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ケイネス・エルメロイ・アーチボルト

登録日:2009/06/23 Tue 16:05:44
更新日:2026/08/08 Sat 12:41:40
所要時間:約 11 分で読めます






――宜しい。ならばこれは決闘ではなく誅伐だ





ケイネス・エルメロイ・アーチボルト(Kayneth El-Melloi Archibald)とは、『Fate/Zero』の登場人物である。


◆プロフィール

声:山崎たくみ
身長:181cm
体重:62kg
血液型:B型
誕生日:4月11日
年齢:不明(20代前半から半ばと推測されている)
イメージカラー:真鍮
特技:絵画、彫刻、工芸
好きなもの:自分
苦手なもの:愚か者
天敵:衛宮切嗣



※以下、ネタバレを含む内容のため注意。




◆人物像

第四次聖杯戦争におけるランサーのマスター。
エルメロイ*1の名で知られる。
鉱石科の君主でありながら、その才能の多彩さから最年少で他科である降霊科の講師も務めている、若き天才魔術師。風と水の二重の魔術属性を持ち、降霊術・召喚術・錬金術にも通ずるエキスパート。魔術師としての階位は幻である「冠位」に次ぐ事実上の最高位の「色位」。
エルメロイ家の当主であり、九代続く魔術の名門アーチボルト家の当主でもある。
降霊科ロードの娘であるソラウと婚約しており、彼女との婚約は政略結婚によるものだが、彼自身はソラウに本気で惚れておりそれ故に彼女に強く出られない。
名門生まれ故なのかプライドは高く激しい気性とも書かれる。
後のFGOコラボイベントで聖杯戦争中でもカルデアに協力するなど、柔軟性や真っ当な社交性や政治性がある。また原作にも、その地位も結果も己の能力に付随する当然のものと考えておりそこに傲慢さも驕りもなかったと記述されている。
貴族主義派の大貴族であるにも関わらず、ニューエイジであるウェイバーにも教室の場を開いたり、ぐだにも教育に関して差別なく接しており後々の後続作品で描写で公平な人物が描かれてもいる。


聖杯戦争に参加する理由は、魔術師としての経歴に「武功」という箔を付ける為。であった。そのため、彼自身は特に聖杯に託す望みを持たない。

聖杯戦争ではサーヴァント召喚・契約の仕組みを解析した上で、ソラウが魔力の供給を、ケイネスが令呪受け持つ分担戦術をとる。
これによって、サーヴァントに十分な魔力を供給しながらも自らは十全の状態での魔術行使や戦闘が可能となっており、それは御三家の敷いたルールを覆すほどの意味があった。
敵対者は、分割パスにより単純な火力勝負なら第五次のランサーを上回るほど魔力が供給された彼のサーヴァント・ランサーと、魔術師としては世界観でも最上澄みであるロードの魔術を同時に注意しなければならない。

ケイネス当人は研究畑の魔術師なので戦闘経験そのものは少ないのだが、趣味の産物として強力かつ高度な魔術礼装を多数持つため、戦闘力は高い。
中でも、彼自身が魔力を込めた水銀の魔術礼装『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』は非常に強力で、
状況に応じて攻撃・防御・索敵の用途で使い分けられる上、それぞれの性能も高い万能武器。
原作では陶磁製の大瓶に入れて小脇に抱えていたが、アニメ版では携行性等を重視された為か、質量を魔術で操作し試験管に入れて持ち運んでいた。


と、このように準備万端なエリート様であるのだが、この時点で既に死亡フラグ臭がするのは何故だろうか。




◆作中の活躍

作中でのケイネスの役回りは、もっぱら切嗣の外道行為の伏線回収係
爆破や誘拐など、『Fate/stay night』で語られていた数々の外道行為の被害を一身に受けている。
『stay night』の時点で言峰に殺されたと明言されている時臣と同じく、彼も脚本の被害者なのかもしれない。

蟲爺アインツベルンの情報統制や隠蔽により、御三家以外には聖杯戦争の真意は秘されていた。聖杯戦争を「魔術師同士による魔術を用いた決闘・競い合い大会」と誤認する状況であった事もあり、
故に相手も必ず魔術戦を仕掛けてくる*2という思い込みから、近代兵器等を躊躇なく用いる、魔術師の誇りなど欠片も持たない切嗣の戦法に幾度となく煮え湯を飲まされる羽目になる。
「私はこの様な戦いをするために、聖杯戦争に参加しているのではない!」という彼の台詞が、ケイネスが聖杯戦争の本来の目的を誤認している最たる例である。
…とはいえこの認識は時計塔全体のものであり、ゆえに同じく時計塔所属のウェイバーも「時計塔の奴らを見返してやる」という目的で参加している背景がある。

