テラ・フォーミング(遊戯王OCG)

登録日:2019/08/13 (火曜日) 20:13:53
更新日:2025/06/16 Mon 01:57:22
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《テラ・フォーミング》とはカードゲーム「遊戯王OCG」に登場するカードである。
通称「テラフォ」。

通常魔法(制限カード
(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

【概要】


フィールド魔法カードをデッキからサーチするという極めてシンプルな効果を持つ。
昨今では多数のフィールド魔法が存在し、カテゴリ(カード名)、属性、種族サポートをするものが多く、
それらを手早くサーチするために重宝する。
「サーチ先のフィールド魔法を切り替えて使い分けるためのカード」にもできるのだが、ぶっちゃけそんな戦略を採用するデッキの方が稀(摩天楼2種や《フュージョン・ゲート》あたりを擁してた【E・HERO】くらい?)であり、
基本的には単なるフィールド魔法の水増しとして使われる。

欠点は先にフィールド魔法を引ききってしまうと腐ることだが、そこは手札コストにするなどしてフォローしたいところ。
特に《竜の渓谷》等なら手札消費効果があるので相性がいい。

このカードが登場した頃は、フィールド魔法はまだ「自分・相手含めてフィールドに1枚しか存在できないルール(上書きルール)」だったので維持が相対的に難しかったことや、
実用的なフィールド魔法が案外少なかったこともあって無制限でも何一つとして問題はなく、それどころかフィールド魔法がそれほど強くなかったということもあり、フィールド魔法を採用するデッキでもテラフォは採用されないことが結構あった。
アトランティスの戦士系統の専用のサーチモンスターがあるテーマだと間違いなくそちらが優先された。墓地に捨てて、フィールド魔法を発動し、そこから《リビングデッドの呼び声》だの《水の精霊 アクエリア》だのの展開の布石にしていける柔軟性があったからだ。
ただしそういう専用のサーチモンスターが存在しないテーマがほとんどだったため、このカードにも一定の需要があった。

《歯車街》あたりを皮切りにフィールド魔法がどんどん強くなってくると、「専用のサーチモンスターが存在しない実用的なフィールド魔法」がどんどん増えていくことになる。
そんなこんなで初登場から10年以上にわたって活躍してきたカードであるが、
フィールド魔法を軸としたデッキが環境を左右することが多くなった事を鑑みて、
準制限を経て、遂には制限カードへと規制されることとなった。
ちなみにストラクチャーデッキにはフィールド魔法を軸としたコンセプトのものが多く、結構な頻度で投入されているため、入手自体は容易。
ただし、ウルトラレアのこのカードはデュエリストセットに収録されたものしか存在しないのでそちらの入手は多少骨が折れる。

《テラ・フォーミング》とは惑星の環境を改善して住みやすくするという意味だが、
このカードの効果を使うと
環境悪くなってたり、改善とか関係ない状況になってしまうのはご愛敬。

【類似カード】

  • 幸運を告げるフクロウ
効果モンスター
星2/風属性/鳥獣族/攻 300/守 500
リバース:デッキからフィールド魔法カードを1枚選択し、デッキの一番上に置く。
「王家の眠る谷-ネクロバレー」がフィールド上に存在する場合、
選択したフィールド魔法カードを手札に加える事ができる。

フィールド魔法をデッキトップに置く効果を持つリバースモンスター
手札に加わるタイミングが如何せん遅く、使用するのであればドローソースを併用したい。
《王家の眠る谷-ネクロバレー》があると手札に加える事もできる。
しかし、《王家の眠る谷-ネクロバレー》が存在しているという事は、
既にフィールド魔法が存在しているという事であるのだが……。
デブリ・ドラゴン》で釣り上げれば、《ドラグニティナイト-ガジャルグ》のシンクロ条件を満たせ、
シンクロ召喚に使用した後は、《嵐征竜-テンペスト》のコストにもなれる。
ちなみに《テラ・フォーミング》とは同じパックで初登場している。


  • 惑星探査車(プラネット・パスファインダー)
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1000/守1000
(1):このカードをリリースして発動できる。
デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

自身をリリースしてサーチするモンスター版《テラ・フォーミング》。
大体の場合召喚権を使いがちでリスクも高いためか、上手く使えるデッキが限られているため規制はかかっていない。
効果で特殊召喚を行える&フィールド魔法を使う場合は、召喚権を使いがちになってしまうデメリットをカバーできる。
なお、デュエルリンクスではそもそも《テラ・フォーミング》がないので絶賛活躍中。


  • 終焉の地
速攻魔法
相手がモンスターの特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
自分のデッキからフィールド魔法カードを1枚選択して発動する。

遊戯王GXの名デュエル「十代vsクロノス先生」(2戦目)で使われたことで有名なカード。
ダメージステップに発動できないので原作再現できない事でも有名。
名前といいイラストの噛み合わなさといいちぐはぐな効果といい「アニメ第一話を再現するために作られたカード」という感が否めないのだが、これが独特な強みにつながっている。
効果は発動条件のついた《テラ・フォーミング》、手札に加えず直接発動するのでハンデスには強いが相手依存なのがネック。
特殊召喚自体が少ない上に《テラ・フォーミング》が無制限だった昔ならいざ知らず、現環境では特殊召喚を一切行わないデッキは稀であり、発動できるタイミングは意外と多く、実用性は大きく上がっている。
相手ターンに発動できるので妨害要素のあるフィールド魔法はこちらの方が良い事もある。
後述の《メタバース》より使い難い部分も多いが、こちらはサーチはしないことを逆手に取って《灰流うらら》に引っかからない利点もある。


