いが良い。
開花系ドライバー運用の場合、草元素枠は強烈な元素付着が継続して可能な『ナヒーダ』一択となる。
直接七七と相性が良い訳ではないが、一緒に使う機会はあるだろう。Wゆかりん合法ロリって字面がもう強いしな!

ヒーラーとしてアタッカーを補助する役割で七七を運用するなら、そのメリットがあるキャラで起用したい。
一番有力なのは氷共鳴で会心率を補助出来、物理攻撃を主体とする『エウルア』だろう。
超電導を狙う事でエウルアがメインアタッカー、七七が海染によるサブアタッカーとして機能し易くなる。
両者爆発が重いのが課題点ではあるが、その辺は超電導と合わせて将軍様が面倒見てくれるはずだ。
その他だと通常攻撃が七七のスキル範囲と合わさり易く、まとめて凍結を狙い易い『タルタリヤ』辺りがお勧め。
彼自身の集団性能の高さも相まって、物量で押して来る相手には無双出来る。スキルCTの長さが難儀なので立ち回りは良く考えて。
また命の契約アタッカーである『クロリンデ』とは少し変わったシナジーを形成する。
彼女はスキル効果中の銃撃連打で契約を付与し、十分契約が溜まったら斬撃を放ち契約解除しつつその際の固有バフでダメージを取っていくキャラなのだが、
この斬撃を放つ際、HP上限の100%を越える命の契約を解消して尚お釣りが出る回復を行っている為、
七七の固有天賦で治癒バフを行うと回復量が大きく伸び、七七のスキル効果中は無敵に近くなる。
また自身のスキル効果中、クロリンデは正規の回復を契約に置き換えるので、
七七の爆発を回してお札を付与すると銃撃による契約稼ぎを減らし火力の高い斬撃を高効率で撃てるという裏技も。

アタッカー運用でも上記の追撃系キャラは有用だが、やはりダメージの底上げは課題点である為そこも意識したい。
もっともお世話になるのは『雲菫』か。爆発で大きく通常攻撃の火力を伸ばしてくれる。
こちらも爆発が重いので、チャージ効率は課題となる。将軍様に頼るか聖遺物厳選でチャージを盛っておこう。
その他だと氷共鳴が可能かつ、完凸効果で爆発に物理デバフを入れられる『ロサリア』が有力。自身がサブアタッカーとして活躍出来るのも良い。
変化球ではいっそ氷元素方面に振り切って、通常攻撃を『重雲』で氷付与し、
氷専門バッファー『申鶴』と合わせてスキル爆発である程度ダメージを取れるようにするのも手である。
一応重雲を2凸しているなら長いCTを短縮出来る噛み合いもある。それでも20秒強待たなければならないが。

しかし彼等を活用しても、七七を入れた編成でダメージを取っていくのはやはり難しい傾向にある。
サポーターに回れば火力補助による貢献が難しく、無理にアタッカーをやろうとすれば噛み合うバッファーもあまりいないとどうにも苦しい。
せめて海染以外に、この有り余る回復能力を火力に変換出来る要素があるならば・・・



「歌え!僕の名の下に!」

「これからは一緒に、僕たちの未来を演じよう。」



Ver.4.2にて、フォンテーヌの水神*22である『フリーナ』が待望の実装を果たした。
その性能の目玉は、パーティ全体を自傷させるデメリットを負う代わりに、強力な水元素攻撃を行う元素スキル、
そしてHPの増減で効果量が上昇する強力なバフをパーティ全体にかけられる元素爆発の2点である。
これらはそれぞれサブアタッカー及びバッファーとして非常に強力な効果を持つ反面、パーティ全体を常に危険な状態に晒してしまう。
何せスキル発動中は自陣全体のHPが敵を攻撃している限り減り続けるのだ。自傷は上限の50%で頭打ちとは言え、常時HP半分は中々正気の沙汰ではない。
また、スキルは自傷をコストに火力が上がる、爆発はHP変動がなければバフ量が伸びない、と自傷が頭打ちになると途端に性能が落ちてしまう。
つまり効果の安定にはHPを回復し続けなければならない。回復量が多かったり、全体回復出来ると尚良い。

我等が七七ちゃんの出番だ!