また、ケイネスはサーヴァントとの関係構築にも失敗してしまう。
そもそも、第四次聖杯戦争においてケイネスが本来召喚しようとしていたのはライダーだったのだが、
教え子であるウェイバーにその聖遺物を盗まれたことで断念せざるを得なくなり、ライダーに代わって急遽召喚されたのがランサーである。


ランサーが持つ呪いによってソラウが魅了されてしまったことで、ランサー陣営の運命は徐々に狂い始めていく。
権謀術数の世界に生き等価交換を基本とするケイネスと、騎士道を重んじたいランサーとの関係はあまり良好ではなかった。*3
サーヴァントも魔術礼装の一種と見做していた彼は、英霊が知性ある存在だとは理解しつつも、その人格を認めようとはしなかった。
それ故に、ランサーの語る「見返りを求めない騎士道による忠義」は彼にとって理解しがたい物にしか映らず、
彼が本心を隠していると思い込んで不信と不満を募らせた結果、更にランサー陣営は自滅同然の敗退へと向かっていくこととなる。

もっともこれについてはランサー側にも言える事で、忠義を貫ける器だけを求め、ケイネス本人の人格を理解するのを怠った彼にも問題はある。
『Fate/Zero material』のブッチーによると、もしランサーがケイネスの才能に感服した上で忠誠を誓っていたならば、ケイネスのランサーに対する態度も多少は柔らかくなったとのこと。またランサー自身も敵であるセイバーに肩入れし信頼を欠く行動を取ってしまった。

ただし、やはり最大の敗因は「魔術師殺し」の衛宮切嗣と出会ってしまったことであり、前述の問題点などこれと比べれば些細な事。

魔術の腕は第四次マスターの中でトップであり、魔術師としての位階も切嗣より遙かに上回っているものの、
単純な魔術勝負ではなく”殺し合い”では切嗣に及ぶはずもなく、敗北は必定とされるほどとにかく相性が悪い。
真っ先に唯一の天敵である切嗣の標的にされ、対策どころか敵の戦力分析すらロクにしないまま彼に挑んでしまったことが決定的な失策となった。


倉庫街での初戦において、令呪を1画消費したにもかかわらずライダーの介入によってセイバーを仕留め損ねると、
直後に自身が本拠地としていたホテルのワンフロアを貸し切っての魔術工房を切嗣にホテルごと爆破されてしまう。
その報復と言わんばかりに冒頭の台詞と共に単身で切嗣が拠点としているアインツベルンの城を襲撃するが、
切嗣の「挑発を繰り返して本気を出させる」戦法*4に見事に嵌り、本気を出したところに『起源弾』を撃ち込まれ、
暴走した自身の魔力によって体内の魔術回路と神経がズタズタになり、魔術師として再起不能の身体になってしまう。
その危機を察知したランサーが間一髪駆け付けたことで何とか一命は取り留めたものの、彼の不幸はまだ終わらなかった。

ケイネスの有様を見て聖杯戦争続行は不可能だと判断したソラウから令呪を譲渡するように提案され、半ば脅迫のような形でこれを奪われてしまう。*5
しかしこのまま戦いを終わらせるつもりもなかったケイネスは、コネクションを活かして日本在住の優秀な人形遣いから莫大な謝礼と引き換えに義手を入手*6、なんとか車椅子で移動できるまでには回復。
そしてキャスター討伐の褒賞として、監督役の言峰璃正から令呪1画を受け取りマスターにも復帰する。
直後、他のマスターに令呪が渡ることを防ぐべく、璃正を射殺する。そう、魔術が使えなくなったことであれだけ蔑視していた銃器に手を出すことになったのだ。
こうして意気揚々と拠点に戻ったケイネスだったが、彼を迎えたのはソラウが血痕を残して失踪するという最悪の事態だった。

