登録日:2021/05/25 Tue 11:51:00
更新日:2025/04/10 Thu 12:36:31
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今の東京は魔境や 人がいつどう死んでも関係あらへん
殺してしまえば後のことはどうとでもなる 禪院家当主は俺や
禪院直哉とは、
漫画「
呪術廻戦」の登場人物の1人である。
※注意!この項目にはアニメ未収録のネタバレが含まれます。
概要
呪術界御三家の一角
「禪院家」の26代目当主
禪院直毘人の息子にして、同家が誇る精鋭部隊
「炳」の筆頭。当初は禪院家27代目当主と目されていた特別1級術師。
毛先以外を金髪に染めた釣り目で優男な風貌の
チャラ男で、見た目はほぼ半グレやヤンキー同然。
普段は書生風の着物を着ているが回想ではラフなTシャツとジーパンを着ていたりと、状況に応じて使い分けている様子。
若々しい外見だがなんと
27〜28歳前後。
単行本おまけに
五条悟(28)の一個下と書かれている、つまりあの
ナナミンとタメで伊地知さんより一個上であるこの男。
人物像
べっぴんさんやけど真希ちゃんはアカン アレは男を立てられへん
見かけに違わず言動は軽薄そのもので、関西弁を常用する。
他者を
「~君」「~ちゃん」付けするなど、誰に対しても馴れ馴れしく舐め腐った態度を憚らない。
その本性は
自身の力量に絶対の自信を持つ傲岸不遜な性格。呪術界の有力者にありがちな選民思想に凝り固まっており、力で劣る者を徹底的に見下している。
短気かつ浅慮な側面もあり、遺産相続問題でキレた際は碌に政治工作や下調べも行わず、供回りすら連れず
単身で
東京に出向くなど
考えなしの部分も目立つ。
自分が当主になることを疑っていなかった為か、父・直毘人が峠を彷徨っている間の家族会議の出席すら遅れてやってくるなど素行も非常に悪い、所謂ドラ息子。
父親の訃報を知った途端喜色満面の笑みを浮かべるなど、
そもそも親子の情があったのかも疑わしい。
また上記の発言からも分かるように筋金入りの男尊女卑主義者でもあり、総じて
五条悟が忌み嫌う呪術界の負の要素を凝縮したような醜悪な人間性の持ち主。
「雑魚の罪は強さを知らんこと」という持論から自分より弱い者全般を見下しており、
- 扇に対して:「パッとせぇへん」
- 甚壱に対して:「顔がアカンわ、甚爾君と逆やったら良かったのにな」
- その他血縁の兄に対して:「皆ポンコツ」「弟より弱い兄なんか居る意味ないやろ。首括って死んだらええねん」
- 呪術すら使えない真希に対して:「カス」「乙骨君と恵君の金魚のフン」
などと呼び、蔑んでいる。
一方で人物評価の基準に強さを置いているためか、実力の評価自体は意外にも
真摯かつ公平。呪力を持たず差別対象になるはずの
甚爾の存在を最大限に評価していたりと、父・直毘人のような実力至上主義の一面も覗かせる。
前述した甚壱についてもダメ出ししたのはあくまでも容姿であって、実力そのものについては侮蔑していない。
…ただし作中では何らかの理由でまともに評価できない相手とのみ戦っている悲しい男。甚爾を尊敬していることを考えれば、彼を見習って格上だと判断すれば無駄な戦闘をせず投射呪法を使っての逃走に入ってしまう人間だから、といった作劇上の都合があるのかもしれない。
まぁ最後に甚爾と同格の存在になった真希の強さを最後まで認められず敗北したけどな!!