実際、フリーナ実装以降の七七の実用性は格段に増した。
これまで散々言われてきた「回復だけで火力に直結しない」問題が「回復をバフに転化する」形で解決したのだ。
しかもこのバフはパーティ全体に付与される為、サブアタッカーにも恩恵がある。七七が表で殴る程、フリーナも含めたサブアタッカーの火力が伸びるのだ。
一方で自傷によって負うダメージは何も問題にならない。
多少のスリップダメージなど、敵の攻撃も含めて尚七七なら余裕でカバー出来る。
またメインアタッカー運用の場合、上述のファントムハンターが能動的に使えるようになった点も大きい。
実質常時会心率+36%と言う恩恵は、攻撃系ステの確保が難しい七七に取っては非常に有難い物である。

結果、上記に挙げた七七を活用し得る編成は大幅に強化された。
サブアタッカーによって火力を出す編成は七七が前線に立つ関係で極めて安全に火力を出す事が出来るようになり、
アタッカーサポートなら七七がバフに関わるようになる為回復以外の役割が持ち易くなり、
そしてメインアタッカー運用なら実質自分で自分にバフを入れられるようになったのである。
これを躍進と呼ばずして何と呼ぼうか。

ただ当然の事ながら、元より他の役割を持つヒーラーを使う方が火力が伸び易い点は変わらない。
実際フリーナ実装から半年が経過して尚、七七を使うプレイヤーはあまり増えていないと言うのが実情。
同時に上記の氷ヒーラー、シャルロットが実装されたのも向かい風であり、未だ七七の評価は星5キャラの中でも低めである。
しかしそれでも、螺旋12層にさえ耐え得る火力を確保し易くなった今、
パーティの生存性を大きく引き上げられるという意味で、他のヒーラーと差別化出来るようになり得る所までは来たのだ。
アクションが苦手で敵の攻撃ですぐやられてしまう、そんな旅人にとって七七とフリーナのタッグは有力な選択肢になるだろう。
現状の評価に悔しい思いをしている旅人諸君は、どうか現環境における彼女の強さを見せ付けてやって欲しい。



プレイヤーからの扱い


印象としては、やはり幼女キャラゆえの可愛い枠。
ゲーム中でも魔神任務だけ見るのであれば、とても過酷な背景を背負っているとは思えない程のマスコット振りであr「マスコットはオイラだろ!」

そんな中、恒常星5キャラの顔としての側面も強い。
事実、現在の恒常ガチャのアイコンは彼女であり、バナーも堂々とモナ、刻晴といった華やか所と一緒に飾っている。
Ver.5.0の情報公開において恒常星5キャラの定期配布が発表された際には、看板画像で堂々のセンターを張る勢いである。*23
プレイヤー目線で見るなら、性能目当てで限定ガチャを回し仮天井の1/2で彼女が出た時の心象が強いという点もあるだろう。
やや不名誉な呼び名であるが「すり抜け代表」なんて扱いをされる事も。ガチャあるあるネタとしても良く使われる。

ただし、こういった扱いはハズレ枠扱いとしての側面も大きく、良い印象を受けない人もいる事には注意。
ガチャの当たり、恒常の偏りは人それぞれであり、七七が特別恒常枠から出易くなっている訳でもない。
収録祈願で恒常キャラのピックアップもいずれ約束されているとは言え、未だ彼女をお迎え出来ない七七推し真君もいるのだ。*24
そういうネタを振る際は良く空気を読み、ガチャの結果は自分の運次第という事を自覚した上でどうぞ。*25

後はCVが同じ田村ゆかり女史であり、合法幼女枠であるナヒーダと合わせたネタも良く見られる。
先述のガチャネタも合わせて、ナヒーダ狙いで回して七七をお迎えしたプレイヤーが
「CVゆかりんの幼女なので実質ナヒーダ」という幻覚を見るのは草神ガチャの風物詩である。
尚この両名、幼女枠、担当声優という要素以外にも、
  • 実年齢数百歳
  • その内の大半を幽閉されて過ごす
  • 名前が「な」で始まる
  • ☆5キャラ
と、妙に共通点が多い。
現時点でこの二人の邂逅が描かれた事はないが、今後あれば面白いかもしれない。
かつての同僚にどこか似ている白朮の顔を見た笠っちの反応が気になる。

二次創作においても可愛い枠担当である事が多め。
本編で見れない分、ヨォーヨの他にもクレーやナヒーダを代表とした幼女枠キャラと一緒に遊ぶ物が多い。
他には白朮や魈といった面々とのやりとりが一般的。ほのぼのとした日常だったり来歴に突っ込んだシリアスな話だったり。
胡桃との追いかけっこも良く取り上げられる。ver4以降ではフォンテーヌで彼女を訴訟する物まで。
変わった所だと、ココナッツミルクを持って来てくれた縁か、性能面での噛み合いかタルタリヤとの組み合わせも一部で人気。
実際子供好きのタルタルは七七ちゃんと全力で遊んでくれそうである。