ソラウを守れなかったランサーを痛罵して捜索を命じるケイネスだったが、そのタイミングでランサーとの一騎打ちを望むセイバーが登場。
セイバーとの正々堂々の戦いを楽しむランサーとは対照的に、膠着状態に陥った戦況を苛立ちながら見ているケイネス。
そんな彼の前に現れたのは、意識と片腕を失ったソラウと、それを抱えた切嗣だった。
衛宮切嗣(この男)には勝てない───目前の最悪の状況に心を折られたケイネスは、自分の戦いが終わってしまうことに葛藤しつつも、切嗣からの提案を受諾。
自身とソラウの身の安全と引き換えに『自己強制証明』の条件に従ってランサーを令呪で自害させるが……

「もう僕にはおまえたちを殺せない」
僕には、な

瞬間、近くに潜んでいた舞弥の銃弾にソラウ共々襲われ、ソラウは即死。ケイネスも全身に致命傷を負う。
断末魔の苦しみに呻きながらケイネスは切嗣に「殺してくれ」と懇願するが、『自己強制証明』によって彼に危害を加えられない切嗣はそれを冷徹に拒絶。
最期はその惨状を見かねたセイバーに介錯され、こうしてケイネスの聖杯戦争は自分とパートナーの死亡を伴った敗北という最悪の結末で幕を下ろした。


改めて作品全体を振り返ってみれば、周囲の協力や自身の運に序盤からイマイチ恵まれておらず、
挙句の果てには婚約者諸共殺された上に、自分の代まで脈々と受け継がれてきた魔術刻印まで失うという、他と比肩しない不幸っぷりを見せたケイネス。

しかしその清々しいまでのかませ犬っぷりとコントばりのホテルの大爆発、そして山崎たくみ氏の名演が多くのファンの心を掴み、
『Zero』の登場人物の中ではかなりの人気を誇っている。よかったね先生!!



◆強さ

少し上述したが、ケイネス個人の戦闘能力については、
『Fate/ZeroアニメビジュアルガイドⅠ』でのきのこ曰く「切嗣以外のマスターなら、時臣はケイネスに何とか太刀打ち出来る」とのこと。それも時臣のほうは冬木限定で莫大なホームバフを得られる上でようやく戦闘が成り立つのだから、時計塔の君主の力が窺い知れる。
残るマスター達(言峰雁夜龍之介、ウェイバー)では太刀打ちすら出来ないとか。

その為、「切嗣以外のマスターはサーヴァントに頼るべき」と語っているが、
アサシン以外なら何とかなるはず」とも発言しているため、四次アサシンではケイネスを倒せないと明言された形になる。ケイネス恐るべし。
成田「ア、アサシンさんの立場が!(笑)」

事実ロードの実力は相当で、『Fate/stay night[UBW] Animation Material Ⅱ』でのきのこによると、かませ繋がりのアルバアトラムの中では最も魔術師としての能力が高いとの事。
数値にすると、ケイネスが100+a(礼装分)、アルバが100、アトラムが20だとか。
(まだ若いとはいえ)天才魔術師と謳われるでも第五次時点では精々20~30程度と評されている辺り、彼の力量の高さが分かるというもの。

ちなみに、作中でソラウにバーサーカーよりセイバーを倒す事を優先した事について甘いと責められるシーンが存在する。
だが、第四次聖杯戦争におけるランサー陣営の必勝法は「バーサーカーに他のサーヴァントを消耗させてから最後にバーサーカーを倒す」というもの。
なので、(本人が意図していたかはさておき)彼の選択はそんなに悪くない。
もっとも、これについてはランサーが叱責されているのを見かねたソラウが彼を庇うべく「ケイネスにも原因がある」と言い出したようなものでもある。
だから、真っ当な批評かどうか考えるだけ無駄かもしれないが。


◆死後

ケイネスの聖杯戦争における勝利を疑わなかったエルメロイ家は、突然の当主の敗北と戦死に衝撃を受けて対応が遅れ、没落の危機に陥った。
そもそも魔術刻印を受け継いだ魔術師は滅多な事では死ぬことは無く、逆に言えば死んだ時点で魔術刻印は破損していると言う訳である。
しかもケイネスが冬木に虎の子の礼装を幾つも持ち込んだ上に、直接持ち出せた『月霊髄液』を除いたそれら全てを切嗣がホテルごと吹き飛ばしてしまったため、エルメロイ派の負債は更に膨れ上がってしまった。

結果、エルメロイ派の有力家系は早々に他派閥に鞍替えし、エルメロイは十二家中十二位まで落とされ、鉱石科のロードの地位もメルアステア派に奪われることになる。
また、アーチボルト家が積み重ねてきた研究成果に加え、ケイネス自身が手がけた数々の研究も研究者自身が死亡してしまったことで続行が不可能となり、無に帰してしまいそうになるが、
かつて一番無能だった元教え子の妙な才覚によって彼の研究は一冊の魔導書として編綴され、後のアーチボルト家の繁栄を磐石とした。