真希の妹である
真依に対しては
「真希ちゃんと同じ顔同じ乳。強がっとるけど自分が女やと心底理解しとる」という最低の評価と賞賛を、あろう事か
彼女達の母親に送っている。
そして呪術師としては微塵も評価していない。
そんな性格のためか父からの信頼もかなり低かったようで、遺言でも
- 呪具を含めた財産運用は扇、甚壱のいずれかの承認を受けなければできない
- 五条悟が死亡或いは意思能力を喪失した場合そもそも財産や当主の座を継承できない
など多くの制約を課されていた。
伏黒が当主になることに扇も甚壱も反対しなかったことから、身内からの評判も悪かったことが窺える。
その一方で、周囲に対しても自らの本性を隠したり取り繕ったりといった事は一切せず、良くも悪くも体面を気にしないので、ある意味自分をよく見せようといった打算が皆無な非常に素直な性格であるとも言える。
腹芸や駆け引きとも無縁なキャラであり、クズムーブも常に直球である。父親からの次期当主としての信頼が低かったのは、単純な人格面の問題以上にこういった政治的駆け引きに向かないところも一因かもしれない。
また、実力主義な為に強くなる事に対してはどこまでもひたむきであり、現在の実力も単純に才能に胡座をかいてのものではなく、努力と実戦も積み重ねて磨いてきたものである事が言動の端々からうかがえる。
相伝の術式を持って生まれ、呪術師としての才能があった直哉は幼い頃からその将来を嘱望されていた。
そんなある日……
呪術師の家に生まれながら一切の呪力を持たず蔑まれていた男・
甚爾の存在を聞きつけた直哉。
甚爾とは逆に才能を持て囃されていた直哉は、興味本意で甚爾の顔を見に行くことにした。
しかし、彼はそこで
他と隔絶した圧倒的な強さを持つ者が存在するということを知る。
「雑魚の罪は強さを知らんこと」という前述の台詞はこの時の経験から来るもの。
甚爾の強さから目を背け、徒に彼を迫害する周囲の半端な呪術師たちは、これ以降直哉にとって侮蔑の対象になっていった。
真希に対する仕打ちも「甚爾に近い力を持ちながら実力は比べるべくもない、
中途半端な偽物」という意識が強く含まれていたようだ。
現に覚醒後の真希との戦闘時も「お前は甚爾君やない」と考えたり、「この偽物」と言い放とうとしたりと、実力を履き違えた理由も完全にそれ。
また、伏黒に対する敵意も「突然横から現れて当主の座を奪った上、憧れの人物である甚爾の息子で、おまけに甚爾の生前の契約で当主に選ばれた」という事への強烈な嫉妬やコンプレックスもあったのだと思われる。
こうして直哉は、自身もまた甚爾や甚爾を倒した五条悟のレベルにまで至ろうとひたむきに上を目指してきたのである。
戦闘能力
人格は絶望的に腐っているものの、
曲がりなりにも精鋭部隊である炳の頂点に立つだけあって、特別1級術師の肩書きに相応しい実力者。
劇中では投射呪法による
超高速移動を生かした速攻を駆使して、特級呪霊相当の
脹相の攻撃の殆どを完封して追い詰め、覚醒後の真希とも真正面からある程度渡り合い、真希に短期決戦でなければマズいと判断させる程の実力を見せつけている。
また、いざという時は懐に仕込んだ短刀を用いるが、
「術師の癖に呪具や武器を扱う=それがないと勝てないと認めている」という凝り固まった価値観から、本人は
「ぶっちゃけダサい」と称して武器の使用はあまり好まず内緒にしたがっている。
自身の兄達を毛嫌いするのはそういったプライドからくる侮蔑も含まれているようで、
「ブラブラとみっともないねん。よぉアレで甚爾君のことやいやい言えたもんや」と皮肉って嫌悪しながら見下している。
ただし、呪具や武器に頼ると呪力操作が疎かになりがちという理由から、五条も術式と無関係な武器の積極的な使用については懐疑的である。
また、実際に禪院家に所属している高い実力を持った術師達は、父親の直毘人も含めて殆どが純粋な体術と術式のみで戦っており、強力な術師にとって武器はあくまで補助的な物であるという認識そのものは必ずしも間違ってはいない模様。
作中では最終的には悉く敗北してこそいるが、それは上記を見れば分かる通り戦った相手が悪かったという理由に他ならず、総じておおよそ一般的な術師が到達しうる実力の最高峰に立っている男であると言っても過言ではない。
投射呪法
直毘人からの相伝である直哉の生得術式。
自らの視界を画角として1秒間を24分割し、予め作った動きをトレースする術。