余談


ネーミングモチーフは恐らく、仏教における死者が冥土を旅する期間、
及びその死者に現世の人間が祈りを捧げる期間である『四十九日』を表す『七七日(なななのか)』。
初七日から始まって一週間毎に死者は地獄の王の裁きを受け、現世の縁者は仏神に裁きが良い結果になるよう祈りを捧げる。
また、頭に付けられた髪飾りは道中にある三途の川の渡し賃をイメージした物と思われる。
ここに限らず、命ノ星座である法鈴や、星座の各種ネーミング等、七七周りのワードは仏教関係が多い。

背景的な側面では、軽策荘において数字を含む名前は昔から一般的な名前である。
実際、軽策荘のモブにはそういった名前が散見される。その事からも七七が軽策方面出身の可能性は高い。
尚、軽策方面出身でそんな名前っぽいヨォーヨは漢字表記だと「瑶瑶」。「四四」ではない。

彼女の通常攻撃である雲来古剣法は、かつて璃月で活躍した英雄、八奇が一人雲来釣爺が使っていたとされる剣術。
釣りの動きを元に生み出されたと言われ、刻晴も同様の剣術を使用している。*26
古、と間に入っているのは、恐らくより源流に近い形だという事だろう。
つまりどこかで刻晴にあのプリケツムーブが伝わったか自身で改良したという事に・・・
また八奇の中には札を使った癒しの術を使ったとされる人物、無妄童子がおり、七七の術の源流は彼の術だと思われる。
ただの薬草採りの幼女である七七にこれらの術が伝わっているとは思い辛いので、恐らくはキョンシー化の際に仙人達が勅令という形式でプログラミングに近い事を行ったのだろう。

フォンテーヌの世界任務に「ナナ」という登場人物が存在する。
しかも2匹。ペットの犬猫である。自分の名前をペットに付ける事を法律で禁止したフリーナが聞いたらどう思うだろうか。
補足すると、七七の英語圏、中国圏の読みは「qiqi(チーチー)」である。
こちらは英語圏での呼び名も「nana」であり、同名になるのは日本語のみ。ふーん、あなたもナナっていうんだ。

あまりにも長い七七の元素スキルCTだが、実は祭礼剣なしでも踏み倒せる方法がある。
方法も明快で、元素スキルと同時にジャンプを入力するだけ。
これにより何故かスキルの発動を認識した状態で攻撃、回復判定含めてスキルがキャンセルされる。って意味ねえじゃねえか!
と思いきや、七七では能動的な発動が難しい天目影打や波乱月白経津といったスキルが発動条件の武器効果を安定して使えるようになる。
勿論立ち回りは制限されるが、覚えておくと少しだけ幸せになれるかも。
ただしこのアクションは運営側の想定外であろうグリッチ気味の裏技なので、ゲームバランスを崩す類の物ではないがいつ修正されてもおかしくない事は留意しておきたい。
って言うかこれ調整する代わりにスキルから粒子出るようにしてくださいホヨバさん。

命ノ星座の名前だが、単語の意味から恐らく一人の人間が死んで天を巡り蘇るまでを表現している。
あくまでこれが正解だと断定は出来ないが、下記に解釈を記す。

寒苦回向:一人の少女が死に、哀れまれつつ供養される

氷寒蝕骨:その人生は、骨まで蝕む寒さにたとえられる程過酷な物だった

昇天宝誥:経を以て弔われた少女の魂は、天へと送られていく

天威圧衆:そこで少女は、恐ろしい外見の天の使者に会った

紅蓮開花:彼等もその人生を哀れみ、少女を赤い花が咲き乱れる道へと送り返す

起死回骸:そして骸は蘇り、少女は死より戻ってきた

尚、5凸で示す花は死者を思わせる花である彼岸花と思われるが、七七を思わせる花言葉に「悲しい思い出」そして「再会」がある。
いつの日にか、黄泉返りを経て七七の最初の願いが何らかの形で報われる事を示唆しているのかもしれない。
また、何かと因縁のある胡桃のガチャタイトルは、「彼岸満開」である。