ケイネス亡き後は、末席に過ぎなかった分家の少女ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ*7が次期頭首となる。
ウェイバーは彼女から聖遺物窃盗の責任を問われ、自身が成人するまでの間のロードの職務の代行と借金返済を強要…いや、お願いれた。
騒動で鉱石科の管理はエルメロイ家の手から離れ、エルメロイ家はロード不在で格の低かった現代魔術科に押し込められていた。それ故にエルメロイ二世は現代魔術科のロード代行となっている。


なお、ケイネスが創り出した『月霊髄液』は、エルメロイ家の至上礼装*8であることが判明している。
月霊髄液はライネスに継承されており、トリムマウの愛称で呼ばれる。
ライネスが受け継ぐ際に二世のアドバイスを受け、初歩的な人工知性を付与された使い魔となる。ケイネスほど優れた魔術回路は持たないものの、精密操作の才能を持つライネスにとって最良のアドバイスであった。
トリムマウを成立させているのは月霊髄液という時計塔の歴史でも稀なる魔術礼装であり、人間的な動作はあくまでその基礎力の上にほんの少しライネスが手を加えたモノにすぎない。*9
そうしてメイド型自律ゴーレムとしての機能を発揮したトリムマウはライネスの付き人兼魔術礼装となった。
様々なB級映画を見せるエルメロイ教室の問題児のせいで、時折妙な言動で暴走することがあるらしい。

ケイネスの研究成果を纏めた魔導書一つで家系が持ち直していることから、やはり魔術師・研究者としては超一流だったことが分かる。
ウェイバーも人間としてはともかく、己の魔術師としての理想像として師ケイネスを挙げている。
「ロード・エルメロイⅡ世」となった後、他人から「ロード・エルメロイ」とだけ呼ばれると決まって「Ⅱ世」を付けて呼ぶように要請するが、
これは先代のケイネスのみが「ロード・エルメロイ」の名に相応しいという敬意と、その死を招く要因の一つとなったことへの申し訳なさの表れである。
ウェイバーは学生時代の己の言動をきちんと反省しており、当時のケイネスを誠実だったと語っている。また、学生時代に戻れるなら「真面目に先生の授業を聞く」との発言も。



◆他作品でのケイネス

『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』

チーム「時計塔の☆フィアンセさまっ♪」として参戦。
爆破テロでフィナーレされた魔術工房を再建すべく、万能の温泉を目指して“HANA-FUDA”勝負に身を投じる。
登場人物の多く(主にソラウ)に自身の頭髪についてこれでもかとネタにされるが、最終決戦では理想の主君たる姿をランサーに見せた。


Fate/Apocrypha

『Fate/Apocrypha material』によると、亜種聖杯戦争に婚約者と共に参戦して無惨な姿で帰国(生死は不明)、義兄になる筈だった人物に若干のトラウマを植え付けたとか。
ライネスが初めて姿を見せた作品でもある。


『カプセルさーばんと』

敵マスターとしての登場。闇のカプさばおじさん。
資産に物を言わせて子供相手だろうと容赦なく叩きのめす、空気を読まない天才カプさばマスター。その大人げない資金力にもの言わせるプレイスタイルにはファンも多い。
ちなみに奥さんはイケさば使い。


『TMitter2015』

2015年のエイプリルフール企画では「ミスターK」と名乗り暗躍する。
次第に悪事が明るみに出る中、なぜかミスターKとしての自我がなくなっていく。
そんな折、平行世界のロード・エルメロイⅡ世と対面を果たし、ミスターKではなくケイネス・エルメロイ・アーチボルトとしての自分を思い出す。
以後も「名」だけは残ったことを知り安堵したケイネスは、穏やかな表情で消えていった。


Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

原作ではウェイバーが長じた姿で登場するのみだが、アニメ版では「ロード・エルメロイⅡ世」とクレジットされており、ケイネスは恐らく……

本人は続編の『ドライ!!』にて衛宮士郎の過去編に登場。
平行世界では本編と同様第四次聖杯戦争に参加し、死亡した模様。
第五次聖杯戦争でジュリアン・エインズワースによって人格を人形に置換され、士郎への刺客となった。
使用したクラスカードはランサーはランサーでもアニキの方の「ランサー」。
槍と月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を併用し、士郎を追い詰めた。
美優兄の姿と状況から、その正体は未来の英雄であると看破する凄まじい洞察力を披露した。
つまりSN本編でエミヤと士郎を見てその関係性に気づくようなもんである。