(五条悟を除く)最速の術師と謳われた父・直毘人にも劣らない超高速移動による体術で戦闘を行う。
直哉の場合は、
カウンター前提で動きを設定しておく事で、確実に攻撃を命中させる戦法を好む。
術式の詳細は直毘人の項目を参照。
扱い辛さに加えて加速度にも上限が存在するものの、第二部では絶えず術式を発動し続け、術式を重ねれば重ねる程出せる速度が上がっていくという特性が判明。
十分な空間がある場所でトップスピードにまで達すれば亜音速すら超える超高速移動すら実現可能であり、本人が「力は重さと速さ!!!」と考える通り速度が上がれば上がる程打撃の破壊力も加速度的に跳ね上がっていく。
また圧倒的なスピードを発揮できるため、同格程度の相手ならば術式開示をせずとも相手を圧倒し続け、更に術式のタネすら理解させず一方的に畳み掛けることが可能となる。
劇中での活躍
乙骨帰国編
当初は自身が当主になると高を括って横柄な態度を取っていたが、直毘人の遺言で伏黒恵が次期当主になると知り激昂。
人外魔境と化した東京の混乱に乗じて
虎杖諸共
伏黒恵を暗殺しようと目論んだ。
俺が用あんのは恵君やからぶっちゃけ君は生死はどーでもええんねん
でもチョコマカされんのもアレやし とりあえず足でも折っといたろうかな
伏黒に何の用だよ
死んでもらお思て その前に一筆書いてくれると助かるねんけどな
伏黒抹殺の為に即座に東京に来訪し、虎杖と脹相の2人と遭遇。
虎杖を伏黒を呼び寄せるための餌にするべく襲撃する。
同時期に襲来した
乙骨に対しては
「上からの命令で虎杖を殺しに来た(要約)」と本心を隠した上で立ち回る事で一時的に乙骨と協力関係を結ぶことに成功。
脹相との戦闘に移ると
- 赤血操術の情報を事前に得ている事の情報アドバンテージ。
- 術式の超スピードを生かした速攻で赤血操術の体外操作を封殺する。
といった立ち回りで優位に立ち、短刀で大ダメージを与え窮地に追い込んでいく。
しかし、最後まで脹相を普通の人間だと誤認したことが仇となり、形勢が逆転。直哉も一応は無関係の相手を殺そうとせず、人間であれば戦闘を続けられないはずの傷を与えた事で手を緩めてしまう。そして常識離れした量の血液操作に翻弄され、脹相のオリジナル技「超新星」を受け、更に
呪毒に侵され完全な敗北を喫した。
その後は乙骨に
「反転術式で癒してもらう見返りとして虎杖の殺害完了を上層部に報告する」という縛りを課せられ、当初のビッグマウスが嘘のような散々な結果を残してフェードアウトした。
葦を啣む編
……が、反転術式で治して貰った為148話では禪院家の本家でピンピンしている姿を披露。
誰かと思ったわ 酷い面やな それもう治らんやろ どうすんの? 真希ちゃん
女を顔で判別できたんだな 尻しか見てねぇと思ってたぜ
相変わらずの軽口を叩きながらも、家に帰ってきた真希を無価値なゴミを見る目で蔑んで罵倒し、その後は家族会議で甚壱の口から扇の真意を知って不満こそあれど、二人が後手に回っていたことへの納得はした模様。
また、扇の悪辣な政治策謀の真意を知った途端心底愉快な表情で楽しむ下衆な一面も覗かせた。ただし、この際には一応「扇の叔父さんはそれでええの?」という真っ当な心配もしていた。
しかし真希は真依の犠牲によりフィジカルギフテッドが完全なものへと覚醒し扇を殺害。更には鎮圧に向かった躯倶留隊と炳すら歯牙にもかけず一掃し、直哉は炳の筆頭として真っ向から対峙する事になる。
直哉は覚醒した真希を見て在りし日の甚爾を思い出すも、その力を否定すべく真っ向勝負を仕掛ける。
直哉は投射呪法をフル活用し、1秒間のフリーズと高速移動で触れる事すら叶わない程の猛攻を繰り出す。
脹相を相手に不覚を取った経験も生きており、油断なく亜音速での全力攻撃を畳み掛ける。
だが真希は長時間観察を続けた事で遂に投射呪法のカラクリを看破。1秒間のフリーズを免れカウンターの体勢を取る。
24回だろ 直毘人もお前も速いだけじゃねぇ 違和感があった
1秒間に24回動きを刻んでた この体になってようやく見えたよ
フリーズした所を追撃するハズだった直哉は作った動きが変えられない事が仇となり、カウンターに正面から突っ込む格好になってしまい…
顔の右半分に拳の痕が刻まれるほどの勢いで地面に叩きつけられるのだった。
末路
クックック ツメが甘いんじゃ クソ女ぁ…!!