「ん、今・・・何を追記修正しようとしたっけ・・・」

七七と一緒に生きてくれる方、追記、修正をお願いします。



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最終更新:2025年02月04日 15:57

*1 往生堂とはつまるところ葬儀屋さん。七七はキョンシー…動く屍であるため善意で往生させてあげようと狙っている。

*2 良く聞くと彼女が動く際、人体からしてはいけない類の軋むような音が聞こえる

*3 指定された元素のキャラクターのみを使って進行していく特殊ダンジョン。詳しい仕様は省くが、ざっくり説明すると最高難易度の場合指定元素キャラが最低でも12人必要なエンドコンテンツ

*4 尚他の軌跡初期対象キャラであるディルック、ジン、凝光、綺良々は全員衣装スキン持ち。ホント七七ちゃんにも早く・・・!

*5 当時の海灯祭で流行していた硬貨、を模した土産品。刻まれた文字によって様々なメッセージがある

*6 会話出来るタイミングで造船所近くに二度程向かう事になるのだが、そこでの会話途中にチラリと平時いないはずの七七が映るのみ

*7 明言はないが、恐らく後述する七七のネーミング的に軽策方面、無妄の丘の辺りだと思われる。それらしき廃村の存在も確認出来、周囲には薬草である瑠璃袋も群生している

*8 先述の廃村付近に巨大な琥珀による隆起が複数起こっている場所がある。理水の棲家である琥牢山から遠く離れたこの地にこのような痕跡が残っている事から、恐らくここが理水と七七が激突した場所と予想される。

*9 戦闘不能ボイスより推測

*10 旅人からの七七について、という質問の返しの為

*11 しかし同イベント内にして、無妄の丘の廃村の惨状は胡桃の父親が儀式に失敗した結果招いた物だと判明した。現状では推測の域を出ないが、もし七七の故郷があの辺りだった場合・・・

*12 自分より幾分か背丈の高い魈を七七がどうやって長い登り階段もある不卜廬まで運んだのかはファンの間での永遠の謎である。膂力は足りるだろうが・・・引き摺られてない事を祈る。

*13 その後のカットを見るにクレーの兄貴分であるアルベドとセノの友人であるティナリが何とか場を収めた模様。ジン団長が来なくて良かったな!

*14 元素爆発を使うために必要なエネルギーであり、一部キャラを除き元素スキルを敵に当てると一定量生成される

*15 ちなみにCT30秒越えは七七の他には同じく初期スキルヒーラーである為過剰な調整をかけられたバーバラ(32秒)の他、タルタリヤ(最大45秒)とアルレッキーノ(30秒)がいるが、バーバラは2凸するとCTが約27秒に短縮される。タルタリヤはスキル使用時間でCTが伸びていくキャラであり、最大値に届く30秒オーバーや強制終了ペナルティによる45秒になる事は極端に少ない。アルレッキーノはスキルを起点にした自己強化中の通常攻撃を当てる度にCTが短縮されるためあまり気にならない。どう頑張ってもマトモに30秒のCTを払わされるのは七七のみである

*16 料理や七天神像で蘇生した時も同様

*17 一応この15分というCTは完凸バーバラの蘇生効果のそれと同じではある

*18 併用出来るメリットはあるので、完全に無意味ではない

*19 余談だが、これを利用して蘇生効果を使う度に適当な秘境に入ってわざとリタイアすれば蘇生効果のCTを踏み倒せるようになった。そこまでする必要があるかどうかははなはだ疑問だが

*20 溶解は氷元素における強い要素だが、前述の通り七七は溶解反応の扱いが苦手なので、その僅かな氷元素の強い要素がピンポイントで使いこなせない

*21 恐ろしい話だが片面七七単騎での深境螺旋12層星9、つまり最高評価クリア者も存在する

*22 誰が何と言おうと水神である。

*23 他の恒常星5キャラのイラストが横向き気味なのに対し、七七のみ正面向きという映えの問題も加味されているとは思われるが

*24 ちなみにモンド組は収録祈願で、刻晴、ティナリ、ディシアは一度ピックアップガチャが開催されているので、七七はVer.4.8段階でピックアップが行われていない唯一の恒常星5キャラである

*25 言うまでもないが、お目当てのキャラを七七が邪魔したせいで引けなかったなどと言う責任転嫁、及び簡単に他人の目に入る場所で爆死の恨み言を七七にぶつけるような言動などは言語道断である

*26 また望舒旅館には普段釣りばかりしているが、かつては神の目まで持っていた江雪という凄腕の剣術使いが存在しており、彼も雲来剣法の使い手だと推測される