しかし「魔術師同士の決闘」に固執したケイネスは水銀を頼みとするあまり、必殺の切り札である槍を軽視。
「己が魔術に頼らず、十全に槍を使いこなしていれば高い確率で士郎を仕留められたはず」とはまひろちゃんの談である。


『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』

スターシステムでケイネスの姿をした人物が登場する。


Fate/Grand Order

Fate/Zero』とのコラボイベント『Fate/Accel Zero Order』に登場。
彼の立ち絵は同時に実装された概念礼装『月霊髄液』のカードイラストとしても採用されている。

このイベントは特異点と化した1994年の冬木市を舞台としているが、
ランサーを召喚し、ソラウと共に冬木市を訪れ、第四次聖杯戦争に参加した……という、基本的な立ち位置や行動は変わらない。

そしてカルデア一行がこの地の聖杯戦争に介入するにあたり、同行したエルメロイⅡ世がよく知っている人物の中でも騙すのが一番簡単だろうということで、
彼らの最初の協力者に選ばれる。

倉庫街でのセイバーとの初戦を妨害されたものの、相対したⅡ世を有能な男と評価し、提案された会談に応じることとなる。
この​会談の中で、Ⅱ世から語られた真実と嘘を織り交ぜられた話(=カルデアの偉業が全てアーチボルト家によって成され、その結果私達は未来からここに来た)を、
「そうかー、 うん、まああり得ぬ話ではないな!」
「そうかー。 歳食ってからも大人げなく本気出しちゃうかー。」と見事に信じる。何この人チョロい。

その後はカルデア一行と共にキャスターを討伐したり、バーサーカー陣営と共闘する約束を取り付けるなどしていたが、
Ⅱ世の「冬木での聖杯戦争はトランベリオ一派の罠。ケイネスが不在の隙に、魔術教会内部の勢力を拡大するための狂言」という嘘を、
「トランベリオ派なら、やる! 確かにやりかねない!」と、またも信じてしまい、
ランサーのマスター権を主人公に譲渡し、自身はなんとソラウと共に聖杯戦争から離脱する
​​
特異点の問題が解決すれば​、そこで起こったことは全て「なかったこと」になる。Ⅱ世の働きかけによって、決して並行世界で失われた命が戻ることはない。
それでも、「ケイネス、ソラウ共に生存」「アーチボルト家の没落を回避」「ランサーは新たなマスターと共に戦い抜き、世界の危機を未然に防ぐ」という、
『Zero』におけるランサー陣営からは考えられないほど、幸福な結末を迎えることが出来たのだった。

と、思いきや。

その顔芸の裏ではⅡ世が語る「書斎に恋文の下書きが残されていた」という最序盤の情報で、

「この私がそんな迂闊なものを残したまま、他人の手で部屋を漁らせるなど、断じてあり得ぬ話だ。」
「思うに、未来の君が検めた私の書斎というのは……主がついに戻らなかった部屋なのではないか?」

と、自身に起こった未来(=死亡している)を正確に推測していた。
つまりエルメロイ二世の語る「調子の良い未来」とは全て嘘だと看破して茶番に付き合っていた事になる。
相手の何気ない一言から真実を見抜く鋭い洞察力を覗かせた。


また、2018年9月に簡易版として復刻された同イベントでは、イベントアイテム交換画面の応対キャラクターとしても登場。プレイヤーの間で大きな話題を呼んだ。
ショップでは主人公=同盟者を身分の差から無下にすることなく、適正な等価交換でもてなしてくれる。(本人談)
入手できるアイテムの数々は全て彼が聖杯戦争に備えて用意したリソースらしく、そのチョイスはソラウによるものだとか。
交換時のやり取りでは、ソラウのことを(単に容姿と家柄による評価だけではなく)「いずれエルメロイ家のブレーンとなるべき才女」と考えていたことが分かるほか、
「海魔のゲソ焼きをランサーに食べさせたら泣いて喜んだ」という言葉通りに受け取るべきではないエピソードも聞くことができる。