直哉はかろうじて生きていた。殴り潰された顔の右半分から大量の血を流し、這い回りながらも何とか真希を探し出そうとしていた。
しかしその背後から同じく真希に致命傷を負わされた瀕死なのに直哉より移動している扇の妻が現れ…
そのまま包丁で背中を刺され、呪力を練ろうとするも間に合わず、憤怒と屈辱の内に死亡。
「三歩後ろを歩けない女は背中を刺されて死ねばいい」と嘯いていた男は、
「三歩後ろを歩いていた」女に背後から刺されるという
因果応報の皮肉な末路を迎えたのだった。
余談
上述の通り、性格的に好かれる要素が全く無い清々しい程のゲス野郎なのだが
- 胡散臭い関西弁と男尊女卑の下衆な言動、そして無駄にイケメンなビジュアル
- あまりにもわかりやすいぐらいのクズな性格と勢いの良さ
- 名門の生まれの癖に短気すぎる上に絶妙に頭の悪く貧困な罵倒のセンスと語彙力
- 登場回で次期当主とイキっておきながら遺言で速攻プライドを潰され、次の回で既に東京に現着して虎杖の前に姿を現すスピード感
- 口と態度の悪さに対してそれなりに釣り合う戦闘での強者ムーブと姑息な立ち回り
- 意気揚々と出陣したはいいものの先走り過ぎて惨敗した挙句乙骨のパシリに使われるオチ
- そもそも総監部からの通達を碌に把握してなかった
- 作者直々に論外の男と言われる
- 上述の色々残念な行動を若さ故の過ちと笑っていた読者が、単行本のおまけページで年齢を開示された事で戦慄する
- 禪院扇が直哉が霞むレベルの情けないクズだったことで、父親はおろか何故かこっちまでもが相対的に株が上がる
- 最期の言葉が五七五の辞世の句のように描かれる
- 17巻の躯倶留隊レビューで他の炳のメンバーが具体的に評価される中、直哉のレビューだけ「うんこ」「クズ」「うんこクズ」といった稚拙な単語しか出てこなかった
などが作用し、多くの読者から
「画面に出るだけで面白い男」などといった謎の人気を博し、第二部屈指の
ネタキャラとなってしまった。
読者からは
「直哉くん」呼びが定着していたりと色んな意味で愛されている。
当初はネット民の間だけでの局所的なネタ人気かと思われていたが、後に公式で行われた最新の人気投票では何と他の主要キャラを押し退けて"第10位"にランクインするという快挙を成し遂げ、ネタだけでなくガチ方面でも高い人気がある事を実証した。
しかもその時の9位がまさかの甚爾で8位が乙骨であり、その為に投票結果発表のページのイラストでは、憧れの人である甚爾と憧れの特級術師である乙骨の2人と肩を並べる形になった。良かったな直哉くん
さらにその時の直哉と甚爾の原作の場面を切り抜いたイラストが、偶然にも逆方向を向いて背中合わせをしているようにも見える絵になっており、それがまたファンからネタにされる事になった。
そして直哉の「ドブカス……があ」という最期の台詞や「禪院直哉の左耳のピアス」や「禪院直哉のピアスホール」、本編で一切登場していない「禪院直哉の母親」までもがランクインしている。もう訳が分からないよ…