  • 盆回し
速攻魔法(制限カード)
(1):デッキからカード名が異なるフィールド魔法カード2枚を選び、
その内の1枚を自分フィールドにセットし、もう1枚を相手フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードのいずれかがフィールドゾーンにセットされている限り、
お互いに他のフィールド魔法カードを発動・セットできない。

2種類のフィールド魔法をお互いのフィールドにセットして、他のフィールド魔法の発動を制限するカード。
速攻魔法なので相手のフィールド魔法発動にチェーンして妨害することも可能。
更に、《混沌の場(カオス・フィールド)》のような特定のカードがデッキにないと発動できないフィールド魔法を送り付ければ、相手は別のカードの効果で退かさない限り、フィールド魔法の発動すらできない。*1
また、《オレイカルコスの結界》に代表される大きなデメリットのあるフィールド魔法を送り付けるというパターンもある。
ただし、発動の制限は自分にもかかるため、何らかの要因で自分のフィールド魔法を退かされ相手に送り付けたフィールド魔法がセットされたままにされてしまうと、今度は自分が新たにフィールド魔法を発動できずピンチに陥る危険性もある。
フィールド魔法を2種類採用する必要があるものの、制限された《テラ・フォーミング》の代替として期待されていたが、
このカードもその後制限カードとなった。


  • ポップルアップ
速攻魔法
「ポップルアップ」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手のフィールドゾーンにカードが存在し、
自分のフィールドゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。
デッキからフィールド魔法カード1枚を発動する。

《終焉の地》同様速攻魔法でフィールド魔法を直接発動できる。
しかし、発動条件が「相手のフィールドゾーンにカードが存在する時」と更に相手への依存度が高くなっており、かなり使い難い。
初動に使うには《終焉の地》同様向かない為、妨害要素のあるフィールド魔法を発動したい。
適当に入れるとフィールド魔法を使わない相手に当たった時死に札になるため、サイドからの投入か環境次第ではメインから投入するなど環境や仮想敵を考えて使いたい。


  • メタバース
通常罠
(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。

《テラ・フォーミング》と《終焉の地》を足したような罠。
1ターン待つ必要があるがフリーチェーンなので使いやすい。
《終焉の地》同様に妨害要素のあるフィールド魔法は相手ターンで発動できるこちらも相性が良く、更に《終焉の地》と違い発動タイミングは選ばない。
《テラ・フォーミング》が準制限になってわずか1週間後に登場、と調整版ともいえるカードだったが、しばらくは罠という遅さが足を引っ張りそこまで採用されることは無かった。
しかし、それでも《魔鍾洞》など相性の良いカードが増えた為か、一時期は制限カードにまでなってしまう。
《魔鍾洞》が禁止カードになった次の改訂でようやく準制限、その次で無制限と段階を踏んで緩和された。


  • 救いの架け橋
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれデュエル中に1度しか適用できない。
(1):フィールドのレベル10以上のモンスターの種族が2種類以上の場合に発動できる。
このカード以外のお互いの手札・フィールド・墓地のカードを全て持ち主のデッキに戻す。
その後、お互いにデッキから5枚ドローする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「宝玉獣」モンスター1体とフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

墓地効果で「宝玉獣」とセットでフィールド魔法をサーチできる通常罠。
普通にセットしてから使用する場合の発動条件が厳しいため、基本的には手札・デッキから墓地に落とすギミックのあるデッキでないと使いにくいが、欲しいフィールド魔法+手札コストを同時に確保できるため見返りは非常に大きい。
そのためデュエル中1度しか使えない制約があっても採用する場合は基本的に3積みされる。
更に、セットでサーチされる宝玉獣は基本的に手札コストになる事が多いが、
    • 宝玉獣コバルト・イーグル→《救いの架け橋》はデッキに「宝玉獣」とフィールド魔法が揃ってないと発動できないため「宝玉獣」の素引き事故が起こり得るが、召喚権が余るデッキであるならこのカードを通常召喚して自身の効果でデッキトップに戻す事で素引き事故をリカバリーできる。
    • 宝玉獣エメラルド・タートル→「ティアラメンツ」融合モンスターの融合素材になれる水族であり、「ティアラメンツ」の共通効果による融合は素材をデッキに戻すタイプであるため素引きした場合や墓地肥やしに巻き込まれた場合でもデッキに戻しやすい。
    • 宝玉獣トパーズ・タイガー→永続効果で攻撃力2000になれる下級モンスターなので《インスペクト・ボーダー》の様なメタビート要員を討ち取ってロックを解除しつつ、メインフェイズ2での展開をサポートできる。
    • 宝玉獣ルビー・カーバンクル→レベル3の光属性モンスターなので【魅惑の女王】の様なレベル7闇属性を擁するデッキで《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》を完全体で呼ぶための素材になれる。
    • 宝玉獣レインボー・ドラゴン→レベル8なので【ホルス】の様なレベル8主体のデッキで《トレード・イン》を共用できる。
と言った具合にそれぞれの特徴を活かした活用がされる事もある。


デッキから追記・修正カード1枚を手札に加える。


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最終更新:2025年06月16日 01:57

*1 「混沌の場」や「セフィラの神託」といったカードは発動時の処理として強制で特定カテゴリのカードをサーチしなければならないためデッキ内にサーチできるカードが無ければ発動する事ができない。