イベント終了後の会話では「今こうして怪我一つ負わず店じまいしている自分にとてつもなく違和感を感じる」と語り、
『Zero』における結末を示唆するような素振りを見せつつも、主人公の才能については「凡庸なようでいてそれなりに見所がある」と評し、
「いずれ時計塔の門を叩くなら私の講義を受けるといい。教壇に近い席を用意しておこう」とまで言ってくれる。



◆余談

上記でも窺える通り、多くの作品でエルメロイⅡ世が登場、または言及されているが、裏を返せばそれらの世界でケイネスは死亡しているという可能性が示唆される。
現行の設定ではケイネスが存命ならば、当時のエルメロイ一派は巨大派閥であるため魔術師としての歴史も浅いウェイバーが付け入る隙は無いこととなるからだ。
必然的に「ケイネスが予想外の事態で死亡する」、より正確には、魔術刻印の破損や回収の失敗でアーチボルト家が没落することでエルメロイ派が分裂、その後継者にライネスが祀り上げられることが条件になってくる。

さらに言えばそれが起こるのは必ずしも第四次聖杯戦争である必要はなく、事実、第四次が発生せず代わりに亜種や大戦が勃発したApo世界線や、
聖杯戦争そのものが存在しなかったと思われる『2015年の時計塔』、『MELTY BLOOD TYPE:LUMINA』の世界線においても、エルメロイⅡ世は誕生している様子である。
設定を共有していないプリヤならワンチャン共存の道もあるかもしれない。
ここまで多くの世界でケイネスの死亡&アーチボルト家没落が確定しているのを見ると、ケイネスには非常に理不尽な話である。涙拭けよ先生。
まあでもそのお陰で人間不信に陥ってた姪のライネスや村から一生出られなくなったかもしれないグレイが救われるので良しとしよう。
『Fate/Grand Order』ではロマニ・アーキマンがⅡ世の名前にピンと来ていないので、この世界では無事な可能性が出て来ている。
と思ったら第二部終章で「挫折を知らない魔術師」の話が出た。な、名前までは出てないから……
メタなことを言うと、ロード・エルメロイⅡ世は『Zero』執筆時に生まれたキャラなので、それより前に出た『stay night』だと言峰が存在を否定する発言をしていたりする




このケイネス・エルメロイの魔術項目をとっくりと堪能してもらおうではないか。

wikiの項目一つを借りきっての完璧な項目だ。

追記25回、修正3回、猟犬代わりのwiki籠り数十体、無数の追記スペースに、文章の一部は他項目とリンク化させている文字もある。

お互い全力を尽くしての追記・修正が出来ようというものだ。

私の項目が埋もれていくという言葉、すぐにでも撤回してもらうよ、ソラウ。


\チュドーン/

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最終更新:2026年08月08日 12:41

*1 君主(ロード)は時計塔の土地と資金を賄い12の学部を管理するそれぞれの学部長を指す称号。ケイネスはその鉱石科のロードである。序列は四位。

*2 蒼崎橙子のようにパソコンなどの機械も用いる魔術師もいるが、基本的には科学技術を(魔術よりも)低俗なものと端から決めつけ、詳細を知ろうともしないのが一般的な魔術師の価値観であり、ケイネスも例外ではなく、敵が近代兵器などを持ち込んでくるとは考えていなかった。

*3 ただし本来、君主であるケイネスと騎士であるディルムッドの相性は悪くなく、外部作品では良好な関係の主従を見る事ができる。

*4 魔術による攻撃で傷ついた場合は相手の技量を素直に賞賛し、冷静さを失わず戦えたらしいが、近代兵器を用いる切嗣への侮蔑とそんな相手に手傷を負わされたという事実はケイネスには受け入れがたく、結果として冷静さを完全に失ってしまった。

*5 「続行は不可能~」というのはあくまで建前で、ランサーに魅了されていたソラウが正式にマスターとして彼と契約を結ぼうとした節がある。現に譲渡後、ソラウはランサーにはさもケイネスが自ら聖杯戦争を降りたかのように伝えている。

*6 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』にて、蒼崎橙子がケイネスと面識があった事を語っている。但しこちらでは代金を踏み倒しかけたのをウェイバーが支払ったらしい。書き手の贔屓がうかが……おや誰か来たようだ

*7 関係としては彼の姪にあたる。

*8 至上礼装とは、君主を輩出する十二家やそれに匹敵する名家の蔵する中でも、その家系を象徴するに足ると認められた特別な礼装である。

*9 引用元:ロード・エルメロイ二世の事件簿2巻