加えて作者のお気に入りのキャラでもあるらしく、登場後は17巻で早々に表紙を飾っている。本当に色んな人に色んな意味で愛されているキャラである。
追記修正は愛されるクズになってからお願いします。
- 敵対術師に止めを刺す時に気をつけねばならんことは? --
京都校の名無しさん
(2018-09-15 09:30:00)
- 死後呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺します --御三家の名無しさん (2018-09-15 09:35:00)
- そうだ 他者の呪力でしっかり止めを刺せば 何の問題もない --京都校の名無しさん (2018-09-15 09:40:00)
本性を表した
偽夏油、もとい
羂索によって開催された呪術師同士のデスゲーム「
死滅回游」。
様々な思惑が交錯し、呪術師同士が仁義なき戦いを繰り広げる場にて、その来訪者は突如として現れた。
桜島結界上空より飛来する『ソレ』は、穴の空いた仮面を被った芋虫の様な姿をした大型の呪霊。非常に口が悪く、案内役のコガネに対しても暴言を吐きながら桜島の滞留結界へと急降下した。
その場に居たのは、フィジカルギフテッドとして覚醒した事で
「怪物」と呼ばれるに至り、完全に天与呪縛を使いこなして大立ち回りする真希と、羂索に加茂家を乗っ取られ次期当主の座を失ってしまった
憲紀のコンビ。
御三家のはみ出し者同士の奇妙なタッグに狙いを定めた呪霊は、
その芋虫の様な風貌からは予想もできない、途轍も無い機動力にて奇襲を仕掛けた。
衝撃波で街並みを粉砕しながら、目視不能な速さの突撃により一瞬で憲紀を吹き飛ばし、真希の反撃に対しても瞬間移動の如し高速移動で回避する呪霊。頭部から生えた腕によって真希を壁に叩きつけて拘束した呪霊は、嬉しげに語りかける。
───真希はその声を知っている。
その「速度と破壊力を併せ持つ術式」も知っている。
呪霊の仮面の中より這い出てきた、邪悪な笑みを浮かべる青年の顔も知っている。
禪院直哉。傲慢さの果てに、見下していた存在に刺されて芋虫のように惨めに這いずり死んでいったはずの呪術師は、ただでは斃れなかった。
芋虫が如き醜悪な呪霊へと転じ、再び蘇ったのである。
●目次
概要(呪霊)
作中で初めて登場した「呪力によって殺されなかった呪術師は死後呪いに転ずる」の実例。
呪力を持たない真希と、(呪力を持つかは不明だが)呪力を行使しない真希の母の包丁による攻撃で死亡した直哉は、死後呪霊として新生した。
才能や実力を重視してきた直哉にとっては皮肉にも死してから己の『才能』に気づいた形となる。
憲紀は呪霊直哉が生前とほぼ変わらない自我を持っていることを不自然に思っており、これについて「直哉の呪霊化には何者かが一枚噛んでいるのではないか」という意見もあるがその真偽は…?
