三戦(遊戯王OCG)

登録日:2024/10/03 Thu 17:28:15
更新日:2025/04/22 Tue 19:28:49
所要時間:約 5 分で読めます




三戦(さんせん)とは、遊戯王OCGのカード群。
公にこのように括られているわけではないが、この言葉を冠して「相手がモンスター効果を発動した場合に発動できる」強力な通常魔法という類似した性質を持つカードが2024年現在2種類存在する。

三戦(サンチン)ではない。呼ッ

《三戦の才》

通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このターンの自分メインフェイズに相手がモンスターの効果を発動している場合、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分は2枚ドローする。
●相手フィールドのモンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る。
●相手の手札を確認し、その中から1枚を選んでデッキに戻す。

相手がモンスター効果を自分のメインフェイズに使った場合に発動することができる。
それぞれ《強欲な壺》、《心変わり》、《強引な番兵》と言った禁止・元禁止カードの効果を使うことができる。

ただし強調した通り「メインフェイズ」に効果を使われた場合にしかこちらも発動できない。
例えばドローフェイズ/スタンバイフェイズにフリーチェーンの《増殖するG》や「マルチャミー」《ディメンション・アトラクター》を投げられたり、バトルで発生する効果を自爆特攻などで無理矢理発動させたりしても《三戦の才》の条件には当てはまらないのだ。

こう書くと条件が若干厳しい…ように見えるが、現代遊戯王においてこちらのメインフェイズにモンスター効果を使わないなんてのはよほどの事が無い限りありえない。
展開や戦略の要は「メインフェイズ」に行われる為にそこでの駆け引きが中心となっている以上、《三戦の才》は必ずどこかで使用条件を満たすだろう。
仮にこのカードの存在がバレていたとしても、相手も動かないわけにはいかないため相当悩ましくなるだろう。
流石に先攻1ターン目では腐ることも少なくないが、イコール「妨害が飛んでこない」とほぼ同義*1なので、こっちが手札1枚腐ったところで状況的にはお釣りが来ることが多い。

更に言うならその効果も使いやすい。というのも3つの効果がどれも強力かつ、状況を見てどれを使うのか選べるのだ。
大体便利で腐ることのない2ドロー。
相手が厄介な(奪えば大幅有利な)モンスターを抱えている時はコントロール奪取。
自分のリソースは十分なので、致命的な手札誘発の確認をしたり、返しのターンでの相手の動きを挫いておきたい時はハンデス。
戦略の幅が大きく広がるカードと言える。

ただしドロー効果のみは《灰流うらら》で阻害されるので注意。
幸いにも他の2つの効果にはうららは使えないので、うららが見えてたり気配を感じたりする場合は他のどちらかの効果を使うと良いだろう。
また、デッキにカードがない状態でドロー、相手のフィールドにモンスターがいないのにコントロール奪取、手札がないのにハンデス効果を使うなどの「空打ち」ができない点にも注意が必要である*2


《三戦の号》

通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このターンに相手がモンスターの効果を発動している場合に発動できる。
デッキから「三戦の号」以外の通常魔法・通常罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードはこのターン発動できない。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、セットせず手札に加える事もできる。

《三戦の才》登場から2年後、「PHOTON HYPERNOVA」で登場した通常魔法カード。
こちらは相手が自分のターンにモンスター効果を使った場合に発動でき、通常魔法もしくは通常罠カードをセットできるまさかの万能サーチカードとなっている。
勿論上の《三戦の才》もサーチ可能
更に《三戦の才》と違い「このターン」なのでフェイズ関係なしにモンスター効果が発動した場合に使用することができる。

ただしそんな超強力なカードが手放しで使えるわけはなく「セットしたカードはこのターンに発動できない」という制約が付く。
通常罠であれば相手ターンに発動できるので問題はないが、通常魔法の場合は話が別であり、せっかく持ってきても相手ターンをしのぎきらなければならないのである。
が、それは相手フィールドにモンスターがいない場合の話であり、いる場合は手札に引き込むことが可能。
そして発動のターン制限は「セットしたカード」のみに働くため、通常魔法であれば即座に使用できるのである。
要するに「先攻1ターン目に強力魔法カードを使わせない」というような制約であり、それが過ぎればほぼほぼ万能サーチとなる非常に強力なカードと言える。
ただし「デッキから手札に加える」効果なので《灰流うらら》に阻害されてしまう。
セットしか選びようのない状況でも同様のために注意したいところである。
また通常魔法もしくは通常罠のみに限定されており、速攻魔法や永続罠と言ったカードは対象外なので注意しよう。
なおフィールド魔法であれば《テラ・フォーミング》《メタバース》を経由して擬似的にサーチすることが可能である。

ちなみにセットしたカードも何らかの手段でバウンスすれば使用することが可能。
例えば《ランカの蟲惑魔》は自分の伏せカードを自己バウンスすることが可能の為
  • ランカ召喚→《灰流うらら》で無効化→《三戦の号》発動→もう《灰流うらら》は切っているのでサーチはほぼ確定→伏せたカードをバウンスして使用。
という相手にとっては悪夢のようなコンボがこなせるのである。そこまでして使いたい魔法が【蟲惑魔】にあるかはともかく。

特に使われているのが制限、準制限のキーカードサーチ。
隣の芝刈り》を採用した60枚デッキ等ではよく見かけるので要注意。
また通常罠を主体とした【ラビュリンス】なんかでも採用されている。



【総評】

非常に強力な2枚のカードであり、捲り札としてのデザインながら先攻で使えなくもないという良い塩梅のカードである。
だが、やはりというかなんというか相手依存でもあるし、そもそも効果を使わせる必要があるというのは意外と無視できないデメリットである。
入れ得のように見えるが奥の深いカード群と言えようか。

タクティカルトライデッキの「終撃竜サイバー・ドラゴン」にはこの2種類が1枚ずつ入れられている為、手に入れやすいのも特徴の1つと言える。












このターンに相手が項目の作成をしている場合に発動できる。以下の効果から1つを選択して発動できる。
●記事を追記する。
●記事を修正する。
●デッキから追記・修正カード1枚を自分フィールドにセットする


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最終更新:2025年04月22日 19:28

*1 前述のようにドローフェイズで発動されたり、モンスターじゃない《無限泡影》などを食らわされる可能性はあるが。

*2 滅多に無いと思われるが、どれも選べない状況では発動自体ができない。