人物像(呪霊)
正体を現した直後の顔はまだ生前の原型があったが、直後に鼻が異様に肥大化した湯婆婆魔女のような異相に変貌。
更にこの姿は呪胎に過ぎず、戦闘の最中で髑髏の顔が張り付き内部に筋繊維がひしめく奇怪な紫色の蛹のような姿と化した。
性格は生前と変わらず、事あるごとに他人を煽る性悪でプライドも高い高慢な性格。
脹相戦の苦い記憶からか、赤血操術に苦手意識を抱いており、根に持ちやすい一面があることも明らかになった。
一方で真希に「俺"も"こっち側に来た」と言うなど、実力はきちんと評価する面も残っている様子。
戦闘能力(呪霊)
当然ながら生前より強化されており、呪胎の姿ですら余波で建造物の窓を粉砕する程の機動力を発揮。その巨体も相まって直撃すれば覚醒した真希ですら大きく吹き飛ばされる。
生前と同様に投射呪法を使用しており、呪霊と化して飛行が可能になったこと、おそらくより強度の高いそして作画コストの低い肉体を手に入れたことでむしろ適性は上がったとすら言えるだろう。
また、「蛹」の姿では、呪霊の「肉体の機能」として、頭部や後述する触手を亀のように引っ込めて外殻を閉じ、背中の吸気口から取り込んだ空気をラム圧と呪力で圧縮して体外に排気するというジェット噴射の要領で飛翔する能力を獲得している。
おまけに空気抵抗や慣性の法則すら無視しており、これにより「物理法則上無理のない範囲の加速度しか出せない」という投射呪法の弱点を事実上解消。マッハ3に達する超音速飛行を可能にした。
「どう見ても加速度が出せる構造」なので「どこまででも加速度が出せる」ということらしい。
この形態では筋繊維の様な触手を隠し持っており、これを実質的な手足として操ることも可能。紡ぎ合わせて大きな腕を作り相手をぶん殴ったり、逆に展開して目眩ましや手数のある連続攻撃に用いる事も出来る。
身体をコマのように高速回転させて攻撃を受け流すことすら可能。
加えて投射呪法の応用技として「空気の壁そのものに加速をかけ、衝撃波を発生させて撃ち出す」という遠距離技も会得。
人間の身体のままでは出来ない、呪霊ならではの改良版・投射呪法を用いるようになった。
欠点としては、超音速飛行中は強固になる外殻だが超音速飛行に突入しない限りはそこまで強固に硬質化しないこと。
これは超音速飛行の反動で自壊するのを防ぐための措置で、「縛り」の要素も含まれている。また硬質化した外殻も花御の耐久力には一歩劣る。
時胞月宮殿
眼中に無かった大道と三代に押されるばかりか雑魚と見下していた真希に再度圧倒され、怒りのあまりブチ切れた結果覚醒した直哉の
領域展開。
内部の情景は黒い空間に浮かぶ
腸管のような肉塊で形作った巨大な子宮。
ただし普通の子宮とは形状が異なり、膣を模した一本道に子宮口付近が巨大な単眼になっている悍ましさ満載の空間。
領域内では必中化した投射呪法の術式対象が細分化されるようになり、直哉以外の者の細胞1つ1つに投射呪法の停止効果が働くようになる。
結果1歩でも動いた瞬間、全身の細胞1つ1つの動きがズレることで内部から肉体が破壊され、無理矢理動こうものなら直哉が触れずとも腕等の肉体の一部が千切れる現象が発生する。
いわば事実上の完全な金縛りを強制する能力。
現代版領域展開らしい、必中必殺の領域である。
発動時の印相は伎芸天印。
活躍(呪霊)
桜島結界に侵入した直哉は、手始めに真希を襲撃。真希自身、直哉は禪院家本邸での闘いで死んだと思っていたため「ツメが甘かった」と漏らすが、直哉は「俺んこと殺したんは真希ちゃんのお母さんや」と訂正。これを聞いた真希は最後まで自分達の敵だと思っていた母が最後の最後で味方のような行動をした事に動揺する。
煽る直哉をよそに憲紀も加勢し、直哉は「その術式嫌いやねん」と愚痴りながらも戦闘を続行する。
当初は二人の攻撃を余り気にしていない様子だったが、ついには二人の連携攻撃で胴体から夥しい体液を流す。しかし上空で巨大な繭に包まれ、真希は直哉が変態しようとしている事に気付く。
憲紀は真希に促され「穿血」を発動。繭ごと直哉を貫き、(良かった……この段階で祓えて!!)と安堵する。
しかし時すでに遅く…
消え去った繭から蛹が如き異形と化した直哉が出現。ここからが本番だと言わんばかりに暴虐の限りを尽くそうとしていた。
変態を経たことで更に強化された直哉。伸縮自在の手足や持ち前の機動力、投射呪法で真希と憲紀に応戦する。
先述の空気に投射呪法を使った遠距離攻撃を爆ぜされて両者の目をくらましたのち、大きく助走を付けマッハ3もの速さで真希に体当たりをぶちかます。覚醒した真希ですらこの攻撃には対応仕切れず、大きなダメージを負わせる事に成功する。
憲紀の援護により追撃を避けた真希は、回復のため憲紀に時間稼ぎを依頼し一時離脱。憲紀が単身立ち向かうも、直哉はこれを圧倒。
いよいよ憲紀に限界が迎えようとしたその時…
新たな泳者、三代六十四と大道鋼が戦闘に乱入する。これにより戦局が大きく変わることになる。
大道の言葉と三代の相撲指導で完全に覚醒した真希に再び音速越えの突撃を仕掛けた直哉だが、覚醒真希にあっさりいなされ、そこに大道と三代の連携攻撃により体を真っ二つにされる。回復を試みるも真希の追撃を受け、上半身と下半身を泣き別れにされる。
(ありえへん)
(ありえへん ありえへん ありえへん ありえへん)
(なんで────)
完全覚醒した真希に甚爾の姿が重なり、それを必死に否定する直哉。その刹那呪霊の下半身を引き裂きながら生前の姿と変わらない直哉が飛び出す。
直哉の矜持と意地がついに花開き、子宮を模した悍ましい暗黒の領域に大道と三代を引きずり込む。
自身も覚醒し晴れ晴れとした気分の直哉は、その凶悪な領域により二人の一瞬で細胞をズタズタにし悦に浸る。
そこで彼は一番に殺したい真希が領域内に見当たらないことに気付く。
直後、体内が崩れ続ける状態ながら大道は意地で釈魂刀を振るうが、術式効果のせいで刀を振った腕が千切れて飛んでしまう。
そんな足掻きに直哉は呆れかえるが、その瞬間────
宙に飛んだ釈魂刀を掴んだ真希が現れ、背後から直哉の胸を刺し貫いた。
しかし呪霊となった直哉はその程度では死に至らず巨大化。最初に遭遇した時のような湯婆婆醜い本性を露にしながら真希にトドメを刺さんとする。
しかし呪力を持たず、呪力から完全に脱却した真希は、領域においては「物」として認識され、必中効果の対象にならなかった。
果たして、直哉の攻撃が彼女に触れる前に直哉は容易く両断されてしまった────
呪術の常識が通じず、見下して来た相手に二度も敗れ、死滅することを最後まで信じられないまま、領域と共に今度こそ禪院直哉はこの世から完全に消え去った。
そして最大の皮肉か────これを以て甚爾に並ぶ鬼人として、禪院真希は完成を果たした。
余談(呪霊)
生前から多様な理由でネタにされてきた直哉だが、
- 一人称が一度だけ「僕」と表記されたのと、元々の関西弁のせいで某死神を連想する読者が多発
- 正体が発覚した次の回で、生前の面影のない
デカっ鼻の顔に変形する
- 呪胎から変態した姿が作者が支持する別作品の侵略者や悪霊に似ていると話題になる
- ジェット噴射の要領で高速飛行する様がかの天彗龍に似ていると指摘される
- 突如乱入した大道と三代に翻弄される
この通り多数の要素が重なり、死して尚ネタキャラ扱いされることになった。流石は論外の男
また、「呪力でトドメを刺されなかった呪術師は呪霊化する」という設定を覚えていた一部読者は彼の「一度目の死」を見て「あまりにも呆気ないから再登場するんじゃないか」「どうも噛ませ犬で終わるようには思えない」と謎の期待をしていた。
そのため呪霊直哉の正体がまだ分からない頃も「顔の仮面に空いた穴の数が直哉のつけていたピアスの数と合致する」「暴言や罵倒が多いからあれは直哉が変じた呪霊じゃないか」「直哉と同じで腕が二本だから直哉だ」などと予想している人もちらほら居たりした。キッショなんでわかるんだよ
追記修正はただでは死なないうんこクズになってからお願いします。
最終更新:2025年04月10日 12:36